概要
かつて「中国産のディロフォサウルス」と呼ばれていた恐竜。
ジュラ紀前期の中国雲南省に棲息した、全長5.6メートルほどの中型獣脚類。
命名されたのは1948年だが、当時は部分的な化石しか見つからず、メガロサウルスに似た姿で復元されていた。
その後、1987年以降に雲南省晋寧県などからより完全な頭骨を含む追加標本が見つかったが、当初は頭骨の鼻先の上に二本の顕著な稜をもつことから、北アメリカから見つかったディロフォサウルス属に分類されディロフォサウルス・シネンシスと命名された。近年の研究でディロフォサウルスとは異なる特徴や1948年の標本との類似点が確認され、ようやく全体像が判明した。
原始的な堅尾類にみられる特徴が見つかり、ディロフォサウルス科からは除外する考えが多い。
当時の雲南省では頂点捕食者として君臨していたようで、古竜脚類のユンナノサウルスとともに死んだ化石が発見されている。
なお、トロオドン科のシヌソナススとは名前を間違えやすいので留意。