学名の由来
属名は「羽のある暴君」を意味する。(「ユ」は中国語の「羽」である。「ティランヌス」はもっぱらティラノサウルスの仲間であることを強調するために用いられる)
文献や研究者によってはユーティラヌス、ユウティラヌスと呼ばれることもある。
羽毛
目下記載されている3個体すべてから羽毛の痕跡が確認された。羽毛は下顎骨、中足骨と足根骨、尾椎から確認されたが、繊維状構造が確認されたのは尻尾のみであり、他の部位における羽毛と解釈される構造はバイオフィルム(細菌が繁殖した跡)である可能性も否めない。
他の特徴
全長9メートル・推定体重1.4トンとアロサウルスやゴルゴサウルスと同じくらいの大きさであった。やや短めの前肢には発達した3本の爪があるものの、前上顎骨の歯がアルファベットのDの形をしている点など、まぎれもないティラノサウルス上科である。
鼻の上には表面にしわの多い一列のトサカがあり、これはより原始的なモノロフォサウルスに似ている。
暫定的な系統解析ではティラノサウルス上科の系統では原始的なプロケラトサウルス科に属していたものの、かなり進化した特徴を持っており、ティラノサウルス上科にしては後肢が短めだったりもする。いかんせん詳細な記載が行われておらず、今後の研究が待たれる。
生態
熱河層群の生態系の頂点に位置していたと考えられている。
同時期に棲息していたシノサウロプテリクスやミクロラプトルなどの羽毛恐竜、プシッタコサウルスなど初期の角竜、リャオニンゴサウルスなどの鎧竜、ジンゾウサウルスやボレアロサウルスのような大型植物食恐竜などを捕食していたと考えられている。
体格の異なる2体が同じ場所で発見された事から、群れで行動していた可能性が高い。
ARK:Survival_Evolved
ユウティラヌス表記。雪山に生息する。お供にカルノタウルスを2~3匹連れている。味方生物の攻撃力、防御力を上げ、昏睡値の上昇を抑える咆哮と、中型以下の生物を怯えさせる恐怖咆哮を使える。昏睡させ、肉類を与えることでテイムできる。上記の咆哮があるため、バフ要員としてボス戦で活躍する。野生時、連れているカルノがアルファ種だった場合、互いに咆哮バフとアルファブーストを掛け合うため、ともに強力になる。
最強王図鑑フランチャイズ
こちらでもユウティラヌス表記。恐竜最強王、恐竜タッグ最強王、アニメ版の3作品で登場。その戦績は……
- 恐竜最強王ではアンキロサウルスと対決。相手の背中に後足のカギ爪を突き立ててから首を噛みつこうとするも、体重が足りずにあっさり払い除けられてしまい、そのまま尻尾の一撃で足をへし折られ敗北。
- 恐竜タッグ最強王ではサウロペルタを相方にケツァルコアトルス&ヴェロキラプトルと対決……が、上空を舞うケツァルコアトルスにいら立ってその場を離れた隙に、ヴェロキラプトルがサウロペルタを撃破。それに気付いて崖っぷちにまで追い込んだものの、それも相手の罠。ヴェロキラプトルは崖下から上昇したケツァルコアトルスに飛び乗って危機を乗り越え、その後後ろからケツァルコアトルスに突き落とされて敗北。
- アニメ版ではまず現代動物であるキリンと対決。相手を観察して正面からの攻撃が適切と考えて突っ込んだものの、キリンの前足による蹴りで突き飛ばされる。その後接近戦に持ち込んだものの、相手の蹄が顔に命中してしまい敗北。その後スミロドンとの再戦においては自身の体重と坂道を利用した突進をお見舞いし辛うじて善戦するも、壁にぶつけた後に見失ってしまい、その後猛獣同士のあくなき闘志がぶつかった結果相討ちまでにしか持ち込めなかった。(アニメ版及び図鑑版のようなフォーマットでは初の引き分けである)
……とまぁ、ここまで見て分かる通り、どの試合も爪の甘さが原因で苦杯を喫している。ユウティラヌスが勝利する日は来るのだろうか……。
正直なところ、ユウティラヌス好きな人には申し訳ないが似た姿をした同体格の恐竜はフランチャイズでもいくつか確認されているので報われる可能性は限りなく低い…というのが現状かもしれない。
ちなみにこのフランチャイズの二次創作で、「アジアのティラノサウルス」という異名が付けられているが、ユウティラヌスはプロケラトサウルス科であるうえ、先述の呼称はタルボサウルスに用いられることが多いため注意。(もっともタルボサウルスはフランチャイズ未登場ではあるが)
またこう見えてもと言うべきなのかは定かではないが、ユウティラヌスは史実において1億2460万年前の中国・遼寧省の生態系の頂点に君臨していたため、当然決して弱くはない。
もしかすると勝てる機会を虎視眈々とうかがっているだけかもしれないため、つっこんではいけない。
スペシャル上映ではキリン戦がプレイバック。やはり本フランチャイズで図鑑のような形では異例となる引き分けという結果が災いして扱いが難しかったのかスミロドン戦はカットとなった。