概要
ゲイビ、ホモビ、ホモビデオともいう
異性愛男性向けのAVのようにストーリー仕立てになっているものも多い。
出演者は「モデル」と呼ばれる慣習がある。
異性愛者向けと比較してマーケットが小さくギャラもAV女優と比べれば格段に安いためゲイビデオ出演専業で食べていくのは殆ど無理と言っていい。
スカウトやメーカーサイト・ゲイ向け求人サイトで募集がかかったりして集められ、異性愛者向け作品のAV男優やウリ専と兼業していたりお小遣い稼ぎのバイト感覚の者も多い。
マッチョ系を好むユーザー向け作品の出演者には、部活で忙しくバイト時間の確保が難しい体育会系大学生が目先のお金に釣られるケースも少なくないと言われるが、その後プロやスポーツ分野以外の公人になった場合の顔バレリスクはときにAV女優以上に大きいこともある。
近年業界改善の動きが見られ女優は事務所所属が基本である異性愛向けAV業界より、ゲイビ業界は色々な面でユルく立ち遅れた部分も多く、経費もさらに厳しい。
尚、ゲイビデオは風営法対象外なので警察に処罰されにくく、業者も儲かる為、女性のAV強要よりも実被害数が多い。
しかし、上記の風営法対象外の為、警察が認知されにくく、暴対法などで対処するしかないので認知件数が実被害の割に少ない(逆に女性のAV強要問題は風営法適用されるので認知件数が高い。)。
「ネタ」「素材」としての広がり
本来の消費者層は性的少数者であるが、現在ではそれぞれの作品タイトルも異性愛者に広く知られている。
レスリングシリーズや真夏の夜の淫夢として総称される諸作品がニコニコ動画等を介して「ネタ」「素材」として共有されたためである。
独特な台詞回しや展開、俳優の滑舌の悪さが面白がられ、定型句としてもネットで広く使われているのが見られる。
それだけでなく、女性出演者含む出演俳優の容姿を否定・侮辱する内容の言葉・コメントも行き交っている。
ゲイやバイセクシャルにはこれを不快に思っている人も少なくない。
ネットだけでなくリアルでも所構わず使用されることにより、カミングアウトしていない(できない)LGBTの前でも「ホモネタ」が使われ、相手が友人で異議を唱えられない、自分の内面が露見しないようにスルーしたり笑うことを余儀なくされる、という事例も多数存在する。
時折、ゲイによる淫夢批判などが起きることがあるが、これは届きにくい。
初期淫夢民やなんJ民は実は比較的リベラルな派閥であるのだが、彼らの世代は昭和のマイノリティ迫害がさらに強かった時期とは違う。彼らの世代は生まれたときからマイノリティを大切にと教育されているため、マイノリティ=格上という認識がある。
そのため、LGBT、女、外国人、障害者などは「マスコミなどでも擁護的に紹介され、世間的に認められているマイノリティ」であり、テレビの規制強化などで面白いコンテンツを奪っていく敵であり、取り上げられない自分達こそ「本当のマイノリティ」あるいは「マイノリティに迫害されるマジョリティ」であるという意識が強い。
「ゲイ差別をやめろ」「淫夢民を追放しろ」などといっても「自称マイノリティが本当のマイノリティを迫害している」と考え、ますます過激化する傾向にある。
全体的な社会改革を回避するために一部マイノリティのみを重点的に持ち上げることで社会改革を達成したように見せかける、というアイデンティティ政治のしくみが変わらない限りこの対立は解消できないと思われる。
また動画投稿サイトにアップロードされている本編動画は制作会社の許可を得ていないものであり、これも作り手側から嫌悪されているが、中には淫夢営業も見られる。