概要
ジュラ紀に生息していた肉食恐竜で、同じ時代に生息していたアロサウルスと比較すると原始的なグループに属し、全長も5~6メートル、体重1t前後と小柄。
背中にオステオダーム(皮膚・ウロコが変化した骨質のヨロイ)があったと分かっている唯一の獣脚類である。
ちなみにケラトサウルスとは「角のあるトカゲ」という意味であり、この特徴に由来して名付けられたもの。
前足の指は4本指で、肉食恐竜としては原始的。
体格の割には上顎歯が大きくかつ鋭く、非常に切れ味が良かったと推測されているが、横方向の衝撃に弱かった可能性がある。
また、手足の爪も鋭くできていた。
化石はアメリカ・モリソン層で産出するが、産出例はあまり多いとは言えない。
タンザニア・テンダグル層でケラトサウルス・インゲンスと命名された非常に大きな牙の化石の産出例があるが、牙以外の部位が未発見であり、本当にケラトサウルスであるかどうかは不明。
形態的にはカルカロドントサウルス科のものに近く、原始的なカルカロドントサウルス類であれば大きさや形態と合致するため、ケラトサウルスのものとする事は最近では減ってきている。
アロサウルスが氾濫原のような環境に生息していたと推測されるのに対し、ケラトサウルスは森林や水辺の近くに生息して、獲物を捕食していた。
また、泳ぎが得意だったとする説もあるが、あまり支持されていない。
フィクションにおいて
CG普及以前のハリウッド映画では、肉食恐竜側の「主役」としてはティラノサウルスに並ぶ存在だった。これは吻部の装飾的な突起が派手な印象を視聴者に与えやすかった為、と言われている。
『ジュラシック・パークIII』で登場した際は特にこれといったアクションもなく、スピノサウルスに恐れをなして(登場したシーンでは近くにスピノサウルスの新しい糞があった)そそくさと森へ消えていった。このケラトサウルスの概観は同作のティラノサウルスを流用して作られたものらしく、容姿は実際のケラトサウルスとはかなり異なる。
他方、XBOXの専用ソフト『ダイナソーハンティング』ではラストステージにて「ケラトサウルス変異種」という最大の脅威として登場している。その姿は通常の個体、そして他の恐竜達よりも遥かに巨大で、顔面の角が著しく発達し、更に肩にも角が生えており、ドラゴンや悪魔を連想させる姿をしている。
作中では白亜紀の頂点に立つとされるティラノサウルスや最大級の肉食恐竜スピノサウルスですら獲物にしていた。ゲーム中にてある女性科学者の推測によると、火山湖に含まれる窒素を吸収して巨大化したトゥルータをスピノサウルスが捕食し、それをこの個体が捕食し続けた事でティラノサウルスをも越える最強の肉食恐竜になったという。
『恐竜再生』
学説に基づいたケラトサウルスが見られる作品その①。
ドリオサウルスの一家を襲撃して幼体を捕食、ステゴサウルスの番を襲撃と暴れていたがドリオサウルスの一家を再度追っている際にアロサウルスの不意打ちで瞬殺され食べられてしまった。
『ジュラシック・ファイト・クラブ』
学説に基づいたケラトサウルスが見られる作品その②。
4話『血みどろの戦い』と6話『食うか食われるか』に登場。こちらでもアロサウルスとの因縁は健在でケラトサウルスの死亡は避けられない。
それでも『恐竜再生』とは異なりアロサウルスに手傷を負わせている。
古代王者恐竜キング
アロサウルスを差し置き第1紀から登場。強さ1600の風属性。
いわゆる銅レア相当の中堅層だが、この時点ではユタラプトル(つよさ1800)・カルノタウルス(つよさ2000)がいないため、風属性最強の恐竜であった。ちなみにアロサウルスはワンランク下のつよさ1400。
必殺わざはグー。第1紀では風属性の超わざがグーの「カマイタチ」しかないため、風属性では唯一超必殺超わざを使える恐竜だった。「孤高の三本角」というショルダーネーム
バトルタイプは第6紀まではあいこタイプ、2007第1紀から2007第2紀はピンチタイプ、激闘!ザンジャークではゆうきタイプ。
目覚めよ!新たなる力ではスーパー恐竜が登場した。
DSゲーム「7つのかけら」では初戦のロアが繰り出すが、プレイヤーが使えるのはクリア後(2週目)。
アフリカのアクト要塞・北アメリカのアクト秘密基地・アジアのマイゴの森で発掘できるものの、確率は非常に低く、図鑑コンプの壁になりがちな一匹。また唯一レベルアップで「カマイタチ」を入手できる恐竜カードなので、この点でもコンプの障害。ちなみにあいこタイプは北アメリカ産の個体、アジア・アフリカのものはカウンタータイプになっている。
なお本作の6m以下の恐竜はキャラモデルが明確に小さくなっていて、単純な体格差で言えばヴェロキラプトルとアロサウルスくらい違う(7m以上だと他の属性の連中と同じくらいの体格)。なのにこれも結構いい加減で、なぜか同じ6mのクリオロフォサウルスは7m以上の恐竜と同じ体型になっており、ケントロサウルスやダケントルルス(5m程度)でさえコイツより大きく描写される。挙げ句メガラプトル(当時は9mと推測されており風属性では最大級)ですらやたらに小柄。
テレビアニメでは第10話でジュラサンがカードを売っていた。その後、アクト団が恐竜カードを手にし、第12話でタルボーンヌが使っていた掃除機の風で実体化するが、第13話でDキッズが回収した。この時、マルムに取られたガブ達のカードのオマケと言われたり、
第1期の最終話で再登場するも、ブラックティラノサウルスに一蹴されてしまうなど何かと雑な扱いをされてしまった。
とはいえ前述の第13話ではガブ達メイン恐竜達と共闘したり、技を使わずにスティラコサウルスを倒して回収に貢献したりと一応出番には恵まれている。(ちなみに、最終話で全恐竜召喚されるのを除けばメイン恐竜以外でDキッズ達に召喚された事がある唯一の恐竜だったりする)
最強王図鑑
初登場は『恐竜最強王図鑑』であり、シード枠で参戦。2回戦でペンタケラトプスの後ろ足に噛みつき体勢を崩し仕留めたり、準々決勝では3体で襲い掛かるデイノニクスのうち1頭を尻尾で叩き伏せるなど意外とジュラ紀の恐竜では最高成績となるベスト8での終戦が評価された。続く『恐竜タッグ最強王図鑑』ではカルカロドントサウルス&パキケファロサウルス相手に奮闘するもパキケファロサウルスの棘が口の中に刺さり一撃KO…が、未登場ながらにしてアニメ版のスマホゲームに実装されたことで再脚光を浴びる。
その他
明治時代の『怪世界:珍談奇話』という書物には、アラスカのパートリツヂ入江で「ケラトソーラス」が目撃されたというパートリッジ川の怪物の話が「驚くべき怪獣退治」の題で掲載されている。
同じ話は大正時代の『世界奇聞全集』という書物にも「前世紀の怪獣」の題で掲載されているが、こちらでは「恐角獣」と表記されている。
1948年の小説『沙漠の下の海』に登場する、鼻先に角を生やした二足歩行の肉食恐竜も「恐角獣」と呼ばれており、ウインタテリウムではなく本種が「恐角獣」と呼ばれた時代があったようだ。