沈め掻臥せ戦渦の沼に
概要
『モンスターハンター4G』に登場する古龍種の超大型モンスター。
本作における集会所オンラインのラスボスにあたるモンスターである。
全長4920.5cm、全高1708.5cmの巨体を誇る。
生態
火薬(厳密には、火薬に含まれる硫黄)を好んで摂取するという、生物として極めて特異な性質を持ち、街の武器庫を襲撃して火薬を根こそぎ奪っていくなどの被害を出すこともある。摂取した硫黄は体内で燃焼され、これを攻撃へと転用している模様。なお、一通り餌を摂取すると地中に潜って数年~数十年の間休眠するという。
そのためギルドはゴグマジオスの存在を認識できなかったらしい。
体表からは「超重質龍骨油」と呼ばれる粘性の高い油状の体液を滴らせているが、これは食べたものの不純物を体の外に排出した物(つまるところ汗である)で、冷えて固まった油が表皮をさらに硬質化する。また、外殻はこの粘度の高い油によって絡めとられた武器や兵器がまとわりついており、尋常ではない堅牢さを誇っている。ちなみに、独特の青黒い体色は、重油やそれによって巻き取られた人工物によるもので、本来は青白い体色をしているらしい。戦闘中に部位破壊をして固まった重油を引きはがすと、中の白っぽい外殻が見えることがある。
全体的な骨格はゴア・マガラやシャガルマガラと近く、通常は前脚と後脚で歩行するが、突進する時などには背中に生えた翼脚を使って六足歩行の形態をとる。
背中には「筋繊翼」と呼ばれる翼を持つ。素材の説明文を読む限りでは朽ち果てているようだが、実際にはそんなことはなくゴグマジオスはこの翼を使って飛行することが可能(ただ、普段は重油がこびり付いて固まっており、覚醒することで体温が上昇して重油が気化することで翼を広げて飛ぶことができるようになる模様)。これだけの巨体を持つモンスターが華麗に空を舞っている姿は、初見だと度肝を抜かれること必至である。
因みに、翼を用いて『飛行』する生物としては世界最大の生物でもある。
弱点属性は龍と火。後述の状態によってどちらが第1弱点になるかは変わる。
龍はともかく、火薬類が好物で、自身も熱を伴った攻撃を仕掛けてくるにもかかわらず火属性が弱点というのは意外だったと思われる。
体表の重油が火で引火して爆発してしまうから、だろうか。
また爆破属性もそこそこ有効。後述の厄介な肉質に固定追加ダメージは期待できる。
能力
ゴグマジオスの最大の特徴は、先述のように全身を流れる「超重質龍骨油」である。
この体液は絶えずゴグマジオスの体から滲み出して周囲へと滴り落ちており、ネルスキュラの糸のように触れた相手を拘束するという厄介極まりない特性を持っている。この重油は単に相手を拘束するのみならず、熱を伴った攻撃のダメージを増幅させるという効果を持つ。ゴグマジオスの一部の攻撃(後述する熱線や、爪で地面を引っ掻く攻撃など)には火属性が付与されているため、この状態で攻撃を受けるのは非常に危険。火耐性が低いと一気にキャンプ送りにされることもある。
さらに、重油を激流のような高威力のブレスとして吐きだしてくることもあるほか、熱線へと変換して吐き出し、相手を瞬時に焼殺するという攻撃方法も持つ。
マガラ種と同骨格であることから想像できる通り、翼脚を使った攻撃や突進など共通したモーションもある。しかし、その巨体から繰り出される攻撃の威力・範囲はマガラ種とは比較にならないほど危険で、一撃一撃がとてつもない威力を秘めている。
覚醒
体力が一定値以下になると、体温が上昇し、体から滴り落ちた重油が地面に落ちてすぐに爆発するようになる。また、背中の翼を広げて空を飛びながら、熱線で眼下を焼き払ったり、全身から油を絨毯爆撃のように散布するといった行動もとる。
その一方で、体温上昇に伴い各部位の肉質が常時軟化した状態となる。
また、滞空している時に単発式拘束弾(ゴグマジオスの尻尾の一段階破壊で落し物として落とす)を2発当てれば撃墜することも可能。
初代撃龍槍
ゴグマジオスの背中に絡め取られている撃龍槍。
かつてドンドルマを襲撃して火薬類を奪い去った際、背中に絡め取られたものらしい。
ゴグマジオスの背中を集中攻撃すると撃龍槍が剥がれ落ちて一度だけだが使用できるようになる。威力は通常の撃龍槍とほぼ同等と、決して無視できないダメージを叩き出せるので、積極的に狙っていきたい。
なお、一度使用すると地面に落ちて爆発し、消滅してしまうため、何度も使用することはできない。
攻略
体表に纏わり付く重油が鎧となっており、通常時では攻撃が非常に通りにくい。
体力も18000とかなり多いため非常にタフ。攻撃力も高いため、一瞬の油断・判断ミスが命取りになる。正にラスボスにふさわしい相手だと言える。
ゴグマジオスの体表の重油の鎧には「固体」「液体」「気体」の3つの状態が存在し、後者にいくほど肉質が柔らかい。
通常時は固体だが、火属性攻撃や自身の熱を伴う攻撃で液体に変化し、覚醒状態やさらに火属性攻撃を蓄積させることで気体になり、時間経過で硬化していくという仕組みになっている(熱を加えることで軟化するという点では、アグナコトルの纏う溶岩の鎧と似ている)。
固体時と気体時ではダメージの通り方が雲泥の差なため是非とも覚えておきたい。
ちなみに固体時は火属性に弱いが、気体時は龍属性に弱くなるというのも注意したい。
また、これだけの巨体を持ちながらちゃんと乗り状態にも対応している。部位破壊もきっちり狙えるため、高台付近に近づいてきたらジャンプ攻撃を狙ってみるのもいい。
さらに、図体がデカいため、大砲やバリスタ、巨龍砲といった各種迎撃兵器も命中させやすい。使用可能のアナウンスが流れたら、積極的に使用していこう。
ストーリーにおける扱い
集会所のG★2クエストを進めていくと、大長老から次のような話を聞くことができる。
たびたび古龍の襲撃の危機に瀕していたドンドルマの街は、街そのものを巨大な要塞都市とすることでこれに対抗し、数々の迎撃兵器を生み出してきた。撃龍槍もその1つであり、最初に製作された初代撃龍槍は、幾多の危機から街を救い、その役目を終えた後もドンドルマのシンボルとして武器倉庫に大切に保管されていた。
しかし、ある時、武器倉庫に保管されていた初代撃龍槍が大量の火薬類と共に忽然と姿を消すという事件が発生。必死の捜索もむなしく原因・撃龍槍の行方共に判明することはなく、先代の大長老は街の象徴たる初代撃龍槍を守れなかったことを後々まで悔いたという。
大長老は、この話を「昔話」としてそこまで気にも留めていなかったようだが、しばらくして、かつてと同じように、ドンドルマの武器庫から火薬類が根こそぎなくなるという事件が発生。現場には謎の油のような液体が残されていた。調査の結果、一連の事件が巨大な古龍:ゴグマジオスの仕業であったこと、その古龍の背中にかつて武器庫に保管されていた初代撃龍槍が絡め取られていたこと、さらに、その古龍がドンドルマ目掛けて一直線に接近してきていることが判明する。
古龍は守護兵の手によって街の一角にある迎撃拠点へと誘導されたが、このままでは古龍が街を蹂躙するのは時間の問題であった。大長老は、幾多のG級クエストを乗り越えてきた主人公のハンターにゴグマジオスの討伐を託すことを決断。ここに、ドンドルマの存亡をかけた決戦の火蓋が切られた…。
武具
防具
防具は剣士用がゴグシリーズ、ガンナー用がマゴグシリーズ、オトモ用がニャゴグシリーズという名称。
防具は剣士・ガンナー共通で、覚醒+属性攻撃強化+状態異常攻撃強化の複合スキル:秘伝が発動する。
余談だが防具の説明文が説明になっていない。
武器
また、昨今のラスボスの例に違わず、武器の名称も非常に個性的である。
武器種 | 名称(1段階目) | 名称(2段階目) | 名前の由来 |
---|---|---|---|
大剣 | 嘆きの碑 | 忘却のオストラコン | 陶器片(ギリシャ語) |
太刀 | 誘いの折れ口 | 斬罪のエルガレイオン | 道具(ギリシャ語) |
片手剣 | 勇ましき兵 | 破滅のキリエ | キリスト教の祈りの1つ(ギリシャ語・ラテン語) |
双剣 | 咎めし鋲 | 永訣のクラウィス | 鍵(ラテン語) |
ハンマー | 虚ろな檻 | 禁戒のデスモテリオン | 牢獄(ギリシャ語) |
狩猟笛 | 赦しの鐘 | 闇黒のテルプシコラ | 踊りの楽しみ(ギリシャ語) |
ランス | 戒めの枷 | 天涯のゲガルド | 槍(アルメニア語) |
ガンランス | 滅びの塔 | 前兆のプロフェティア | 予言(ギリシャ語) |
スラッシュアックス | 裁かれし罪 | 邪執のコンキスタ | 征服(スペイン語) |
チャージアックス | 禁じられた棺 | 代償のネイディア | 天底(英語) |
操虫棍 | 使われし者の証 → 導く者の証 | 堕在のラクリモサ | 涙ぐんだ(ラテン語) |
ライトボウガン | (なし) | 荊冠のデストフィア | 暗黒世界(英語) |
ヘビィボウガン | (なし) | 戦慄のヘルシャフト | 支配(ドイツ語) |
弓 | 拒みの牢 | 亡国のクピド | キューピッド(ラテン語) |
オトモ用 | - | 束縛のハルスキャット | 洗練された猫(インドネシア語+英語) |
要するに、最終強化系は「○○(二字熟語)+カタカナ語」という命名法則になっている。
「なんかライトノベルや深夜アニメのタイトルに使えそう」という意見もあるとかないとか。
というか太刀の斬罪のエルガレイオンに至っては様々な解釈が可能な武器名から、ラノベの基本設定の1つや2つ創れそうなレベルとまで言われている。また記事には割愛するが、武器説明文も何かのポエムのような相当ぶっ飛んだ内容のものとなっているので興味があるなら見てみるのもいいだろう。
近接武器は素で紫ゲージを持っているものの、長さはわずか10と非常に短く、運用するのであれば業物などの斬れ味の消耗を抑えるスキルは必須(一応、その下の白ゲージの長さはそれなりにあるが)。
なお、ゴグマジオスが熱を伴った攻撃を仕掛けてくることから、属性は火属性…かと思いきや、一見すると何も関係なさそうな睡眠属性が発動する。ただ、属性値自体は低いため、相手を眠らせるのは容易ではない。
このように、全体的に癖の強い性能であるため、運用するにはスキル構成などを工夫する必要がある。
余談
- 名前の由来は、旧約聖書に登場する巨人の悪魔の兄弟「ゴグマゴグ」と地球や地面を意味する英単語"geo"、そして浸食を意味するフランス語の"érosion"を組み合わせたもの。
- 武器に睡眠属性が宿るのは「最後の方だと睡眠属性が目立たなくなるから」というプランナーの要望のためらしい。スタッフも、ゴグマジオス自体も長期間休眠する生物だから理に適っていると要望を受け入れたそうだ。ちなみに現実の重油から出る「ジメチルエーテル」というガスには麻酔性の効果があり、人間が吸引すると軽度の麻酔状態になる。その点重油から睡眠属性というのはあながち間違っていないといえるかもしれない。
- 発売直前に公開されたCMにも、ラストシーンで一瞬だけ登場している。ただ、この時映し出されたのは一部だけであり、意図的にピンボケされていたことからどのような姿のモンスターなのかは判然としなかった。ただ、その圧倒的な威圧感から、「これが本作のラスボスではないか」と見抜いたファンは多かったようである。
- 通称は「巨戟龍」、つまり黒龍ではないのでシークレットではないのは言うまでもない。だからって「モンスターハンターフェスタ」で弱点が暴露されてしまうというのは…。
- レア素材に「戦火の龍神玉」がある。…が、この素材、説明文にもし割れてしまったら大陸が焦土と化すまで焼きつくされるという恐ろしいことが書かれている。もちろん、ゲーム中で実際にそのようなことが起こることはないが、仮に事実だとすれば、こんな物騒なものを持ち運んだり素材として扱ってよいのだろうか…。
- ゴグマジオスを撃破すると、ドンドルマの大長老からG級特別許可証が認定され、同時に「古文書」というアイテムがもらえる。ラスボス撃破後のやりこみ要素にあたるもので、これを解読することで様々な特別なクエストが受注可能となる。
- また、イベントクエスト「巨戟砕くは砲撃の雨」では、最初から覚醒した状態のゴグマジオスが相手になる。攻撃が苛烈になっているが、常時肉質が軟化している為、人によっては通常のクエストより楽だという声も。なお、クリアすることで「嵐龍チケット」というアイテムがもらえ、アマツマガツチのGX防具が作成可能となる。
関連イラスト
関連項目
モンスターハンター モンスターハンター4G(MH4G) 古龍種
オンラインラスボス(メインシリーズ)