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スピノサウルス

すぴのさうるす

白亜紀前期から白亜紀後期にアフリカ大陸近辺に棲息していた大型肉食恐竜の一種。
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※名前の似ているギガントスピノサウルスは全く関係のない種なので留意。

データ

エジプトモロッコなど北アフリカ化石が見つかっている大型の肉食恐竜。名はギリシア語で「(とげ)の爬虫類」と言う意味。

名前の通り、脊椎から伸びる扇状の突起物が特徴。長さは最大個体で2mに達し、生存時は大きな「」を形成していたと考えられている。この帆はラジエーターとして機能していたと考えられているが、後述の水生説と合わせてむしろ個体識別用のディスプレイであったとの説も出ている。

歯や吻は現存するワニのそれに類似しており、胃の内容物やバリオニクスなどの近縁種の生態から、ハイギョなどの魚類を主食していたと考えられている。前脚には湾曲した大きなが備わっており、この爪と細長い顎を用いてマウソニアなどの比較的大型の魚を捕らえていたとみられる。

部分化石からの推測では、頭骨だけで約2m、全長ではなんと15m~18mに達すると考えられ、少なくとも全長の数値だけで判断すれば、ティラノサウルスギガノトサウルスといった他の獣脚類を上回っており、獣脚類としては史上最大とされている。

2014年には、ポール・セレノ博士らの研究により、他の大型獣脚類と比べると胴体は長めであり、後肢は極めて短かかったことが判明した。特に後肢はスピノサウルス科の他のメンバーと比べても明らかに短く、陸上ではゴリラのように4足歩行(ナックルウォーキング)をしていたと考えられる。半水生であったと考えられ、後肢には水かきがあった可能性も指摘されている。

ただしこの復元については疑惑があり、亜成体と成体、さらには別属の標本が混ざったキメラ復元ともされている。また胴椎(背骨の骨)の位置によっては腰帯(腰の辺りの骨)及びに後肢全体が約3割も小さく復元されている可能性も指摘されており(参考リンク)、さらに指骨も妙に長く復元されていて、ナックルウォークするには華奢だと指摘されている(セレノ博士とナショナルジオグラフィック(超有名なアメリカの科学雑誌)の間に大人の事情があったという噂もある)。

尤も、四足歩行していたかはともかく他の獣脚類と比べて胴長短足の体型であり、水生に適応していたことは間違いないとされる。特に脚は貧弱な作りとなっており、獲物を追いかけて捕食することはまず不可能で、魚や恐竜の死肉を食べて暮らしていたこともほぼ確実視されるところである。
また、鼻先には血管と神経の通る穴が無数に存在しており、水圧を感じ取り獲物を探していたとみられている。
ちなみに、骨密度はかなり高かった(ペンギンに近い)とされており、これは浮力を増すことで水中での活動を補助するという大きなメリットがある一方、陸上での機敏な動きを困難にするデメリットもあったと考えられる。

特徴を総合すると、「陸上より水中での活動に重きを置いた進化を遂げた特異な巨大恐竜」という表現が相応しいかもしれない。

同時期にはカルカロドントサウルスが棲息していたが、基本は食性と生息環境の違いから共存できていたと思われる。しかしカルカロドントサウルスに棘突起を噛みちぎられたと思われるスピノサウルスの脊椎も発見されており、獲物や縄張りの奪い合いなどでスピノサウルスがカルカロドントサウルスに襲われることもあったようだ。
ちなみに、従来の復元骨格に基づく二足歩行であれば体高において勝るであろうカルカロドントサウルスに「棘突起を」噛みちぎられていたという事実は、本種が四足歩行を行なっていた(=体高が低かった)という説を裏付けうるものとして注目されている。

モロッコ産の歯の化石はミネラルショップではおなじみの存在である。質を問わなければかなり安価。

経歴

最初は、1915年に、アフリカのエジプトで背骨を含む体の一部が発掘され、後に記載された化石はドイツ・ミュンヘンの博物館に保管されていたが、その標本は1944年に、第二次世界大戦で焼失(化石を収蔵していた博物館がモスキートランカスター爆撃流れ弾で破壊された)してしまっていた。
このことから当初は「巨大な背びれを持つ肉食恐竜」といった程度のデータしか判明しておらず、二足歩行になったディメトロドンのような姿で描かれることも多かった。

しかし、その後にモロッコで不完全ながら多数の化石が見つかったこと、近縁種(同じくアフリカのサハラ砂漠のスコミムスイギリスバリオニクスブラジルイリテーターなど)の発見で研究が進んだことで、魚食性というそれまで恐竜の世界では省みられていなかった性質に特化した肉食恐竜の一派ではないか、と考えられるようになった。
実際、彼等が生前食べていたと推測される魚の残骸(オンコプリスティスノコギリエイの仲間)の歯、ハイギョの鱗など)も共に化石として発掘される事例が多い。ただ、バリオニクスの腹部からイグアノドン類の骨が見つかったり、イリテーターの歯が刺さった翼竜の脊椎が発見された事から、本種も機会があれば腐肉を漁ったり、翼竜を狙ったりすることはあったかもしれない。
この事から「川が干上がり魚が取れない時期には腐肉を狙い、その度カルカロドントサウルスと衝突していたが、白亜紀前期の気候変動で干ばつが続き魚が取れなくなり肉を巡る争いに敗れ絶滅したのではないか」という推測もなされている。
同時期同地域に生息していたスコミムスとの関係だが、スピノサウルスが大型の魚類を、スコミムスが比較的小型の魚類を主食とすることで棲み分けを図っていたのではないかとみられている。

近年では保存状態の良い頭骨を含む化石が見つかり、頭部に小さなトサカ状の器官を持っていたこと、水中生活に適した特徴を持っていたことなどが判明している。

近縁種

 一覧はスピノサウルス科を参照。

ジュラシック・パークシリーズ


  ティラノサウルスだ…!(ビリー・ブレナンのセリフより)

そうじゃない…もっとデカい…(アラン・グラントのセリフより)

恐竜映画の金字塔にして、スピノサウルスの知名度を一気に押し上げた作品。
2001年夏に公開された第3作『ジュラシック・パークIII』では看板恐竜に抜擢され、地上だけでなく水中からも襲い掛かる最大の脅威として大々的に公表された。
2015年に公開された第4作『ジュラシック・ワールド』でも間接的にではあるが登場している。

ジュラシック・パークIII


全長13.3m、体高4.9m(頭頂まで)、体高6.6m(背びれまで)、体重4t。
データはDVD特典映像と公式パンフレットを典拠とする。

前作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の舞台であったイスラ・ソルナ島、通称『サイトB』に生息していた個体が登場。インジェン社を買収したマスラニ・グローバル・コーポレーションが秘密裏に研究・誕生させた恐竜であり、公式リストには存在していなかった。

ティラノサウルス・レックスと並ぶ、イスラ・ソルナ島の頂点捕食者。スピノサウルスの排泄物の匂いを嗅いだケラトサウルスがすごすごと退散していく様は、本種の立ち位置を如実に表している。主人公を追って現れた若い雄のティラノサウルスとの戦闘で、ティラノサウルスの頑丈な首の骨を易々とへし折るという圧倒的な戦闘力を持っている。

Spino chase WIP


劇中では鋭い牙、長大な腕、巨大な鍵爪を持ち時速40kmで走行するハンターとして描かれ、主人公のグラント博士達をしつこく襲撃する。また水中においてもある程度の活動が可能で、水深の浅い河を泳いでグラント達が乗るボートを追跡するシーンが存在する。

ただ、ジョー・ジョンストン監督が評するところによれば「ティラノサウルスよりも知能は低い」らしく、飛行機を転がして食べようとしたり、グラント達を追う途中で2本の大木につっかえたり、施設の扉を閉められただけで襲撃をやめたりと、厄介ではあるが鈍感そうな一面も垣間見える。

今作のスピノサウルスの造形は監修者の一人であるジャック・ホーナー博士、および前二作の主役を超えるインパクトを欲したスタッフの意向を色濃く反映しており、前作の「王」であったティラノサウルスよりも凶暴で意地の悪い恐竜としてデザインされている。
メディア媒体では「最大の肉食恐竜」「新たなる脅威」として喧伝され、劇中では前述のとおりティラノサウルスとの勝負に勝利する一幕がある(余談だが、このシーンはシリーズファンの間でかなり賛否が分かれたらしい)。

両者の生息時代差や地理差、勝負の結果はさておき、これ以降スピノサウルスはティラノサウルスのライバル的存在としても認知されていくことになった。

なお、全長はともかく体高(4.9m)、体重(4t)は第一作に登場したティラノサウルスを下回っており、従来のファンにはある程度配慮していたことが窺える。

ジュラシック・ワールド

遂にオープンしたテーマパーク「ジュラシック・ワールド」のメインストリートに骨格標本が展示されている。骨格標本のデザインは現在の復元図に準じた(鶏冠がある)ものとなっており、『ジュラシック・パークIII』に登場した個体とは別物である。
映画の最終盤にパドック9から解放されたティラノサウルス・レックス(レクシィ)がメインストリートに姿を現す際は、このスピノサウルスの骨格標本をぶち壊して登場するという『ジュラシック・パークIII』への意趣返しの如き演出がなされ、両者の関係を知っていたシリーズファンを沸かせた。

残念ながら、『ジュラシック・パークIII』でイスラ・ソルナ島に生息していた個体については全く登場しない(言及もない)。
裏設定では、「ジュラシック・ワールド」をイスラ・ヌブラル島に建設するにあたって、イスラ・ソルナ島にいた恐竜はすべて正式な確認・報告を経た上でイスラ・ヌブラル島に移されており、イスラ・ソルナ島に恐竜は残っていないとされている。しかしながら、『ジュラシック・ワールド』(2015年)時点でイスラ・ヌブラル島に(イスラ・ソルナ島から移送されたはずの)スピノサウルスの存在は一切確認されておらず、パークデータにも存在していない。
一方で公式サイトによれば、2000年代のイスラ・ソルナ島では生態系への間接的な悪影響の積み重なり(所謂「バタフライ効果」)に起因する大規模な生物数の減少が発生したとされている。また、イスラ・ソルナ島に生息していた肉食恐竜たちは、輸送先のイスラ・ヌブラル島において生息域の大幅な減少(=捕食者同士のテリトリーのバッティングの増加)に伴う他の捕食者との抗争に巻き込まれ、その結果いくつかの種が絶滅に追い込まれたとされている。因みにこの時戦った雄のティラノサウルスは若かったため、圧勝していたが、流石の彼も王女である彼女には敵わなかった模様である。
上述の状況から察するに、『ジュラシック・パークIII』の個体は2003年~2015年の間にどちらかの要因によって死亡した可能性が高い

前作で名前が挙げられていた近縁種のスコミムスとバリオニクスは、今度はパークで飼育されているという設定。続編では、「サイトA」で飼育されていたバリオニクスが映像化される形で登場と相成った。

誕生の背景

後に公開された設定資料によれば、スピノサウルスはマスラニ社がインジェン社を買収した1998年前後にジーン・ガード法(イスラ・ヌブラル島およびイスラ・ソルナ島に生息する恐竜たちに干渉しないことを定める法律)に違反する形で秘密裏に生み出された4種の恐竜たちの1つであり、またそのクローニングに携わった主導者的研究者がヘンリー・ウー博士だったことが明かされた。

なお、ウー博士は前年となる1997年に複数種の遺伝子を組み合わせる技術を開発し、実際に「ウーフラワー」と名付けられたハイブリッド植物を生み出して世界に発表している。付け加えると、マスラニ社サイトのバックドアに「Indominus」というパスワードを入力して見ることができるウー博士のメールでは、彼が開発した遺伝子改造技術について、
「それは確かにイスラ・ソルナ島に置いてきたアクシデントにおいて無限の能力を証明した」という一文が存在している。
これらの事実からファンコミュニティでは、イスラ・ソルナ島のスピノサウルスが現実から大きくかけ離れた姿と生態と戦闘力を持っていたのは実は大幅な遺伝子操作を施されたハイブリッド恐竜だからであり、後のインドミナス・レックスのプロトタイプともいえる存在だったのではないかと考察されている。イスラ・ソルナ島の全ての恐竜がイスラ・ヌブラル島に移されたにも関わらず、スピノサウルスがパークの公式リストに載ることなく姿を消していることについては、「恐竜を兵器利用」という方向に傾倒し始めていたヴィック・ホスキンスらインジェン社が、ウー博士の重大な実験結果であるスピノサウルスを隠蔽したという解釈が可能とされる(ただし少なくとも1998年の時点でマスラニ社はスピノサウルスの存在を認知していたとされており、この点の整合性については意見が分かれるところではある)。

Jurassic World Evolution

ジュラシック・ワールド/炎の王国』のタイアップ作品となるテーマパーク建設シミュレーションゲーム『Jurassic World Evolution』にも登場。
ベースデザインは『ジュラシック・パークIII』に登場した個体のそれを踏襲している。

全長15m、体高3.9m、体重20t。
ベースステータスはATTACK:101、DIFENCE:37、LIFESPAN:59、RESILIENCE:35。
攻守の合計ステータスは138となっており、インドミナス・レックスインドラプトルティラノサウルス・レックスに次ぐ作中4位を誇る。
本作では映画では描かれなかった草食恐竜を追い掛け回して捕食する様子を見ることができるほか、長年言及されてきたスコミムスとの顔合わせも実現した。



その他のメディア

2006年に公開された『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』にも登場。敵役の大富豪・ドルマンスタインに飼育されており、映画終盤に解き放たれ、ドラえもんの味方になったティラノサウルスと激突した。こちらでは噛み付き合いの末に投げ飛ばされて敗れており、日本を代表するアニメ映画におけるティラノサウルスとスピノサウルスの勝負は、奇しくもジュラシック・パークIIIとは真逆の結果に終わったことになる。
ちなみに、この映画にスピノサウルスが登場する事は、公開まで一切伏せられていた(いわゆる恐竜側の隠しボスである)。

恐竜ファンタジー漫画『竜の国のユタ』では太古より蘇った竜モドキの一つとして登場。軍艦破壊専門に大きな戦果を挙げるが、巻末のおまけではおそらくワニとの生存競争に負けた種だろうと触れられている。

ゾイドシリーズではスピノサウルスがモデルのスピノサパーダークスパイナーが登場しているが、バトルストーリーでは活躍の機会には恵まれず(ただし後者は3年もの間無敵時代を築いた事が設定で語られている)、アニメではどちらもかませ扱いに終わった。商品化には至っていないが、バイオスピノというバイオゾイドの一種も存在する。

家庭教師ヒットマンREBORN!』では真6弔花桔梗がスピノサウルスの能力を持った匣兵器を使用している。

これ以外には『獣電戦隊キョウリュウジャー』のトバスピノや、『ロストエイジ(原題:Age of Extinction)』に登場した、ダイナボットの一員スコーンなどがいる。

関連イラスト

従来の復元図

Spinosaurus Aegyptiacus
スピノサウルス


最新の復元図

沼の漁竜
スピノサウルス_Spinosaurus


その他

スピノサウルス新復元の向こう側



関連タグ

恐竜 アフリカ エジプト モロッコ
スコミムス バリオニクス イリテーター カルカロドントサウルス
ティラノサウルス ジュラシック・パーク のび太の恐竜2006 隠しボス

ディメトロドン - 背中に大きな帆を持つことで有名な古生物。シルエットは似ていなくもないが、こちらは単弓類に属する生物なので恐竜ではない。

オウラノサウルス - スピノサウルスと同時期に、同じ地域に生息していた草食恐竜。背中にスピノサウルスと似た大きな帆を持っている。

ギガントスピノサウルス - 名前が酷似している恐竜。こちらはステゴサウルスなどと近縁の剣竜類であり、スピノサウルスとは全くの無関係。

キャラクター等

トバスピノ獣電戦隊キョウリュウジャー
スピノサパーダークスパイナーバイオスピノZOIDS
スピノモン、バイオスピノモン(デジタルモンスター

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