金田一京助とは、日本の学者である。
※メイン画面は『啄木鳥探偵處』のもの。
概説
生没:1882~1971年。
日本を代表する言語学者の一人で、北海道アイヌ研究の第一人者。
國學院大學教授(のちに名誉教授)、東京帝国大学教授、日本言語学会2代目会長、帝国大学文学博士。
著書として、研究の集大成である『ユーカラ:アイヌ叙事詩』が知られる。
長男・金田一春彦、また国語学者・金田一秀穂を含む孫3人も言語学者にして日本語学会に名を連ねているという、語学一族・金田一家の太祖としても知られる。
詩人で文豪二大爆弾の片割れ石川啄木の親友としても知られ、自身も貧乏なのに返ってこない借金を惜しみなく貸し、家の中の物を盗られても赦してしまうなど、お人好しエピソードも多い。
京介自身、詩人を志すも才能に恵まれず、啄木の詩才には尊敬の念を抱いていたという。
アイヌ民族に対しては、「偉大な民族」「決して日本古来の文化と比して劣るものはない」と称賛する一方、「早く大日本帝国の素晴らしい文化の一員となるべき」として、戦後の同化政策を後押しするなど、決して蔑視や偏見がなかったわけではない。
横溝正史の推理小説『金田一耕助』シリーズの主人公「金田一耕助」の名は、京助の名を元としている。
これにより「金田(かねだ)」と誤読されやすかった京介の姓は「金田一」と正しく読まれやすくなり、「千金を積んでもいい」と横溝に感謝していたという。