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概要

冒険王に掲載された手塚治虫漫画作品。巨大ロボットとその人工知能として作られた少年物語であり、鉄人28号と同じく主人公ガロンは「ある時は正義の味方、ある時は悪魔の手先」という視点で描かれている。

第1部でガロンとピックはの底に沈むが、好評につきその後も続きが描かれた。しかし手塚治虫の殺人的なスケジュールにより、後半のペン入れ代筆に次ぐ代筆であり、評価はあまり高くない。その都合上、手塚の死後まで第2部以降は単行本収録が見送られていた。

ただし世界中を駆け巡りロボット怪物を叩き潰し、最終的には太平洋戦争時代までタイムスリップするというとんでもない展開については評価する者も多い。


後にガロンは「鉄腕アトム」や「マグマ大使」にも、同様の惑星改造ロボットとして登場する。


2013年、大阪芸術大学と手塚プロの共同で22分のショートアニメが作成された。


あらすじ

ある日突然隕石に乗って落ちてきた謎の魔神像「ガロン」。東京大学の俵教授と助手の敷島はガロンの蘇生に挑むが、復活したガロンに破壊された研究所の瓦礫の下敷きになり俵教授は事故死してしまう。ガロンはその力を制御できず暴れ回るが、それもそのはず。ガロンは人工知能となる「ピック」とはぐれていたからだった。

実はガロンは宇宙人が地球をテストするために送り込んだメカであり、それを悪用するようならば地球は抹消されてしまうのだ。ガロンの無限大の力を巡り、正義と悪の争奪戦が始まる。


ガロン

魔神ガロン3面図

ガロンは人間男性に似た姿をしており、にはピックを収納するためのが開いている。大きさはサイズによってまちまちであるが、10mを上回ることはないと思われる。

怪力を有し、徒手空拳の一撃で戦車列車を破壊するほど。自身の数倍の巨体を持つタランテラの母艦に突撃されても、素手で受け止めてひっくり返してしまった。

主な能力は指先から放つ熱線で、戦車でも岩盤でも容易に溶かしてしまう。目からも一瞬で鋼鉄を溶かすレーザーを放つ。

身体も極めて頑健で、近代兵器では傷1つ付かないが、ガス爆発の衝撃で機能停止してしまう。また、ピックが死んでもガロンが無事であれば、一旦分解して再構築する事が可能。


ピックとガロンは2人で1人であるが人格は別であり、人語を介することも出来る。性格は非常に気まぐれで暴れん坊であり、野放しにしておけば周囲の人々を虫でも払うかの如く殺してしまうが、野鳥が自身に撃たれた流れ弾で死んだ事にショックを受けるなど繊細な所もある。ピックからもガロンのわがままぶりは「お前は何でもぶっ壊すし人も殺すから嫌いだ」と言われている程であるが、あまりにも説教され過ぎた際にはを流してしょんぼりしてしまうなど、本当にめんどくさい奴である。


アフリカ編では地球の悪人がガロンを量産化したのだが、地球の技術では到底本物のガロンには及ばず、チョップ一発でぶっ壊されたのを皮切りに全て跡形も無く破壊されてしまった。


ピック

東北に落ちた隕石の中から見つかった赤ん坊。その正体はガロンの別付けAI(あるいは良心回路)であり、ガロンの胸に入る都合上、5歳くらいで成長が止まってしまう。村の分校の校長(演:ヒゲオヤジ)に拾われ、その日に生まれた息子・ケン一と一緒に育てられた。戸籍名はケン二だがピックと呼ばないと反応しない。

純粋無垢な性格で、一応10歳のはずだが精神年齢も見た目通りで悪者の勧誘に乗ってしまいそうになったこともある。一方で、上記の通り自身が搭乗していないガロンの乱暴振りは嫌っており、夫婦喧嘩のようなやり取りをよく行っている。


鉄腕アトム客演時のガロン

「アトム対ガロン編」にて異星人の作った惑星開発用ロボットとして登場。

事故によって地球に飛来し、調査に訪れたお茶の水博士アトムの手によって組み立てられたが、得体の知れないガロンの力に危機感を覚えたお茶の水博士ら調査団はガロンを破壊することを決意。しかしその夜、落雷によってガロンは起動してしまい、無分別に暴走してしまうことになった。


軍隊の出動によって一度は追い詰められたガロンであったが、ガロンに興味を抱いていた天文学者の天川博士(演:レッド公)の手によって救い出され、とある無人島にて実験をさせられる事になった。

外宇宙の神秘を解き明かしたい天川博士は、ガロンが開発用ロボットであったことに目を付け、無人島の環境をガロンの生まれ故郷と同じ環境に作り替えることを命じることに。嬉々として無人島を開発するガロンと、ビームの影響による錬金術プラチナダイヤモンドがゴロゴロ生成された)など様々な発見に喜ぶ天川博士だったが、一つ誤算があった。なんとガロンは周辺の空気までも故郷と同じ組成に作り替えてしまったのである。

このため天川博士は窒息死してしまい、無人島を中心に殺人気体が地球全体に広がり続ける未曾有の危機を招いてしまった。


ガロンをなんとかするべく立ち向かうアトムであったが、一切の燃料補給を必要とせず、水爆ミサイル蒸発させてしまうガロンには歯が立たない。そこでアトムは一計を思いつく。環境を作り替え続けるガロンに、「一分間だけ無人島の重力も故郷と同じものにしてみろ」と提案してみたのである。

その気になったガロンは重力まで操作して見せたが、地球に比べガロンの故郷は重力が弱かったため、気体のバランスが崩れた無人島は凄まじい上昇気流に飲み込まれ、ガロンは地球圏外に吹き飛ばされてしまった

こうして怪物の暴威を知恵でかわしたアトムであった。

…ところで、もしガロンの故郷が地球より重力が強かったらどうするつもりだったんだろう?


マグマ大使に登場するブラックガロン

人間モドキ作戦を台無しにされた宇宙の帝王ゴア地球降伏のための脅しの手段として、宇宙から招来した惑星改造用人造人間(ゴア曰く「ロボットでもサイボーグでもない」)。名前の通り、原作やアトムと戦った個体とは違い全身が黒一色。

既存の個体とは異なり第三者が組み立てなくても勝手に寄り集まって元の姿に戻ることが可能なうえ、自力で分裂してゲッターチェンジのように攻撃を回避することも可能。したがって、単純な殴り蹴りだけでは絶対に倒せず、破片をすべて破壊しなければ完全に息の根を止めることは不可能と、戦闘力は恐らく通常ガロン以上。ゴアによれば、ブラックガロン1体で地球は1週間あれば月と同じ死の星にできるとのこと。


頭脳であるピックをゴアが抜き取った状態で地球に降下させられ、その衝撃でバラバラになるも、寄り集まって復活し惑星改造を開始する。当初はアホのふりをしてマグマを油断させるも、宇宙まで引っ張り出された途端に本性を現し、マグマを粘土のようにグシャグシャに潰し殴って地球を一周させ圧勝する。

これに危機を覚えたアース様モルガムにマグマの残骸を回収させ、ゴアと交渉し宇宙の創造者カオス様に談判を申し込む。カオス様は「そんなことでいちいち呼び出すな、戦いたきゃ1か月後にマグマとブラックガロンを直接南極決闘させて決めろ」と裁定を下し、一時ブラックガロンはゴアの下に回収され、マグマも修復された。


一方、ピックさえいればブラックガロンはおとなしくなると知ったガムはゴアの母艦に侵入し、ピックを攫う。発覚を恐れたゴアの部下たちは偽物のピックを作って隠蔽するという愚挙に出たため、ゴアは決闘中までピックが攫われたことに気づかず、知ったとたんにその間抜けな部下を処刑し、自ら日本に向かいピックの奪還に向かう。

ここでピックを始末していれば、ブラックガロンを止める者はいなくなり、マグマは修復不可能なほど破壊され(た後に暴れ続けるブラックガロンを地球外まで追放するのが大変ではあるがそれは置いといて)地球はゴアの物になるはずだったが、ここにきてゴアの子供好きなホトケ心が出てしまい、手をこまねいているうちに駆け付けたモルがピックを攫って南極まで逃走してしまう。

最後はモルがピックをマグマに渡したことで、ブラックガロンはおとなしくなり、ピックを胸に入れ、ゴアをあっさり見限ってマグマと和解してしまった。


見苦しくゴアは南極大陸ごとアース様一派を葬り去ろうとするが、自身の裁定を無視したカオス様が怒鳴り散らし、這う這うの体で地球から逃げ去ることとなった。

なお、連載時にはこの後『サイクロプス編』が描かれるのだが、大部分が代筆のため、現在の単行本では未収録となり、ブラックガロンが事実上のラスボスになっている。


関連項目

SF マグマ大使 ビッグX サンダーマスク

アトムハートの秘密ラスボスとして悪の魔導士シャラクが搭乗する。

アストロガンガー…国産初のカラーロボットアニメで、決定稿は本作を踏襲したと言える。 此方も最終回はガロン程では無いが、痛み分けのバッドエンドであった。


魔神王ガロン永井豪による、本作の続編的な作品。ガロンとピックがタイムマシンにより、未来へ姿を消してから40数年後の西暦2007年。13の隕石が飛来し、それぞれが新たな魔神となって、互いに戦い合う……という内容。本作のガロンは、主人公の明王真が、UFOの金属片に触れたために変身したもの。また、他の12の魔神に変身するのは、手塚作品のキャラ達である(スターシステムで、元のキャラクターたちを彷彿とさせる魔神にそれぞれ変身する)。

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