概要
南極の恐竜として初めて発見・命名された獣脚類。ちなみに南極も3500万年くらい前までは温暖であり、精々亜寒帯か温帯並みであった。
化石は南極のカーク・パトリック山にあるジュラ紀前期の地層・ハンソン層から発見されたが、南極なので当然凄まじい寒さの中で発掘作業をすることになり、そんな環境に因み「氷(の中)のトサカを持つトカゲ」を意味するこの名前がつけられた。
発掘された化石は少数だが、それらから推測される大きさは全長6~7メートル程度とジュラ期前期の獣脚類でも最大級の体躯を誇る。しかもホロタイプが未成熟個体であるため、成熟個体はより大型である可能性が指摘されている。
最大の特徴は涙骨が変化して形成されている扇状のトサカ。これがリーゼントを思わせる事から「エルヴィス・プレスリー」のニックネームを頂戴した。
トサカは薄く脆弱な作りと装飾的な形状から、もっぱら視覚的なディスプレイ器官だったと思われる。
多くの近縁種と同じく肉食で、胃内容物として単弓類のトリティロドン類が報告されている。
加えて竜脚形類と思われる頸肋骨(首の下にあって支えになっている骨)も発見されたため、同じくハンソン層で発見されているグラシャリサウルスを捕食していたと考えられていたが、2007年の論文にて頸肋骨はクリオロフォサウルスのものと結論付けられている。
分類について
化石にはアロサウルス類に見られる特徴と、ディロフォサウルス等に見られる原始的な特徴が入り混じっている。当初は最初期のカルノサウルス類(アロサウルスなどを含むグループ)とされていたが、近年の研究でディロフォサウルス科に属するとされた。
しかし、そのディロフォサウルスの一種D.sinensisが別属のシノサウルスと判明し、2012年にはシノサウルスと共に原始的な堅尾類に属するという説が、2020年には三畳紀のズパイサウルスより派生的だがディロフォサウルスよりは原始的な新獣脚類という説が提唱された。
なお現時点で製作された復元骨格は前述のカルノサウルス類説に基づいているため、現在の学説の姿とは少々趣が異なる。復元骨格を参考にイラストを描くときは注意。
フィクションにおいて
古代王者恐竜キング
第1紀から登場しているが、わざカードの「はんげきかいふく」「あせらせ」「かいふく」といったわざ(甲虫王者ムシキングのナミアゲハやアオスジアゲハと差し替え)で登場。
ちなみに同様に南極圏の恐竜であるラエリナサウラもHPを小回復する「サウラのいやし」というわざカードで登場している。こちらはわざカードにしないと出せそうにないほど小さいのだが、なぜこちらにしなかったのかは不明。
- 類似作の「ダイナキングバトル」ではパワー600(古代王者恐竜キングの強さ1200相当)の恐竜カードだったのだが。
激闘!ザンジャーク2紀+では装いも新たにシークレット恐竜として恐竜カードに昇格。同じくわざカードのパウパウサウルスもシークレット恐竜入りになったが、DS版では時期(2007年11月発売)の都合か参戦が間に合わず、わざカード限定のまま。
なおDS版はアーケードと違う使用の都合上「あせらせ」や「はんげきかいふく」がなく、代わりにいくつかオリジナル技が登場している。ちなみに「かいふく」はHP20%回復のチョキ技として続投。
- 「いやし(グー。HP10%回復)」
- 「まんぷく(パー。30%回復)」
- 「りんじかいふく(パー。この技を出したターンは、負けると10%、あいこなら20%、勝てば30%回復)」
- 「あいこかいふく(チョキ。あいこならHP%回復)」
- 「ミステリアスエアー(※)」
※攻撃力アップ、受けるダメージ軽減、HP回復のどれかがランダムで発動。攻撃力アップとダメージ軽減は10・15・20%、回復効果は10・20・30%。
なお助っ人恐竜は該当する技カードを手に入れると図鑑に載るが、この技は効果がランダムなため、入手しても図鑑に登録されない。
バトルタイプは激闘!ザンジャークはきょうかタイプ、目覚めよ!新たなる力ではあいこかいふくタイプで登場する。必殺わざはグー。
前述する名称からか氷の力を使う。
超わざはグーは氷の結晶を大量に飛ばす「スノークリスタル」、チョキは氷の息を吐いて敵を凍らせてふっとばす「ブリザードスマッシュ」、パーは氷の息で地面を凍らせて敵を氷塊に叩き飛ばす「フローズングライド」。
ショルダーネームはわざカードは「自慢のリーゼント」、恐竜カードは「氷冠の貴公子」。アニメの公式サイトでは後者が記載されている。
テレビアニメでは第77話と第78話でノーピスの恐竜として登場。最後の恐竜図鑑の説明であった。
ジュラシック・パークシリーズ
ゲーム作品に登場しており、「Warpath: Jurassic Park」と「ジュラシックワールド・エボリューション2」に登場。
映画や特別映像等、映像作品での登場や言及はない。
カセキホリダーシリーズ
「クリオン」という名前で登場。氷ということで水属性のリバイバー。
蘇る恐竜の時代
第一話「恐竜の世界」にて、一頭の雄が二度にわたり活躍している。
一度目は若い雄の縄張りに侵入し、パートナーの雌と共に巣作りをしていたところを襲撃。一騎打ちの末に勝利して産んであった卵を殺し、雌を奪っている。なおこの際、相手のトサカを噛み千切って破壊している。
二度目はグラシャリサウルスの放浪雄を捕食しようと襲い掛かるが、相手が蚊の大群に追われて泥沼に落ちた結果、自身が蚊達の標的にされて逃げ惑う事になる。