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概要編集

90年代を代表するバラエティ番組である。

1992年夏から「笑撃的電影箱」のコーナー「進!電波少年」として日曜日の夜に放送開始。1994年春に独立した。

番組開始当初は、松村邦洋松本明子が企業や政治家に"アポなし"で突撃したり、体を張ったロケをメインに放送していた。後期になると、当時無名だった猿岩石による海外をヒッチハイクで横断する企画が人気を博し社会現象になった。この企画は、後にドロンズや朋友(伊藤高史チューヤン)に引き継がれシリーズ化された。しかし、1997年に松村降板騒動が勃発し、同年末に松村が降板。

1998年に番組名を「進!電波少年」に変更し、無名の若手芸人を中心とした過酷な長期企画がメインとなった。代表的な企画としてなすびの「懸賞生活」、Rマニアの「スワンボートの旅」、坂本ちゃんの「東大一直線」、矢部太郎の「外国人を笑わしに行こう」などがある。この時期には、「雷波少年」という姉妹番組も放送された。

最高視聴率は30.4%を記録し、一時期はお化け番組とまで言われるほど人気を得るが、マンネリ化や新企画がヒットしない状況が続き徐々に人気も落ちていった。この頃になると企画の過酷さが増してきて、若手芸人へのいじめだとバッシングを受けるようになり、さらに大晦日の特番で新年を迎えるカウントダウンをわざと2分ずらすという放送事故…というよりやらせを起こしたりして世間からの風当たりが一層強くなった。

しかもその大晦日というのは2000年から2001年、つまり21世紀へ変わるという100年に一度の記念すべき日であり、この特番も「21世紀を迎えるため」という趣旨で行われていた。カウントダウンのズレが判明した時点で顰蹙を買い、司会の松本が誤魔化そうとしても会場はどうしようもない空気となっていた。

当然視聴者から苦情が殺到し、BPOにも取り上げられる始末であり、番組側の回答も「“ユニークで楽しい年越しをしていただきたい”との意図の元に全編を通して「電波少年」的手法を用いましたが、演出的な不徹底もあり、それが上手く伝わらなかった」というお粗末極まりないものであった。


それでも懲りずに番組を続けていたが、視聴率の低迷で2002年9月に終了した。

翌月に「電波少年に毛が生えた 最後の聖戦」へタイトルを変更して放送を続けるも、内容自体は依然として変わらず、さらに番組内で不祥事も相次ぎ週刊誌でも再三やらせ疑惑が報道され、視聴率は上がるどころか悪化の一途をたどった。

これにより2003年1月11日で打ち切りとなり約11年続いた電波少年シリーズは終了した。


主な内容編集

  • 進め時代

MCである松本、松村が突撃同然のアポなしや命に関わる危険度MAXの企画を行うなど、もはや無茶振りと言ってもいいくらいの過酷な企画を行なって来た。特に人気を博したのは大物芸能人や政治家、人間国宝、更には総理大臣や大統領と言った国家要人レベルの人物にあまりにも無謀とも呼ばれる無茶振り企画だった。無論、これらは全てアポ無しである。しかし、それらの要望に対して彼らは快く引き受け、結果的にこれらの行為が福となり様々な方面から人気を博していった。だがその反面、各芸能事務所や報道局、政治団体、更にはスポンサー等からの苦情が相次いだのは言うまでも無い。また、1995年以降は松村、松本以外にふかわりょうキャイ〜ン等の若手芸人も参加し始めるようになり、脚光を浴び始めるが、それと同時に松村の活躍は薄れつつあった。更に当時は全くの無名だった猿岩石の半年にも及ぶヒッチハイク企画が有名となり、一気に彼らがブレイクしたことからアポ無しや突撃企画等から若手芸人の長期企画へと変わっていった。そして、末期には松村に対してモザイク処理をしたり、ナレーションに煽られるなど露骨な嫌がらせが行われるようになり、1997年大晦日を最後に番組を突如降板した。当時は松村が裏番組を見て欲しいと発言したことが発端とされていたが、土屋ディレクターによると初めから松村を番組改編で降板する予定で、松村の発言も初めから用意されていた所謂自作自演だった。一方で、松村自身は降板は番組内で知らされず、新聞で初めて知ったらしい。「進め!」としての放送は1998年1月1日が最後となった。


  • 進ぬ時代

1998年1月11日に「進ぬ」にタイトルを変更。MCの松村が降板した事でアポ無し企画は全て廃止となり、上記の若手芸人やタレントによる長期企画がメインとなった。企画に参加するのは主にデビューしたての新人や芸歴が2年にも満たず、テレビ出演はおろか仕事スケジュールが全くの白紙の無名芸人やタレントである。その為、企画に参加する以上、最低でも半年か1年間は番組に拘束され、目標を達成するまではたとえどんな理由があろうと自宅に帰宅することや日本に帰国することは許されず、たとえ肉親であっても手紙が電話で連絡を取ることしか許されない。(仕送りも禁止)また、企画参加中の所持金は予め番組が用意されたものしか使うことが出来ず、所持金が底をつけば現地でアルバイトをするか、新たに費用が支給されるまで無一文で生活しなければならない。無論、自腹を出費するのは禁止であり、中にはこっそりキャッシュカードを持ち込み、スタッフの目を盗んで貯金を引き下ろそうした所を目撃されて、結果的にカードも金も没収された事もある。なお、企画参加中は出演者の他にカメラマンとして同行ディレクターが1名付いてくるが、彼らは出演者が飢餓や体調不良の状態でも一切手出しはしない。さらに彼らは出演者の状況を局に伝える義務がある為、特別にホテルの宿泊や生活費の随時支給が許されている。但し、万が一出演者が生死に関わる危険に巻き込まれた場合はその場で救済処置を取り、直ちに主治医に連絡しドクターストップをかけるかどうか判断する。この余りにも過酷さが故に脱走やリタイアやドクターストップする者もおり、中には全く募集が無かった企画すらあった。なお、脱走やリタイアした者はその後ブレイクする事は無く、そのまま人知れずに芸能界を去っていくのが多い。

また、中にはリタイアした者にペナルティとして更に過酷な企画に挑戦させるケースもある。その例としてハルマゲドン企画をリタイアしたポプラ並木はその罰として後に雷波少年院という以前よりも更に過酷な監禁企画を強制的に挑戦する羽目となり、そこでも彼らは幾度の脱走を繰り返し、その度に人目の少ない秘境の地に連行され、監禁される羽目となった。


なお、この番組出身の著名人は後のMCチューヤンなすび髭男爵坂本ちゃんいとうあさこ森三中黒沢かずこ矢部太郎等多数いる。


なお、この頃にあった企画「電波少年的箱男」は川本文太が挑戦したのだが、この企画は自走できない上に中から出られない金属製のキャスター付きの箱に入り、人の善意でゴールを目指すものだったが、外から中が見えない事をいい事に川本の悪態が酷く果てはこの箱に遭遇した一般人に対して「貢がせてやります」と言った事が、さすがのTプロデューサーでも人の善意を踏み躙る川本の発言に激怒して説教したエピソードがある。今でいう炎上が起きてしまい、この有様の放送を見た者から悪意のあるイタズラをされた他に下剤を騙して飲まされたり川本の所持金が奪われる等(これは後に奪った者が彼に怒りを持った故の行動であり後日、日テレにきちんと返金してきた)、人の悪意までも知らしめる事となった。


  • 最後の聖戦時代

内容は進ぬ時代と変わらぬものの、日曜夜から土曜夜の1時間枠に変わり、企画も回転寿司生活、日本ポッチャリ党、ボスはホームレスの3つのみとなり、企画規模も縮小され日本国内に絞られつつあった。またこの頃から遠野市の河童騒動のやらせや鳩山由紀夫のコーラスによる誹謗などで各方面から大バッシングを浴びせられた影響で視聴率も一気に低下し10%にも満たなくなっていた。また、徐々にエスカレートしていく企画の過酷さと人権無視、タレントの痛々しさから視聴者は次々と離れて行きBPOの審査にも入れられる様になり結果、日本テレビはこれ以上の放送継続は不可能と判断しわずか1クール(3ヶ月)で終了し、約11年にも及ぶ電波少年シリーズにピリオドが打たれた。


番組終了後編集

「最後の聖戦」終了後は、次の改編期となる4月までのつなぎとして「雲と波と少年と」という番組を放送した。タイトルに「波少年」が入っているが、内容は電波少年とは全く似つかない癒し系ドキュメンタリー番組だった。しかし、この番組もスタッフの不祥事によりわずか6回で打ち切りとなり、次の新番組(エンタの神様)が放送されるまでの1ヶ月間は電波少年の総集編などを放送して凌いだ。


2021年1月より、「電波少年W」というタイトルで18年ぶりとなる電波少年シリーズが復活した。ただし、従来の過激な企画を行うのではなく、テレビ局の垣根を越えて各局のテレビ番組を制作するプロデューサーなどをゲストに迎え、昔の番組の映像を見ながらエピソードトークをするのがメインとなっている。そのため、各キー局の映像を使用するにあたりWOWOWで放送されることになった。同番組は約1年間にわたり放送された。


出演した芸人達のトラウマ「インペリアル・マーチ」編集

ダースベイダーのテーマとして定番の「インペリアル・マーチ」が、電波少年の演出兼プロデューサーであるTプロデューサー(土屋敏男)の登場シーンに使用されている。新企画を行う際に、ターゲットとなる若手芸人を連れ出す際に登場することが多く、大抵はアポなしで突然現れる。企画内容や詳細を一切言わず「行こうか!」とだけ言ってアイマスクとヘッドフォンを付けさせて車に乗せ、撮影現場まで連行するのがいつもの流れである。連れ出されてきた若手芸人はこれからひどい目に合うことが分かっていても企画を断ることもできず、大抵はTプロデューサーに対してトラウマを植え付けられる。

企画終了後もこの曲を聞くだけでTプロデューサーが現れるのではないかという衝動に駆られトラウマ曲となっているらしく、その後電波少年とは全く関係ない所で「インペリアル・マーチ」が聴こえただけで身構えてしまう事がしばしばあったという。そのトラウマレベルは街で携帯電話の着メロで「インペリアル・マーチ」が聞こえただけで戦慄したと語る芸人もいたほど。


外部リンク編集

その他、細かい詳細は外部リンク参照。


電波少年シリーズ(Wikipedia(外部リンク)


関連タグ編集

ウッチャンナンチャンのウリナリ!!:Tプロデューサーの担当番組つながり。『ウリナリは電波少年によって打ち切りに追いやられた』という意見がある(詳しくは『ウリナリ解散総選挙』を参考)。


水曜どうでしょう:アポなしや無茶振り企画など似たもの番組つながり。「雷波少年」の企画「雷波少年系ゴミ生活」は、どうでしょうの「粗大ゴミで家を作ろう」の模倣ではないかという声も上がった。


ガメラ大怪獣空中決戦:製作段階ではコラボレーションが検討されており、本番組のマスコットであった「バウバウ」がゲスト怪獣として登場する事も考案されていた。そして、平成ガメラは『水曜どうでしょう』との関連性も強い。

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