概要
本来は飲食店や公共施設などで迷惑行為や上層部を怒らせる行為を行った人物や団体に対して入場や利用を禁止することである。
大食い大会やのど自慢大会では(『出場すれば確実に優勝する』という事情から)「殿堂入り」という形で出禁になることもある。
pixivでもいろいろとやらかして出禁になっているイラストが多い。
解説
「出入り禁止」の略称のため「できん」と読む。施設内で定められている禁止行為やそこのスタッフの許容範囲を超えた問題行為を行った人物に与えられる制裁の事。
特に有名なものとしてはディズニーランドや放送にまつわるものである。ただしこれらは基本的に公言されるわけではないため、自主的な利用停止であったり、噂や都市伝説に過ぎないものが存在する場合がある。
どのようにして出入り禁止の客を判別するのか疑問に思うだろうが、店舗の場合は事務所内に出入り禁止にされた客の顔写真を貼り付けて店員間で情報を共有しているそうである。
ファンに対する出禁
スポーツや芸能系においては、コンサートや試合などに訪れるファンであまりにも迷惑をかける所謂厄介行為や運営からの禁止行為を守らない事態が重なった際、チームや運営、所属事務所から出禁処分をかけられる場合がある。
また、犯罪行為があった場合は一発で出禁処分となる。
サッカーのJリーグでは時折サポーターへの出禁処分が発表されており、これまでにあった事例は「スタッフや他サポーターへの威嚇行為」「試合を妨害」「爆竹を鳴らす」「ペットボトルをフィールドに投げる」「差別的な横断幕を掲示する(注)」などである。
プロ野球では暴虐行為を繰り返す私設応援団に出禁処分が科せられることもある。
芸能系では握手会での迷惑行為(一発出禁級のセクハラ・暴力やメンヘラ発言の積み重なり)、メンバーへのストーカー行為、ライブ現場で他のファンを威圧したり嫌がらせをするなどした場合出禁をかけられることがある。
近年は大手事務所で特にチケットの転売行為で永久出禁処分をかけられた事例が多発している。
しかし出禁処分にしたはずの人物があの手この手でチケットを入手して入り込んで厄介行為を繰り返す場合もあり、完全な排除が難しいところもある。
芸能系では概ね、事務所側からの文書・メールで通達され(小規模のところならスタッフ自ら口頭で通告する)他ファンに明らかにされることはあまりないが、インディーズの小規模バンドやマイナー地下アイドルでは公式SNSなどで当該人物のHNを名指しで処分を公表することさえある。
メジャーの大手ではほぼ水面下で執行されるが、あまりにもしつこい場合は公になることも稀にあり聖飢魔IIのライブ会場において「出禁処分済みの長年のストーカーの写真や実名を会場前に貼り出す」という強硬策が取られたことがある。
共通事項として、誹謗中傷の書き込みはもちろんのこと、メンバーやスタッフ等になりすます行為は、たとえコンサート、試合、イベントに一度も参加していなくても、営業妨害にあたるため、出禁処分となった事例がある。
(注)浦和レッズのサポーターが「JAPANESE ONLY」(日本人以外出入り禁止)という差別内容の横断幕を掲示し、浦和は1試合の無観客試合という重い処分が下された。
企業間での出禁
会社同士の取引などにおいて、「営業が著しく失礼な行為を繰り返した」などの場合にはその所属企業ごと出禁処分を喰らわせる場合もある。
同人誌即売会では、法に触れる、権利者が刑事告訴するといった多大なる迷惑をかけた行為でサークルを出禁にする例もある。
- ホワイトキャンバスが著作権法違反の摘発で同人誌即売会から出禁となった
- コミックマーケットが木内印刷を出禁にしたことを公表したことで、木内印刷が倒産した
- 神戸かわさき造船これくしょんにおける神戸かわさき事変で権利者側が該当サークルを刑事告訴したことにより、該当サークルが他の艦これオンリー同人誌即売会からも出禁となった
といった事例がある。
対マスコミにおいても、プロスポーツ運営側や企業側があまりにも失礼な記者を出禁にすることがある。
- 福井新聞社が北陸新幹線敦賀駅開業日に関するリーク報道を行ったことで、JR西日本およびJR東日本から出禁となった
- カルロス・ゴーンの逮捕後の会見で取材許可が降りたテレビ東京、朝日新聞、小学館以外は許可が降りず出禁となった
という事例がある。
店舗等
一般の商店や飲食店、水商売や風俗店でも、「店のルールを守らない」「店舗設備の破壊」「店員へのしつこいナンパ」などの迷惑行為が度重なる客に対して出禁処分を行うことはある。「万引き」「食い逃げ」「値引きシールの貼り替え」は犯罪行為となり、一発で出禁となる。
バカッター行為を行って特定された結果、全ての店舗を出禁になった例もある。
病院や治療院、介護施設でも「他の患者に危害を加える」「スタッフへの恫喝やセクハラ」などの迷惑な患者や患者の家族を出禁処分にすることはあるが、これらの出禁患者が最終的に流れ着いた病院などのスタッフを逆ギレで殺害したという痛ましい事例もある。
また、水商売や風俗店、あるいはそれらに微妙に近い範囲のいわゆる「リフレ店」「メンズエステ」などでも「出禁にしたストーカー客に従業員が危害を受けたり、最悪殺害された」という事例が存在する。
尚、ピン芸人石井ブレンドが自ら経営しようとしているカフェの出入りNGリストが公開された
施設等
よく「修学旅行で東京に行くが、ディズニーランド、あるいは有名な施設等に行かない」という場合がある。可能性としては先輩のやんちゃによりこの状況にある、という可能性があるが、これは噂であり、ほかの理由があるのかもしれない。
有名な例では、「船橋市の修学旅行は京都・奈良には行かない」というものがあり、船橋市の中学校に在学していた中学生が国宝を壊す事件が発生、船橋市を巻き込む大騒動となり、船橋市長が謝罪、船橋市の公立中学校における修学旅行の行き先は京都・奈良以外となっている。
また、「コスプレ」、個人による無断配信、なども出入り禁止になる可能性があるといわれる。
サッカーなどのスポーツの施設においてもヘイトをまき散らした、あるいは暴力を起こしたなどの理由で出入りが制限される場合が存在する。
また飲食店に関しては「部屋や設備を故意に汚損および破壊し、報告をしなかった」などで全体が出入り禁止となる場合も存在する。
また、公共施設に関しては「許諾なく禁止された行為を行った」、「ふさわしくない内容で使用した」、「死者や怪我人が出る事故を起こした」などの理由によりこの処置がとられることがある。この事例では、東京ビッグサイト時代のワンダーフェスティバルにおけるエスカレーター逆走事故などがある。ただしその理由が不条理であった場合、裁判になる場合がある( wikipedia東京都青年の家事件 )。
2020年1月6日に放送されたしくじり先生でくっきー!が1999年に野性爆弾としてお嬢様大学クラスの女子大の学園祭に行った際、舞台の上で寝転んでる何人かの男の死体の○○○を鎌で切るというネタをやってしまい当然ながら野性爆弾は出禁になり、それどころか吉本興業に所属する全芸人がその大学出禁になってしまったことを明かした。
石橋貴明は「新春かくし芸大会」でゲスト出演したミッキーマウスの着ぐるみに組み着き「誰が入ってるんだよ!」と暴言を吐きつつ頭を取ろうとした事で中の人などいない立場をとるディズニー側が激怒、東京ディズニーランドなどのディズニー施設を出禁になったとの噂。
ももいろクローバーZは2010年6月に行われたららぽーと新三郷でのイベントで観客が集まりすぎた結果、収拾がつかなくなり、10年以上出禁となっている。
京セラドーム大阪は地盤が脆く、ジャンプすると地震が発生してしまう。ジャンプのし過ぎや煽り行為により、GLAY、UVERworldなどが京セラドーム大阪を出禁となっている。
国家間
双方の国に何か揉め事があった場合、相手国民の入国を禁止する場合がある。
北朝鮮がアメリカ人を出禁にした例が有名である(五輪サッカー競技アジア大陸ローカル戦女子でも北朝鮮側が準備の困難で本来アウェーとなる日本選手との対戦場所の変更の事例も見られた)。
2023年の中華人民共和国のオミクロン株急拡大においては中国政府が調査を放棄して情報共有を怠ったため、多くの国から入国制限がされモロッコからは中国人出禁処分が下されている。
航空会社などで「低レベルな原因の事故が多発」「セキュリティチェックがザル」などで安全性に信用が無いとみなされた場合も、「乗り入れ禁止」という形で出禁がなされ、当該国への離発着はもちろん領空通過が禁じられることもある。
EUではEU加盟国全体への出禁を発動することも多く、アフガニスタンやネパール、アフリカの数カ国は同国内の全航空会社がEUから出禁されている。
過去に犯罪、特に薬物や重大犯罪に関与した個人へも、「ビザの発給拒否」などの措置で国家が出禁を食らわすことがある。有名な事例としては日本で活動していた韓国人演歌歌手桂銀淑が覚醒剤使用で国外退去処分になった後日本への再入国が長らく認められていない。
また、対立関係になった政治家や公人を国家が入国禁止措置することもありウクライナ侵略に批判的なスタンスをとった政治家や評論家、官僚、ジャーナリストなどをロシアが大量に名指しで出禁としている。(参照)
放送に関して
放送局へのこの処置に関してはパターンが存在する。
- 芸能人の出演時の言動に上層部が激怒した
- 芸能人の言動に苦情が殺到し以降使わなくなった
- 芸能人の悪い評判が広まり、以後使ってもらえなくなる(干す)
- 芸能事務所が敵対する事務所や芸能人を使用しないように指定する
出演NGというのもあり、これは逆に放送局が連絡の齟齬などによりやらかしたため芸能人側が出演を拒否する、というものである。
また共演NGも似たようなものであり、芸能事務所間のトラブルにより発生するものや俳優等の個人的な好き嫌いで発生する場合がある。これを扱ったテレビドラマ「共演NG」がテレビ東京で放送された。
有名な出禁
江頭2:50
番組内で橋田壽賀子にキスをしたため、笑っていいとも!を10年以上出禁にされていた。
氣志團
2004、2005年と紅白歌合戦に出演したが、2006年の同番組に綾小路翔のソロプロジェクトDJOZMAで出演した際ダンサーに全裸に見える全身タイツを着せるパフォーマンスを許可を取らずさせたためNHKを出禁になったといわれる。なお処分は相当重いらしく、騒動から15年以上経とうとしている現在も解除されていないとされるが、単純に落ち目になったから、という可能性も否定できない。
PIERROT
ミュージックステーションで「CREATURE」を披露した時、最後に誤ってマイクスタンドを地面に派手に叩きつけてしまい出禁に。以後は開き直ったかのようにHEY!HEY!HEY!に出演していた。
ちなみにDIRENGREYが「残-ZAN-」をトップバッターを披露した事でヴィジュアル系が出禁になったという噂があるがこちらはガセである。むしろ、同番組のスペシャルで過去の映像特集で頻繁に「残-ZAN-」は取り上げられており、テレビ局側としてはむしろ誇らしげにしている感すらある。
t.A.T.u.
ミュージックステーションにおける出演ドタキャン事件のため、テレビ朝日を出禁となる。
笑福亭鶴瓶
東京12チャンネルの生放送番組独占!男の時間にてちんこを露出しカメラに押し付ける行為を行う、また同番組の最終回にて今度は肛門をカメラに押し当てた(ライブドアニュース参照)。この件もあり(ほかに「偉い人の池の鯉を踏み殺した」という話もある)永久出入り禁止となるも、35年で解除された。
また、日本テレビでも局部露出(カメラには映っていない)をやらかし、数年間出入り禁止になったとされ、一回目の東京進出が断念される事態となった。ニコニコ大百科参照
三中元克
めちゃ×2イケてるッ!の新レギュラーの一人だったが、2014~2015年に行われた自身がメインの企画であるみちのくプロレスでのプロレスラー養成企画を2度に渡る脱走によって、打ち切りにした事で番組側に膨大な損失を与えた上、2回目の脱走中にお笑い芸人になる事を画策し、番組側に相談も無しに、芸能事務所に書類を送るなどの芸能活動を行った為、めちゃイケ制作陣やフジテレビ上層部は悪質な規約違反として、番組からの降板と同時に、お台場一帯をはじめとするフジテレビ系列の全企業・関連施設への無期限出入り禁止が言い渡された。
松本明子
1984年にTVとラジオ同時生放送の番組に出演していた際、共演者であった笑福亭鶴光と片岡鶴太郎の罠にかかり、言ってはいけない4文字言葉を口にして各局出入り禁止になった上、暫く業界から干される羽目になった。
ダウンタウン・内村光良(ウッチャンナンチャン)
共にテレビ朝日を出禁になっている。
ダウンタウンの方は上述のジャニーズ事務所関連同様本人達が原因ではない上層部の喧嘩のとばっちりによるもので、2019年に松本の口から明かされた。実際1999年放送の「わらいのじかん」を最後にまったく姿を見せていない。なおテレ朝で放送されている「格付けチェック」「M-1グランプリ」は仲が良好な朝日放送(ABC)制作のため出演し続けている。
内村の方は「内村プロデュース」のアナウンサーだった既婚者の徳永有美の略奪結婚が原因と言われており、同番組の打ち切りにもつながっている説が有力視されている。ただし打ち切り後も何度か復活特番を行っているため、出禁が正式に決定されたわけではなく、雰囲気的にオファーを避けられるようになっただけと思われる。
(ちなみに明石家さんまもテレビ朝日にほとんど出演していないが、これは出禁ではなくさんま側の意思による)
宮迫博之(元雨上がり決死隊)
2019年6月のお笑い芸人闇営業問題に関わっていたことや、虚偽の事実を含めた言い分をしたことなどから謹慎処分を受け、6月23日以降を境にレギュラーだったアメトーークや行列のできる法律相談所などから姿を消した。翌月には吉本興業との契約も解除される。他の闇営業に関わっていた芸人は田村亮を除き8~9月に復帰、亮も翌年1月に復帰したが、宮迫だけは現在もテレビ番組に復帰できないどころか過去映像すら全カットされるほど事実上のテレビ局全局からの出禁を食らった状態が一年以上に渡り続いている。その原因について吉本やテレビ局は沈黙を貫いているが、亮の復帰会見と同時期に始めたYouTuber活動に原因があるのではではないかと言われている。
ただし松本人志・明石家さんまを始めとした先輩芸人達にネタにされたりバラエティ番組でたびたび芸人間から彼を擁護したり称賛する発言があったり、「クイズピンチヒッター」に田村淳のスマートフォン画面を通して出演したり、ロコンド(テレビ東京のみ)やメンズクリアなど彼が出演するCMは地上波でも普通に流れているなど大人の事情を感じざるを得ない特殊な出禁になっている。
香川照之
2022年、週刊新潮でが2019年7月に銀座のクラブホステスに対するセクハラ行為により女性がPTSDを患わったことが報じられ、続報や他社の報道もあり、香川はCMの降板や放送中止が続々と決定したが、この中でTBSは、『アトムの童』や『THE TIME.』の降板を決定し、さらには顔写真も当面の間載せない方針としたため、TBSは香川を出禁にしたとされている。
神田愛花
NHKを辞めたアナウンサーは基本的にNHKの番組に呼ばれないと言っていて、退局以来出演していない。
大竹まこと(シティーボーイズ)
日本テレビの番組中に大暴れし、セットを壊したり山瀬まみの服を破いたりしたため出禁になった。ただしよみうりテレビや中京テレビ制作の全国ネット番組には何事もなくレギュラー出演していた。
どぶろっく
企業のイベントや学園祭に呼ばれた際に下ネタを披露して会場は盛り上がったが出禁になったという逸話がある。
オールスター後夜祭
TBS系『オールスター感謝祭』の派生番組、出禁をメインとしている。番組内で最下位になった芸人は罰ゲームで毒霧やプロレス技を仕掛けられるだけでなく出禁になってしまう。基本、お笑いコンビの面白い方が出禁になりやすい。
世界衝撃映像100連発
VTRのオチを当てるクイズがあり、全問不正解だと番組を出禁となるルールが設定されている。
フィクションにおいて
両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
54巻2話「両さん地獄へいくの巻」にて、閻魔大王から政権を奪い独裁者として君臨。更に57巻7話「神をも恐れぬ男の巻」では、神様にニワトリへ変えられた腹いせに、地獄の悪魔たちを引き連れ、天国へクーデターを起こすなど双方で揉め事を起こしたため、天国地獄ともに出禁扱いされている。
2016年のスペシャルアニメで死亡した際には、天国地獄の両方で受け入れを拒否されたため、現世に送り返され、死んでもあの世に行けない=事実上の不死身と化した。
波野ノリスケ(サザエさん)
2007年5月27日に放送された「父さん発明の母」の回にて、全自動卵割り機をボロクソに貶して波平の怒りを買い、一時は出入り禁止を言い渡されている。
ユージン(「攻略本」を駆使する最強の魔法使い)
魔王を倒して世界を救う運命を背負う勇者でありながら、自分が率いる勇者パーティーが拠点としているラクスタ王国の王都ラクスティアにて自分が勇者であることに胡坐をかいて、強盗や無銭飲食、民衆への暴行、さらには児童虐待といった悪事を働いていた上に、(主人公への逆恨みや醜い私利私欲という事情から)魔王軍に加担して、ラクスタ王国に対して売国奴な騎士と共にクーデターを行うという勇者としての禁忌を行った事から、国外追放と共にラクスタ王国への入国を硬く禁ずる事実上の出禁の処罰が下された(本当なら被害者であるラクスタ王国もユージンを死刑や水牢による終身刑にするつもりだったが、ユージンの持つ隠しスキルにより事実上の不死身であるため死刑にできず、ユージンの肩を持つ教会の僧侶たち(旧弊であるためラクスタ王家にも影響力がある)が非常にゴネたため、国王は大いに悩んだ末にユージンにこの処罰を下した)。
出禁が虚偽の例
野沢ダイブ禁止(虹の黄昏)
M-1グランプリ2023にて、モダンタイムスとの即席ユニット「老害マックス」で1回戦に臨んだ際、野沢が舞台上でストロングゼロをぶちまけたため失格、運営から出禁を言い渡されたことを相方のとしみつが公表している。
しかし、後日野沢本人が「話が盛られている。失格にも出禁にもなっていない、ただ滑っていただけ。」とデマだと釈明している。
そして、翌年のM-1グランプリ2024にエントリーしているのでこの件はデマであると証明された。