熱砂 白熱 鬩ぎ合い
震天動地 地中を揺らし
猛る双角 躍り出る
砂上も砂中も 暴君が領
猛攻 死角なし
(Riseの紹介ムービー)
ディアブロスとは、『モンハン』シリーズに登場するモンスターの一種である。
データ
分類 | 竜盤目竜脚亜目重殻竜下目角竜上科ブロス科 |
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別名 | 角竜(かくりゅう) |
異名 | 砂漠の暴君 |
概要
飛竜種に分類されるモンスターで、主に砂原や砂漠に生息している。通称「角竜」。
ねじれた2本の角と襟巻状の頭部、ハンマーの様に発達した尻尾が特徴で、飛竜種の中でもとりわけ大型である。その容姿から「双角竜」とも呼ばれている。
全身を覆う外殻は、生半可な武器ではダメージを与えられない程に頑強であり、
口には口内からはみ出す程に大きな牙を生やしている。
その巨体故か、飛竜でありながら飛行する事は殆ど無く、地中を掘り進む事の方が多い。
若い個体は飛行が可能であるが、成熟するにつれて翼としての機能が失われ、完全に性成熟をする頃には砂を掘り進む腕のような役割を担う。
その翼も含めて地上・地中の活動に特化した独自の進化を遂げた種でもある。
2本の角と襟巻状の頭部は、有名な草食恐竜の「トリケラトプス」がモデルである。ただし、ディアブロスの顔立ち自体は、現実のトリケラトプス等の角竜類とはかなり異なる。
ハンマー状の尻尾は、同じく有名な草食恐竜の「アンキロサウルス」を初めとした曲竜類がモチーフだと思われるが、こちらも形は実際の曲竜類の尻尾のハンマーとはかなり異なっている。
このように、草食恐竜がモチーフなだけあって、その凶悪な容貌と大きな牙に反して、
食性は飛竜種としては非常に珍しい完全草食性であり、サボテンを主食にしている。
僅かな差ではあるが、雄よりも雌の方がより大きな体格に成長するらしい。
ここまでだと意外に可愛らしくも聞こえるが、実際はその容貌に違わず、数いる飛竜種の中でも指折りの凶暴性を持つ極めて危険な存在である。
本種の特徴はとにかく縄張り意識が異常なまでに強い事であり、
ディアブロスが縄張りとする砂漠は極めて危険とされている。
砂漠の自警団を襲撃して全滅に追い込む、国境付近に設けられた防壁を壊す等、
本種による被害報告は後を絶たず、討伐に赴いた数十人の兵士を纏めて返り討ちにした事例もあり、ハンターズギルドからも特に危険視され、警戒を呼び掛けられている。
その凶暴性と暴れっぷりから「砂漠の暴君」の異名を持ち、
砂漠の生態系においても、他の生物とは別格の強さを誇る種とされている。
強靭な脚力と巨大な角を活かした攻撃の数々は熟練のハンター達からも恐れられており、
中でも突進攻撃は岩を穿ち岩盤も突き崩す威力であると共に、その巨体からは信じ難い速度で繰り出される。大型モンスターに横から体当たりされてもその勢いを殺す事はできず、
正面からぶつかり合ってもそれを押し退ける様にはじき返してしまう程である。
特に地中潜行を得意としており、翼で砂をかき分けながら地面に潜り、角と襟飾りで岩を弾きながら猛スピードで地中を掘り進む。研究によれば、彼らの聴覚は視覚よりも発達しているとされており、これによって地中でも容易に地上の様子を把握する事が出来る。
ブレスを生成する内臓器官は持たないが、代わりに極めて強靭に発達した肺を持ち、凄まじい咆哮を上げる。
その音量は鼓膜を破られたハンターもいる程であり、至近距離で聞けば大変な事になる。
轟音と恐怖感に囚われて動けなくなり、追撃を回避できずに散ったハンターも数多く、
ディアブロスの咆哮が響く砂漠に足を踏み入れるのは、自殺行為とまで言われている。
なお、ディアブロスの外殻や角は防具の素材になるのは勿論だが、一部の地域では角は高級インテリアとしても扱われている。他にも、ディアブロスのモモ肉や心臓等は高級食材として取引されているが、その危険性から素材が市場に出回る事は極めて稀。
特に心臓は、万能薬の素として注目されており、需要が高まってきている。
MH3では他の飛竜と同様にリデザインされ、外殻の厚さや尻尾の太さが増した。翼爪も2本から3本に増えた。
MHWでも続投しており、荒地の食物連鎖の頂点として君臨する。
本作ではリオ夫婦を初め、近づいたり、攻撃しない限りはハンター達に敵意を見せない大型モンスターが多い中、威嚇後も目の前にいると敵意を見せる高い縄張り意識と凶暴性を持つ。
また、ねぐらの真上で音をたて続けていると地面をブチ破って登場、怒って屋根ドンをかましてくる。
最も手っ取り早く呼び出す方法は、ディアブロスの住処である北東(マップ右斜め上)の蟻塚エリアで飛んでいる翼竜にスリンガーを当てる事である。
すると翼竜の音爆弾のような鳴き声が連鎖的に始まり、高確率で暫くすると飛び出してくる。
とにかく縄張り意識が高い事で知られており、侵入者には猛攻を加え、
たとえ相手が逃走しても追撃の手を一切緩めない。
同族でも縄張りに入る事を決して許さず、ゲーム中でもリオ夫婦やボルボロスといった他の大型モンスターは勿論、同じディアブロス同士や、通常種と亜種の間でも頻繁に縄張り争いが起こる。生態ムービーは一見の価値あり。
当然ながらディノバルドやアンジャナフ亜種といった肉食恐竜がモデルのモンスターとの縄張り争いもよく起こる。特にアンジャナフとは「ティラノサウルスvsトリケラトプス」という、モデルが肉食恐竜と草食恐竜の代表格同士の因縁のバトルである。
バトルの内容はいずれも、初手は突進を避けられ首をかまれ投げられるも、終盤で強引に拘束を解除してサイの如く角で突き上げて、逆に相手を放り投げて地面に叩きつける。
しかし、流石にイビルジョーには負けてしまう。
更に怒り喰らうイビルジョーには、亜種も負けてしまう。
因みに狩猟目的にはならなかったがβテスト版でも登場していた。
行動などの特徴
その巨大な角と硬い甲殻に加え、ハンマー状の尻尾が武器で、
見た目以上に防御が高く、特に頭はとても頑丈である。
その為に、攻撃は主にその巨体を支える脚や、唯一柔らかい腹部や尻尾を狙って攻撃する必要がある。
前述の通りの巨体に見合わぬ、素早く威力の高い突進攻撃を多用してくる上、おまけに地面に潜行して足元から飛び出す、尻尾のハンマーで薙ぎ払う、
咆哮で動きを封じるといった厄介な攻撃の数々でハンター達を翻弄してくる。
初期シリーズではバインドボイスの拘束時間が非常に長く、特に怒り状態時はその後に突進を繰り出されると高確率で被弾する為、多くのハンターに恐れられていた。
また、バインドボイスのある咆哮を持つモンスターとしては、珍しく怒り状態に移行する際に咆哮しないモンスターであり、咆哮のタイミングが完全にランダムなのでバインドボイスの餌食になりやすい(他にはフルフルが同様の特徴を持つ)。
やたらと地面に潜って撹乱してくる事もあるので、プレイヤーによって好き嫌いが割れやすいモンスターでもある。
尻尾は、アタリハンテイ力学の大家であるガノトトス並に謎の判定をしており、しっかり回避しないとごっそり体力を持っていかれる事になる。
MH3、MHP3、MH3Gでは、回転尻尾攻撃の亜空間判定が無くなったが、代わりに地面に潜った後に地中から飛び出して突っ込むという新技を繰り出してくるようになった。MH3では、下位の段階でこの攻撃を繰り出してくるが、MHP3およびMH3Gでは上位以降に繰り出してくる。
MH4Gでは、亜種および極限個体が使用してくるが、新たに飛び出し後に即反転して再度こちらに突進してくるという、さらに危険なモーションが追加された。
MHRise及び、そのマスターランクであるMHR:SBではハンターランクの経験値を上げるために狩猟するプレイヤーがそこそこいた他、とある事情により、多くのプレイヤーに狩られることになった。
一方で、地中にいるときは発達した聴覚に神経を集中させている為、音爆弾を投げるとびっくりして飛び出して自分の掘った穴に埋まってしまったり、突進の勢いが余って岩や壁に角が刺さって抜けなくなるというお茶目な一面もある。
怒り状態になると口から黒い煙を吐き出し、ただでさえ威力のある高速突進の速度が上がり、最早手の付けようがない程に凶暴化する。通常時であれば反応を示す筈の潜行中の爆音にも全く動じなくなり、音爆弾や閃光玉が効かなくなる。
これは怒りが他の全ての感情を圧倒する為だとされている。
破壊可能部位は角(左/右の両方破壊で報酬確定)・尻尾の3カ所。4Gからは背甲も追加され4カ所となった。そして角は、最上位ランクの「堅牢なねじれた角(黒巻き角)」が、妙な出現率の悪さ誇る事でとても悪名高い。特にレア素材の「大地を穿つ剛角」は天鱗レベルの入手確率だったが、4Gでは確率が少しだけ見直された。
なお、角を両方とも折ると突進による壁や岩への角刺さりができなくなる(これはモノブロスも同様)。
また、本種の特徴として「怒りやすさ」も挙げられる。
最初の内はそこまで怒りやすい訳でもないのだが、体力が少なくなると急激に怒りやすくなり、捕獲~瀕死のライン辺りまで来ると、数発攻撃を加えただけで怒り状態に移行する。また、攻撃力と俊敏性の上昇幅もかなり大きい。
その凶暴性は追い詰めているにもかかわらず、こちらが身の危険を感じる程であり、瀕死になると怒りに任せて暴れ回る。
ぶっちゃけ終盤戦のディアブロスは、ほぼ常時怒り状態と言ってもいい。
…怒りやすさという点ではアイツの方がさらに上ではあるのだが。
種類
原種
無印(第1作)から登場しており、リオス夫婦と並びシリーズ皆勤賞のモンスターだったが、残念ながらMH4には登場せず、素材のみが入手可能という結果になった。
MH4Gでは砂漠系フィールドが追加された事もあって、他の砂漠系モンスターと共に復活する事となった。
それどころか、OPムービーにてハンター達と激しい戦闘をするシーンが盛り込まれており、メインモンスターのセルレギオス以上に多数の見せ場が用意されるなど、かなり優遇された扱いを受けている。また、発見時の咆哮に新たにバインドボイス効果が付与された他、地中から飛び出した後に直接突進行動に移行するなどの新モーションも習得し、過去作と比べても隙の少ない強敵に仕上がっている。
本作で実装された極限状態にも対応しており、極限個体は亜種のモーションだけでなく、近縁種のモノブロスとその亜種のモーションも使用してくる。また、極限状態の特性上、閃光玉や音爆弾は通常時においても一切無効化される為、足止めして闘う事がほぼ不可能になっている。
その為、数ある極限状態のモンスターの中でも屈指の強敵の1つとして恐れられている。
恐らく雄と雌の区別はなく狩猟する事になる。
亜種
厳密には繁殖期に入った雌個体。通称「黒角竜」。
ディアブロスをそのまま黒くした見た目だが、能力やモーションには若干の違いがある。
ワールドでは頻繁に通常種と縄張り争い(おそらくは夫婦喧嘩)を起こす。
原種(隻角)
通称『ディアソルテ』、『マ王ディア』など。
元ネタは、漫画版『モンスターハンター2』に登場した、隻角の赤いディアブロス。
その後、MHP2(MHP2Gでは村長上位および集会所上位)のイベントクエスト「「マ)王 片角のマオウ」としてゲーム内にも実装された。
分類的には原種だが、何らかの原因で片方の角が折れてしまい、ストレスのせいなのか獰猛性が格段に上昇して、手の付けられない状態になってしまった(ちなみに、「角が片方折れた強力な個体」という設定は、後述する二つ名個体にも受け継がれている)。
サイズ倍率153の巨体に、HP6000という集会所クエストレベルの体力、攻撃力400というG級レベルの破格の馬鹿力を発揮する。さらに集会所のイベント戦「「マ)王再び」でグレードアップして帰ってくるから始末に負えない……。
鏖魔ディアブロス
MHXXで登場するディアブロスの二つ名個体。『鏖魔(おうま)』と読む。
バルファルクと並ぶ、同作のもう1体のメインモンスターにして、集会所の裏ボスの1体ある。
ディアブロスにとっては二つ名持ちモンスターは勿論だが、過去作のモンスターがメインモンスターに抜擢されるのはこれが史上初の快挙である。
藍色の体色と一度何者かに切り落とされ、歪んだ形で再生してしまった左角が特徴。
「鏖(皆殺)す悪魔」という異名で恐れられており、その者と相対して勝利した者も、戦った末に良い結末を迎えた者も誰一人居ないとされている最悪の怪物である。
猛者揃いの二つ名モンスターの中でも別格の強さを誇る強豪で、公式に"二つ名持ち筆頭"とも称されている。
集会所のとある人物と何かしらの因縁があるようで、集会所ラスボス撃破後、条件を満たすとこの鏖魔ディアブロスを中心としたストーリーが展開されていく事になる。
ヌシ・ディアブロス
他のヌシ同様百竜夜行を率いている。
鏖魔同様に藍色の体色が特徴であり、あちらと同じく蒸気を発する事が出来る。ただし、角が歪んでしまっている訳ではない。怒ると体の青さは一気に消え去り、真っ赤な体色に染まる。
ヌシモンスターの中でも最強格の実力を誇り、何と危険度は百竜夜行の元凶を凌駕し、その対に並ぶ脅威の⭐︎10。
ヴァルサブロス
MHFGのG6から登場した火山地帯に生息するモンスター。通称「炎角竜」。
砂漠に生息していた「とある飛竜」が干ばつの影響で住処を失った為に、火山地帯に生息場所を移して、そこで進化・適応したモンスターとされている。
この「とある飛竜」の正体については明言されていないが、ヴァルサブロスの見た目や主食がサボテンである事などからも、まずディアブロスだと見て間違いないだろう。
つまるところ「火山の環境に適応したディアブロス」と言える存在なのである。
限定的とはいえ、同種系統では初となる本格的なブレス攻撃を習得した。
装備・ディアブロシリーズ
通称「ディアブロ装備」。
肩などにその雄々しい角を飾った非常に威圧的な見た目が特徴。
なお、ディアソルテの場合はちゃんと片方の角が欠けており、全体が黒・サブが赤という「マオウ」の異名をとったディアブロスの名に恥じないカッコ良さがある。
装備を統一した際に効果は「耐震」と「抜刀」「スタミナ奪取」で、大剣などの切断系の重装備向けの効果が発動する。
というか少し調整するだけで大剣に必要なスキルが全て揃うので、その特性から長らく「大剣使いは肩から角を生やして一人前」という風潮が出来ていた。
ただし、「状態異常攻撃弱化」も発動するので、状態異常攻撃を得意とする片手剣などの装備とは相性が悪い。
また、その自己主張の激しすぎる角のせいで非常にダs…個性的な見た目になってしまう事で、好き好んで角を生やしている訳ではない大多数のハンターから「呪いの装備」(強力だが外せなくなるということ、実際装備構成からディアブロ装備を除外すると防御力や、耐性の劣化、余剰の削減による便利スキルの搭載不能といった問題が噴出し、かなりの妥協を要求される。由来は某国民的ゲームから)として忌み嫌われながらも親しまれていた。
昨今は重ね着機能のおかげでそんな苦悩はしなくても済むようになったが、そうなると逆に恋しくなるのが人の性であるようで、今度は逆に「何が何でも胴だけディアブロシリーズにして肩に角を生やす」という本当の意味で呪われてトチ狂ったとしか思えないハンターが現れることとなった。
生態動画
余談
- 名前の由来は、スペイン語で"悪魔"を意味する"diablo"(ディアブロ)からだと思われる。確かにその凶暴性と高い戦闘能力は"悪魔"と呼ぶに相応しい。
- ディアブロスのモチーフは恐竜の角竜類だと前述したが、2010年に発見された新種の角竜類の化石が「悪魔の角を持つ顔」という意味で「ディアブロケラトプス」と名付けられた。
- 現実でもラクダ等、サボテンのような硬く鋭い棘のある植物を主食とする生物はいる。
- 「草食動物だが凶暴」という設定だが、実際のところ現実世界での草食動物でも凶暴な種は少なくない。一例としてアフリカで最も人間の死傷者を出しているは哺乳類は凶暴性が高くて巨体を持つカバであり、小型草食獣でもヤマアラシのように強力な攻撃や防御の手段を持つ動物は獰猛な傾向が強い。
- 食性は完全な植物食なのになぜか攻略本や公式Xなどでは解説文に「獲物を引きずり込もうとする」、「獲物を屠る」という文言が入っていることがある。
- ディアソルテといい、鏖魔といい、ディアブロスは角を折られると劇的にパワーアップするようである。生態ムービーにおいても角の折れた個体が縄張り争いに勝利にしたことから、角折れディアブロス=過酷な自然、苛烈な戦いを生き残った猛者と言えるかもしれない。
関連イラスト
関連タグ
モノブロス:近縁種のモンスター。
ゴッドオブウォー(2018):角竜のような頭部を持つ竜が複数個体登場している。