概要
『モンスターハンターポータブル 2nd』で初登場した飛竜種に分類される超大型モンスター。
通称「覇竜」。
「其の口は血の海、二牙は三日月の如く、陽を喰らう」と、伝承にて語られる伝説の竜である。その生態は謎に包まれているが、古龍種に匹敵する程の圧倒的な力を持つとされている。
数少ない資料を統括すると、全長約30m、全高約10mという竜種としては規格外なまでの巨体を誇るとされ、火山地帯に棲息するモンスターの中でも一二を争う巨大生物と考えられる。
下顎から伸びる豪壮な牙と、背面を覆うように立ち並ぶ黒く鋭い無数の棘に背中の外殻が特徴で、長大で強靭に発達した前脚に尻尾と非常に厳めしい姿をしている。この外殻は並大抵の攻撃にはびくともせず、灼熱のマグマにも余裕で耐えられる。
また、外殻は背中の筋肉によって逆立てたり畳んだりと、ある程度自由に動かす事が可能で、用途は不明ながら外殻の隙間から赤く発光する事も確認されている。
怒り状態になると外殻の節々がマグマのような赤い光を放ち、普段は緑色の瞳も赤々と輝き、口からはイビルジョーの唾液以上に強力な酸性の唾液が分泌されるようになる。
アカムトルムという名前は、ポッケ村の古い言葉で「災厄」を意味しており、同村においては現在でも忌むべき名として忌避されているという。実際に、アカムトルムが目撃された年には、大雨や干ばつなどの異常気象が発生する場合が多く、ガウシカなどの動物たちが警戒行動を取り続け、やがては麓から姿を消すといった奇妙な行動が見られる事もあるという。
その出現が把握された場合は、大型古龍と同様にハンターズギルドから非常事態宣言が発令され、時には国家レベルでの対応が取られる事もある。
なお、MHP2Gのある伝承では、このアカムトルムと対を成す白き神と呼ばれる存在が示唆されており、この2体が双璧を成した時、世界は崩壊すると語られている。
完全なる肉食性であるらしく、火山帯に住む生物を餌としており、バサルモスやあの大型飛竜グラビモスをも捕食対象としている。
下記の生態動画はギルドに報告された「アカムトルムの狩りの一部始終」であり、たまに誤解する人がいるが縄張り争いなどではない。古龍級生物のアカムトルムの前では、火山帯の生態系の頂点の一角を占める強大な飛竜のグラビモスも、ただの餌に過ぎないのである。
しかし、個体数が少ない上に危険極まりない為、これ以上の詳しい生態は謎に包まれている。
画像を見ても分かる通り、翼や飛膜といったそれらしき器官の名残などは外見上からは全く確認できず、前脚は完全に歩行にのみ適した形状に進化しており、この外見と、古龍にも匹敵する圧倒的な力を持つ事から、かつては分類不能の古龍種にカテゴライズすべきだとされていた。
しかし、正式発見後に行われた詳細な調査により、前脚と後脚の計二対の脚と長い尾から成る骨格構造は原始的な飛竜種である「ティガレックス」などと類似している事が判明。
さらに外殻や爪の形状にも飛竜種やその祖先と共通する特徴が見られる事から、現在ではあらゆる大型飛竜の祖先とされる「ワイバーンレックス」の誕生よりもさらに古い、原始の飛竜だと見なされている。
史上初めての翼や飛行能力を全く持たない(超)大型飛竜である。
同じように「四足歩行で翼を持たない竜」である牙竜種が確認されてからも分類は飛竜種のままのため、おそらく牙竜種の先祖とはもっと早い段階で枝分かれしたものと思われる。
ワイバーンレックスが、環境の変化に適応できずに絶滅した事を考えると、それ以前から現在に至るまでまで存続している本種が、いかに高い生命力を持つかは分かるだろう。
アカムトルムの攻撃として特に有名なのが、口から前方向に強烈な衝撃波を発射する「ソニックブラスト」である。
これは咆哮などとはまさに次元の違う、耳栓などはものの役にも立たない圧倒的な威力を誇っており、全長数十mはあろうかという大型船を一撃で破壊・転覆させたという報告も存在する。強靭な前脚を用いて外敵を抑え込み、至近距離からソニックブラストを放つ荒業も見せる事もあり、大地に向けた超音速の衝撃波を拡散させ、外敵もろとも周囲を巻き込んで木端微塵にしてしまう。
これ程までに強烈な衝撃波を専用器官無くして放てるとは考えにくく、専門家の間では何らかの特殊な身体構造を有しているのではないかとも囁かれているが、調査は難航しており、そのメカニズムは全くと言っていいほど解明されていない。また、首回りの襟のような骨盤は、音速を超える衝撃波を発射する反動から、首を保護する為に発達したものだと推測されているが、こちらも調査不足につき断定には至っていない。
エレメントを有していない、純粋に「息」としての飛び道具はこれが初?であり、まさに「ブレス」という攻撃法の原点である。流石は飛竜の祖だと言えるだろう。
続編のMHP3では、衝撃波を薙ぎ払うように発射するモーションも加わった。
MHP3
MHP3では「三界」と呼ばれる裏ボスのうちの一体として登場する(残りの2体はウカムルバスとアルバトリオン)。
本作では上記のようにソニックブラストを薙ぎ払うようになった他、背後にいる敵に対して振り向きながら噛み付くという新モーションを習得。これまでのように背後から溜め攻撃を狙うという戦法が通用しにくくなった。
MH4
一切事前情報が無かったが、続投する事が判明。
同じくMHP2出身のティガレックスと共に、ナンバリングタイトル初参戦となった。
オフラインにおいてはストーリークリア後の裏ボスとして登場。チコ村の村長がかつて商人だった頃に、彼女の乗船していた商船に攻撃を加えて沈没させ、さらにこの事件がきっかけでチコ村の臆病なオトモアイルーにトラウマを植え付けたという経緯が明されている。アカムトルムを倒す事によってこの臆病なオトモアイルーをオトモとして雇用する事ができるようになる他、チコ村の沖合の岩に刺さっている「ヒーローブレイド」という片手剣を引き抜いて使用できるようになる。
一方で、集会所では最上位の★7に登場。クエストは2種類存在し、このうちHR60で解禁される「横行覇道アカムトルム」は、ステータスに上方補正の掛けられた常時怒り状態の強化個体を相手にしなければならない為、本作屈指の難易度を誇るクエストとして名高い。
MH4G
遂にG級クエストへの進出を果たした。
集会所のラスボスである、ゴグマジオスを撃破すると受注可能となる古文書クエストに、G級アカムトルムの狩猟クエストがある。
G級独自の新モーションとしてその場で二本足で立ち上がり、眼下をソニックブラストで薙ぎ払うという技を身に着けた。ウカムルバスの薙ぎ払いブレスと似ているが、アカムトルムから見て右側の射程がやや長く、さらに倒れこんでくる際にも強力な攻撃判定があるので注意が必要である。
MHF
MHFでは、ミラボレアス以上の存在として扱われている。
アカム銀行の実態
シリーズの中でも特にサイズが大きいモンスターで、最初はその威圧感と外見から一筋縄ではいかない強敵であるという事を感じさせていた。しかし実際は、閃光玉を多用すると最悪の場合一度も攻撃を受ける事もなく、あっさり討伐できてしまう事が判明した。
また、アカムトルムから剥ぎ取りできる素材は、売却すると大量のz(ゼニー)が得られる事から、一部では「アカム銀行」と呼ばれるようになってしまった。
ただし、MHP3以降の作品ではかなりの強化を施されている為、MHP2Gまでのような気分で挑むとあっさりやられてしまう場面もあるので厳禁である。
それでも銀行と言われる事が減少する流れになるのは、もう少し後の作品になってからの話である。
武具
アカムトルムの素材で作成できる武器は、全てアイヌ語で名付けられている。
防具は豪壮な棘があしらわれた厳ついデザイン。
MHP2では聴覚保護、匠(斬れ味を伸ばすスキル)、達人(武器の会心率を上げる)のSPを持ち、それでいてマイナススキルが一切発動しないというぶっとんだ性能であった。以降のシリーズでは調整が施されており、当時ほどの汎用性はなくなっているが、部位破壊を手早く済ませる剛撃などの地味に強力なスキルが発動する事が多い。
武器はどれも攻撃力と会心率が非常に高い反面、切れ味は序盤の武器並の悪さである。弓に至っては、MHP2Gで下方修正された関係で溜め段階が2までしか無く、MHP3ではそのせいで曲射が使えない。
なお、とある同人誌のファンの間では、アカムトルムの防具一式を着込んでいる男性ハンターの事を「アカムの兄貴」と呼ぶ事がある。
生態動画
関連タグ
アルティメットバハムート:自発トレジャー0キャンペーンの際、70万以上も大量に狩られる光景が目撃された。ある意味でもアカム銀行と類似事例だが、相手が相手だけに容易に狩れる相手ではない箇所も一緒。
オフラインラスボス(メインシリーズ)
オンラインラスボス(メインシリーズ)