曖昧さ回避
- 種の下位分類の一つ。動物の分類では種と個体の間に置かれる唯一の階級(クレード)である。植物分類学では定義が学者によって異なり、亜種を認めない立場もある。
- ゲームなどにおいて性能が異なる派生キャラクターや色違い・衣装違いのキャラクターのこと。「初音ミク」のバリエーション(初音ミク亜種)など。モンスターハンターシリーズにおける「亜種」は「亜種(モンスターハンター)」を参照。
動物の亜種
生物学上は同一種とみなされるが「一括りにするには違いが多すぎる」という理由で「種の下位分類」として設けられる区分を亜種という。学名は種小名の後に亜種名をつけて表示する。本記事では動物の亜種について解説し、植物の亜種については変種の記事に一括して記載する。
- メイン画像のサツキマスは「サクラマス」の亜種であり、他にビワマスなどの亜種がある。サクラマス、サツキマスはいずれも降海型の呼称であり、一生を河川で過ごすものはヤマメ(サクラマスの陸封型)、アマゴ(サツキマスの陸封型)と呼び外見が大きく異なるが、サクラマス・サツキマスとの遺伝的な差異はない。
動物の分類では、亜種の下位分類は生物学上は設けられない事になっているのだが、同じ亜種でも地域によって遺伝的特性や生態的特性が異なることはよくあり、これを区別する必要がある場合は「地域個体群」と表記(後述する品種も同様。これは生殖隔離が人為的に行われている場合に用いられる)する。地域個体群は外見上はほとんど区別がつかないことが多いが、特徴的な地方変異が見られる場合もある。
ペット・家畜などの「品種」も生物学上の扱いは地域個体群と同じようなものだが、生殖隔離が地理的要因ではなく人為的に行われているという違いがある。イヌ、ブタはそれぞれ「タイリクオオカミ」、「イノシシ」の亜種であるが、イヌやブタの品種ごとの表現型の変異(外見の多様さ)は野生のオオカミやイノシシより遥かに大きい。
在来種と同一種でも亜種が違えば外来種とみなされる。むしろ同一種の別亜種間のほうが遺伝子汚染が起こりやすく、別種の外来種より問題視される事もある。近年では地域個体群ごとの遺伝的多様性の保全にも注意が払われるようになってきている。