データ
性別 | 牡 |
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生没年 | 2021.2.24-(4歳) |
血統 | 父:リアルスティール/母:フォエヴァーダーリング(by Congrats) |
毛色 | 鹿毛 |
出生地 | ノーザンファーム |
オーナー | 藤田晋 |
調教師 | 矢作芳人(栗東) |
主な表彰 | 2024年JRA賞特別賞、2024年NARグランプリダートグレード競走特別賞 |
馬名の由来は同名の楽曲から。
半妹に美浦・手塚厩舎所属のブラウンラチェットがおり、2024年のアルテミスステークスを優勝している。
概要
生い立ち
母は米国産で16年サンタイネスステークスを勝利。繁殖入り時に日本へ渡り、本馬は4番仔。祖母の半弟にゼンノロブロイがいる。
22年セレクトセール1歳に出されて9800万円で藤田晋オーナーに落札され、父リアルスティールを手掛けた矢作厩舎へ。
なお、藤田晋氏はご存じウマ娘プリティーダービーのCygamesの親会社サイバーエージェントの社長。
そのウマ娘プリティーダービーのリリース日と同年同日に生まれた馬として話題になった。
競走馬時代
2歳
10月2週の新馬戦(京都1800m)でデビュー。スローペースの中折り合い好位を追走すると、直線で馬群を抜け出し4馬身差の完勝。
次走のJBC2歳優駿(Jpn3・門別1800m)は出遅れてしまい後方からの競馬となるも、3コーナーより徐々に進出を開始するとそのまま脚色は衰えることなく最終直線では先頭を走るサンライズジパングを並ぶ間もなく差し切り重賞制覇を飾る。リアルスティール産駒はこれがダート重賞初勝利であった。
そのまま全日本2歳優駿(Jpn1・川崎1600m)へコマを進めると、スタート直後から積極的に促して2番手を追走。3コーナーから2番人気のイーグルノワールと共に先頭争いをするも、最終直線では独走態勢。最終的に7馬身差で快勝しリアルスティール産駒初のG1級レース勝ち馬となった。
この圧勝は、調教師も「自信はありましたけど、小回りと1600メートルは向いていないと思っていたので、こんなに強いのかと驚いています」とコメントするほどであった。
3歳
3歳初戦海外遠征としてサウジダービー(G3・キングアブドゥルアジーズ1600m)へ出走。スタートで後手を踏んでしまい、更にレース展開も激しい先行争いにより速度計は一時的に43.4mph(約69.8km/h)を記録するという稀に見るハイペースになり、外目を追走するも終始手応えも悪く、最終直線に進出した頃には先頭に躍り出た米国馬ブッケムダノが突き放しに掛かっており万事休す…と思われていたが、ここで一気に末脚を発揮しゴール直前で差し切り勝利。勝ちタイム1分36秒17はレコードタイムのおまけつきであった。また、余談ではあるが、2着馬のブッケムダノはその後ウッドスティーブンステークス(G1)を優勝し、3着馬のベントルナートはBCスプリントを2着と好走している。
サウジダービー優勝後はそのままUAEダービー(G2・メイダン1900m)へ転戦。大外枠から外目の中団をスローペースで追走すると、最終直線で現地馬のアウトバーンとの叩き合いを制して勝利、無傷のまま重賞4勝目を飾り、ケンタッキーダービーの出走ポイント100ptを獲得した。
その後は引き続き帰国せずアメリカへ移動し、「スポーツの中で最も偉大な2分間」と称されるケンタッキーダービー(G1・チャーチルダウンズ10F)に挑むが、アメリカ競馬では致命的な出遅れをしてしまい、道中の位置取りも不利を受け20頭立ての後方5番手となるも、4コーナーから徐々に捲り最終直線で末脚を伸ばしシエラレオーネ、ミスティックダンともつれるようにゴールするも、結果は3着。しかしケンタッキダービーはこれまで日本馬が掲示板内に入着した実績がないレースだったために、5着のテーオーパスワードと共に日本競馬の進歩を証明した1戦となった。
その後は休養を挟み、秋はジャパンダートクラシック(Jpn1・大井2000m)から始動。ゲートで躓きながらも2、3番手につけ、他馬のマークや途中から動き出したラムジェットによりペースが急激に上がるなど過酷な展開となるも、直線で一躍先頭に進出すると中段で脚を溜めていたミッキーファイトの追撃を振り切って勝利。勝ちタイム2分4秒1は前身のジャパンダートダービーを含めても良馬場での最速タイムであった(道悪を含めると2007年のフリオーソが2分2秒9が最速タイムである)。
次走は再びアメリカに遠征しBCクラシック(G1・デルマー10F)に出走。1枠を引いてしまうと言う最悪(調教師談)の枠を引いてしまうが、これまでより大幅に良くなったスタートを決めると積極的な先行策を打つも、前半4Fが44.96秒という超ハイペース展開となり、中段待機していたシエラレオーネに差し切られ、2番手に控えていたフィアースネスを捕らえ切れず3着。1着から3着まで当年のケンタッキーダービーに出走した3歳馬で独占することになった。
帰国後は東京大賞典(G1・大井2000m)に出走を表明。国内の古馬相手に世代交代の挑戦状を叩きつけた。レースではアメリカで鍛えたゲートの成果が発揮されたロケットスタートを決め、クラウンプライドにハナを譲る形でスローの落ち着いたペースで追走。3コーナーから手応えが怪しくなるものの、直線に入ってからはウィルソンテソーロやラムジェットを寄せ付けることなく、道中2番手で上がり3F36.5秒(最速)と横綱相撲の完勝。国内無敗で東京大賞典で制覇を果たし、オーナーの藤田氏は国際G1初制覇。また、矢作調教師と厩舎所属の[[坂井瑠
星]]騎手のコンビも国際G1初制覇(Jpn1競走では、ダノンファラオで達成済み)となった。
これらの活躍が評価され、JRA賞の2024年特別賞を受賞。最優秀3歳牡馬はダービー馬のダノンデサイル(144票)に譲ったが、フォーエバーヤングも103票を獲得するなどダート馬ながらも存在感を示した。
4歳
前半シーズンは中東へ遠征しサウジカップ→ドバイワールドカップへの転戦を予定しており、ローレルリバーといった中東の強豪馬との対決や、シエラレオーネといった米国の強豪馬とのリベンジに挑むことになる。
特徴
ダートであればあらゆる条件や地域で好走する適応力が最大の特徴。
ダート競走では砂の質や砂の厚みで求められる適性が異なり、更に海外のダートの場合は降水量の少ない地域であることから砂ではなく土が用いられるため、このような馬場では高いスピード能力も求められるが、本馬は3歳までの9戦で8ヶ所の競馬場で出走し、好走している。
弱点は仕掛けどころにおける手応えの悪さであり、東京大賞典では特にその部分が顕著になっている。
また、スタートが苦手と言う弱点も抱えており、ケンタッキーダービーのように出遅れが原因で敗戦を喫したレースもあったが、馬体の成長やBCクラシックに向けたスタートの特訓の効果もあり改善傾向にある。
余談
調教助手の岡勇策氏はフォーエバーヤングのことを「ヤン子」という呼び名で呼んでいることをケンタッキーダービー遠征の際の現地競馬メディアからのインタビューで明かしている。
ちなみにこの馬は2代目であり、初代は2002年生まれの岩手競馬所属の馬で、デビュー戦の1戦のみで引退している。
海外レースや高レベルの地方レースで大金を稼いでるが中央のレースは殆ど出走していない(2024年12月時点で京都開催の新馬戦1戦のみ)為、中央での賞金が大した金額ではない(2024年12月29日時点での獲得賞金6億2326万2000円の内、日本国内での獲得賞金は2億5420万円、そこから更に中央競馬での獲得賞金に絞った場合上記新馬戦の1着本賞金そのままの720万円)ことが競馬ファンからよくネタにされる。
ダートをメインに走る馬なので、どうしても出走する重賞が地方及び海外中心になってしまうのは仕方のないことではあるのだが…