『モンスターハンター』シリーズに登場する、飛竜種に分類されるモンスターの一種である。
データ
分類 | 竜盤目竜脚亜目重殻竜下目角竜上科ブロス科 |
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別名 | 一角竜(いっかくりゅう) |
概要
原種
通称「一角竜」。
飛竜種に分類されるモンスターの中でも特に大型の種で、全長はなんと21mにも達する。
基本的には、人里離れた辺境の砂漠にのみ生息しており、広大な砂漠の生態系の頂点に君臨する飛竜として知られている。
滅多に人前には姿を現さないが、ひとたび現れれば周辺地域に甚大な被害をもたらす。
後頭部に張り出した大きな襟飾りと、雄々しく天を突く「真紅の角」が特徴で、この角が持つ色艶は、貫いた命の数に比例するともされている。歴戦のハンターを容易く殺傷する恐るべき凶器であると同時に、力強くも美しい力の象徴として人々を魅了する部位でもある。
ただし、メイン画像のように砂で汚れて一見すると赤く見えない場合も多い。
後頭部の襟飾りは自身をより巨大に見せ、外敵を威圧する為のものでもあり、地中を掘り進む際には大きな障害物を弾き飛ばす役割も持っている。
その巨体故か、飛竜でありながらほとんど飛行はせず、翼も主に地中を掘り進む目的で使われる。
襟飾りには一部皮膜の薄い場所が存在しており、モノブロスが怒気を発すると興奮による充血が透けて見え、まるで血に染まったかのような禍々しい模様が浮き出す。
モデルは、中生代白亜紀に生息していた有名な草食恐竜の角竜の一種である「モノクロニウス」や「スティラコサウルス」だと思われる。鼻先の立派な一本角といい、側面からトゲの生えた襟飾りといい、ディアブロスとは違って顔立ちもほぼそのままである。
巨大なトゲの生えた尻尾は、同じく有名な草食恐竜である「ステゴサウルス」を初めとした剣竜類がモチーフだと思われる。
その特徴やモデルの類似からも窺えるように、角竜ディアブロスの近縁種であり、かつては相互に生物学的な亜種として認定されていた時期もあった。
ディアブロスの近縁や草食恐竜がモデルという設定からも分かる通り、飛竜種としては非常に珍しい完全草食性の飛竜であり、やはりサボテンが主食なのだと思われる。
しかし、その体格は飛竜種の中でも最大級とされるディアブロスのそれをさらに上回っており、なんと鎧竜グラビモスの最大級個体を凌駕する程の巨躯を持った個体の確認例すらある。
また、繰り出す戦法もディアブロスやその亜種とも大きく異なるので、たとえディアブロスを下したハンターであっても迂闊に手を出すのは危険だとされている。
生態
その食性に反して、性格はディアブロス同様に飛竜種の中でも極めて凶暴な種で、出没した地域の縄張りを侵した者には容赦なく襲い掛かる。
巨体と優れた脚力を活かした突進で立ちふさがるものを全てをなぎ倒し、額の巨大な一本角を突き上げるようにして対象を刺し貫く。その威力は一撃で巨大な岸壁を突き崩す程である。
突進の精度とスピードは砂上船の機動力を以ってしても躱せない程で、ハンターといえども不意を突かれれば一瞬にして命を奪われかねない。
地上を闊歩する外敵に対しては、砂中に潜り込んでその翼と襟飾りで砂や岩を搔き分けながら、高速で接近し、突然地上に躍り出て角で突き上げる奇襲戦法を仕掛ける事もある。
また、ディアブロスと同じでブレスを生成する器官は持っていないものの、代わりに大型竜の中でも非常に強靭に発達した肺を持っており、大きく息を吸い込んで、頭を振り乱しながら発する咆哮は、大気を震わせる程の爆発的な音量で周辺の生物の耳をつんざく。
怒れるモノブロスの猛威の前には、かの轟竜ティガレックスですら逃げに徹するしかない。
その性質から、同種で群れる事をディアブロス以上に嫌うとされており、発見例の少なさも相俟って複数個体が同時に確認された事は殆どない。
気性の荒さと高い殺傷能力、大柄な体躯を併せ持っている為、その討伐は困難を極めるが、気品と勇壮さを兼ね備えたその雄姿に魅了され、名声と英雄の称号を夢見てモノブロスに挑むハンターは数多い。しかし、その戦闘力の前に返り討ちに遭うケースが殆どで、実際に毎年何人もの歴戦のハンター達がモノブロスに挑んでは命を落としているという。
また、頭骨はダイミョウザザミが好んでヤドにし、狩猟依頼が出されないだけでかなりの数の個体はいると思われる。
ヤドになるほど死にすぎて、シリーズに出られないのかもしれないが。
ちなみにモノブロスの心臓には特殊な成分が含まれているとされており、これを素材とした武器は格段に斬れ味が鋭くなるばかりか、失われた剣の斬れ味も完璧に復元する事が出来るという。
モノブロスから得られる中では最も希少な素材だが、ディアブロスの心臓とは異なり、食材としての需要は無いらしい。
英雄の証
モノブロスの名を聞いて誰もが思い出すのが、「ココットの英雄」と呼ばれる人物とモノブロスとの伝説的な死闘である。
まだモンスターの狩猟法も確立されていなかった時代。とある小さな村の周辺に巨大なモノブロスが現れ、人々を恐怖に陥れた。
そんな中、二振りの片手剣と簡素な防具を帯びた竜人族の青年が、かのモノブロスを討ち倒すべく単身で砂漠に赴いたという。
かくして始まった青年とモノブロスの闘いは、7日間にも渡って繰り返し行われ、7日目にして、キャンプに蓄えた食料も水もとうに尽き果てた青年は、死を覚悟して最後の戦いに臨んだ。
そして無心の境地で放った一撃は、一角竜の象徴とも言える「真紅の角」を根元から折り取り、彼は見事モノブロスを討ち取る事に成功したのである。
この死闘は「モンスターを狩猟する」というハンター稼業が誕生する契機になったとされ、現在まで連綿と続く狩人達の歴史はここから始まったと言っても過言ではない。
以来、モノブロスを討伐する事は「英雄」の条件となり、ココット村では頭部の一本角である「真紅の角」を持ち帰る事が「英雄の証」であるとされている。
さらに、その際には必ず単身で挑むというのがハンターの間での不文律となった。
この青年が後のココット村の村長である。
当時は、まだ音爆弾や罠はおろか、マカライトを使用した武器もクック等の鱗で出来た防具も無かったらしく、ハンターズギルドが狩猟稼業の定着と共に生まれた組合である以上、当然ながらネコタクを初めとするギルドの支援もなかった。それで勝てた村長が凄すぎる。
前述の通り、このココット村の英雄の逸話からモノブロスは単独で討伐する事が英雄の条件とされており、ナナ・テスカトリと同様に一人用クエストである「村長クエスト」にしか討伐クエストが存在しない(例外は「村長クエスト」が存在しないMHFのみ)。
ちなみにダイミョウザザミのヤドのモノブロスの頭骨から折り取ったものを持ち帰っても、クエスト受注の記録が管理されているので、ギルドに問い合わせて確認すれば、モノブロスのものかダイミョウザザミのものかは一発で解る。
よって偽装する事は不可能である。良いハンターの諸君、絶対不正はしないように!
ゲーム中では、無印(第1作)からMHP2Gまで登場していたが、その後は登場しなくなっていた。
親戚のディアブロスは、ほぼ皆勤賞なのに...
華々しい復活
散々「空気」だの「忘れ去られている」だのと言われていた彼だが、存在が確認されたPV第2弾では、そんな評判を根本から無視するかのように
- アプケロスに飛びかかったドスゲネポスを下から奇襲
- 映像に映っている時間がPV全体でトップクラス
- PV内で後述の「真紅の角」が長時間流れる
- PV終盤の盛り上がりでは、ロゴマークによる〆の直前で彼の力一杯の咆哮が映る
…などと存在感を堂々とアピールし、メインモンスターの如き扱いを受けていた。
今作はモンスターハンターシリーズが第1作目発売から10周年を迎える記念すべき作品であり、「モンスターハンター」という職の誕生に大いに関わるモノブロスの復活や、PVでの扱いは妥当とも言えるだろう。
相方のディアブロス同様に見た目が変化しており、ディアブロスと同じような変化の他、角などの突起物の赤みが増している。特に角は「真紅の角」と呼ばれるのに相応しい色合いへと変化している。
また、今作では亜種共々ソロ専用のG級クエストにも登場しており、シリーズ初のG級個体登場という快挙を成し遂げた。
しかし、喜びもつかの間で、次回作のMHXやG級版のMHXXでは再びリストラされてしまった。
ディアブロスはメインモンスターに昇格し、ダイミョウザザミも登場しているのに…。
亜種
MHGから登場し、MH3以降には登場しなかったが、MH4Gで原種共々復活を果たす。
白銀色の外殻と同じく白銀色の一本角を掲げたその姿から、「白一角竜」と呼ばれる。
戦闘BGM
テーマ曲は「真紅の角」。
MHPまでの作品では「砂漠岩地」の、MHP2G、MH4G、MHXでは「旧砂漠」の戦闘BGM名である。
MH3、MH3G、MHP3ではディアブロスの登場ムービーでアレンジされたものが流れていた。
また、上記のココットの英雄の逸話にまつわる「英雄の証」は、モンハン好きになら改めて言うまでもないが、『モンスターハンター』シリーズを代表するメインテーマの曲名である。
余談
モノブロスのパワーを支えているのは強靭な心筋を備えた心臓「モノブロスハート」であり、凄まじい威圧感とともに暴れ回ってもなお身体機能に異常を齎さないその頑強さはハンターの装備にもその恩恵を与えるほど。
……なのだが、コイツどう言うわけか落とし物の抽選にモノブロスハートが入っている
興奮すると心臓が脱落する生態、となるともうそれは生き物ではない気がするのだが…
そもそもどこから落ちていると言うのか
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ディアブロス:近縁種にあたるモンスター。
オフラインラスボス(メインシリーズ)