概要
2020年にサウジアラビアジョッキークラブによって創設。
2月に首都リヤド市内の競馬場で開催されるサウジカップデーのメイン競走で、招待を受けた陣営とその競走馬のみが出走する。
2021年10月、サウジアラビアが国際競馬のパートⅡ国に昇格した事に伴い本競走は国際GⅠ競走として再整備。
現在は前年12月開催のチャンピオンズカップ(日本)の優勝馬に優先出走権が付与される。
同競走はそれまでのドバイワールドカップに代わって「世界最高金額のレース」としてランクインしており、2025年での1着賞金は1,000万米ドル(約15億円)。
開催時期、圧倒的賞金から、日本ではダート路線の実力馬がフェブラリーSではなく、サウジカップに遠征する事も多く、またこれをステップとしてドバイワールドカップデーに挑戦するケースも珍しくない。
また、開催競馬場のダートコースはウッドチップなどを混ぜて整備されている事から事実上のオールウェザーコースと評する声も多く、日本や欧州の芝路線をメインとする馬の参加も多い。実際、後述する優勝馬のうち、第2回優勝馬ミシュリフ、第4回優勝馬パンサラッサは主に芝路線をメインとしている馬である。
優勝馬
回 | 年 | 馬/生産国 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2020 | ミッドナイトビズー(米国) | 牝5 | M.スミス(米国) | S.M.アスムッセン(米国) |
2 | 2021 | ミシュリフ(アイルランド) | 牡4 | D.イーガン(英国) | JT.ゴスデン(英国) |
3 | 2022 | エンブレムロード(米国) | 牡4 | W.ラモス(パナマ共和国) | A.アブドゥルワーヒド(サウジアラビア) |
4 | 2023 | パンサラッサ(日本) | 牡6 | 吉田豊(日本) | 矢作芳人(日本) |
5 | 2024 | セニョールバスカドール(米国) | 牡6 | J.アルバラード(米国) | T.フィンチャー(米国) |
6 | 2025 |
※
第1回(2020)は、マキシマムセキュリティ(米国)(L.サエス騎手・J.サーヴィス調教師)が1位入線となるも、馬へのドーピング違反により保留となっており、賞金も保留されていた。約4年後の2024年8月、サウジアラビアジョッキークラブの裁定委員会が正式に失格とすることを決定し(同時にサーヴィス調教師はサウジアラビアのレースより永久追放処分)、2位入線のミッドナイトビズーが繰り上がり優勝となった。これにより、ミッドナイトビズーは2024年現在、牝馬唯一のサウジカップ優勝馬となっている。
日本馬の成績
回数(開催年) | 出走馬(着順) |
---|---|
第1回(2020年)※1 | |
第2回(2021年) |
|
第3回(2022年) | |
第4回(2023年)※2 | |
第5回(2024年) | |
第6回(2025年) |
※1
レース本番ではゴールドドリームとクリソベリルはそれぞれ6着、7着入線。その後、先述した通り2024年に1位入線のマキシマムセキュリティの失格が正式に確定したため、それぞれ繰り上がりとなって確定した。
※2
2023年は最多となる6頭が出走し、「Japanese Six」と呼ばれた。
パンサラッサが日本調教馬として初めて優勝し、2着のカントリーグラマー(米国)以外の上位5着を日本馬が占めた。
※3
到着後にスクミ(筋色素(ミオグロビン)尿症、筋肉が何かダメージを負って筋由来の色素が血中に溶け出し、最終的に尿に混ざって出る症状)を発症、更に歩様に違和感が見られたことからリスク回避を理由に取消。