※この記事は、「モンスターハンターライズ」の物語の根幹に関する内容が含まれています。
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我は狂飆
並べて薙ぎ
楽土が辻の淵と成らん
データ
分類 | 古龍種 |
---|---|
別名 | 風神龍(ふうじんりゅう) |
異名 | 禍群の息吹 |
危険度 | 9 |
概要
モンスターハンターライズにて初登場した雄の古龍種。「威風」「狂飆」とも称される暴風を巻き起こす強大な古龍であり、数百年に渡ってカムラの里が見舞われていた原因不明の災厄「百竜夜行」の元凶である。
群れを率いていたヌシ・アオアシラを討伐した直後、突如として主人公たちの前に姿を現したことで存在が明らかになった。その際、咆哮を上げながら浮遊する姿を見た里の受付嬢ヒノエが突如苦しみだし、なんとイブシマキヒコの精神と「共鳴」してしまうという事態が発生する。
「対は何処、対は何処」
誰かを探し求める強い孤独と焦燥を零した龍の衝動によって、カムラの里を長年苦しめていた災厄の原因が判明した。百竜夜行は、求愛と繁殖のために里周辺に現れたイブシマキヒコが対に巡り会えない焦燥から嵐を巻き起こし、その影響で傷つき恐慌状態に陥ったモンスターたちが引き起こした暴走現象だったのである。
生態・特徴
鈍色や青を基調とした皮膚とそれらが硬化した甲殻に覆われており、空気よりも軽い特殊なガスを溜める「風袋(ふうたい)」と呼ばれる器官が各部位に存在する。この器官内のガスの量を自在に操作し浮遊しているため、風袋に衝撃を加え続けるとバランスを崩して地上に落下してしまう。
風神龍の別名に違わず風を操る技を多く持つほか、かつてのラスボス達にも似た青白く発光する龍属性ブレスを扱う。ちなみに弱点属性も龍であり、龍属性攻撃を利用しながら龍属性を苦手とするところはオストガロアを彷彿とさせる。
風を操る古龍は複数存在しているが、イブシマキヒコが扱う風は群を抜いて強力なものであり、ハンターだけでなくハンターの倍以上もある岩を空中に持ち上げてしまうほど。この力を用いて地面から浮かび上がらせた岩を関門めがけて投げつけるといった行動も見られる。この岩はバリスタや速射砲などで破壊可能。百竜夜行の場合はフゲンの【百竜刀】や破龍砲でダウンを狙うのも手だろう。龍宮砦跡では浮かび上がる岩の中に大砲の弾が含まれており、破壊した際の爆風によって大ダメージを与える事ができる。大技発動と同時にバリスタが出現するため、積極的に破壊を狙いたい。
戦闘BGM
曲名は『禍群の息吹』。読みは『かむらのいぶき』と思われる。
弦楽器を中心とした構成に和楽器、特に龍笛や神楽鈴などが組み込まれたアップテンポかつキャッチーなメロディが特徴的。全体の曲調は風神龍らしく、風が吹き抜けるかのような疾走感を感じさせるが、その旋律の裏で流れる伴奏と低音で刻まれるリズムは、刻一刻とこちらを追い込むかのような緊張感と焦燥感を感じさせ、これもまた疾風が如き速度で侵攻するイブシマキヒコとの戦闘にマッチしている。
歌っているのは、カムラ祓え歌などのボーカルを務める加藤いづみ氏。モンハン語で歌われている本楽曲だが、2021年5月に発売されたオリジナルサウンドトラックには日本語Ver.が収録されている。
公式資料集の表記で訳の大まかな意味は以下の通り。
忌みじ 風巻(しまき)
慨(うれた)きかや
いざ出で会へ
嗚呼 然(さ)ながら 毀(こぼ)つ禍群(かむら)
疾風(はやて) 荒まし
掃滅が主よ
身を合はす 我ら思ひ止まぬ
灯火よ
(現代語訳)
恐ろしい暴風
嘆かわしいことだ
さあ立ち向かえ
カムラの里を、全てを薙ぐ災禍の群れのようだ
吹く風は荒れ狂う
全てを討ち滅ぼす者よ
一丸となった我らは諦めない
灯火のごとく気焔を上げよ
MHRise:SBでは
超大型拡張コンテンツとなるサンブレイクではMR20の緊急クエストでマスターランク個体が登場し、イベントクエスト同様に龍宮砦跡で戦闘することとなる。
基本的な動きは上位個体と変わらないが、全体的に攻撃力が高くなったり素早くなっている。また、連続噛み付き攻撃を使用してくるほか噛み付きからのボディプレスと言う新技も習得してきた。イブシマキヒコとはいえなめてかかると痛い目に合うかもしれない。
とはいえ、前の緊急クエストである特殊なアオアシラを狩猟できるならばこちらはさほど苦労はしないはず。体力もさほど高くなく肉質も柔らかいため、一時期マカ錬金の素材集めに周回されていたこともあった。
余談
- 名前の由来は「息吹(いぶき)」+強い風を表す「風巻(しまき)」+男神を表す「比古神(ひこのかみ)」を複合させたものと考えられる。しまきという語はイブシマキヒコの装備の名前にもなっている。また後述の龍の存在から、ヒコの名には彦星のイメージも含まれるものと思われる。
- 別名である「風神龍」は言わずもがな風神雷神から来たものである。一見なんてことのない名前のように思えるが、「神」というワードが別名に入るのはモンハン史上初めての事例である。過去に神と云われたモンスターは存在するが、いずれの別名も「神」を冠してはいない。(もっとも、例に挙げたモンスターの1匹は神よりもおぞましい名前を冠しているのだが…)
- 設定資料集等によると、分類は「神龍亜目 不明」となっており、風神雷神に因んだ「神龍亜目」という亜目の名が付けられている。一方で生物科は不明となっており、雌雄を問わない生物種としての名称は現状不明となっている。
- 英語版でのイブシマキヒコの名称は「ウインド・サーペント・イブシ(Wind Serpent Ibushi)」となっている。「サーペント」は「巨大な蛇」という意味だが、元々は「自然崇拝や神話における神格化された蛇」を意味するものであり、風神と雷神のニュアンスに極力近づけた英語名であるといえる。
- 公式X(旧Twitter)に投稿された設定画によると、青白い体色は昆虫のシオカラトンボを参考にしたらしい。シオカラトンボは性的二形の昆虫であり、雌はムギワラトンボと通称される黄褐色の体色で、イブシマキヒコの対の体色のモデルにもなったことがうかがえる。
- 百竜夜行にも現れるジンオウガは他のモンスター同様住処を追われて群れの一員となっているわけだが、過去にも似たような古龍に似たような仕打ちを受けている。元の生息地を追われた先で再び古龍に追い出されるという辛酸を嘗めさせられた復仇か、後日Ver.3.0にてイブシマキヒコを上回る危険度を引っ提げた最後のヌシ、ヌシ・ジンオウガが雪辱を果たすように実装された。
- スプラトゥーン3にあるイベント『ビッグラン』にて登場したオカシラシャケがイブシマキヒコを連想させる共通点が多く話題になったことがある。詳しくは当該記事を参照。
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以下、ネタバレ注意
対は何処
対は何処
主人公の活躍によって里に現れたイブシマキヒコは撃退され、これにより百竜夜行は収束するものかと思われた。しかし…百竜夜行は収まる気配を見せず、里を襲う竜の禍群は侵攻を続けた。
そしてそれから暫く後、ヒノエによる「共鳴」によって示唆された存在―――即ち、「対」の正体がハンターズギルドの調査によって明らかとなる。
以下、更なるネタバレ注意
淵源 今こそ逢着せん
対よ 対よ 大地を喰らう轟雷よ
対よ 対よ 叢雲を薙ぐ烈風よ
稲妻 狂飆 ほろに毀つ
我ら楽土が かぞいろは
いざ眷属で以て 天地を治めん
百竜ノ淵源
Ver.3.0にて、イブシマキヒコはとうとう対―――ナルハタタヒメとの邂逅を果たす。
本クエストではまず龍宮砦跡でイブシマキヒコとの戦闘となる。主人公との戦いによる傷が癒えていないのか、このランクのモンスターと比較するとHPがかなり低めに設定されている。そう時間はかからずにHPを減らせるだろう。
その後も戦い続け瀕死マークがつくとイブシマキヒコは地上に墜落し、そのまま龍宮砦跡の地面を突き破って地下空洞に落ちてゆく。
空洞の内部には悠々と空を舞うナルハタタヒメ。瀕死の体をどうにか起こし、八つの卵を抱えた対を守るように弱々しく身を寄せた途端…
なんとナルハタタヒメに喰らいつかれ、そのまま無残にも息絶えてしまう。
力なく地面に斃れたイブシマキヒコを傍目に、風神の力を喰らったナルハタタヒメはみるみる姿を変え、そして…