概要
広大無辺な魔界のうち、地獄を代々に渡って支配する悪魔皇族『サタン一族』の現当主。
大魔王サタン44世の実子であり、悪魔教団『聖飢魔II』の創始者。
来歴
悪魔『地獄皇太子ダミアン殿下』として
人間が神の庇護の下に営みを送る地球の征服こそが悪魔、ひいては地獄の最重要課題であるとする理念を抱くも、歴代の悪魔が行った「破壊と殺戮による地球征服」が尽く結実を見ぬままに失敗に終わる様子に疑問を投げかけ、自ら人間界に潜伏して諜報活動と研究を積み重ねた結果、「音楽を媒体とする人間の洗脳による地球征服」を解決の糸口として導き出す。
様々な実験を通じて効率的な洗脳に最適な音楽を模索する中で、人間に最も受け入れられやすい音楽がヘヴィメタルであるという事実に辿り着き、この確信を機に悪魔による地球征服宣言『魔世復古の大号令』を発すると同時に悪魔教団『聖飢魔II』を設立する。以後は、世を忍ぶ仮の姿で在籍していた早稲田大学で同じく人間社会に潜伏しつつ進学した悪魔を召集し、吟味を重ねて選りすぐった精鋭と共に本性を現して布教活動を開始した。
身近な同窓生を対象とした洗脳に一定の成果を見た所で数々の対外活動にも着手し、その渦中で音楽業界関係者を籠絡して経典の発布にも漕ぎ着け、いよいよ日本全国、ひいては地球全土の教化に踏み出そうとしたが、その矢先に折悪しくサタン44世重篤の報が舞い込んだため、悪魔教教祖を務める地獄副大魔王デーモン小暮に教団の全権と地球征服の本願を託して地獄へ戻り、病床に伏すサタン44世の名代として摂政に就任した。
多忙の合間を縫って視察を重ねる度に教化戦略の成功に喜び、自身も教団活動末期に開催された1995年の特別大黒ミサ『THE SATAN ALL STARS』および1999年の最終大黒ミサ2日目『THE SATAN ALL STARS' DAY』に参加して教化の仕上げに助力し、教団が魔暦元年来迎と同時に布教活動と地球征服の完遂を宣言した頃に地獄大魔王位継承式を執り行い、大魔王サタン45世として新たなる支配者の座に就いた。この時、継承式に伴う特赦の1つとして行った最初の執政に「教団構成員の人間界帰化」があり、デーモン小暮を除く関係者12名は本籍を地獄から地球に移して人間としての生活を本格的に開始した。
なお、1995年の地球視察の中でデーモン小暮と教団活動に関する対談を行った折、「活動期間が残り少ない今こそ信者の獲得数は指数関数(一定数から減少せずに増加のみを続ける)的にあるべきだ」と主張し、この指数関数のフレーズがダミアン浜田の代名詞となった。
世を忍ぶ仮の姿『浜田功』(はまだ いさお)として
早稲田大学教育学部在学中にフォークソング同好会に在籍し、そのサークルメンバーを誘って『は、は、は、は、浜田さんバンド』を結成する。リーダーである自身はギターを担当し、ベース(星島)とドラム(清水)も順調に揃ったものの、求める音楽性の違いからボーカルが見つからずに困っていた所、後にバンドの全権を託される事となる後輩学生の小暮が「私では駄目なんでしょうか?」と願い出たのをこれ幸いと「もぉちろんいいよっ!」の一言で快諾する。
音楽活動を続ける中でバンドメンバーを改変し、ボーカル(小暮)、ギター(浜田、清水)、ベース(星島)、ドラム(飯島)、キーボード(丸山)の5パート6人編成となるが、程なくして求める音楽性との違いからキーボードを除外した4パート5人編成に再改変する。また、同時にアメリカのロックバンド『KISS』を彷彿とさせるスタイルと悪魔教団のギミックをバンドに持ち込んで『聖飢魔II』の方向性を決定する。
校内外の様々なイベントやロックフェスティバルに積極的に参加するうち、このバンドに注目した音楽業界の関係者に誘われて参加した『CBSソニー新人オーディション』で最終審査まで進み、特別賞の受賞とプロデビューの打診を獲得するも、大学卒業後の進路が固まっていた上に「プロとしてやっていく実力も気持ちも無い」とする考えから最年長の清水を後見人としてバンドの全権を小暮に譲渡し、バンド活動から身を退いて以降は高等学校の数学教諭として教鞭を揮うようになった。
この教師生活の中でも、ファンであるか否かを問わず「山口県の高校に聖飢魔IIのダミアン浜田がいる」として著名になった勤務先の山口県立長府高等学校で軽音楽部の顧問を14年間担当し、校歌のロックアレンジや軽音楽部オリジナルCDのプロデュースやリリースを手掛け、自身も1996年に聖飢魔II関係者の協力を得て最初で最後となる悪魔教外典(ソロアルバム)『照魔鏡』をリリースした。
現在は教師を退職。「改臓人間」たちを引き連れ、ダミアン浜田として再び音楽の世界に身を投じている。
人物
デーモン小暮を始めとする地獄のデーモン族、天地双方の格を持つライデン湯沢の雷神族とは異なり、悪魔皇族の祖に当たる大魔王サタン1世(ルシファー)の血統である事から容姿に元来の高位神族としての名残を留めているため、悪魔でありながら美しさと神々しさを兼ね備えた姿をしている。
教団初期の音楽面の中核として『蝋人形の館』や『Jack the Ripper』などの代表曲を作曲し、特に『野獣』に深い思い入れを抱いている。ところが、自身を除く構成員はこれに対して評価の高さを考えておらず、意外な楽曲の選出に困惑したデーモン小暮がこの回答に対して真意を問うと「私はアニマルプリントが好きなのだ」と答えている。
関連イラスト
「敬愛なる信者諸君、地獄で会おう。」
「さて、今日は高次方程式による因数分解法とその展開についてだが…。」