アンジャナフ
あんじゃなふ
古代樹の森の生態系の上位に位置する大型の獣竜種。
時には大蟻塚の荒地にも姿を現すことがある。
二足歩行を主とする獣竜種の例に漏れず後ろ足の筋力が非常に発達しており、壁をよじ登ったり、足場を飛び越えたりと、大柄でありながら機敏な動きを見せる。
性格は非常に獰猛。特に攻撃を加えずともハンターを見ただけで襲い掛かる。
その凶暴性は調査団の中でも広く認知されているようで、常々「暴れん坊」という言葉で表現されている。それこそ、ストーリー上で初めて彼の狩猟任務を請け負った際に二等マイハウスにいる陽気・勝気の推薦組コンビに話しかけると、いずれも一言「暴れん坊」と評するほど。以降も彼をターゲットとするフリークエストでは高い頻度で「暴れん坊」という通称と共に、芸能新聞の見出しや日記などをおもわせるコミカルなタイトルが付けられることも。
基本的に、餌となるモンスターが豊富な古代樹下層全体を徘徊しつつ、草食竜や下位のモンスターをねじ伏せて捕食しながら生活している。
縄張りを誇示するために鼻先から黄色い粘液を壁に吹き付けるマーキングを行うのだが、本人は専らフィールド全体を己の縄張りと認識しているため、ドスジャグラスやプケプケは勿論、挙げ句はトビカガチやリオレウスが巣とするエリアにすら我が物顔で侵入する。
彼自身は、基本的に古代樹中腹にあるツタで出来た円形のベッドを寝床としており、そこへ到達するために時にツタの壁や天然のロープを伝って上階層へよじ登ったり、狭い通路も強引に頭をねじ込みながらでも突き進む。
ただ、生態系の頂点に君臨するリオレウスには勝てず、縄張り争いでは100%負け、投げ落とされたり火炙りにされたりと、手痛い反撃を食らいながら退散を余儀なくされる。
MHWのストーリー上では比較的早めに対峙することになる。相手を確実に仕留めるまで執拗に追い回す性格、序盤の敵の中では頭抜けた火力によって何度もキャンプ送りにされるプレイヤーが続出していた。
恐ろしいことに、イベントで顔合わせを済ませた後は本来狩猟するより前の時期からお構いなしに平然とフィールドを闊歩している。そのため、「モンスターと戦闘中に突如咆哮が聞こえたかと思ったら、側面から噛みつかれて即死」という、かの恐暴竜を彷彿とさせる事態を引き起こすことも。
MHW発売初期ではコイツが倒せずに詰まっている下位プレイヤーが救難信号を発信し、同じ境遇のプレイヤーが2~3人来ても纏めて返り討ちにされてクエスト失敗なんてのもザラであった。
素の状態でも高い火力を持つが、怒り状態になってしばらくすると咆哮と共に顔が赤く染まり、「炎熱蓄積状態」に移行。詳細は後述するが、ただでさえ強力なアンジャナフがさらにパワーアップする。
火力もさることながら、この個体だけでハンターの動きを制限する「咆哮・風圧・震動」の三要素、さらに拘束攻撃を併せ持つ。
弱点は頭なのだが、噛みつきを筆頭に頭付近は強力な攻撃が多い上、アグレッシブに動き回るため初見では狙うのが難しい。しかし他の部位は全体的に肉質が硬めでダメージが通りにくい。
多彩かつ明確な隙が少ない攻撃モーション、高火力、強化形態、こちらの動きを制限する拘束手段、動きを見切らなければダメージを与えにくい肉質…と、近い時期に戦える他のモンスターと比べて一気に強さが跳ね上がる。ワールドにおいてこれから相対する強力なモンスターの性質を基礎的な形で取り揃えた、まさしく序盤の壁と呼ぶのに相応しい強敵。
初心者ハンターにとってはかなり厳しい相手だが、一方でこのアンジャナフを制することができれば名実ともに初心者卒業と言ってもいいだろう。
アンジャナフ戦での経験は後のモンスターに対して応用できる部分が多いので、今後の糧になるという意味でも大事な一戦である。
舞台が現大陸に移ったモンスターハンターライズにも続役。
…ただ開発側もさすがにここまで手強い相手を序盤に持ってくるのはまずかったと判断したのか、続く
モンスターハンターライズでは里・集会所共に危険度6(同格にナルガクルガ、ジンオウガなどが存在する激戦区)とかなり終盤に登場するよう変更された(参考までに里下位ではマガイマガドの緊急クエストをクリアした後に開放される★5にならないと狩猟できない)。戦闘力はほぼ据え置きだがある程度装備が整ってから挑めるようになったので攻略難易度はぐっと下がったと言えるだろう。
ただし第一弾のアップデートまでは、防御力のボーダーが300〜400であったため、噛み付き→投げ飛ばし→汚物は消毒だ〜!!のコンボで乙るハンターも少なくなかった。
また縄張り争いもワールドより拡充されており、もっとも美味しい役回りかもしれない。
G級ポジションのサンブレイクではMR3の緊急クエストと比較的初期に戦うことができるが、数秒の予備動作の後、勢い良く喰らいつくモーションが追加されており、苦戦すること必至。
そして、今度はシャガルマガラ討伐後、キュリアに纏わり付かれ精気を吸いつくされてしまった。
度重なるハンターたちの攻撃によってブチ切れると、咆哮を上げながら鼻先が異様に隆起し、背中からは翼を展開する。
この状態は「炎熱蓄積状態」とされ、噛みつきなど一部の攻撃に火傷ダメージが付与、火の粉や炎ブレスの攻撃パターンが追加され、全体的な戦闘力が更に強化される。
頻度こそ少ないが、一直線に放たれるブレスはその見た目に違わぬ威力を有する上に出が早いため、直撃すれば下位クエスト時点や上位初期は勿論、歴戦個体であれば古龍防具を着込んでいても一撃で灰にされかねない火力を有する。
ただ、一直線上のブレスは射程こそ長いものの発射中は完全に隙だらけなので、むしろ絶好の攻撃チャンスとなる。加えて、アンジャナフは炎を吹き出す鼻先の突起が弱点になっており、喉が赤く熱を帯びた状態で頭部に高威力の攻撃を叩き込むか、ミズタマリゴケから生成できるスリンガー水流弾を数発打ち込むか、泥玉コロガシを当てることで大ダウンが取れる。
なお翼に見える器官はあるが空を飛ぶことはなく、身体の熱を調節する排熱器官、或いは威嚇用であると推測される。また、この器官は一見すると破壊できそうだが部位破壊不可である。落とし穴にハメて攻撃し続けても無意味なので注意。
スマホアプリ「Now」にも登場。
初登場ランクは★4で、ストーリー上も比較的早い段階で該当する緊急クエストが登場する。
…この時点で嫌な予感がしたワールド経験ハンターもいるだろう。
実際に戦ってみると、他の★4のモンスターと明らかに一線を画する性能を有しており、事実上★4.5と言って差し支えない、設定ミスを疑いたくなるレベルの強さを持つ。何なら、この次の緊急クエストで登場する★4版クルルヤックよりも強い。
やたらと痛い攻撃、妙に高い体力、あの手この手の遅延行為…と、厄介な性質を複数持っており、加えてこの段階の装備では余程時間をかけて強化を重ねていないとかなりギリギリになるため、初見で勝利するのはまず無理である。
厄介なのが片手剣のシールドガードからの反撃ラッシュのちょうど最後の一撃の硬直に重なるように攻撃してくる事がある点と、長い距離を移動しながら攻撃する行動が存在する点。
これが原因で慎重に戦うと体力を削り切れずに時間切れ、かといって強気に攻めたら反撃で返り討ちに遭い乙る…、という事態が頻繁に発生するため、戦ってもただ時間と回復薬だけ無意味に浪費して終わるだけという結果に沈むこともある。
だが、そんなコイツを安定して狩れる様になれば、晴れて一人前ハンターと言えるだろう。
ワールド
持ち前の体格と咬合力でドスジャグラスやトビカガチを蹂躪していたが、一方で頭上を飛び回るリオレウスには手も足も出ない。しかし“陸の女王”リオレイアとは縄張り争いをしなかった。これはおそらくアンジャナフの地上性能が高いためだろうが、その真価が発揮されたのはライズであった……
ライズ
格が上がったことに伴い、縄張り争いの相手も過去作のメイン級が相手となった……が、しかし(土俵違いの火竜を別にすれば)そのメイン級とほぼ互角に戦っている。しかも全ての戦いで先手を取っている。たとえ相手が絶対強者だろうと、無双の狩人だろうと、砂漠の暴君だろうと、全てにだ。
オマケに、その攻撃は2種を除いて全て相手の首根っこを狙っている。殺意の高さがハンパない…
以下は戦績
毒だの岩だのを使わせる前に噛み付き、そのまま振り回して完封勝利。その光景はどこぞのジュラシック・パークである
正面対決ならば、かのゴシャハギにも引けを取らないヨツミワドウだが、悲しいかな↑の2種と100%同じ流れでゴムボールと化した。その巨体もあっけなく咥え上げられてしまった。
(後述の通り、アンジャナフの咬合力は凄まじいので相手が悪かったのだろう)
ワールドと同様、カウンターの電撃に一瞬怯めど、次の瞬間には首根っこへ噛み付いて振り回し勝利。
トビカガチ同様、苦手な電撃持ちでありながら、初撃の"お手"を躱してカウンターの噛み付きを首へ叩き込み、咥えて振り回した。その後は振り解かれ、そこをジンオウガの尻尾にシバかれてダウンする。
※痛み分け扱い
ある意味ではライズ最大のジャイアントキリング。冒頭で述べたとおり、アンジャナフはせいぜい旧作のボルボロス的な立ち位置という認識が強かった。そして当のボルボロスはディアブロスにボロ負け……そして迎えた対決。誰もがアンジャナフの敗北を予期したが、ところがどっこい渋川剛気ばりの受け流しを発動。ディアブロスの突進を一歩引いてからうなじへ噛み付き、突進の勢いを利用して地面へ叩きつけた。そこから藻掻くディアブロスを再度アゴの力だけで抑えつける。ただし当然ディアブロスもやられっぱなしではなく、そこから怒涛の勢いで攻め上げ、終いには天高く放り投げられてしまった。
※痛み分け扱い
アンジャナフが首を捕れなかった数少ない相手。というのもティガ・ナルガは地上での機動力が高く、しかも顎の力が洒落にならない。
おそらくはアンジャナフ自身の頭部を危険に晒さぬため、初撃は大好きな噛み付きを捨ててタックルを選択しているようである(その証拠に相手がタックルで怯んだ途端に尻尾へ噛み付こうとしていた)。
だが流石に地上戦に長けた2種は他モンスターと違い、先回りしてアンジャナフに馬乗りになり噛み付く。この時アンジャナフの顎を前肢で抑えているのも堅実であり、最後は蹴飛ばされるものの、やはり他とは一線を画していた。
※痛み分け扱い
※ムービーだけではあるが、頭突き番長ことボルボロスも捻じ伏せていた。この時はディアブロス戦同様、突進を見切ってから毎度のように首根っこへ噛み付いて勝利している。しかもトドメを刺そうとしている描写すらあり、ディアブロスの横槍がなければ見せられないよになっていた可能性も微レ存。
ちなみに前作ではガン無視を決め込んでいたリオレイアであったが、旦那に撃退のコツを教えてもらったのか、今作は旦那ともどもアンジャナフをキッチリ料理していたのであった。上記の痛み分けに持ち込んでいる相手や圧勝する相手はいずれも地上を主体とするモンスターであることから、空中戦を得意とする相手は苦手なのかもしれない。
- 「ジャナフ」はアラビア語で「翼」を意味する。「アン」については不明。
- 恐らくその性質から「怒り」を意味する「アングリー」から来ている可能性もある。または、「不」を表す「UN」の読みである「アン」で、上述にもある「翼に見える部分は翼ではない」という意味もあるのかも知れない。
- 『MHX』のマッカォ種と同じく、“全身を体毛に覆われた恐竜”というデザインはかねてから提唱されている“恐竜の体には羽毛が生えていた”という学説から来ているものと思われる。ただし、それは体温維持が苦手な小型恐竜の話で、大型恐竜に関しては羽毛が生えてたとしてどこまで生えていたのか、本当にその羽毛は存在していたのかなどの部分は未だに議論の的になっている。
- 発売前実機プレイではリオレウスとの縄張り争いが大きくピックアップされたこと、ベータテストにおいてもハンターの装備がそこそこ強めで十分狩猟できる環境であったために然程脅威と見なされておらず、プレイヤーからは専らかませ犬という見方をされていた。しかし実際の戦闘力は上記の通りであり、ナメてかかってネコタクのお世話になるハンターも多かった。
また、同じく発売前にはのんびりと翼を広げて日光浴をする姿が動画で公開されていたりと、やや気の抜けている姿もクローズアップされている。
- 絵面がまんまジュラシック・パークなので下のようなジュラシックパークネタのイラストも多数投稿されている。
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