概要
A国所属のLBX実験部隊「ファイヤースウィーツ隊」が保有する試作型LBX。アーマーフレームのタイプはナイトフレーム。プレイヤーはファイヤースウィーツ隊に所属するジャック・ジェラート中尉。
航空機を思わせる外観や、頭部のモノクル上センサーやインカム、背面の大型ブースターに印字されたファイヤースウィーツ隊のロゴなど、ホビーとして市販されている市販のLBXとは異なり軍事色の強い機体で、ファイヤースウィーツ隊のLBXを開発・提供を行うオメガダインによって試験的に配備されている。
コアスケルトンに高い可動範囲を持つ独自の特殊関節を採用し、専用のAIを使って制御する事で、従来のLBXとは一線を画す動作(腰を180°回転させる等)が可能な「高次元多関節機構」という駆動システムを搭載している。高い機動力と攻撃力を持つプロト・Iであるが高次元多関節機構によって頭部・腕部を反転し死角からの攻撃に対する防御を行う、腰部を回転させ至近距離での連撃を繰り出すなど、人体の可動範囲を超える予測不可能な挙動により高い攻撃・防御・回避能力を発揮することが可能となっている。
山野博士の在籍時におけるタイニーオービット社にて開発が進められ、新たな主力機体として期待されていたが、当時の技術では高次元多関節機構による複雑な関節の挙動を制御する為のAIを開発する事が出来ず、結局実用化される事は無かった。
後に秘密裏に機体データを入手したLBX管理機構「オメガダイン」が高次元多関節機構の制御が可能なAIを搭載した機体を新たに開発、オメガダインと繋がりを持っていたファイヤースウィーツ隊に配備され、ジェラート中尉の手に渡った。
機体制御はオメガダインによって新たに搭載されたAIによって解決したが、それでも完全とはいかなかったようで、長時間の戦闘を続けることで複雑なダイナミクスの計算処理に伴う負荷にCPUが耐え切れず機能停止に陥ってしまうという、新たな欠陥を抱える事になってしまった。
アニメ版ではペルセウス、エルシオン、ミネルバの3機に対して単騎で優位に立ち回り、Σオービスをも圧倒する程の力を見せつけていたが、上記の弱点を見抜かれた事で耐久戦に持ち込まれ、高次元多関節機構を乱用したことでCPUがオーバーヒート、機能停止によって敗北している。
結局完全な制御AIの開発には至らず、改修型のイカロス・ゼロとイカロス・フォースに関しては、「AIを搭載せずにCPUをチューニング、プレイヤーの技量によって制御する」という選択を取る事になった。
またバスターはプロト・I開発時のデータを基に設計されたLBXである。
基本装備は、ビーム弾を放つ狙撃銃「アドバンスドライフル」と、赤熱したビーム刃を持つ片手剣「コンバットナイフ」。
また、後のミゼル編においては、対ベクター用兵装の「ルミナスシューター」も使用している。
作中では必殺ファンクションを使用する事は無かったが、プラモデルのパッケージでは、イカロス・ゼロが劇場版で使用していた電撃光線「サンダーバースト」が、本機の必殺ファンクションとして設定されている。
派生機体
イカロス・フォース / イカロス・ゼロ
(※左がフォース、右がゼロ)
プロト・Iの予備機をベースに、山野博士が大空ヒロと山野バンの為にCPUのチューニングとパーツの換装を施した高機動改修型LBX。
高次元多関節機構を活かして「ウェポンフォーム」という武器の姿に変形する事が出来る。
詳細はそれぞれの個別記事を参照。
コマンダー・I
ゲーム版にのみ登場する、八神英二専用のジェネラルカラーのプロト・I。
高次元多関節機構はそのままに、集団での戦闘を得意とする八神のプレイスタイルに合わせたカスタマイズが施されている。
G・レーヴェ
ゲーム版『ウォーズ』にのみ登場する、仮想国「グレンシュテイム」が所有する主力量産機のひとつ。プロト・Iをベースに開発された機体。
グレンシュテイム所属機共通の白いカラーリングに、ベレー帽を思わせる頭部が特徴的な機体。
同じくグレンシュテイムが所有しているG・シュッツェが、ベース機となるオーレギオンの固定武装であるスティンガーミサイルと我王砲(ガオーキャノン)が排除されているのと同様に、この機体も多くのプレイヤーが使用する量産機という事で、高次元多関節機構はオミットされている可能性が高い。
カラーバリエーション機として、迷彩カラーとなりミリタリー色がより一層強くなった「G・レーヴェM(ミリタス)」が存在している。
『装甲娘』において
適合者の本名は「タカチホ アノン」(CV:深川芹亜)。旧版、ミゼレムクライシス版共に登場している。詳細は『プロト・I/タカチホ_アノン』を参照。
その他、関連・派生機体のLBXも装甲娘として、
がいる。詳細は適合者の個別記事参照。
ACCM
『装甲娘 ミゼレムクライシス』のACCM(アシストファンクション)としてプロト・Iが登場している。
ウェポンタイプが「両手銃」の装甲娘に装備できる。
必殺ファンクションは、小型衛星に向けてレーザーを放ちエネルギーを充填させ、その衛星から特大のレーザーを放出させる「サテライトレーザー」を使用。
効果は、敵全体に120%の射撃ダメージを与え、貫属性耐性ダウンを付与する。
両手銃系のACCMは他にハンターがある。
同じ敵全体攻撃でダメージも同じだが、ハンターは相手の必殺ファンクションの使用を一時的に封じることが出来るショックを確率で与えるが、こちらは相手に貫属性耐性を下げるデバフを与えるため、貫属性が弱点の相手にはこちらが使いやすい。
余談ではあるが、衛星に向けてレーザーを放つ際のモーションが高次元多関節機構を思わせるものとなっており、公式からムービーが発表された際には大いにファンを沸かせた。
余談
改修機の機体名から察するに、「I」は「イカロス」の略と思われる。
さしづめ「プロト・イカロス」といったところか。