エスカトンジャッジメントとは、モンスターハンターワールド:アイスボーンにて登場したモンスター「アルバトリオン」が本作復活にあたり新たに引っ提げてきた超奥義である。
「エスカトン」はギリシャ語で「終末」を意味する″eschata″から来ているため、本技を意訳すると最後の審判になる。
概要
幽境の谷の底で総てを焼き尽くし、そして凍て尽くしていたアルバトリオン。あらゆる属性を駆使してハンターと熾烈な戦いを繰り広げる中、突如アルバトリオンは攻撃を中断してハンターに背を向け始める。フィールドの真ん中に立ったアルバトリオンがその場で力を溜めはじめると、周りの空気が一瞬で変質する。
「強力な攻撃が来るぞ!回復の準備をしろ!」
属性エネルギーの影響か、画面は明滅して激しくぼやけ、調査班リーダーの声も、周囲の音も、何もかもがかき消されていく。
とてつもなく嫌な予感がする。
その予感のまま何か対策を練ろうと右往左往する内にアルバトリオンは直上へ飛翔。その瞬間、莫大な属性エネルギーの衝撃波を一帯に解き放ったのだ。
赤き龍との戦場でもあった幽境の谷の最深部が、アルバトリオンが放った属性エネルギーの衝撃波によって、一瞬で全面大火災の阿鼻叫喚、あるいは永久凍土の地獄絵図と化した。
その光景に唖然とするハンターの肉体は急速に破壊されていき、気付いた時にはベースキャンプに寝転がっているか、壮絶な光景を最期にセリエナの地に呆然と立つことになる。
全てが終わる様な夢を見ていたと感じる出来事は、その手に握られた天を統べる角の存在が夢ではなく現実であると残酷に語り、ハンターに多大な恐怖と絶望を刻み込んだ。
まさにその攻撃は『神域』を産み出す神の怒り。
世界を破壊する最後の審判。
これが、神をも超える最強の古龍が放つ『エスカトンジャッジメント』である。
解説
簡単に言ってしまうと「超高火力のスリップダメージ」。性質としてはナナ・テスカトリの「ヘルフレア」や、MHFのガルバダオラが発動する「烈光」のようなもの。放たれればとんでもない速さで体力バーが真っ赤に染まり、あっという間に力尽きる。その速度はすさまじく、体力満タンの状態から力尽きるまでの時間はなんと約2秒。
中央で力を溜め始め、画面がぼやけ、調査班リーダーの声もくぐもり、BGMも一気に最小音量に下がる謎の空間が産み出されたときが発動の合図。発動されると当たり一面で大爆発が発生するが吹っ飛ばしや風圧、振動等は一切無く、「ただHPが爆速で減っていく」という異様な光景はちょっとしたホラーテイストがある。
「様々な属性エネルギーが内包され、常に不安定な状態にある」アルバトリオンの性質が前面に出た大技であり、その威力は桁外れ。ハンターの体力値は最大でも200なのだが、この技のダメージの総量はハンターの体力換算で450を超えるとされている。つまり「HP50%以下になってから秘薬を飲む」という行為を少なくとも2回しなければ確殺される。オーバーキルもいいところである。
さらにMHWおよびMHW:IBの即死攻撃らしい仕様として、
- 装衣を含めた無敵を貫通
- オトモのミツムシド根性が発動しない
という性質がある。
さらにはスリップダメージ判定のため根性スキルも無力となり、つまりは絶対に耐えられない。
また、技の立ち位置も次元が違っており、例えば同じ即死級攻撃でもムフェト・ジーヴァの『王の雫』やベヒーモスの『エクリプスメテオ』など、明確な敵意を持ってその攻撃を放つものと違い、こちらは内包する属性エネルギーの放出でしかなく、「ただ形態が変化しただけ」で起こる代謝の副産物という点が極めて異質である。
この性質故か、エスカトンジャッジメントは一定時間を過ぎると勝手に発動するようになっている。
つまり地獄の門は何度でも開かれるのである。
対策
では、放たれた時点で全てが終わるのかというと勿論そうではなく、ちゃんと乗り越える策はある。
この技は「不安定な属性エネルギーの放出」であるため、その属性エネルギーとは真逆の属性で抑制すればよいのである。これによりエスカトンジャッジメントの威力は徐々に下がっていき、最終的には回復をする事で耐えられる威力にまで下がっていくのである。調査班リーダーがエスカトンジャッジメント発動前に「回復の準備をしろ!」と発言するのもこれによるもの。抑制に失敗し、回復してもどうしようもない時も言ってくるが。
要は極ベヒーモスと同様の「DPSチェック」である。ただし、1地点でそのチェックが入るベヒーモスと違いこちらは最初からカウントが始まり、一定時間を過ぎる度に発動される上にHPへのDPSではなく属性ダメージのDPSなので、常にその特殊なDPSチェックを乗り越え続ける必要がある。
ちなみに無抑制のフルパワー時は「ボフゥ」という空気が押し出されたような効果音が鳴り、放たれた瞬間に爆音と大爆発で辺り一面が世紀末と化すおぞましい演出になるが、一段階抑制するだけでその効果音は無くなり、放たれた時も大爆発が起こらなくなる。さらに抑制すると画面の明滅も収まって龍雷の放出もなくなっていき、発動時の音もショボくなっていく。こうなるともう回復薬グレートを呑気に舐めているだけで耐えられる威力にまでなる。
主な戦術
以下の方法が挙げられる。
- アルバトリオンと真逆の属性武器で攻撃し、抑制して威力を下げる。
一般的なセオリー。というか普通はこれしかない。
活性状態によって属性肉質が変化するので、それに合わせた属性攻撃を当て続けると属性エネルギーがあふれ出したようなエフェクトを出して大きくダウンする。この時編纂者から「アルバトリオンの抑制、順調です!」というアナウンスが入る。
炎活性状態から始まるなら氷属性武器を、氷活性状態から始まるなら火属性武器を担いで戦うとわかりやすい。
水・雷・龍属性武器はどちらの属性からスタートしても一応通用するので、ある程度時間が経った後に駆けつけてくる野良マルチ等では(角破壊を失敗している可能性も考え)それらの属性武器を持つハンターも多い。状態異常は「一応なる」程度の耐性なので、ハンターが担ぐとただの戦犯と化してしまうのでやめておこう(ワンチャン狙いでオトモに装備させるのはアリ)。
またフィールド上で拾える「スリンガー滅龍弾」も抑制の一助になるため、飛ばれた時や抑制できないままアルバトリオンの活性状態が変わってしまった時などには滅龍弾を投げつけると良い。
- 全員で回復手段をフル活用し、生き残る
フルパワーのエスカトンジャッジメントをあらゆる回復手段を用いて耐える戦術。限りなく不可能に近いが可能な戦術。
方法としては全員が体力の装衣を羽織って回復の円筒を1か所に4つ設置し、ジャッジメントが始まった瞬間「早食い」「体力増強」「回復量増加」等の回復アイテムを即座に使用して回復できるスキルをガン積みした状態でアステラジャーキーや回復薬Gをガブ飲みするという方法で、ワンチャン耐える事ができる。ワンチャンである。絶対ではない。
運が良ければ全員生き残ることに成功するが、運がそれなりに良くても2/4が死亡、運が悪ければそれでも耐えられず全滅が有り得るので野良ではまず絶対に不可能な戦術。
この戦術のメリットとしては、ほぼ即死攻撃も同然な無抑制のエスカトンジャッジメントを耐えられるため、どんな武器を担いで向かっても問題が無く、全員が無属性武器でタコ殴りにする事もできる点にあるが、逆を言うとそれくらいしかない。
デメリットは、準備に壮大な手間がかかる上にそれでも確実に耐えられるわけではないのは勿論、回復スキルに枠を取られるため他の攻撃系・防御系スキルをほとんど積めなくなること。そのため必然的に戦闘が長丁場になる上、アルバトリオンの通常攻撃で死ぬ可能性が高くなる。さらには一人のタイミングミスで容易に壊滅する戦術なので、攻略方法としては下の下。あくまで動画の取れ高や遊びで挑戦するにとどまる対策だろう。
ちなみにだが、「極大なスリップダメージ」という性質を持つがゆえ防御値は関係なく、チートを使った検証では防御力を2億まで上げてもフルパワーのエスカトンジャッジメントを食らったら即死することがわかっている。そんな技を耐えるには相応の準備と手間がかかり、それでも耐えられない場合の方が殆どであることも頷けるだろう。
- 諦めて死ぬがダメージは与え続ける
「どうしようもないのでもう諦めて死のう。だがせめてダメージは与えていくぞ」と回復を一切せず真ん中で準備中のアルバトリオンを命の限り叩き続けるという戦術。ただしソロ、もしくは2人でプレイしていることが前提で3、4人マルチでは不可能な戦術。
抑制失敗して完全にどうしようもない場合や、抑制は成功したが角が折れなかった(次の形態で今担いでる属性武器が効かなくなる)場合に武器替えや仕切り直しも兼ねてあえて死を選ぶのも1つの選択肢。
抑制に属性ダメージを要求してくるアルバトリオンだが、肉質としては物理ダメージが通りやすい。そのため、「エスカトンジャッジメントなぞ知ったことか」とクエスト失敗になるより先に物理で殴り倒すという戦術もへったくれもない脳筋狩猟も一応可能ではある。なんならヘビィボウガンは弾数や装填関連の影響で、基本的にこの方法で挑まざるを得ない。
ただしこの方法はソロであれば報酬金保険系スキル無しでは最大2回しか行えず、2人組の場合一回目でチェックメイト、3人以上の編成で挑んだ場合はどうしようもない事には注意。
また、あくまでこの対策は「アルバトリオンの通常攻撃で死なない」ことが前提のため、通常戦闘で死んでしまうのであればまずはそこを耐えるところから始まる。
なお、エスカトンジャッジメント中にHPをどれだけ減らせてもアルバトリオンは絶対に死なないので、あと一歩という所でエスカトンジャッジメント(フルパワー)を放たれた場合は諦めてハンカチの準備を。
角の破壊
本作のアルバトリオンにはちょっとした特性があり、常時なにかしらの属性を纏って襲い来るのではなく、「炎(氷)活性状態→龍活性状態→エスカトンジャッジメント→氷(炎)活性状態」というローテーションで属性が変化するようになっている。
例えば、最初が炎活性状態なら対応する武器は氷属性となる。しかし氷属性武器で戦ってもエスカトンジャッジメントの後は氷属性が全く効かない氷活性状態になってしまう。
しかも本作のアルバトリオン戦ではモドリ玉が使用不可であるため「属性が変わったから火属性武器を担いできます」という戦術もできない。
抑制ができないため、次のエスカトンジャッジメントではもう死ぬしかない。
…わけではない。
本作のアルバトリオンは、形態変化時に挟まれる龍活性状態時に頭部を集中攻撃すると角を破壊することができる。
この角破壊に成功すると活性状態の属性変化が抑えられ「炎(氷)活性状態→龍活性状態→角破壊→エスカトンジャッジメント→炎(氷)活性状態」と前と同じ活性状態に戻るのである。
ちなみに角は龍活性時限定、かつ一度の龍活性状態中に一段階しか破壊できない仕様となっている。つまり、炎(氷)活性状態に角が破壊できたり、一度の龍活性状態で角が二段階破壊できたりすることは絶対にない。そのため一段階以上属性が抑制できており、頭部の破壊も常に成功できていれば属性武器を死に戻りで変える事なく、武器はそのままに序盤3回分のエスカトンジャッジメントが耐えられる計算である。どうあがいても4回目以降は必ずフルパワーのエスカトンジャッジメントが来てしまうが、3回分のエスカトンジャッジメントを耐える流れを作れる腕があるならば、4回目が来る前にはまず確実に討伐まで持ち込めるだろう。
なお忘れてはいけないのが、角の破壊はあくまで次の活性状態への抑制であって、エスカトンジャッジメントの抑制にはつながらないということ。ちゃんとダメージを与えつつ属性も抑制していないとフルパワーのエスカトンジャッジメントを食らい努力が無為に帰すので気をつけよう。部位破壊報酬は貰えるけどね。
ちなみにやや分かりにくい仕様だが、属性を抑制したときの大ダウン中はいわゆる「活性なし状態」と言うべき状態に陥っており、龍活性状態ではないため角の部位破壊ができないという点に注意しよう。
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