概要
古龍種に分類されるモンスター。
天災クラスの能力を持つとされる古龍の中でもとりわけ強力かつ危険な存在とされ、その気になれば文明1つはおろか世界そのものを滅亡に追いやる事すらできるほどの途方もない力を持つ。
ゲーム中でも挑戦できる時期は終盤であり、いずれの作品においてもラスボス若しくはラスボス撃破後に解禁される裏ボスとして登場してくる。
その危険性を本能的に理解しているのか、禁忌のモンスターが縄張りとしている地域には、他の生物や大型モンスターは一切近寄ろうとはしないらしい。
ただ、種によっては頑張れば撃退することくらいは可能らしく、大昔にタンジアの港の近海に出没したグラン・ミラオスは、総力を結集して立ち上がった人類との壮絶な戦いの末に撃退され、海底深く沈んでいったことが語られている(完全に息の根を止めることはできなかったため、後に復活してしまうことになるが…)。
過去にミラボレアスの討伐へと出かけたハンターがことごとく原因不明の失踪を遂げたり、帰還後に狂死するという不可解な事件が続発したことから、ハンターズギルドでは表向きには「伝承の存在」として扱い、実在を認めないとする方針を取っており、存在そのものをタブー視している。「禁忌」というカテゴライズは恐らくこれに由来するものだろう。
ただ、いずれのギルドでも、倒すべき存在の象徴としてミラボレアスのエンブレムが使われている(これはどのギルドにおいても共通する)上、実力を認められたごく一握りのハンターには狩猟が認可されることがあるため、一応存在そのものは認知している様子。こうした方針を取る背景には、興味本位で討伐に出かけて上記にあるような悲惨な末路を辿る犠牲者が続出することを避けるという目的もあると思われる。
ちなみにミラボレアス討伐へ赴き生還したとあるハンターは黒い鱗や爪を持ち帰り「黒龍から手に入れた物だ」と主張し、それらを素材にして完成した防具を身に着けていたらしいが、しばらくして「自分の腕と黒龍の腕が重なって見える」、「常に黒龍の視線と息遣いを感じる」と言うようになり討伐へ赴いた他のハンター同様の末路を辿ったという。
他の生還したハンター達の多くはよほど恐ろしい目に遭ったらしく、ある者は討伐任務の状況を頑として話そうとせず、ある者はそこにはいない「何か」に常に怯えてその後怪死してしまったらしい。
ちなみに、このような情報規制は現実世界にも及んでおり、関係者のブログ・インタビューなどはもちろん、公式ガイドブックなどの攻略本でもその存在について言及されることはほぼ皆無(※)だった。
攻略情報が一切掲載されないことへの不満の声も多いが、同時にこうした措置が取られることで、禁忌のモンスターが他とは一線を画した存在であることを印象付けるのに一役買っているという面もある。
その後、2019年10月31日から開催された「モンスターハンター15周年展」において、禁忌のモンスター全種に関する設定資料の一部が公開された。
これ以降、メインシリーズの禁忌のモンスターは、これまでの徹底的な情報規制に終止符が打たれることになった。
※ 一応、「ハンター大全」にて"黒龍伝説"というわらべ歌とそれに関する考察が掲載されるなど、作中世界で伝承の存在として語られている範囲のことならば触れられてはいる。また、武具の情報については事細かに掲載されるが、素材名は「??????」と言った表記でぼかされることが多い。
ちなみに、外伝作品でもこれらの禁忌のモンスターの如く情報規制されている古龍が実はいる。
そのため、伝説の黒龍の情報規制が緩くなったことで、むしろその古龍の方が文字通りの「禁忌のモンスター」と化している一面がある。
モンスター一覧
偶然かはたまた何らかの意図があるのかは不明だが、禁忌のモンスターとされるモンスターには、別名に「黒龍」という言葉が冠せられることが多い(例外はミラルーツだが、黒龍ミラボレアスの亜種であることを考えると、黒龍と密接な関わりを持つ存在であることに変わりはない)。
名前 | 別名 | 特徴 | 初登場 |
---|---|---|---|
ミラボレアス | 黒龍 | かつて繁栄した王国を滅ぼした黒い龍 | MH |
"ミラバルカン" | 黒龍 / 紅龍 | ミラボレアスの亜種。黒龍が火山で力を蓄え、憤怒した姿とされる | MHG |
"ミラルーツ" | 祖龍 | ミラボレアスの亜種。すべての龍の祖とされる神秘的な龍 | MH2 |
アルバトリオン | 煌黒龍 | 全身に逆鱗を持ち天災を起こす龍 | MH3 |
グラン・ミラオス | 煉黒龍 | 深海から現れた火山のような龍 | MH3G |
ドラゴン退治の英雄譚
当然ながら禁忌のモンスターはその全てが古龍種である。
モンスターハンターの古龍種は全て何らかの自然現象がモチーフであるが、禁忌のモンスター、特にその筆頭たる黒龍のモチーフは、そのものずばりザ・ドラゴンであるとされる。
そもそも“ドラゴン”と呼ばれる架空の生き物は、元を辿れば「自然を代表して神格化された蛇」が、古代の人々の自然崇拝の中で変容した姿である。「自然を代表して神格化された蛇」という点ではこの方の歴史も同じだといえるだろう。
それが時を経て「自然は人類に征服されるべきもの」という思想がキリスト教と同時に西洋に広まった。(異教潰しのために色んな土着神を貶める作業も同時進行で行われた)
その結果、大いなる自然を象徴していた“ドラゴン”は災厄を招く“悪魔”と同義語となったのだ。(この意味の変化による一番の被害者が、かの有名なドラキュラもとい小竜公)
更にそこからコイツを筆頭とするドラゴン退治の物語が広まっていったと考えられる。
つまり、自然現象をモチーフとした古龍種の、その頂点に立つモンスターのモチーフが自然全体の象徴であり、その禁忌のモンスターと人間であるハンターは、常に種をかけた争いを繰り広げていることになる。
果たして自然との調和を掲げるハンターたちに勝利は訪れるのだろうか…?
関連項目
モンスターハンター / モンハン モンスターハンターシリーズのモンスター一覧 古龍種
ムフェト・ジーヴァ:ミラボレアスと同じく『ザ・ドラゴン』をデザインコンセプトにし、『合切を破壊する者』とされているアルバトリオンとは対を成す『創造を繰り返す者』たる古龍種。
設定資料集などから禁忌のモンスターに比肩する存在だと謳われており、まさしく『古龍級モンスター』ならぬ『禁忌級モンスター』とも呼べる存在だと思われる。