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概要編集

怪獣特撮映画ガメラシリーズ”において、平成時代に入ってから作成された通称「平成三部作」を指すものである。

大映倒産に伴い、同社を子会社化した徳間書店によって製作されたため、一部で徳間ガメラと呼ぶ向きもある(徳間書店製作という点では『宇宙怪獣ガメラ』も同様だが)。

同じ平成時代でも、後に角川書店が徳間書店および大映を吸収した後に作ったシリーズに関してはこちらを参照。


3作とも金子修介が監督、伊藤和典が脚本を務め、悲願のコンビ実現となった。

また特技(特撮)監督を、第1作当時まだ32歳だった樋口真嗣が担当し、1作あたり5億円という低予算の中ながら、まるでもう一つの現実を見ているような大迫力の特撮を実現し、その手腕は広く知られることとなった。


いわゆるリブート作品であり、昭和ガメラとは完全に隔絶した世界観を持つ。ガメラの設定は新たに一から考案されており、特にギャオスとの関係はシリーズを通して重要な意味付けがなされている。

怪獣映画」というジャンルにおいて、超古代文明の存在や神話との比定といったファンタジー的な要素を含みながらも、徹底的にリアリティを追求したハードな作風が特徴。

それまでのゴジラシリーズとは違い、超兵器や専門対策組織が一切登場しない。活躍するのはあくまで自衛隊であり(自衛隊も撮影に全面協力してくれている)、従来のゴジラシリーズのように架空の超兵器を運用する事はなく、その装備や活動も現実に即している。それもあってか、自衛隊の動きや会話がリアルであり、且つ『ガメラ2』ではレギオンに対して大活躍をしたため、本シリーズは「自衛隊がめっちゃかっこよく見える映画」として有名である。


藤谷文子は本シリーズの草薙浅黄役で一躍有名になり、その他にも中山忍螢雪次朗小野寺昭水野美紀前田愛亜季姉妹等豪華な俳優や女優達が華を添えた。


三部作の各主題歌は、爆風スランプウルフルズユリアーナ・シャノーによる。


なお、伊藤・金子以前の脚本の一つは「小中ガメラ」と呼ばれ、小中兄弟によって製作された。「小中ガメラ」のアイディアが使われたのが、「小さき勇者たち GAMERA」と「デジモンテイマーズ」である。ちなみに、「ガメラ3」と劇場版「デジモンアドベンチャー」は同日に封切され、「ガメラ3」のプロデューサーはデジモンアドベンチャーを絶賛し、「このような映画を作らないとダメだ」と述べている。


しかし一方で興行収入は伸びず、観客動員数は90万~120万を推移。決して低すぎるという数値ではなかったが、仮想敵となる「平成ゴジラ」vsシリーズの観客動員数が200万~420万だったことと比べるとその差は歴然であった。しかも「平成ゴジラ」ワースト記録を出した「ゴジラVSビオランテ」は、結果として平成ガメラの二倍近い売り上げを出したにもかかわらず「このままでは打ち切りもあり得る」と懸念され、当初考えられていた「ゴジラでない怪獣を主役としたスピンオフシリーズ」も制作中止が言い渡されたという逸話がある。「ゴジラ終了後のシリーズ化」を目標に制作された「ヤマトタケル」も観客動員数170万と十分な成績を出したにもかかわらず「ゴジラシリーズには及ばない」として、一作のみに終わっている。

そうした情勢を鑑みると、平成ガメラ三部作の興行成績はかなり厳しい結果となった。


2020年には「ガメラ生誕55周年」を記念し、ドルビーシネマ向けに新たにグレーディングと音響調整が施されたHDRバージョンが制作され、同年11月2021年4月にかけて上映された。

また、同年10月頃にはスマホアプリ『戦姫絶唱シンフォギアXD』にてコラボイベントが開催され、20年越しの真の最終章と呼べるシナリオが展開されている。



独自のガメラ像編集

ガメラ2png画像UPテスト ギャオス

  • 古代文明によって創造された怪獣兵器
  • 行動目的はギャオスとそれに類する物、および地球環境に悪影響を及ぼす存在の殲滅。
  • 子供の味方ではなく、生態系の守護神。
  • 人類も地球の一部として守護するが、3作目では環境破壊が進み、ガメラ自身も大量のギャオス相手に余裕がないため、人類への被害に無頓着になりつつある。
  • 自己進化能力を持っており、3部作中で姿が変わるが全て同一の個体とされている。また、単一の存在ではなく過去に他の同種の別個体またはガメラを産み出す過程での失敗作が存在していた事を仄めかす描写がある。
  • 兵器としての制御装置の名残なのか、素質を持つ人間であれば特殊な物品を介して交感する事ができ、ある程度はその意を汲んだ反応を示す。
  • 地球の生命力そのものとされるエネルギー「マナ」を操る能力を持ち、そのバランスを保つ要石的な役割を与えられているとされる。

ちなみに、劇中世界において中生代絶滅しており、恐竜と同じような扱いになっているという裏設定がある。ガメラを見ても誰も「でっかい亀の怪獣」言わないのはそのためである


作品一覧編集

ガメラ大怪獣空中決戦編集

第1作。1995年3月11日公開。

悠久の時を超えて蘇った謎の巨大怪生物「ギャオス」「ガメラ」と人類のコンタクト、そして二大怪獣の天地をまたいだ対決を描く。


ガメラ2 レギオン襲来編集

第2作。1996年7月13日公開。

宇宙から飛来し、地球での営巣を図る群体怪獣レギオンと、ガメラおよび人類の総力戦を描く。


ガメラ3 邪神覚醒編集

第3作。1999年3月6日公開。

際限なく出現するギャオスと、その殲滅に明け暮れるガメラの戦いが激しさを増す中、かつてガメラの戦いの余波で家族を殺された少女・比良坂綾奈が、ひょんなことから最悪の邪神を目覚めさせてしまい、まだ赤子ほどの大きさのそれに導かれるかのように可愛がり、ガメラに匹敵するほどまでに育て上げ、やがて邪神と共に復讐へと踏み出す。


後日譚編集

ガメラ4 真実編集

落語家・林家しん平氏による非公式の自主制作映画。

イリスが滅んだ直後のギャオスの群れ、および突然変異体アルビノギャオスとの戦いを描くと同時に、ガメラとギャオスの生態メカニズムの真実に迫る。


ガメラ 大怪獣絶唱編集

スマホゲーム『戦姫絶唱シンフォギアXD』におけるコラボイベントシナリオ。

ギャラルホルンのアラートを受けてイリスが滅んだ数十年後の平成ガメラユニバースに送り込まれた装者たちが、新たな脅威・ジズと再び地球に飛来したレギオンを駆逐するべく、現地の自衛隊と協力して立ち向かう。


余談編集

ガメラ2』でレギオンが札幌を襲撃するシーンでは鈴井貴之の経営する芸能事務所オフィス・キューのタレントが多数登場している。レギオンに襲われる地下鉄の乗客役で大泉洋(ただし、鈴井のミスでエンドクレジットに名前が記載されなかった)、隕石落下の急報を伝える自衛官役で安田顕、それを聞いて穂波碧と身を寄せ合う少女の役で西島まどかが出演している。さらに、鈴井貴之自身も札幌市職員役で出演している。


これに因んでか、その後、鈴井・大泉・安田がレギュラー出演することになったHTBのバラエティー番組『水曜どうでしょう』では『大怪獣空中決戦』と『ガメラ2』のBGMが次回予告を中心にちょくちょく使用されている(次回予告に至っては完全に『ガメラ2』の予告編を再現したパロディになっている)。


ちなみに、藤谷文子の父スティーブン・セガールも、平成ガメラと同時期にリメイク企画があった大魔神の主演を務める予定があった。


関連タグ編集

ガメラシリーズ


ガメラ2000:本シリーズのスピンオフとして制作されたゲームだが、世界観は第一作『大怪獣空中決戦』終了後より分岐したものとなっている。


巨神兵東京に現わる:樋口真嗣が監督、ガメラ3のメイキングビデオを総監督した庵野秀明が製作をした特撮短編。作中の演出もいくつかの点で平成ガメラの影響を受けている。なおスタジオジブリも平成ガメラ展開の頃は徳間書店の傘下でありガメラシリーズと巨神兵の版権元であるスタジオジブリ作品は同期の間柄の時期があったという繋がりもある。


Fukushima50:ガメラシリーズの関係者が関与しており、平成ガメラ3部作をオマージュしていると判明している。


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