アグナコトル
あぐなことる
陸上で生活している海竜種で、主に火山の奥地や洞窟に生息している。
通称「炎戈竜」。
初出は原種が『モンスターハンター3(トライ)』(MH3)で、亜種が『モンスターハンターポータブル 3rd』(MHP3)。
ウロコトルの成体で、全長30mを突破する個体も珍しくないという巨大な大型モンスター。
火山に生息するモンスターの中でも、とりわけ危険度の高いモンスターとして知られており、過去にはたった一頭で「火の国」を半壊させる程の被害を出したという事例もあり、地域のギルドによっては狩猟に非常に厳しい制限が設けられている場合もある。
幼体のウロコトルのように積極的に群れを作ったりはしないが、同種の別個体が自分の縄張りに侵入しても積極的に排除しようとはせず、寧ろそれぞれの個体が互いの縄張りを共有し合い、一つの地域に複数の個体が鎮座し続ける場合もある。その点においても脅威度は非常に高い。
食性は、幼体のウロコトルが腐肉食生物なのに対して、完全なる肉食性である。主にリノプロスなどを捕食するが、ウロコトル同様に腐肉も食べる。元々アグナコトルの嘴は、火山地帯に住まう強固な外殻を持ったモンスター達を捕食する為に進化したものであり、獲物には、この嘴を叩きつけて抉り返すように食べる為、アグナコトルに捕食された生物には独特な痕跡が残る。
また、ウロコトルと同じく嘴をカタカタと鳴らす威嚇行動をとる事が確認されており、この音で仲間や子供とのコミュニケーションも行っているとされる。
最大の特徴は「碇口」と呼ばれる独特の形状の硬い嘴で、その碇口と強靭な筋肉で火山の頑強な岩盤を突き破り、そのまま身体を捻る事でドリルのように掘り進むという、驚くべき生態を持っている点である。その運動能力は大型モンスターの中でも群を抜いており、地中、地上、天井を縦横無尽に移動する事が可能で、その巨体に見合わぬ驚異的な機動力を誇る。
また、体長に対して四肢は比較的短いが、その見た目に反して陸上での動きも非常に素早く、単純な走行速度自体もハンターのそれを軽く超えている。
耐熱性に優れた甲殻には小さな突起が生えており、マグマの中を潜行する事で、その上に灼熱のマグマを纏う。時間が経つにつれて、この全身のマグマは冷えて固まり堅牢な鎧となる。
非常に屈強な個体は、攻撃と同時に身体を纏うマグマを撒き散らして、周囲を焼き払う事もある。
全身の鱗の隙間からは不燃性の体液を常に分泌しており、マグマを纏っても決して火傷を負う事はなく、グラビモス以上に長時間に渡ってマグマの中を潜行する事も可能で、まるで水中を泳ぐかのような驚異的な速度でマグマの中を泳ぐ。
さらに体内にもマグマを溜める事が可能で、それを口から熱線状にして吐き出す事で外敵を焼殺する。この際には、熱線を吐く為の器官がある胸部や、碇口は瞬間的に赤熱する程の高熱を発する。
繁殖期には、交尾の為に火山の山頂に集まる習性があり、この時に天井裏を移動する事を覚えるという。その為、天井から攻撃を仕掛けてくる個体の大半は繁殖を経験した個体であるとされる。
卵を体内で孵化させて、ある程度成長させてから一度に2、30匹程を出産する卵胎生である。
しかし、成体になるには長い期間を要す為、完全に成体になれるウロコトルはごく僅かである。
原種
火山に生息する、マグマの中を泳ぐなどヴォルガノスの後輩に当たるモンスターだが、ヴォルガノスとは異なりマグマの中だけでなく、陸上は勿論だが天井すらも泳ぐ事ができるのが特徴である。更には攻撃力や素早さ共に高く、非常に手ごわいモンスターと言える。
体の表面にマグマを纏っており、出現直後は肉質が軟らかいが、時間の経過と共にマグマが冷えて固まり非常に肉質が硬くなる。地面に潜ってマグマを纏い直すと再び肉質が軟らかくなるが、それ以外にも火属性の攻撃を当てる事で、強制的に軟らかくする事もできる。ただし、アグナコトル自体には、火属性の攻撃は一切通らないので注意が必要である。
また、マグマを体内に蓄積してグラビモスのように熱線として吐いたりもする。アグナコトルの熱線はグラビモスとは違って水平になぎ払ったりはしないので、一応は撃たれてからでも避けようはあるのだが、剣のように縦横無尽に振り回す事もあるので油断は禁物である。
テーマ曲の「大山、鳴動す」は、火山の戦闘汎用BGMとして使われている。情熱のダンスをイメージした曲で、この曲を聴くとアグナコトルの嘴をカタカタさせる音を連想するプレイヤーも多いだろう。
MH3Gでは、ブラキディオスの生態ムービーにてブラキディオスと激突する。
序盤こそ、マグマ飛ばしや地中からの強襲巻きつきでブラキを苦しめるが、それを振り解かれて、手痛い反撃と粘菌爆発によりK.Oされてしまう。そして、そのまま怒り状態になったブラキのパンチで止めを刺されてしまった(「頭部を粉砕された」と勘違いしている人も多いが、実際に殴っているのは頸椎の辺りである。やや分かりづらいものの、映像をよく見ると爆破された直後に、アングルが変わった所で頭がしっかり映っているのを確認できる)。
ファンからは「アグニャン」などのあだ名で、慣れ親しまれてきたモンスターなだけに、あっけなく敗北してしまう姿を嘆く声がよく聞かれる。どうやら火山に生息し、口から熱線を吐く大型モンスターは、噛ませ犬として採用されやすい傾向があるようだ。
実際に、ブラキディオスの装備でアグナコトルと戦うと非常に立ち回りやすい。
MH4及びMH4Gでは、惜しくも参戦を逃したが、MHXで久々に登場した。
MHRiseにおいては幼体であるウロコトルは登場したものの、肝心のアグナコトルは未登場。
マスターランク版であるサンブレイクで満を持しての登場を期待されていた……
が、まさかの新種の海竜種であるオロミドロ亜種という、溶岩棲の大型海竜種という特徴が完全に一致したモンスターが先に発表されることとなり、早速登場が絶望視される事態となってしまった。アグナコトルの明日はどっちだ。
- 名前の由来は、インド神話の火の神である「アグニ」と、ナワトル語で蛇を意味する「コアトル」から。「コアトル」はアステカ神話で人類に火を齎した神でもあり、いずれも火に関連した神である。
- 別名の「炎戈竜」の「戈」とは、矛やピッケルの事で、その名の通りに嘴が矛のように硬く鋭い。
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