概要である
地獄皇太子ダミアン浜田が設立し、地獄副大魔王デーモン小暮が運営した宗教団体。
変遷である
神に厚く庇護された地球で2度目となる千年紀を目前に控えた20世紀末、歴代悪魔の誰もが成し得なかった地球征服計画を一から練り直すために逸早く世を忍ぶ仮の大学生として人間界に潜伏し、フォークバンドサークルを隠れ蓑に独自の諜報活動を進めていたダミアン浜田が未来の担い手となる若者に人気を得つつあったヘヴィメタルに着目してさらなる研究を重ね、ヘヴィメタルを通じた音楽及び芸能活動に偽装して悪魔の教えを植え付ける「音楽を媒体とする人間の洗脳による地球征服」を導き出す。
直後、人間の姿を借りて一般社会に溶け込んでいた悪魔たちに「魔政復古の大号令」を発して構成員となり得る選りすぐりの悪魔を召集し、正式に悪魔教団『聖飢魔II』を設立する。試験段階の中で数回の悪魔事異動を断行し、最も難しい課題であった説法担当に地獄副大魔王デーモン小暮を迎え入れ、同じ大学に通う学生から徐々に洗脳を始めつつヘヴィメタルバンドとしてのキャリアを積み上げ、遂にはプロミュージシャンデビューにまで漕ぎ着けたが、その矢先に大魔王サタン44世重篤の報を受けたダミアン浜田が地獄への帰還を余儀無くされ、1985年2月18日に厳かに執り行われた『王位継承ミサ』の中で教団の古株である地獄中央情報局長官エース清水を後見人として、デーモン小暮に悪魔教教祖の座を含めた教団の全権が譲渡される。
以後、敵対関係にあるゼウスによる様々な妨害を受けながら拠点を構える日本(日本においてはその存在、活動が地方の新聞で報道され、デーモン閣下はバラエティ番組で散々ネタにされた挙句活動が上聞に達し、真の姿まで知られてしまったが、特に日本政府からの妨害を受けることもなかった。これは、悪魔としての姿を活用し薬物乱用防止、安全運転の普及、ガン検診の啓蒙などに協力したことによるものと思われる)、時にはスペインやイギリスなど世界各地で布教活動を展開し、各構成員もそれぞれの洗脳活動を成功させて着々と悪魔教信者を増やす。いよいよ千年紀が差し迫った1998年からは、「世紀末を楽しもう」をスローガンに掲げた全47都道府県お礼参りツアー『日本全国ふるさと総世紀末計画』、最後の大黒ミサツアー『THE FINAL BLACKMASS TOUR LIVING LEGEND』、初のディナーショー『バラードナイト 地獄の晩餐』を立て続けにこなして一層の信者獲得に努め、約15年間に渡る教団活動の集大成となるファイナルミサ『THE ULTIMATE BLACK MASS』を執り行う。
「THEATRICAL DAY」と銘打った1日目は映像や楽曲を交えて教団活動15年の歩みを振り返り、「THE SATAN ALL STARS' DAY」と銘打った2日目は最初で最後となった新旧構成員15名揃い踏み(うち幻の構成員2名はビデオレター出演)を披露し、この世の終わりを意味する「THE DOOMSDAY」と銘打った3日目も滞り無く終えて迎えた魔暦元年(西暦1999年12月31日23時59分59秒)に地球征服の完遂を宣言。同時に教団を解散し、地獄に帰還した。
魔暦元年以降は、デーモン小暮のみが悪魔としての活動を継続しつつ旧信者の動向を監視し、他の構成員はサタン45世となったダミアン浜田の特赦「人間界への帰化」を受けて人間としての生活を送る日々が続いていたが、近年は旧信者とその子ども、海外出身者などを中心とする次世代信者の視察を主な目的として期間限定の再集結による『復活大黒ミサ』を5年周期で開催しており、2010年にはアメリカ、フランス、韓国へも足を伸ばした。
2015年と16年に行われた『全席死刑』『続・全席死刑』を経て、
2020年にも本来の大黒ミサが行われるはずだったが、COVID-19の大流行により、構成員のトークショーとヴィデオ演奏を組み合わせた黒ミサツアー『特別給付悪魔』を敢行。ツアー終了後は本来の形としての大黒ミサの敢行の声明を発表するも、COVID-19の長期化により断念し、ヴィデオ演奏とアコースティック演奏を取り入れた変異生黒ミサツアー『悪チン集団接種』として開催させる。
例外として、2011年には東日本大震災復興支援を目的としたチャリティーミサ『Tribute to JAPAN』の企画、主導がある。
教義である
聖飢魔IIが説く悪魔教とは、「神に盲目的に仕えて天命に従い規律と安定を重んじる」とする善の価値観による束縛を否定し、寧ろ混沌の中にこそ存在する命の価値を見出して自身の身体的、精神的、物質的発展の促進を第一とするものであり、悪魔が持つ超常的な力や深淵の知識を欲する狭義的なサタニズムでも、まして世界に不幸や破滅をもたらす邪神信仰でもない。
つまり、悪魔教では黒ミサや各種経典を通して常識への固執や画一的思考、一貫性の無い日和見の善行などこそが真の害悪であると喝破し、その上でそれらを打ち破る力と意思を持つ愛ある人間の育成、即ち「神からの自立」と「悪魔としての自律」の実践を呼びかけており、各構成員はその一歩を踏み出す手助けをする存在であって信仰の対象ではない。
これを端的に表したものに、黒ミサに参加する信者に対して説かれた「神を信じない」「神を信じさせない」「神を持ち込まない」の3箇条から成る『非神三原則』(ひかみさんげんそく)がある。
偉業である
1985年に発布された地球デビュー大教典『悪魔が来たりてヘヴィメタる』がヘヴィーメタル専門雑誌『BURRN!』のレヴューコーナーにて、100点中の0点という前代未聞の評価を下され、様々な波紋を呼ぶほどの伝説となった。
その後、2020年にBURRN!編集長(評価を下した人物とは別人)が広島で行われていたヴィデオ黒ミサに乗り込み当時の0点評価に対し公開謝罪、後に聖飢魔IIを雑誌上で特集を組む事を取り付けた。
構成員である
最終構成員
・デーモン小暮(解散後はデーモン小暮閣下、2010年以降はデーモン閣下)
・エース清水長官(2005年の再集結ミサ以降は教団活動を休止していたが、2021~2022年に合流。)
旧構成員
・ダミアン浜田殿下(地獄大魔王サタン45世に即位した現在は陛下。2020年には改臓人間を従えてバンドを結成。)
・ジェイル大橋代官(エース清水長官の代理として期間限定再集結時の教団活動に参加中)
・魔女RYO子
・ジャギ古川CAP
準構成員
・怪人松崎様
・WRECTOR・H伯爵
幻の構成員
・ガンダーラ・サンゲリア・チグリス・ユーフラテス金子(魂のみ地獄に帰還、人間界で言う所の故人)
・ジャントニオババヤシ
聖飢魔IIの地獄である
聖飢魔IIのやってきた地獄は、神に反逆したサタンと彼の系譜から生じたデーモン一族など悪魔たち、協力者である「天地共通の凶神」雷神族などの住む世界である。紀元前98038年、デーモン一族はゼウスにより闇と静寂の国ヨッツンハイムに封じられたが、悪魔族は数十億年前から存在する種族であるため、このヨッツンハイムと地獄とは異なると考えられる。
地獄は君主制が取られ、サタンの血筋が代々大魔王として統治している。地獄について魔界の一部であるとする説明もあり、地獄は魔界の重要な藩国のような存在であるとも考えられる。
大魔王
聖飢魔II活動当時の地獄大魔王はサタン44世陛下である。サタン44世陛下はいつから在位しているかは不明だが、魔暦紀元前13年、聖飢魔II地球デビュー直前に一時危篤に陥り、皇位継承に備え、皇太子ダミアン浜田殿下が聖飢魔IIを脱退、地獄に帰獄したが、後無事回復した。
のち、人間への転生を認められるとともに魔界追放となったジェイル大橋代官の特赦、悪魔としての復活を執行している。この一件が、サタン44世陛下の確実に行ったと確認される唯一の獄事行為である。
世界
地獄には構成員の発生地地獄の都会ビターバレー、地獄と天国が最も近い場所ゴッズドア、地獄の貿易港サイドビーチ、地獄の鬼ヶ島ヒルマウンテンなどの地区があり、都会や貿易港のほか鬼ヶ島(おそらく鬼族も住んでいると思われる)や天国との接点、が存在する。魔暦紀元前9年、白い奇蹟で歌のトップテンに出演した際閣下が和田アキ子、島田紳助に対して「地獄に夏はない」と発言しており、季節は存在しない。このほか冗談画報において「電話回線とかそういうものはない」との発言もあった。夕やけニャンニャンの聖飢魔IIのコーナーで地獄の情報がいくつか公開されている。「吸血鬼は魔界でも下級の種族だ」と雑誌媒体で閣下が発言したこともあり、吸血鬼が存在することが語られている。地獄最高審問官閻魔の肩書を持つ構成員もおり、閻魔も存在する。
社会制度
社会の面では、摂政(皇太子の兼任)、副大魔王(敬称は閣下。先代の地獄副大魔王はデーモン小暮。現副大魔王は不詳)を頂点とする政治組織、中央情報局、地獄最悪刑務所などの治安組織や軍隊、近代的な官僚組織が存在する。一方で拷問官、帝国治安判事という役職から刑務所で拷問が行われ、判事が治安を担当するなど暴力的な支配が行われている一面もある。
悪魔の詳細である
デーモン閣下の言によると、悪魔の体調は顔の文様に現れる。閣下の場合頬の灰色の部分が大きいと体調が良い。
霞を食らい、人間の食事を取らずとも活動可能との発言もある。
ゼウスの妨害である
構成員や信者らに対して降り掛かるアクシデントやトラブルを総じて表現している。
これまでに起きた妨害として主なものとして、魔暦前13年(1986年)に蒜山高原で行ったミサにてデーモン小暮がパフォーマンスを誤り改造手術を余儀なくされた事件が挙げられる。
最も長い妨害としては新型コロナウイルスによるもので、魔暦22年(2020年)にはデーモン閣下がコロナ鬱に陥ったり、団体としては期間限定再集結にあたる活動時期にぶつかり活動手段が大きく制限され、これにより大黒ミサの開催手法を変えざるをえない事態にまでなった。
表記揺れである
本来はローマ数字の「Ⅱ」を使用する『聖飢魔Ⅱ』を正式とするが、閲覧環境による表記エラーを回避するためにアルファベットの「I(アイ)」を二つ重ねて「II」とする動きが一般的であり、さらに海外ではアラビア数字の「2」を用いる動きもあるなど、pixivタグに限らずインターネット上では上記の3つが入り乱れて表記揺れを引き起こす現象が発生している。
pixiv内に限っては、上記の表記揺れに対処するものと思われる亜種『聖飢魔』も存在する。