概要
LBXの生みの親である山野淳一郎博士の、最高傑作にして究極のLBX。アーマーフレームのタイプはナイトフレーム。
世界各地で破壊活動を開始した、意思を持つウイルスプログラム「ミゼル」の脅威に対抗するため、イノベーター時代に山野博士が設計したコアスケルトン「AX-000」用のアーマーフレームとして開発された。
動力部には、無限のエネルギーを生み出す永久機関「エターナルサイクラー」を搭載。エターナルサイクラーの稼働時にはLBXのコアボックスを溶融させるほどの余剰熱が発生するが、コアボックスに高い耐熱性をもつレアメタル「スタンフィールインゴット」を採用することによって、エターナルサイクラーの搭載を実現した。これによって、莫大なエネルギー源の確保に成功している。
現存する全てのLBXを凌駕する基本性能に加え、オーディーンと同じく飛行形態への可変機構を有し、同形態時は爆撃機の様な形状に変形し音速に近いスピードでの高速飛行が可能。
更に、さまざまなLBXの固有武装が各部に組み込まれており、ハンターの「スティンガーミサイル」、ハカイオーの「我王砲」、オーディーンの「JETストライカー」が使用可能。エターナルサイクラーからのエネルギー供給もあって原型機に搭載されていたものよりも威力が格段に向上している。
基本装備は大型のビームランス「レギオンランス」と、大型の円盾「レギオンシールド」。
必殺ファンクションは上記の三種類に加え、アニメ版でオーディーンの「グングニル」も使用した。
作中での活躍
アニメ版エピソードとしては46話にてコアスケルトンであるAX-000が言及され、材料の収集や製造への着手を経て51話で完成した。
当初は主人公である山野バンの専用機として登場し、前述の各必殺ファンクションを含む圧倒的な戦力を遺憾なく発揮し、大量のベクターを一気に蹴散らす程の活躍を見せる。
しかし、事前にAX-000の設計図にウィルスを仕込んでいたミゼルによりコントロールを奪われ、完成直後に機体を強奪されてしまった。
以降は世界の平和を脅かす最悪の敵として、バン達の前に立ちはだかることとなる。
ミゼルに奪われた後は世界各国を飛び回り様々な破壊活動に及ぶ。
単機でA国の艦隊を壊滅させ、A国軍の空爆を受けても無傷といった、最早オーバースペックと言っても過言ではない性能を垣間見せる。
更に、最終決戦目前にミゼルは本機に自らをインストール、最強最悪のLBX「ミゼルオーレギオン」へ成長を遂げることとなる。
ゲーム版において
活躍については細かな流れこそ異なるものの大筋ではアニメ版と変わらない。
プレイアブルキャラクターであり、ミゼル編のシナリオをクリアする事によって本機のMG通常カラーがショップで購入可能となる。
また、ランキングバトルでは2位の山野淳一郎が本機のMG赤を使用しており、
MG黄はDLCのパーツガチャ、MG青とMG黒はDLCのLBXダンジョンにて入手可能となっている。
上記の固有必殺ファンクションは「JETストライカー」と「我王砲」は一式でないと使うことはできないが、「スティンガーミサイル」は両腕を装備するだけで使用可能となる。
注意点としてはNGパーツのみ入手方法がないことである。入手手段がないパーツは本来カタログには載らないのだが、本LBXのNGパーツが表示されているので設定ミスと思われる。
『ウォーズ』では、ラボの「LBXキソ(基礎)」ランクを最大の20まで上げることでパーツの開発が可能となる。
更にラボの「合計」ランクを上限の200まで上げると、通常カラーと青カラーを無限に開発する事が可能となる(他のバリエーションはランキングバトル・裏ランキングバトルでパーツ設計図を入手する必要がある)。
また、新たな専用必殺ファンクションとして、過去作ではハーデスらが使用していた「ワールドエンド」が使用可能となっており、その威力はイフリートの「プロミネンスレイド」に次ぐ、非常に強力なものとなっている。
…が、「WARS」では固有必殺ファンクション・特殊モードをいずれか1つしか使えなくなっているため、固有必殺ファンクションを4つ使える利点を潰されてしまっている。
派生機体
AX-000(トリプルゼロ)
オーレギオンの素体となっているコアスケルトンに、保護用カバーパッドを付けた状態。
作中では「究極のプロトタイプ」と称されており、山野博士がイノベーター研究所に居た頃に設計されたものだったが、当時の技術では実用化には至らなかった。当時の技術レベルにまで落とし込んだ上で試作のAI制御システムを組みこんだ機体がAX-00である。
その設計思想は山野博士のLBX開発の原点となっており、アキレスやプロト・I等、博士の手による歴代の機体はこの設計思想を断片的に実用レベルに至らせたものであると語られている。なお、設計データは山野博士の手によって一度消去させられたが、後に設計データを手に入れる為イノベーター研究所に再潜入した時に、バンのイカロス・ゼロをUSBメモリの要領でコピー。それを大空遥がリストアして復元に成功。残されたコピー元のデータはミゼルに悪用されない様に山野博士の手によって完全に抹消された。
ビジュアル自体は『W』の時点で判明していたが、実際に使用可能なLBXとして登場したのはゲーム版『ウォーズ』からで、表ランキングバトル1位のピノンが使用する。
カラーバリエーション機として、カバーパッドの色がAX-00と同一化された「AX-000メタリス」が存在している。
G・シュッツェ
ゲーム版『ウォーズ』に登場。
アニメでは登場していないが、後日談として書かれたDVD-BOXの特典小説『神威島奇譚』にて登場。
セカンドワールドでも最大の技術力を有すると言われる仮想国「グレンシュテイム」の指揮官機であり、主な使用者は高崎ケンタロウ。
可変機構以外の固定武装はオミットされているものの機体性能は非常に高く、エターナルサイクラー等を搭載していないアーマーフレームのみとは言え、運用可能なレベルで実用化しているグレンシュテイムの技術力の高さが窺える。
機体名の「シュッツェ」に関しては、ドイツ語で「射手座」を意味する「Schütze」から由来するものと思われる。(グレンシュテイム所属機体の内、「G・○○」の命名規則を取る機体には、基本的に星座の名前がつけられている)
基本装備は、レギオンランスと同型の槍「G3(ジースリー)ブレイブランサー」と、同じくレギオンシールドと同型の盾「クインシールド」。
『神威島奇譚』に登場した際は二刀流スタイルとなっており、必殺ファンクション「ビッグバンスラッシュ」を使用した。
カラーバリエーション機として、レッドベレー(イギリス陸軍の空挺部隊)をイメージしたカラーリングの「G・ロイヤルガード」が存在している。
オーレギオンM(ミリタス)
こちらもゲーム版『ウォーズ』にて登場。都市迷彩が施された、漆黒のオーレギオン。
裏ランキングバトル制覇後に挑戦可能な裏ボスバトルの「最強ドラガンゼイド」を倒す事によって、低確率でパーツ設計図を入手する事が出来る。
『装甲娘』において
ソーシャルゲーム「装甲娘」では原作で本機が辿った経緯故に登場は望み薄とされていたが、ミゼレムクライシス版のメインシナリオシーズン2にて本機のLBCSが登場、意外な人物が装着者となった。
詳細はこちらを参照(ネタバレ注意!!)。
余談
名前の由来は、おそらく「王」+「レギオン(Region)」から。
一騎当千の「LBXの王」にふさわしい名前だとといえる。
因みに「レギオン」は、古代ローマで「軍団兵」を表していたものと、『マルコの福音書』第五章及び『ルカの福音書』第八章に登場する悪霊を指すものとの二種類に分けられるが、その設定や外観、作中での扱いから、前者・或いは両者のダブルミーニングである可能性が高い。
「王」の部分も「LBXの王」だけでなく、(ミゼルに奪われた後は)「ベクターやゴーストジャックされたLBXを束ねる王」とも取れる。
本機による蛮行の数々が、続編であるダンボール戦機ウォーズに登場するテロ組織ワールドセイバーに着目され、LBXの「兵器としての優秀さ」の理解の一端に繋がった(詳細は「ワールドセイバー」記事内を参照)。
本シリーズとはパラレルワールドの関係にある装甲娘-ミゼレムクライシス-は、ミゼル編で描かれた一連の事件が歴史の分岐点となっている為、オーレギオンの存在もまた大きく関与するものと言えるかもしれない。
胸部に装備された我王砲は前述の通り、ハカイオー系LBXの固有機能であるが、そのハカイオーはオーレギオンの開発に行ったタイニーオービット社ではなく競合他社の関係にあたるプロメテウス社の商品である。
LBX開発の祖たる山野博士が設計、LBXを最初に販売したタイニーオービット社が製造を行ったとは言え、その辺りの権利関係は大丈夫だったのだろうか…?
プラモデル
2012年12月15日にキットが発売されている。
変形機構も再現されどっしりとしたパーツ密度の為にブンドドの遊び応えが高いと好評な一方、背面のパーツとの関係で重心が背面に寄りがちな為、ポージングが難しいとも。また、値段とボリュームの都合上パーツ分け・色分け共にかなり甘め。
ゲームとは違って武装に制限はない為、ゲームでは使用できなかった「メテオブレイカー」、「00ソード」、「メガサンダークロス」、「Σドライブソード」といった固有必殺ファンクションも再現できてしまうので、ゲーム以上の全部載せ感を堪能する事ができる。
関連タグ
ミゼルオーレギオン:強化機体