解説
シリーズ作品にて、第一作やその主人公へのリスペクトを示す表現。
ただし設定上の強さにおいてはシリーズが続けば続く程後続のインフレキャラが現れることもあり、「シリーズの中で最強の存在」というわけではないことも多々。また、後続作品で第一作よりも過去の物語が描かれる場合、第一作の主人公以前に活躍した存在が現れることもあるが、その場合でも本作のようなタグが付けられるのは基本的に「第一作やその主人公」に対してである。
第一作の主人公は後続作品には出てこないことも多いが、シリーズが後年にも続く程の人気作品になった大きな要因には第一作やその主人公の人気や活躍があってこそであることは間違いなく、作品によっては主人公の名前がそのまま作品やシリーズのタイトルになっていることも少なくないため、そういう意味でもシリーズ全体を通して存在感は大きい(そもそも人気が無かったらシリーズとして続くことが無く、単作で終了することが殆どである)。
由来・経緯
発端としては、遅くとも1980年代~1990年代時点で使われていたことが確認できる言葉であり、言葉としては「特定の何かに起因するような特別な言い回し」というわけではない。
1986年の『朝日新聞縮刷版 第776号』に「原点にして、頂点!」とあり、1991年の『朝日ジャーナル 第33巻』に「原点にして頂点」とある。
1991年~1992年頃には、CM(日糧製パン株式会社の「チーズ蒸しパン」)で使われていた。
該当者の一例
特撮
言わずと知れた日本の怪獣王であり、日本における特撮や怪獣映画の元祖である。
それまでの特撮の撮影はコマ撮りが主だったが、この作品から着ぐるみ撮影が主流へと変わる。
その人気からハリウッドでもゴジラシリーズは制作されているが、ゴジラシリーズに影響を与えたと思わしい作品群にはアメリカ合衆国の多いため、ある意味では凱旋と言えるのかもしれない。
言わずと知れた日本を代表する特撮ヒーローウルトラシリーズの元祖。
2006年放送の『ウルトラマンメビウス』の客演時に見られる、敵の光線技をバリアなしで胸筋で食い止めてノーダメージという姿が未だ一線級の貫禄を感じさせる。
言わずと知れた日本を代表する特撮ヒーロー仮面ライダーシリーズの元祖。
特徴の変身ポーズ(※変身ポーズ自体は2号が最初)も作品ごとに多様化しているが「人類の自由と平和のために、悪の組織と同じ力を行使する者」という定義は一貫して守られている。
言わずと知れた日本を代表する特撮ヒーロースーパー戦隊シリーズの元祖。
仲間たちとの絆や友情、等身大から巨大化する敵とそれに対抗する戦隊ロボなど、現在まで続く戦隊ヒーローの様式美を築いた作品。
1980年代から90年代にかけて一世を風靡した特撮ヒーローメタルヒーローの元祖。
光沢のある金属的なボディが特徴的なヒーロー像は平成ライダー以降にも影響を与えた。
アニメ
戦いもするが、その至上命題は「敵を倒す」ではなく「空腹に苦しむ人々にパンを与える」こと。
相手がばいきんまんであろうと、空腹に苦しんでいれば迷わず助ける、それがアンパンマン。
この一点から、他のヒーローたちやヒロインたちとは一線を画する存在と見る声も強い。
プリキュアシリーズの元祖にして初代ヒロインズ。
今日に至るまでシリーズ放送を続けるプリキュアの人数が50人を超える中、全てのプリキュアに先んじて悪と戦った偉大な存在として、このタグをつける者は多い。
言わずと知れたロボットアニメの金字塔。
マジンガーZの人気から「パイロットが巨大ロボットに搭乗して操縦する」タイプのロボットアニメが爆発的に増えた。
言わずと知れたガンダムシリーズの初代。
「リアルロボット」と呼ばれるジャンルの先駆者となった作品でもあり、作中に登場する巨大ロボット「モビルスーツ」のプラモデルである「ガンプラ」はブームを作り上げ、現在でもプラモデル界で一大ジャンルを築き上げている。
小説(TRPG)
『指輪物語』などのいわゆる剣と魔法の世界を題材とした、和製ファンタジーの金字塔『ロードス島戦記』のヒロイン。
金髪、緑を基調とした衣装、耳が長いといったエルフのパブリックイメージを確立した。
ゲーム
ポケットモンスターシリーズの初代であるRGBP及びそのリメイク作品であるFRLGの主人公であり、GSCやHGSSでは隠しボスも務めている。
基本的にその作品単体でストーリーが完結するポケットモンスターシリーズとしては珍しく「後続作品でかつて当時のチャンピオンを倒し、チャンピオンになったことがあることが明言されている主人公(要はRGBPやFRLGでプレイヤーがエンディングを迎えたという事)」であり、シリーズの多くの作品にてラスボスを務める「チャンピオン」以上の強さを持つ存在として扱われることが多い(一応、BWの主人公達もそうの筈なのだが、彼/彼女は時系列や世界線等も一切無視した本編とは一切関係の無いお祭り作品であるポケモンマスターズを除いて後続作品には一切登場しないため、本編中ではそういう扱いを受けることが無く、事実上レッドのみの特別な扱いとなっている)。
BW2やSM・USUMのバトル施設にも登場しており、特にBW2では「リビングレジェンド」という二つ名をもらっている。
数学
- y = ax^2 (aは0でない実数)
グラフにすると、原点(0,0)と頂点が重なる。なおa>0でも構わない。
備考
- 1986年:「原点にして、頂点!」登場済み
- 1991年:「原点にして頂点」登場済み
- 1996年:『ポケットモンスター』シリーズ初登場
- 2004年:『モンスターハンター』シリーズ初登場
- 2007年:Pixiv初登場
「原点にして頂点」タグが付いている、現時点でpixiv最古のイラスト。↓
用法と注意
その他・考察
新しい作品がヒットするには、明確な新機軸がユーザーに受け入られることが必要不可欠であるため、その第一歩には作り手の意欲が否応なく込められる。
また、シリーズが長期化するほど変化球や仕切り直し(悪く言えば独自性の低下やセールス上の延命)が求められる後続作品と違って、第一作は全力で直球ド真ん中を行けた優位性が魅力となる効果も大きい。
ましてや歴代作品の競演が実現した場合、初代主人公は歴戦の勇士としてリーダーを務めるもしくは敵や後輩達の特殊能力をねじ伏せる謎補正が描写される傾向もあり、このタグが自然と成立しやすい。
最近は公式でこの表現を使うケースも確認されているが、2作目以降がヒットした例や受け手諸氏の好みもあるため、むやみに使わないよう注意が必要である(むしろ「原点も頂点もない」と逆の事を言う作品もある)。
本タグの始まり
このタグ自体は『モンスターハンターシリーズのボスであるアカムトルムのクエスト名「起源にして頂点」をもじったものが「pixivでポケモンのレッドに対して使われたのが発端」』と言われることが多い(※)。
しかしPixivの仕様上、タグは投稿後いつでもつけることができる上に、投稿者が設定しない限り誰でもタグの編集を行えるため、「原点にして頂点のタグが付けられた最初の作品」がどれなのかを探すことは不可能に近い(上で紹介されている作品もあくまで「原点にして頂点のタグが付いている作品の中で最も古く投稿された作品」という意味合いでしか無く、この作品に付けられたのが最初であるという意味では無い)。
しかし、レッドは初代作品の主人公であり後続作品の隠しボス。かつその手持ちの強さ(レベル)は近年でようやくシロナに抜かれるまでずっと最強であり続けたこと。そして何より「ポケットモンスターシリーズという世界的な知名度が段違い」の作品であることからも「本タグが最初に付けられたのがポケモンのレッドの描かれた作品だったかはともかく、本タグの知名度を上げ、広く使われるようになった大きな要因がポケモンのレッドであることはほぼ間違いない」と思われる。
そもそも本記事作成時は「Pixivにおけるレッドの二つ名」として紹介されており、記事作成当時はほぼレッド専用のタグだったものが広く使われるようになったものと思われる。
上で紹介されているポケモン登場以前で「原点にして頂点」という言葉が登場しているという紹介自体が「ポケモンのレッドに使われたのが本タグの起源である」という説や「アカムトルムのクエスト名をもじったものが起源である」という説を否定するための屁理屈である(「原点にして頂点」という言葉自体はそこまで特別な言葉でも無く、ちょっとおしゃれな言い回しをする際に普通に使われても何も不思議ではない言葉であること、逆にあれら紹介されているものが本タグ誕生の始まりだと言うにはあまりに弱すぎるため)。
※:Pixiv内でこの言葉が使われだしたのもMHP2発売(2007年2月22日)後である(少なくともそれ以前に本タグが使われている作品は確認できない)。PSPソフトの中でもトップクラスの415万本もの売り上げを誇った後続のアッパー作品MHP2Gが発売されたのも2008年3月27日。さらに売り上げを伸ばした廉価版の発売が2009年9月末と、本記事が作成されたのが2009年11月10日であるため、少なくともMHP2およびMHP2G発売後のことであり、当時のモンスターハンターシリーズおよびポケモンシリーズの人気を考えても本タグの誕生に影響を与えたと考えても問題は無いと思われる。
関連項目
アカムトルム:本タグが生まれたのはMHP2におけるアカムトルムの討伐クエスト「起源にして頂点」という言葉をもじってのことだと言われやすい。
オーレギオン:ダンボール戦機シリーズの機体。主人公の父親でもある山野博士が開発した「LBX」の中でも古い時代に開発していた最高傑作にして究極のLBX。この機体の設計思想は山野博士のLBX開発の「原点」となっており、アキレスやプロト・I等、博士の手による歴代の機体はこの設計思想を断片的に実用レベルに至らせたものであると語られている。そのため、第一作の主人公というわけではないが、設定上「LBX」においては生みの親である山野博士の設計思想の「原点」でありながら「最高傑作」であるという「原点にして頂点」のような存在となっている。