概要
『モンスターハンター3(トライ)G』(MH3G)で初登場する「獣竜種」のモンスター。通称は『砕竜』。
これまでの獣竜種はずんぐりした体型とあまり発達していない前脚が特徴だったが、ブラキディオスはスマートな体型とおおきく発達した前脚をもっている。
名前の由来はラテン語で『腕』を意味する「ブラキオ」と、黒曜石という意味の「オブシディアン」をもじったもの。
全長16m弱、全高5.5mという、比較的小柄な肉食獣竜種。
主に火山に生息しているが、モガの森や凍土にも我が物顔で歩いていたりする。
身体に付着しているのは、地面に着弾してから一定時間で爆発する性質がある「粘菌」。ブラキディオスは粘菌や前脚を使った打撃攻撃を得意とする。
一般的に粘菌は自力では殆ど動くことができないため、ブラキディオスの攻撃力を増強する手段として自らを使わせる代わりに身を守ってもらいつつ、広範囲を移動させて生息域を広げる手伝いをさせていると言われている。
発売前
パッケージモンスターなのにガノトトスの復活(水中戦も有り)や怒り喰らうイビルジョー等の陰に隠れがちだったり、リーゼントつながりの先輩のように「ブラクディオス」と公式で名前を間違えられたりとなど、発売される前の扱いは不憫なものだった。
…そう、発売される前までは。
戦闘能力
発売後、評価は一変した。
前足を軸としたサイドステップや軽いフットワークを活かしハンターの攻撃をスルスルとかわし、その隙を突いてハンターに殴りかかってくる。戦闘スタイルはボクサーから取ったのだろうか。
最大の必殺技はジャンピング土下座と呼ばれる大ジャンプしながらの両前足叩きつけ。威力は絶大な上に、慣れないうちは回避もままならずキャンプ送りにされるハンターも多い。
全体的に予備動作が短く、時には予備動作無しに180°振り返りながらパンチ、予備動作無しのジャンピング土下座という荒業も繰り出してくる。また、大きく振りかぶっての叩きつけは一見隙ができるように見えるが、いざ攻め込もうとすると高速でカウンターフックを仕掛けてくることがある。
怒り状態になると全身の粘菌が活性化し、黄緑色から薄黄色へと変色する。
この状態になると一部の前足を用いた攻撃で粘菌が即爆発するようになり、攻撃範囲が凶悪なことになる。また、即爆発するにもかかわらず、前足攻撃を直接受けたら粘菌が付着するため、殴られる→起き上がりに爆破攻撃を重ねられ大ダメージ→1乙という事例が後を絶たない。
そして恐ろしいことにブラキディオスはこのコンボを意図的に仕掛けてくる。
連続で4回叩きつけ、ダウンしたハンター目掛け直線状に粘菌を爆破してくるというものである。叩きつけはたとえブラキの股を潜り抜けて後ろを取っても、華麗に180°方向転換しながら殴りつけてくる。では緊急回避ならどうかというと、この連続叩きつけは一発一発の間隔がちょっと長いため、起き上がりに殴られる。そして殴られようなら最期、ブラキとの距離次第では回避距離を付けようが避けられない粘菌爆破が飛んでくる。
更には獣竜種の多くに見られる、怒り状態だと脚部へのダメージ蓄積で転倒しないという凶悪な特徴も持っている。
これはゲームシステム上ハンター側が行える「怒り状態」への対応手段の一つを一方的に無効にする事から、この仕様に関してはプレイヤー側からの評判は余り良くない。
更に全身の肉質が硬めなので、少ない隙を突いて攻めようにも思ったようにダメージを与えられず、低めの体力にもかかわらず戦闘が長引きがちになるという点も不評である(肉質が硬いという事は報酬素材目的の部位破壊を狙いにくいという事であり、体力自体が低いことが災いして破壊を達成する前に倒してしまう事態も頻繁に起こる)。
このように素早さ、攻撃力、防御力、攻撃範囲、隙の無さ、全て(のストレス要素)を兼ね備えた強力なモンスターであり、今までのパッケージモンスターの中ではトップクラスの実力とまで言われる程。
ただその反動なのか、疲労状態になると凄まじく弱体化する。
G級ではそんなブラキディオスを2匹同時に相手にすることになる。このクエストをクリアすると晴れてG級の火山の採取ツアーが解禁されるため、炭坑夫たちは彼らのことをブラキディオス圧迫面接官と呼ぶらしい…。
黒曜石は砕けない
MH3G最難関のイベントクエストの1つとして、全国のハンターたちを絶望のどん底に突き落とした。
詳細はリンク先を参照。
MH4
ブラキディオスもMH4に登場する事が決定。
MH4に「G級クエスト」はないが「高難度クエスト」は健在で、そちらに登場する。
今作では立体的な狩猟に対応した結果、壁を粘菌を付けながら登ってきたり、段差を跨ぎながらパンチをしてくるようになった。
またそれ以外にも地面に大量の粘菌を垂れ流したり、パンチの精密性が上がったり、横振りパンチから叩きつけに繋げてきたりと前作以上に梃子摺る相手となっている。
狂竜個体に至っては緩急の定まらないフットワークとバラバラな粘菌の爆発時間のせいで更に凶悪なことになっている。
これで前述の強化個体が出てこなければいいのだが…
MH4G
村の上位クエストに狂竜化ブラキディオスのクエストが存在する。
作中の時期では狂竜ウイルスの源であるシャガルマガラは討伐されていたため、ウイルスの被害者の残党と思われていたが…。
また、抗竜石の実験相手にもなっている。
なお、前作と比較すると攻撃精度に調整が加えられており、かなり闘い易い相手になっている。
MHX
最初に発表されたプロモーション映像の段階で登場しており、今作でも続投が決定。
これにより爆破属性武器の続投もほぼ確定したとみて間違いないだろう。
孤島や地底火山といった従来の出没地に加え、今作ではラティオ活火山(フロンティアGやMHP2Gの火山)にも姿を現すことが確認されている。
MHXX
Xの続編であるXXでも続投。
だが、彼の運命は一つの納品依頼で大きく変わることになる。
急募・炭鉱 採掘求む
このクエストのサブターゲットはブラキディオスの狩猟であるのだが、その報酬で大量の風化したお守りが手に入ることが判明。
これまで数々の主任達の厳しい監査に耐えながらピッケルを振るい続けていた炭鉱夫達。
従来の風化したお守りの収集方法としてはカマキリや極めて特殊な蟹などが主流であった。
だが主任が溜め込んでいたお守りの存在が判明したことで炭鉱夫達は久方ぶりに武器を手に取り一斉蜂起、哀れブラキディオスは文字通り息つく暇もなく大量乱獲されることになったのだった。ちなみに一応このクエストで出現するブラキディオスは強化個体であり、攻撃倍率自体は獰猛化個体以上である。
また、漫画ドリフターズとのコラボクエストでもメインターゲットとして登場、こちらでは孤島での獰猛化個体の狩猟となる。
同クエストではアイテムの持ち込みが禁止されているため、かなり苦戦を強いられる…と思いきや
サブターゲットが「モンスターのフン4個の納品」であり、受注可能なHRでは行けない孤島での採取が可能になる上、コラボ武器制作に必要な素材がサブタゲ報酬でも出現する。ブラキディオスの徘徊範囲も限られているため、その気になれば一切ブラキディオスと鉢合わせせずに帰還することもできる。
そのため今作のブラキディオスはメインターゲットでは狩られず、サブターゲットでは狩られまくるというよくわからない立ち位置にいるモンスターである。
フロンティアG
そんな彼の進撃は止まるところを知らず、遂にフロンティアGにまで参戦することが告知された。
ジンオウガ、イビルジョーに続く第3の遷悠種という扱いで、10月中旬のG8.1アップデートで実装される予定。
また、ブラキディオスの参戦に伴い、遂にフロンティアGにも爆破属性武器が導入されることも決定した。
猛り爆ぜるブラキディオス
MH4Gにて登場した、ブラキディオスの特殊個体。
詳しくはリンク先を参照。
武器・防具
武器
3G
生成できる武具は優秀の一言。
どの武器も高い攻撃力とボウガン以外は爆破属性を兼ね備えている。
爆破属性とは状態異常のように攻撃して一定以上の属性値を蓄積させることでその部分に爆破ダメージを与えるというもの。この爆破ダメージが強力で、高確率でモンスターを怯ませて部位破壊も可能なスグレモノである。しかもボマーの影響も受ける。
高い攻撃力、強力な爆破属性に加え、近接武器はちゃんと匠で紫ゲージが出るなど、どれも一線級の代物となっている。ただ一つを除いて。
武器の強化には、【砕竜の宝玉】(上位クエスト以降)【砕竜の天殻】(G級クエスト)などのドロップ率がかなり低い素材が必要となるため、根気よくプレイして手に入れるしかない。
また、ブラキディオスの武器以外の無属性武器の中にも、「覚醒」というスキルによってこの爆破属性を引き出すことのできるものが存在する。スキル枠を1つ失うというデメリットはあるが、覚醒によって爆破を得る武器は、ブラキディオスの武器と比べて属性値が高めに設定されていることが多く、ものによってはブラキディオスの武器以上の超性能を得るものもある。
爆破属性の便利なところは、爆破による固定ダメージで大半のモンスターに安定した戦いが可能になるということ。しかし、そうした一方で、その万能っぷりから今作の属性武器の大半を産廃に追いやってしまうという自体にも繋がってしまい、プレイヤーからは賛否両論となった。
爆破属性のおかげでソロでも楽にプレイできるという歓迎の声がある一方で、バランスブレイカーとみなして快く思っていないユーザーも多く、爆破属性武器は使わないというプレイスタイルを貫くプレイヤーも結構いた。
また、爆破属性は体力が多いモンスターには効果が薄い。
特にグラン・ミラオスは体力が20000以上はあるのに対して一度の爆破でたった300しかダメージを与えられない故に最終的にジリ貧と化すので、相手によっては弱点属性の武器の方が安定するということを知っておいてほしい。
4、4G
ブラキ武器以外にテオ・テスカトルの武器にも爆破属性が付与されるようになったほか、ティガレックス希少種の武器やダラ・アマデュラの一部の武器にも覚醒で爆破属性が付与されるようになったため、唯一の爆破武器ではなくなった。また、爆破属性自体も前作に比べると爆破による追加ダメージが減少するなど調整が施されている。
MH4では前作であまりにも猛威を振るったためか全体的に微妙な性能のものが多かったが、4Gでは上記の特殊個体の登場もあって、最終強化を施すと、匠で十分な長さの紫ゲージが出現、爆破属性値と物理攻撃力のバランスにも優れるといった、古龍の武器にも匹敵しかねないほどの良武器へと生まれ変わった。
防具
男性は某汎用人型決戦兵器を彷彿とさせる見た目になり、女性は女王様チックな見た目になる。
「挑戦者」というスキルが付き、モンスターが怒っている最中はハンターの能力が上昇する。
また、案の定ボマーも付いて爆破属性の武器と相性が良い。…が、回避性能は下がってしまう。
このため、モンスターが怒ってもある程度安定した立ち回りができる玄人向けの装備だと言える。
やはり、こちらもドロップ率がかなり低い素材【砕竜の宝玉】【砕竜の天殻】が必要。
4GではG級防具のグラフィックが描き直されており、さらに特殊個体の素材を用いた防具「ブラキウムシリーズ」も登場している(ちなみに、「ブラキウム(brachium)」は腕を意味するラテン語である)。
そして、長い年月を経て、遂に。
モンスターハンターワールド:アイスボーンにて参戦することが決定された。
PV3の最後でウラガンキンを粘菌で爆殺したところで締めくくられた事から
参戦すると噂されていたが、その噂通り参戦が決定された。
本作ではリオレウスなどの、生態系の上位層の面々と縄張り争いを起こす。力量差は互角だが、他の獣竜種のモーションを使い回しているためか、腕を使わない縄張り争いが多かったりする。
また、上記ムービーや下記の生態映像などで見られた、他のモンスターへの粘菌付着がついに仕様として実装された。腕などの粘菌付き攻撃が当たるとその部位に粘菌が付着、通常の粘菌と同様に時間経過で爆発する。この爆発はモンスターにもこちらにもダメージ判定があるため、乱戦中には不意に爆破されないよう注意が必要となる。
本作のブラキディオス最大の特徴は、爆破やられの強化。今では複数のモンスターが爆破やられを使用するようになったことを受けてか、その開祖とも言えるブラキディオスはなんと専用の強化版である強爆破やられを引っ提げてきたのである。
細かい仕様は検索を推奨するが、簡潔に言えば解除しづらく、なおかつダメージが大きくなった爆破やられという純粋な強化版である。ただ、毒の強化版の猛毒などとは異なり、爆破耐性のスキルをLv3にすれば完全な無効化が可能。
その他、地面に頭を叩きつけた際の大量の粘菌には泥などと同様に足を取られる仕様が追加されている。
余談
- 生態映像では火山の生態系の頂点に立つモンスターであるアグナコトルと激突。粘菌攻撃でKOした挙句、最早すでに戦えないアグナコトルに思いっきりパンチを振り下ろし爆殺するという恐ろしい姿を見せ、多くのハンターを驚愕させた。構図的にまるでアグナコトルの頭を粉砕しているかのような凄惨極まりない光景だが、よく見ると首のあたりを殴りつけたようであり、次のシーンではちゃんと頭が残っている。…だからといって恐ろしい光景である事に変わりはないのだが。
- 旅団の看板娘の初恋の相手らしい。なんでも目的に向かってまっすぐ進むその姿勢や逞しさに一目惚れしたとのこと。これを聞いて「何かおかしい」と思ったあなたは間違っていない。
- ちなみに、そのクエストの名前は「交わした赤い熱視線」である。
生態動画
関連イラスト
関連タグ
メインモンスター(メインシリーズ)