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概要編集

通称、東大。日本で最初に設立された大学にして、国内最難関で国内最高峰の大学と考えられる。

「最高学府」と呼ばれることもあるが、これは最も程度の高い学問を学ぶ学校。通例、「大学」を意味し、東京大学のみを指していうのは誤用とされる。

1877年(明治10年)に設立されたため、現在でもマンホールのフタに「帝大」と記されていたり、一部の建物の表札には旧字体で右から読むものがあったりと歴史を感じるディテールが多く残されている。


英語名は公式には「The University Of Tokyo」で、略称は「UTokyo」または「UT」。


キャンパス編集

研究所や関連施設を合わせれば首都圏はもちろん全国各地に敷地があるが、学生が通う主要なキャンパスは本郷駒場の3ヶ所である。


本郷キャンパス編集

東京都文京区に存在する本部キャンパス。学部3・4年生と院生の大半がここに通う。正式には本郷キャンパス・弥生キャンパス・浅野キャンパスの3キャンパスが道路と若干の住宅地を挟んで隣接しあっている構造であるが、これらを総称して本郷地区キャンパスという。

東大の看板とも言える安田講堂赤門(メイン画像)などの有名なランドマークがある他、医学部付属病院もここにある。また紅葉の時期には銀杏並木を見に訪れる人も少なくない。

本郷キャンパスの敷地は江戸時代に加賀藩の屋敷が存在した場所であり赤門はその門が残されたもの。おそらく東大の門として最も有名ではあるがあくまでも正門ではない。正門は安田講堂正面にある金属製の門である。


最寄駅は東大前駅本郷三丁目駅春日駅根津駅である。


駒場キャンパス編集

東京都目黒区に存在するキャンパス。科類に関わらず1・2年生は全員ここに通う。3・4年生や院生は理学部数学もしくは教養学部およびそれらの上に位置する大学院に進んだ場合のみ駒場に通い続けることになる。学部1・2年生が大半を占めるキャンパスであるため、平均年齢が若くサークル活動も活発なことから本郷に比べて活気がある。また、渋谷に徒歩で行ける好立地でもある。

池の上駅方面にやや離れた場所に「駒場IIキャンパス」も存在するが、こちらは生産技術研究所などが立地しており主に工学系の院生の一部が通うことになる。


最寄駅は駒場東大前駅。正門の目の前にある。


柏キャンパス編集

千葉県柏市にあるキャンパス。東京大学なのに東京じゃないと突っ込んではいけない。学部生向けの授業は基本的に行われず、院生がメインのキャンパスである。ただしここに拠点を置く研究室の中にも工学部などから学部4年生を採っている場合があり、そうした所に4年生で配属された場合には学部卒業前にここに通うことになる(研究のみを行い、授業は本郷などで受けるケースが多い)。


最寄駅は柏の葉キャンパス駅江戸川台駅などがあるが、いずれも至近ではないためバスの利用が推奨される。


入学試験編集

文科I類 文科II類 文科III類編集

  • 国語 120点
  • 英語 120点
  • 数学 80点
  • 社会2科目(日本史、世界史、地理)120点

計550点満点

理科I類 理科II類 理科III類編集

  • 国語 80点
  • 英語 120点
  • 数学 120点
  • 理科2科目(物理、化学、生物、地学) 120点

計550点満点


大学のシステム編集

リベラル・アーツ教育を標榜している東京大学は他の多くの大学とは異なるシステムを有している。1・2年生の間は全員「前期教養」と称して文理を問わず幅広い知識を学び、そこではじめて専門を決めて3・4年でいわゆる「学部・学科」に所属することになる。


前期教養課程は文科一類、文科二類、文科三類、理科一類、理科二類、理科三類の計6科類で構成されており、駒場キャンパスに拠点を置いている。一方3・4年の学部(後期課程)は文・法・経済・教育・教養・理・工・農・薬・医10学部から構成され、ほとんどは本郷キャンパスを拠点とする。


受験の際には前者6つのうちひとつを選んで出願するが、これらの間には必修科目の差異や3・4年で行く学部・学科へ割り当てられる定員の差などがあるものの原則としてどの科類からどの学部学科へ進むことも可能で(文理が違っても構わない)、非常に良い成績を取っていれば理3でない者が医学科に進むことすらできる。


とはいえ概ね傾向はあり、

  • 文1→法学部
  • 文2→経済学部
  • 文3→文学部、教育学部
  • 理1→理学部(主に物理系・化学系など)、工学部
  • 理2→農学部、理学部(主に生物系・化学系など)、薬学部
  • 理3→医学部医学科

がよくあるパターンとなっている(繰り返すが、これにあてはまらない者は数多くいる)。ちなみに教養学部は前期教養にちなんで「後期教養」と呼ばれることが多く、文理問わず学際的な分野を志す者が進む。この3・4年の専門を決める通称「進振り」は2年の夏から秋にかけて行われ、1年半の成績をもとに高い者から順に希望の場所へ振り分けてゆく。ゆえに人気学科に行きたい場合や、自分の科類からの定員が少ないところへ進路転換をする場合には苦労が伴うことも多い。

なお、この入学後に学部学科を決めるシステムは東大独特のものではなく、北海道大学(一部の学生が対象)や東京工業大学にも類似した制度が採用されている。


前期教養では「クラス」という概念がある。人数の関係上文1と文2、理2と理3は混合クラスとなっている。第二外国語(全員必修)の選択を基準に分けられるため、違う言語を選んだ人と同じクラスになることはない。なお、ロシア語のみなぜか文系全科類・理系全科類それぞれ混合のクラスである。ちなみに第二外国語として選べる言語はドイツ語フランス語スペイン語イタリア語ロシア語中国語韓国語の7択。


なお、大学院は更に組織が細かく分割されており、

人文社会学 法学政治学 経済学 教育学 総合文化(教養学部に相当)

理学系 工学系 情報理工学系 数理科学 農学生命科学 医学系 薬学系

新領域創成科学 学際情報学 公共政策


15の研究科がある。具体的には、理学部から数学科がひとつの研究科として独立し、理学部・工学部の情報系学科がそれぞれから離脱・合体して別のひとつの研究科を形成、そして大学院のみ存在する研究科が3つ(最下段)追加されている。


多くの大学は1コマ90分授業だが、東大は105分である。


学生の人物像編集

国内トップレベルの大学とあって全国各地から学生が進学してくるが人数的には東京都内もしくはその近傍(首都圏)出身の人がマジョリティであり、また平均以上に経済力のある家庭で育った人が比較的多い。その背景には都市部の方が進学校や予備校などが多いこと(かつ関西など他の都市圏では優秀な学生でも地元志向で京都大学など地元に近いところを選ぶ場合がある)、そして子供の教育に十分な投資ができる財力がある方が有利なことがあり、出身層には割と偏りがある。


男女比もかなり偏っており、全体でもおよそ4:1で男子学生のほうが多い。その中でも女子は比較的文科系や生物系などに多い傾向があるため、物理系・工科系の学科では9割以上が男というケースも珍しくない。これは大学内外からたびたび問題視されることがあるものの、そもそも志願者の時点で女子が少ないという背景があったりする。これを受けて大学当局は女子学生向けに家賃補助を出したり(逆に不公平だという否定的意見も多く上がったが)、女子学生による母校への勧誘を推進したりと手は打っているが、今のところ大きな変化は見られていない。こうした事情もあってサークルは他大学(特に都内の女子大)と合同のインカレである場合が多い。


また、全学生のうち現役入学者が60%以上を占めており、残り40%弱もそのほとんどが1浪で2浪以上は少数。高専から理系学科への編入者や一旦社会に出てから入ってくる人(→実例)なども例年存在しているが、やはりごく僅かである。


ステレオタイプとしては外見的に「いかにもなガリ勉メガネ」といったイメージで想像されることが多い(このようなベタなイメージに当てはまるのが後述の「イカ東」と呼ばれる者である)。ただ実際のところは勉強だけでなくスポーツも得意なタイプや楽器演奏の特技がある人などマルチな能力を持つ者も少なくなく、余暇にはサークルや趣味に興じ、ある者は部活に打ち込むといったように、(少なくとも世間で思われているよりかは)普通の大学生像に近いと言える。


スポーツ編集

上にも述べられた通り東大というととにかく勉学というイメージもつきまといがちだが、中にはプロ野球選手になった人物や箱根駅伝の学連選抜に選ばれた選手もおり(チームとしても過去1度箱根に出場している)、アメフト部、ラクロス部などが関東1部リーグに属していることから、私立のようにスポーツ推薦で選手を集められないことを加味するとそこそこ健闘していると言える。


本郷・駒場両キャンパスに有する運動場や体育館、武道場の他に千葉市花見川区に検見川総合運動場を持っており、実は1964年の東京五輪でクロスカントリー競技の会場として使われていたりする(2021年の東京五輪では使われない)。


東大用語編集

東大生の間で日常的に使われている、独特の用語や言い回し(隠語)が多く存在する。下記の隠語は他の大学でも通用するものも多く、必ずしも東大特有というわけではない。

用語読み仮名意味備考
イカ東イカとう「イカにも東大生」の略。特徴的な身なりや言動から定着したと言われる。
マーク下まーくした渋谷マークシティ(井の頭線渋谷駅)1階ピロティ部分のこと。東大生(主に駒場生)が渋谷で待ち合わせるとき、ここを使うことが多い。
銀杏並木伝説いちょうなみきでんせつ東大新入生の女子が、その年の銀杏の葉が散り切るまでに彼氏ができないと卒業まで彼氏ナシになるという都市伝説の一種。
同クラおなくら前期教養で同じクラスの人を指す。なお、自分と同じ科類・クラス番号で年が違うクラスの人のことを「上クラ」「下クラ」「孫クラ」などともいう。
シケ対シケたい「試験対策委員」の略。授業をもとにシケプリを作成するクラス内の担当者。学科によっては、3・4年でも存在している。
シケ長シケちょう「試験対策委員長」の略。シケ対を割り振る。東大内の人脈が多い方が過去問やシケプリの収集に有利なため、多くの東大生を輩出する高校の出身者が務めることが多い。
シケプリ-「試験対策プリント」の略。シケ対のメンバーが授業をまとめて作るプリント。
大仏おおほとけ非常に楽に単位を取れる教員のこと。「ダイブツ」ではない。大仏ほどではないが比較的楽な教員は単に「仏」と呼ばれる。
大鬼おおおに大仏の逆。上記同様、単に「鬼」もある。
逆評定ぎゃくひょうてい◯学生が教員を評価した口コミのこと。◯毎学期、学内サークルにより発行、販売される。×時々どうでもいいことが書いている。「大仏」「大鬼」などはすべてこれに由来する。
ALESS/ALESAあれす/あれさ英語で論文を書くトレーニングを行う1年生向けの授業。前者は理系全員・後者は文系全員が対象でどちらも必修。
進振りしんふり3・4年の学部・学科を決めるイベント。2年の夏休み中に行う。
降年こうねん進振りに失敗もしくはやり直し希望のため、次年度の進振りに参加すること。現象的にはほぼ留年と同義だが、多くの場合このケースのみをこう呼び分ける。
駒バックこまばっく本郷に拠点が移ってから、単位を取りそびれた駒場での授業を再履修すること。稀に、3・4年生で本郷に行ったのち院で駒場の研究室になることを指すこともある。
平均点合格へいきんてんごうかく第二外国語など一部の駒場必修は、不可を貰ってもその系統の全授業でとった点数の平均が一定以上であればお咎め無しになる。この条件を満たせなければ再履修の必要がある。
運動会うんどうかい一般的にいう「体育会」のこと。東大生がウンドウカイと言うと体育会(の部活)を指すことが多い。所属団体は全て「東京大学運動会◯◯部」と名がつく。
五月祭ごがつさい本郷キャンパスで5月下旬に2日間行われる学祭。「さつきさい」は誤読。
駒場祭こまばさい駒場キャンパスで秋に3日間行われる学祭。この期間のみ、駒場東大前駅に普段止まらない急行列車が臨時停車する。

こちらも参照。

東大塾HP・大学情報・東大用語集

【オリパンフ】東大用語集・オリ合宿~it is enjoyable~

東大用語集@はてな


主な東京大学卒業生編集

前身の東京帝国大学出身者を含む。Pixivに項目のある人物のみ。

政治家編集

首相経験者:加藤高明/若槻禮次郎/濱口雄幸/広田弘毅/平沼騏一郎/幣原喜重郎/吉田茂/片山哲/芦田均/鳩山一郎/岸信介/佐藤栄作/福田赳夫/中曽根康弘/宮澤喜一/鳩山由紀夫

閣僚経験者:松平恒雄/井野碩哉/安倍晋太郎/中川昭一/町村信孝/仙谷由人/鳩山邦夫/亀井静香/細田博之/舛添要一/福島瑞穂/岡田克也/谷垣禎一/平沢勝栄/片山さつき/与謝野馨/原口一博/丸川珠代/今村雅弘/加藤勝信

都道府県知事:太田房江/山下真/米山隆一/大村秀章/伊原木隆太/加戸守行/三村申吾

その他:徳川慶久/徳川慶光/徳川家正/安倍寛/新井将敬/志位和夫/豊田真由子/山尾志桜里/高井崇志/丸山穂高/玉木雄一郎/浜田聡

文学編集

夏目漱石/森鴎外/坪内逍遥/川端康成/内田百閒/斎藤茂吉/中島敦/芹沢光治良/小林秀雄/堀辰雄/安部公房/三島由紀夫/澁澤龍彦/隆慶一郎/中井英夫/星新一/大江健三郎/畑正憲/喜多喜久

絵本編集

加古里子

評論家編集

西部邁/森永卓郎/徳大寺公英/三浦瑠麗

学者編集

植草一秀/宮台真司/東浩紀/宇野精一/鈴木大拙/柳田國男/網野善彦/平泉澄/金田一京助/篠沢秀夫/谷山豊/寺田寅彦/長岡半太郎/本多光太郎/鈴木梅太郎/北里柴三郎/茂木健一郎

音楽編集

すぎやまこういち/渡辺宙明/小沢健二/加藤登紀子/キタニタツヤ/wowaka

漫画・アニメ編集

雁屋哲/高畑勲/高遠るい/くろば・U/小川正和

アナウンサー・キャスター編集

草野仁/桝太一/篠原梨菜/和久田麻由子/大越健介/金平茂紀

映画監督・プロデューサー編集

白倉伸一郎/中田秀夫/平山亨/増村保造/山田洋次

脚本編集

倉本聰

芸能編集

平田昭彦/田口計/林修/香川照之/菊川怜/佐々木望/本村健太郎/伊沢拓司/鈴木光/鶴崎修功/松丸亮吾

実業家・経済人編集

葛西敬之/黒田東彦/正力松太郎/三重野康/渡邉恒雄/竹田靑滋/堀江貴文中退

宗教編集

大川隆法

スポーツ編集

嘉納治五郎/田畑政治/三島弥彦/ときど

官僚編集

勝栄二郎/加藤良三/北村滋/佐々淳行

技術者編集

八田與一

東京大学を題材にしたフィクション作品編集

東京大学物語

ラブひな

ドラゴン桜

東大リベンジャーズ

ロクダイ(休載中)


東大一直線/東大快進撃【続編】:主人公「東大通」(とうだい・とおる)が東大受験に挑戦、最終的には合格する。

シェイプアップ乱:主人公の遠縁「原宗一郎」が2浪の末、文科I類に合格。

男どアホウ甲子園:主人公・藤村甲子園が入学したが1年で退学している。


余談編集

  • 東大には商学部はないが、もともとは旧制東京高等商科学校を合併吸収して商学科とする計画だった(東京高商側が激しく反発したため実現しなかった)。その後東京高商は東京商科大学を経て現在の一橋大学となっている。
  • 実は国公立大学の中で在籍学生数が最多である(院生を含めた場合)。
  • 農学部敷地内にはハチ公と上野博士の像がある。じっと待っている渋谷駅の像とは違う、再会に喜ぶハチ公の姿を見ることができる。
  • 卒業式は安田講堂で行われるが、卒業生の人数に対して席が足りないため卒業式に出られない卒業生が発生してしまう(もちろんだが卒業はちゃんとできる)。入学式は武道館で行うためこのような心配はない。
  • 過去には学部入試に文系でも理系でも全く同じ総合的内容の試験を受ける後期日程が存在していた。定員は100名で、これに合格すると前期の出願先にかかわらず理3を除く5科類から進学先を好きに選べるという制度であった。2015年を最後に廃止され、その分の定員は翌年から新設された推薦入試に充てられている。

関連タグ編集

東大 東京大学理科三類/東大理三

大学 赤門 駒場祭 五月祭

難関大学 帝国大学 旧帝大 京都大学/京大 北海道大学/北大 東北大学/トンペー 名古屋大学/名大 大阪大学/阪大 九州大学/九大 エリート

四大学連合 一橋大学 東京工業大学/東工大 東京外国語大学/東外大 東京医科歯科大学

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