概要
かの赤衣の男をして『神をも恐れさせる最強の古龍』と言わしめる、モンスターハンター世界の禁忌のモンスターの一角をなす存在。他にも、『黒き太陽』・『闇夜に輝く幽冥の星』など、様々な異名を持つ。
またクエスト名においては、『黒き光を放つ神』・『神への挑戦』・『神の再臨』・『神への抵抗』など、彼自身をやたらと神と呼称するような題が並び、数多のモンスターの中でもまさに別格と呼べる扱いが見てとれる。専用フィールドである『神域』も、アルバトリオンが居着いた場所故にそう呼称されるようになったという逸話がある。
そしてそんな前評判に違わず、アルバトリオンは存在するだけであらゆる天災を引き起こすという規格外の能力を持つ。そのため彼の者の生息域に足を踏み入れて生還すること自体が不可能に近く、生態情報はおろか目撃情報すらも皆無に等しいとされる。
なお、MHW:Iにおいては、アルバトリオンについての情報が書物としてまとめられていた時期もかつては存在していたとされている。しかし、その存在を認められない者たちによってその書物は焼き捨てられてしまったのだという。そのため、やはり現代においてその情報はほとんど存在していない。
『モンスターハンター3(トライ)』(MH3)で初登場。
MH3におけるオンラインで、ハンターランク60になるための緊急クエストのラスボスである。
MHP3では上位クエストの2頭討伐をすべてクリアすると戦える裏ボス。
MH3Gでは村最終クエとして登場する。
MHXではハンターランクが80に到達すると討伐クエストが解禁され、戦えるようになる。
MHW:Iではタイトルアップデート第4弾の目玉として復活。挑めるようになるのはクリア後以降、ムフェト・ジーヴァの偵察任務が終了したタイミングで特別任務が出現する。
古龍種の一種で、漆黒の体を持ち、全身が逆鱗で覆われている。
なので決して初めて倒して逆鱗が沢山剥ぎ取れて自慢とかしないように。アルバトリオンの逆鱗は他のモンスターにおける鱗のポジションである。上位より上のランクになると全てが天鱗となる。
頭には天を貫くような角、尻尾には鋭利な棘が付いていてかなり禍々しい。
体の形は所謂ドス古龍骨格であり、その行動もクシャルダオラやテオ・テスカトルなどと類似しているが、体長は彼らより二回り近く大きい。加えてMHXXまでは彼らと異なり、非戦闘中のニュートラルポーズで頭を下げないため普段は近接武器では脚や尻尾しか届かない。MHW:Iで復活した際にはとあるギミックとの兼ね合いもあってか、ニュートラルポーズで頭を下げるようになった。
この古龍の一番の特徴はあらゆる属性を操る能力を持つことである。全ての属性をその身に内包している設定でありながらMHXXまでは水属性だけは扱わなかったが、MHW:Iにてついに水属性の技を使用するようになり、単体で5属性全てを扱うようになった。
ゲーム内では使用する属性そのもの、または使用する属性の比重が異なる複数の形態を持ち、戦闘中に形態が移行することで無数の属性を扱う。
これらの形態やその特性については作品によって詳細が異なってくるが、どの作品においても赤と青の2つの形態が存在する。このうち赤い時には火属性と龍属性を、青い時には雷属性と氷属性を中心に扱うことが多い。複数の属性を使ってくるので一つの属性耐性に重点を置いただけでは難しい。しかもどの作品であっても大きさの割にかなり攻撃動作が素早いため、純粋に手強い強敵となっている。
なお、設定では膨大すぎるエネルギーから存在するだけで天災を巻き起こすとされており、アルバトリオンの棲む地方一帯は立ち入り禁止区域に定められている。
また、全身を覆う刃のような逆鱗や甲殻、過剰な属性エネルギーを複数扱うなど、ひたすら戦闘能力に特化したモンスターのようにも見える。
前述の通り、「最強の古龍」と称されているのだが、こうして設定をみるとそれも満更でもないような気がしてくる。
生態
禁忌のモンスターという立ち位置でかつては情報公開が規制されていた事や、謎めいた存在という事でそもそも設定を作っていない箇所も多く、ゲーム内外ともに謎の多い古龍であるが、シリーズ15周年での情報解禁や劇中描写からいくらかの生態が明らかとなってきている。
容姿はクシャルダオラなど多くの古龍に見られる「垂直に伸びた四肢と尻尾、背部に翼を持つドラゴン」であるが、後述する角や鱗などの異形のため印象は大きく異なる。
更に全長は『ダブルクロス』までは31m05cm8mm、『アイスボーン』でリデザインされた際も29m69cm63mmとクシャルダオラたちの倍近くもある巨体である。しかし走行速度や飛行速度といった運動能力はクシャルダオラたちと同等以上と俊敏そのもの。当然ながら戦闘の際はこれが脅威の一つとなる。
アルバトリオンの最大の特徴にて脅威となっている要素が「異常な属性エネルギーの生成能力」。
自身の体内にて『モンスターハンター』に登場する5属性のエネルギー全て(火・水・雷・氷・龍)の生成して操ることが出来るのである(前述のように『ダブルクロス』までは水を使う様子が無かったが素材説明では「全ての属性エレメント」と書ており、ゲームの都合によるものだった模様)。
更にこの属性エネルギーの生成は非常に不安定であり、アルバトリオン自身でも生成されるエネルギーの種類を制御しきれておらず、自身の帯びる属性が時間と共に変化している(ゲーム中の描写を見るに、全く制御できない訳ではではなく任意でエネルギーを使う場合も戦闘中に多々見られる)。
そして生み出す属性エネルギーの量が尋常ではない膨大さであり、自身の身体からは絶えず属性エネルギーが溢れ出しており、そのためアルバトリオンが存在するだけで周囲の天候を大規模に変化させてしまう。
この大規模な天候変化に加え、前述の不安定で属性の種類が変化する要素が加わるため、アルバトリオンの周辺は「大嵐」「無数の落雷」「猛吹雪」しまいには「炎の雨」といった異常気象が時間と共に急変しながら発生、局地的な天変地異に見舞われる事となる。これこそがアルバトリオンの棲家が不可侵の領域「神域」と化す理由である。
アルバトリオンの身体も溢れ出す属性エネルギーによってその時に強い属性の輝きで紫・赤・青などの色に煌めており、これが「煌めく黒き古龍」、即ち別名の「煌黒龍」の由来となっている。
『アイスボーン』設定資料集によると、エスカトンジャッジメントの存在や、火と氷の変化の際に龍活性形態を挟むのを見るに、アルバトリオンの体内には非常に強力な龍属性のエネルギーを生成する器官があると目されており、その龍エネルギーを他の属性エネルギーに変換する事で5属性を操っていると推測されている。属性の不安定さも、この「龍エネルギーを他の属性に変換する」という過程ゆえのもののようだ。ただし、どうやって膨大な量のエネルギーを生み出しているのか、何をエネルギー源にそれ程の事が出来ているのかは不明である。
アルバトリオンの外見の特徴の一つが「天をつらぬく角」や「天を統べる角」とも称される頭部の巨大かつ異様な角である。
この巨角はクシャルダオラなどのように自身の能力の制御、即ちアルバトリオンの場合は属性エネルギーの制御ための器官であり、自身の属性エネルギーが強大過ぎるが為か、鋭利な角が無数に重なり合う事で異形かつ巨大な角(制御器官)を形成しているようである。
それでもアルバトリオンは属性エネルギーを制御しきれておらず、述べたように膨大な属性エネルギーが体外へと溢れ出して異常気象を起こす事態となっている。
ゲーム中では、角を部位破壊する事での形態変化(用いる属性エネルギーの変更)の抑制やエスカトンジャッジメントの弱化としてこの「角によるエネルギー制御」が反映されている。
そして角と共にアルバトリオンの外見を特徴づけているのが、全身の「逆鱗」である。
アルバトリオンは全身全ての鱗が反り返って伸びた逆鱗となっており、更にその逆鱗は刃物状になっていて且つ素材説明で「全てを引き裂く」とされる程の切れ味を持つ代物である。その為に逆鱗が集合して形成されたアルバトリオンの甲殻「逆殻」は刺々しく物々しいものとなっており、ゲーム中でも「外殻が逆立って鋭利となっている」デザインとして反映されている。
ちなみに逆殻は素材説明による「受けた衝撃をそのまま跳ね返す」性質があるそうなのだが、こちらはゲーム内では反映されていない(仮に反映されていたら、とんでもない理不尽さだっただろうが)。
住処とする場所も異質であり、アルバトリオンは神域や溶岩島のような活火山ほか、深海のような極限環境を生息域にするとされている。
このような理由は現状では全くの不明。ただし、余談の項で述べるように、アルバトリオンは「自分以外の存在を許さない」とされるほど排他的な気質を持つとされているので、他の生物が寄り付かないような環境を選んでいる可能性はある。
ちなみに、15周年記念展によると全身の鱗が逆鱗なのも極限環境に住む為とされており、当時はその理由説明は無かったものの、『アイスボーン』設定資料集によるとこれは活火山の火口からのマグマや、深海の熱水噴出孔からの熱水(海水がマグマに熱されもので、深海の圧力のため沸騰しないまま300℃以上にもなっている)といった「下方からの危険な噴出物」から身を守るため、下から上へと鱗を伸ばした適応進化の結果とされている。
なお、住処の設定からすると、アルバトリオンは海中(それも深海かつ海底火山付近)でも活動できるとされる。
初登場から10年が経って明かされた設定だが、初登場の頃からアルバトリオンの尻尾には巨大なトゲと共に尾ひれがあり、水中にも適応できる設定は最初からあったことがうかがえる。
ただし、同じ禁忌のモンスターであるグラン・ミラオスにも言える事だが、海中で呼吸ならび酸素補助をどうしているのかは明かされていない(餌を必要としないムフェト・ジーヴァの設定を踏まえると、エネルギー源に酸素を必要としない可能性すらあるが)。
以上のように、天災を起こす巨大すぎるエネルギー、異常なほど攻撃的な構造の身体、そして謎めいた生態への畏れなど、禁忌のモンスターに含まれているように古龍種の中でも攻撃的な畏怖の要素が一際多く、劇中にて「神をも恐れされる最強の古龍」や「破壊の象徴」と称される由縁となっている。
余談だが、『ダブルクロス』までのアルバトリオンの角はモデリングの限界もあって角というよりもリーゼント状の前髪と見られてしまう事が多々あった。
一部のユーザーには、その角の形状が骨川スネ夫の髪型を彷彿とさせる事から、「骨川龍」「アルバスネオン」「ドススネ夫」などと呼ばれてしまっている。
『アイスボーン』にて登場の際は、ハード性能向上によってモデリングが超細密化、物々しい異形の角だと明確に分かるようになったと共にカッコ良くもなったため、角がネタにされる事はかなり減った。
シリーズでの扱い
MH3
初出であり、MHXXまでのアルバトリオンの大本。
赤い形態では火属性と龍属性のみを扱う。地上モードとも言える形態で、一部動作中に飛び上がることはあっても滞空することはない。突進や引っ掻きなどの肉弾戦攻撃が龍属性を帯び、着弾すると炎の竜巻を巻き起こす火炎弾を吐き出す。特に危険なのがバックジャンプとともに吐いてくる場合で、大きく距離を取られる上に範囲が広く、威力も高い。
青い形態では雷属性と氷属性のみを扱う。こちらは空中モードとも言える形態で、滞空するようになる。雷を降らせる攻撃や、着弾地点に巨大な氷塊を生成する氷のブレスを吐き出す。また、高空へ移動して空中へ大量の氷ブレスを吐き、上空から無数の氷柱を落とすというかの祖龍を彷彿とさせる攻撃なども持つ。
幸いなことに、麻痺と睡眠に非常に弱い。
故に、アルバトリオン討伐をする際によく見られるハンターといえば、
- 麻痺属性の武器持ち
- 睡眠属性の武器持ち
- 状態異常強化スキル持ち
- ボマースキル持ち
などである。
また、角を2段階破壊することで飛べなくなったり、フィールド両端の高台に突進させると角が刺さって隙が生じることから、角笛持ちやハンマーを使うハンターも決して少なくない。
中には5分以内に討伐する人達もいる。最速討伐はたったの45秒だとか…。
まあ「逆鱗」といえば竜の弱点なので、全身逆鱗というのはそういうことなのかもしれない。
また、当時の古龍種にしては珍しく、尻尾の切断条件に体力は関係ない。
MHP3
麻痺耐性が上がり、前方のハンターに向かって角を振り上げてくるので、MH3の時のようにハメることが少々難しくなっている。また角を2段階破壊しても、帯電してから飛ぶまでの時間が長くなるだけになっている。
しかし全体的に肉質が軟らかくなり、行動の隙が増え飛行モードでも着地することが多くなったため、あまり気にすることではないだろう。
MH3G
MHP3での弱体化が激しかったのか、MH3Gではとんでもない強化を施されている。出現するのは村最終クエスト、つまり一人用モードの上位クエストなのだが、なんと攻撃力と体力はG級に引けをとらないほど高くなっている。
加えて大きな変更点として、形態変化と角の関連性が消失。これにより角を折っても青いモードへの移行阻止や移行の延長は一切できない。また、前足の怯みによるダウンも消滅し、スタン以外で転倒させることができない。さらにあろうことか怒り時は閃光玉が効かなくなった。つまり飛行時に閃光玉で叩き落すのが難しくなっている。代わりに神域には拘束用バリスタ弾があるのでそれを使って撃ち落せる。
後にイベントクエストでG級の個体と戦えるクエストが配信された。
攻撃力こそ村上位と変わらないが(むしろ村上位が異常)体力値が二倍以上に跳ね上がっているので倒すには一苦労する。
MHX、MHXX
MHXにて復活、その拡張版であるXXにも続投した。なんと出現フィールドが溶岩島になっている。
全体的に演出がド派手になった本作だが、アルバトリオンも例外ではなく、各攻撃のエフェクトが一新され、特に火柱を上げるブレスなどにそれが顕著に表れている。
MH3Gの怒り時には閃光玉が効かない仕様は変わらず、また登場フィールドの変更により飛行時の拘束弾による撃墜が不可能になってしまった。だが本作ではMH4から登場した乗り状態を、目玉要素のエリアルスタイルによりどの武器種でも狙うことが可能なためそれによる撃墜は可能。乗り攻防の難しさはシリーズトップクラスだが、その分成功すれば狙いにくい頭や翼を集中攻撃できるためリターンも大きい。
また、地味に前脚の怯みで転倒する仕様も復活しており、さらに(詳細な検証こそ為されていないが)肉質や部位耐久値もMH3Gの時と比べて若干引き下げられているようなので、慣れればMH3Gの時ほど苦戦することはない…ハズである。MHXXも同様。
MHW:I
以前のイベントにて公開された今後のアップデートのロードマップで5月に過去作からの人気モンスターの復刻が告知されており、かねてからバルファルクやゴア・マガラの参戦が予想されていたが…
2020年3月21日に公開された「デベロッパーズダイアリーVol.5」にて予想を裏切りまさかの新大陸上陸。ハンターたちの間にこれまでにない衝撃が走った。
鳴き声や属性転換のエフェクトが大幅にリファインされており、新大陸のどの古龍よりも一線を画している様子が見てとれる。特に鳴き声は生物の発するものとは思えない、機械的で甲高いものとなっており、咆哮の際にはまるでノイズが走ったような音が混じる。
新大陸調査団によると「破壊の象徴」とされその名を呼ぶことも憚られる存在であり、かつてその存在を認められない者たちによって数少ない編纂書を燃やされたことがあるという。
何より特筆すべきは戦闘フィールド。
なんと彼はムフェト・ジーヴァの生息地である「幽境の谷」に姿を現したのである。
実際のところ「神域」という場所は「アルバトリオンが出現した地域一帯」を指すのだが、彼が広大な新大陸の中から何故に幽境の谷を選んで出現したのか。その真相は後述の余談を参照。
属性状態を表すモードが新しく「炎活性状態」「氷活性状態」「龍活性状態」の3つとなった。ただし3つのモードは自在に変えられるというわけでもなく、「炎もしくは氷活性状態」→「龍活性状態」→「龍活性前が炎なら氷、氷なら炎」…を繰り返す変化パターンとなる。
技についても大幅な変更がなされており、はっきり言って従来の作品とは全くの別物と化している。
まず、これまでは使用してこなかった水属性の攻撃を遂に会得し(てしまっ)た。ブレスとして吐き出してくるが単なる水ではなく油のような性質も有しており、着弾地点に炎が当たると燃え広がってダメージゾーンになるギミックがある。
そして、形態ごとの使用属性の固定はほぼ消滅。炎活性時は氷を、氷活性時は火を使わないが、それ以外の属性である水、雷、龍は形態を問わず常に使用、龍活性に至っては5属性全てを使用してくるため、「このモードならばこの技は使われない」といった概念はかなり薄れている。
そして新たに龍活性状態からモードチェンジを行う際に放つ必殺技、『エスカトンジャッジメント』を会得。この大技が本作のアルバトリオン狩猟の軸となっている。詳細は該当項目を参照。
なお、エスカトンジャッジメントに気を取られがちだが、通常の攻撃をそれ以上に警戒しなければならない。というのもステータス、特に攻撃倍率が非常に高く設定されており、歴戦古龍の倍近い倍率を持っている。その上で攻撃一つ一つのモーション値も高いため、たとえこのゲーム最強クラスの防御力を持つ装備であっても3発以上耐えることはほぼ不可能なダメージが矢継ぎ早に飛んでくる。攻撃自体は大振り気味で後隙を生じるものも多いのだが、如何せん素の速度が速いので一度のミスから一瞬で殺されることも珍しくない。そして回復などに時間を使わされると、それだけエスカトンジャッジメントの抑制や角の破壊が遠のいていく。
攻撃面が凄まじい一方で、抑制のギミックの都合なのか、防御面で付け入る隙が用意されている。まず上記の通り、大振り気味で隙を生じる攻撃が多く、回避できればこちらの攻撃チャンスは問題なく確保できる。近接ならば物理肉質がかなり柔らかいため、ダメージも稼ぎやすい。体力が52500とかなり高いものの、十分削り切れる範疇である。
ただし、これらの弱点はアルバトリオンの行動およびギミックの詳細を把握し、適切に対処できるようになることでようやく見えてくる部分でもある。当然ながら十分に慣れた後であっても、その火力の高さから油断やミスは全く許されない。禁忌のモンスターの面目躍如といったところか。
アルバトリオンは禁忌のモンスター故、長らくモンスターアイコンが『?』だったが、アイスボーンでの参戦にあたり、めでたくモンスターアイコンが追加された。アイコンの上側が炎、下側が氷となっており、本作のモードチェンジの変化を表したものとなっている。
また、アルバトリオンは特別任務のもの以外はイベントクエストで挑めるのだが、2種類のクエストが日替わりで登場する。この2種類でクエスト開始時の活性状態が異なっており、依頼文からこれらを推測できるため、有効な属性を選べるようになっている。
そして、とあるモンスターの登場の予兆として再び現れたという報告が入るが…こちらはある意味前座ということで体力はかなり抑えられている。その数値は10250と、なんとMRの最低体力であったブラントドスをも下回る。あっさり倒せてしまい、拍子抜けさせられたという人も多いだろう。
ただし抑えられているのは体力だけで、火力は一切自重無し。加えて専用の仕様として、瀕死になると確定でエスカトンジャッジメントを放つ。これが問題になるのがパーティプレイの場合で、4人揃っていると火力が出すぎて抑制前に瀕死ラインに突入、4乙確定…という思わぬ大惨事を引き起こすことがあるのだ。事故を防ぐならばソロか、複数人で挑むにしても2人くらいが良いだろう。
前座にしては強すぎるように思われるが、その実しっかり前座として機能している。というのも、この後に控える本命はアイスボーン最強のモンスターであり、ここで手こずっているようでは絶対に勝てないからである…。
武器・防具
アルバトリオンの素材を用いた武器は龍属性・高火力・高い切れ味を誇り、武器の中ではトップクラスに入る性能を誇る。
しかし多くの武器には「天をつらぬく角」が必要である。
この素材は、角を2段階破壊することで得られる報酬であるが、もともと角を破壊するのが難しいのに加えて、出現確率がMH3時代では約15%と低かった。物欲センサーに嵌められること間違いなし。
たとえ角を破壊したとしても大抵は「砕けた天角」であるため、「天をつらぬく角」1個入手するために、何回、いや何十回もアルバトリオンと戦うハンターは決して少なくない。
MH3GではG級素材に「天を統べる角」という物があるので今度はこの角のために何十回もアルバを狩りに行くハンターが出るだろう(ただし、基本報酬でも低確率ながら出ることはある)。
エスカドラ装備とも呼ばれる防具はアルバの持つ属性の不安定さを表しているのか、部位によって属性耐性がバラバラである。(共通して龍属性には弱いが)
MHXでは防具ごとの耐性にばらつきがなくなり、MHW:IBでは火、氷、龍の3属性に強くなった。
MH4では、アルバトリオン自身は登場しないものの、竜人問屋で素材交換することでアルバトリオンの素材を入手でき、防具と武器の一部を作成できる。ただ、そのためには強化を施された本作のラスボス:ダラ・アマデュラを討伐するというかなり困難な依頼を達成しなければならない。
余談
禁忌のモンスターにカテゴライズされるが他の黒龍との関連性は一切と言っていい程無い。生物としての種別も他が「源龍亜目」なのに対してアルバトリオンのみ「煌龍亜目」。もっと言えば骨格についてはアルバトリオンのみドス古龍と同じものであり、禁忌のモンスターの中でもかなり異質な存在である。
「アルバトリオン」という名称の由来は、15周年記念展および『アイスボーン』設定資料集によると「夜明けの凱旋」から。
どの言語が由来かは書かれていなかったものの、イタリア語だと夜明けは「アルバ(Alba)」、同言語で凱旋は「トリオンフォ(Torionfo)」となり、この二つの単語の合成語と見られる。
禁忌のモンスターに打ち勝って生還したハンターを称える形、つまりラスボスに臨むプレイヤー側の視点での命名のようだ。
なお、MH3系列のアルバトリオンの登場ムービーの名称は「闇からの凱旋」とこの名前の由来に因んだものであり、『モンスターハンター3』当時からこの由来を予測するユーザーは少なからず存在していた。
謎めいた存在であり、強大かつ不安定な属性エネルギーや、全身の逆鱗などあまりにも異形かつ攻撃的なデザインを持ち、『モンスターハンター』の世界観が超古代文明を内包している事や、初期の設定資料集でその超古代文明が生み出した生体兵器「竜機兵」が載っていた事などから、かつてはユーザー間の推測でアルバトリオンは「古代文明が造り出した生体兵器の生き残りではないか?」というものが真剣な考察として見られた。
後にシリーズ15周年を経ての情報解禁や『アイスボーン』での劇中描写および設定資料集にて「生物らしさを含めた世界観での立ち位置」が明らかとなってきた事から、現在はほぼ見られないものとなっている。
生態で述べたように、設定上アルバトリオンは深海を含めた水中でも活動できるとされている。
もしかすると、『3』及び『3G』の要素である「水中戦」でもアルバトリオンと戦う構想があったのかもしれない。
また、過酷な火山環境が、どこか地獄を彷彿とさせる神域。複数の属性(体)を持つという能力。素材名にみられる『瑠璃色』の文字。神の名を持つという点などが、ある女神を彷彿とさせる。
アイスボーン版クリア後に解禁されるイベントクエスト名『明けの死星』から、アルバトリオンのモチーフはかの最強の堕天使ではないかと思われる。
また、アイスボーンにおいて唐突に新大陸に現れたアルバトリオンだが、本編では何故新大陸に現れたのかに関してはほぼほぼ触れられていない。
だが、状況証拠を積み上げていくと、「調査団は知らず知らずのうちに禁忌モンスターの逆鱗に触れてしまっていたのではないか?」という恐ろしい仮説が浮かび上がってくる。
後に発売された設定資料にて、その真相が判明。
新大陸へ現れたのは、存在を許せぬ異常の力を撃滅するためであった。
生態系を作り替えるイレギュラーを始末しに掛かるその様もまた、一種の自然の自浄作用なのかもしれない。
元々禁忌のモンスターやそれに比肩するモンスターは出現するだけで世界を揺るがすほどの高い影響力を持ち、その存在は世界規模で逃げ場なくぶつかり合うほどに強大である。
その中でもアルバトリオンは自分以外の存在を許さないという意識が強いのだという。
登場ムービーで見せた、幽境の谷もろとも繭を容赦なく焼き払う高い攻撃性も、自身の気質によるものなのだろう。
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オンラインラスボス(メインシリーズ)