※名前の似ているギガントスピノサウルスは全く関係のない種(ステゴサウルスの仲間)なので留意。
データ
エジプトやモロッコなど北アフリカで化石が見つかっている大型の肉食……というか魚食の恐竜。
属名の意味は「棘のトカゲ」と解説されることが多い。
白亜紀半ばくらいの約1億1000万~約9400万年程前に生息し、スピノサウルス科では最後まで生き延びたが、気候変動等で棲息に適した大河や大きな湖が減少し、エサとなる魚が獲れず絶滅したと考えられている(白亜紀前期末から後期序盤は海洋無酸素事変も複数回起きるなど地球規模の環境激変が相次ぎ、スピノサウルスだけでなく多くの生物が滅んだ時期である)。
背中の突起
名前の通り、脊椎から伸びる扇状の突起物が特徴。長さは最大個体で2mに達した。
一般的なイメージとして、ヨットのような大きな「帆」を形成していたと考えられているが、もちろん答えはわからない。帆ではなく単につまようじが並んだような刺々しいものだった可能性もないわけではないのだ。
この帆は水中において体温を保持するためのラジエーターとして機能したとされていたが、後の研究で顕著な血管跡が発見されなかったことから、メインの役割ではないと考えられている。浮力によってバランスが崩れやすい水中において舵取りのような役目を担っていたとする説、異性への求愛や威嚇に際して用いられるディスプレイだったとするものなどが有力とされる。
ただし、雄と雌の両方に同様のディスプレイ器官がある現生生物は殆どいないため、本当にそのように用いていたのかは不明。
もう1つ筋肉の土台だった説も挙げられている。
恐竜ではないがエダフォサウルスやディメトロドンなどのものは、現生のカメレオンなどとの類似性からも帆だと判明している。
一方スピノサウルス、オウラノサウルスやレッバキサウルス、アクロカントサウルスやプロトケラトプスやステゴサウルス等の面々は、骨の特徴から「帆を持つ有効性が証明できない(≒なくても問題ない)」事や帆を持つことで危険性が増加する可能性があることが指摘されている。
さらに……
1.帆だとしたらもっと「折れやすい」形状だったろう
2.力学的な推測から、2mという帆のサイズではスピノサウルスがバランスを取るのに適していない可能性がある
3.帆だとしたら他のスピノサウルス科と比較して進化のスピードに不自然な部分がある(近縁かつこの科では帆が発達しているスコミムスですら60㎝程度と1/3以下)
4.水辺で魚を探す際の姿勢を維持するならバイソンのような発達した丈夫な筋肉を持つ必要性があり、ヒグマには骨ではないがやはり筋肉の隆起がある
5.アフリカで水中生活をしていたのならラジエーターは必要ないし、水中で骨密度を上げるために体重があるのもあり得る
……と、帆よりもバイソンのような強力な筋肉だった可能性も海外で指摘されており、スピノサウルスがこれまでの一般的なイメージよりもはるかにガタイのある種類だった可能性もある。というか、この説はシュトローマー自身がスピノサウルスの発表と同時に提唱していた為、帆説と同じぐらい古い説でもある。
所詮こけおどしの帆による威嚇効果よりも、筋肉の隆起でパワーを有していたりり、直立して威嚇するのが同時代の大型獣脚類(カルカロドントサウルス、デルタドロメウスなど)への対抗手段や、近縁種が草食恐竜を襲っていたり死体を利用していたりという可能性は確認されているので、四足歩行も両立していた場合は獲物に体当たりする、としても有効性があるだろう。
ラクダのような脂肪等を貯めるタンクの可能性もなくはないが、
1.当時のアフリカ大陸の環境ではタンクを必要とする事は考えにくい
2.魚食性が強いスピノサウルスとそのような環境がミスマッチ
3.仮にそのような環境だったらなぜ他の恐竜に似た構造が見当たらないのか説明できない
と、あまり支持されていない。
ちなみにこの「バイソン型恐竜」の仮説が出された際に、スピノサウルスが四足歩行をしていた可能性も指摘されており、これは後年の発表より数十年近くも早い話だった。
それ以外
吻は現存するハモのそれに類似しており、歯の酸素同位体比および形状はワニに近いとする研究結果が出ている。
一般的な肉食恐竜は縁がギザギザしたナイフのような歯を持つが、スピノサウルス科はタケノコ型で表面に溝のある形をしていた。
こうした特徴や胃の内容物、バリオニクスなどの近縁種の生態から、ハイギョやシーラカンス類などの魚類を主に食していたと考えられている(当時のシーラカンス類は淡水から浅瀬まで幅広く棲息しており、世界的に見てもごくありふれた魚であった)。
前脚には湾曲した大きな爪が備わっており、この爪と細長い顎を用いてマウソニアなどの比較的大型の魚を捕らえていたとみられる。
部分的な化石からの推測では、頭骨だけで約2m、全長ではなんと15m~18mに達すると考えられ、少なくとも全長の数値だけで判断すればティラノサウルスやギガノトサウルスといった他の獣脚類を上回る。
長い口がかなり稼いでいるとはいえ、そのティラノサウルスでも1.5m、ギガノトサウルスは1.8mなので肉食恐竜としては一番のサイズ(長さだけ競うならペンタケラトプスの2.3m、トリケラトプス≒トロサウルスの2.8m弱などがいるが、どちらにせよ獣脚類としては史上最大級)。
体重については諸説あり、骨格などから全長の割に華奢だったとして4〜6t程度とする説から、水中において浮力を得るために骨密度が高かったとされることから21t弱とするものまで様々である。仮に20tとした場合、自重の影響で地上における機動力はかなり低かったと思われる。
2014年にはアルゼンチンのポール・セレノ博士(エオラプトル、スコミムスなどを研究した人)をはじめとする学者チームの研究により、他の大型獣脚類と比べると胴体は長めであり、後肢は極めて短かったことが判明した。
特に後肢はスピノサウルス科の他のメンバーと比べても明らかに短く、陸上ではゴリラのように4足歩行(ナックルウォーキング)をしていたと考えられる。また半水生であったと考えられ、後肢には水かきがあった可能性も指摘されている。
ただしこの復元については疑惑があり、亜成体と成体、さらには別属の標本が混ざったキメラ復元である可能性が指摘されている。そして胴椎(背骨)の位置によっては腰帯(腰の辺りの骨)及びに後肢全体が約3割も小さく復元されている可能性も指摘されており(参考リンク)、さらに指骨も妙に長く復元されていて、ナックルウォークするには華奢だと指摘されている(セレノ博士とナショナルジオグラフィック(超有名なアメリカの科学雑誌)の間に大人の事情があったという噂もある)。
尤も、四足歩行していたかはともかく他の獣脚類と比べて胴長短足の体型であることから水生に適応していたことは間違いないだろう。特に脚は貧弱な作りとなっており、陸上の機動力は低くて獲物を追いかけて捕食することはまず不可能で、魚や恐竜の死肉を食べて暮らしていたこともほぼ確実視されるところである。
また、鼻先には血管と神経の通る穴が無数に存在しており、水圧を感じ取り獲物を探していたとみられている。
ちなみに、骨密度はかなり高かった(ペンギンに近い)とされており、これは浮力を相殺することで水中での活動を補助するという大きなメリットがある一方、陸上での機敏な動きを困難にするデメリットもあったと考えられる。
特徴を総合すると、「陸上より水中、少なくとも水辺での活動に重きを置いた進化を遂げた、特異な巨大恐竜」という表現が相応しいだろう。
同時期にはカルカロドントサウルスが棲息していたが、基本は食性と生息環境の違いから共存できていたと思われる。又、他のスピノサウルス科全体に言えることだが食性が被るワニとは水棲適応の差(ワニより陸棲寄り)で棲み分けをしていたと思われる。
モロッコ産の歯の化石はミネラルショップではおなじみの存在である。質を問わなければかなり安価。本物の歯から型をとったレプリカまでも化石として売られている例も多い。
経歴
最初は、1915年に、アフリカのエジプトで背骨を含む体の一部が発掘され、後に記載された化石はドイツ・ミュンヘンの博物館に保管されていたが、その標本は1944年に、第二次世界大戦で焼失(化石を収蔵していた博物館がモスキートとランカスターの爆撃の流れ弾で破壊された)してしまっていた。
余談だが、発見者のエルンスト・シュトローマー博士は空襲を予測し、博物館へコレクションを安全な土地へ移すよう要請していた。しかしナチス党員であった館長は「敗北主義的、反ナチ的行為である」として拒絶し、これが影響して三人の息子を激戦地へ送られる(一人のみロシアで捕虜になりながらも生還)という憂き目に遭っている(シュトローマー本人も強制収容所送りにすると脅迫された)。仮にも博物館長なのだから、学術的価値を考慮していれば……。
このことから当初は「巨大な背びれを持つ肉食恐竜」といった程度のデータしか判明しておらず、二足歩行になったディメトロドンのような姿で描かれることも多かった。
しかし、その後にモロッコで不完全ながら多数の化石が見つかったこと、近縁種(同じくアフリカのサハラ砂漠のスコミムス、イギリスのバリオニクス、ブラジルのイリテーターなど)の発見で研究が進んだことで、魚食性というそれまで恐竜の世界では省みられていなかった性質に特化した肉食恐竜の一派ではないか、と考えられるようになった。
実際、彼等が生前食べていたと推測される魚の残骸(オンコプリスティス(エイの仲間)の歯、ハイギョの鱗など)も共に化石として発掘される事例が多い。ただ、バリオニクスの腹部からイグアノドン類の骨が見つかった例があるほか、イリテーターの歯が刺さった翼竜の脊椎が発見されたことから、本種も機会があれば腐肉を漁ったり、翼竜などの小型動物を狙ったりすることはあった可能性もある。
川が干上がり魚が取れない時期には腐肉を狙い、その度カルカロドントサウルスと衝突していたが、白亜紀前期の気候変動で干ばつが続き魚が取れなくなったことで肉を巡る争いに敗れ絶滅したという考えも。
近年では保存状態の良い頭骨を含む化石が見つかり、頭部に小さなトサカ状の器官を持っていたこと、水中生活に適した特徴を持っていたことなどが判明している。
そして2020年には尾の化石が発見され、イモリやサンショウウオに似た幅広い尾を持っていたことが明らかとなった。このことから水中傾向が強かったことがほぼ確実とみられる。
ただ、発見されたのはあくまで尻尾だけなので、これが本当にスピノサウルスの尾と断定するのは早計。スピノサウルスの生息域には同じ様に巨大なワニが生息していた為、そちらの尾の可能性も十分にある点は留意されたし。
近縁種
一覧はスピノサウルス科を参照。
これらの近縁種は巨体と大きな背鰭以外は本種と多くの共通点を持っているため、大戦以降スピノサウルスの化石が幻の存在だった時期のスピノサウルス研究に大いに貢献した。
ジュラシック・パークシリーズ
恐竜映画の金字塔にして、スピノサウルスの知名度を一気に押し上げた作品。
2001年夏に公開された第3作『ジュラシック・パークIII』では看板恐竜に抜擢され、地上だけでなく水中からも襲い掛かる最大の脅威として大々的に公表された。
第4作『ジュラシック・ワールド』、第5作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』でも間接的にではあるが登場している。
ジュラシック・パークIII
ティラノサウルスだ…!
そうじゃない…もっとデカい…
全長13.3m、体高4.9m(頭頂まで)、体高6m(背びれまで)、体重4t。
データはDVD特典映像と公式パンフレットを典拠とする。
前作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の舞台であったイスラ・ソルナ島、通称『サイトB』に生息していた個体が登場。インジェン社を買収したマスラニ・グローバルが秘密裏に研究・誕生させた恐竜であり、公式リストには存在していなかった。
ティラノサウルス・レックスと並ぶ、イスラ・ソルナ島の頂点捕食者。スピノサウルスの排泄物の匂いを嗅いだケラトサウルスがすごすごと退散していく様は、本種の立ち位置を如実に表している。戦闘力も相応に高く、主人公を追って現れた若い雄のティラノサウルスとの戦闘では格闘の末に頸椎をへし折って勝利している。
劇中では鋭い牙、長大な腕、巨大な鍵爪を持ち時速40kmで走行するハンターとして描かれ、主人公のグラント博士達をしつこく襲撃する。また水中においてもある程度の活動が可能で、水深の浅い河を泳いでグラント達が乗るボートを追跡するシーンが存在する。
ただ、ジョー・ジョンストン監督が評するところによれば「ティラノサウルスよりも知能は低い」らしく、飛行機を転がして食べようとしたり、グラント達を追う途中で2本の大木につっかえたり、施設の扉を閉められただけで襲撃をやめたりと、あまりお利口でなさそうな一面も垣間見える。
今作のスピノサウルスの造形は監修者の一人であるジャック・ホーナー博士、および前二作の主役を超えるインパクトを欲したスタッフの意向を色濃く反映しており、前作の「王」であったティラノサウルスよりも凶暴で意地の悪い恐竜としてデザインされている。
メディア媒体では「最大の肉食恐竜」「新たなる脅威」として喧伝され、劇中では前述のとおりティラノサウルスとの勝負に勝利する一幕がある(余談だが、このシーンはシリーズファンの間でかなり賛否が分かれたらしい)。
両者の生息時代差や地理差、勝負の結果はさておき、これ以降スピノサウルスはティラノサウルスのライバル的存在としても認知されていくことになった。
なお、全長はともかく体高(4.9m)、体重(4t)は第一作に登場したティラノサウルスを下回っており、従来のファンにはある程度配慮していたことが窺える。
誕生の背景
後に公開された設定資料によれば、スピノサウルスはマスラニ社がインジェン社を買収した1998年前後にジーン・ガード法(イスラ・ヌブラル島およびイスラ・ソルナ島に生息する恐竜たちに干渉しないことを定める法律)に違反する形で秘密裏に生み出された4種類の恐竜たちの1つであり、またそのクローニングに携わった主導者的研究者がヘンリー・ウー博士だったことが明かされた。
ジュラシック・ワールド
遂にオープンしたテーマパーク「ジュラシック・ワールド」のメインストリートに骨格標本が展示されている。骨格標本のデザインは現在の復元図に準じた(鶏冠がある)ものとなっており、『ジュラシック・パークIII』に登場した個体とは別物である。
映画の最終盤でインドミナス・レックスを倒すためにパドック9から解放されたティラノサウルス・レックス(レクシィ)がメインストリートに姿を現す際は、このスピノサウルスの骨格標本をぶち壊して登場するという『ジュラシック・パークIII』への意趣返しの如き演出がなされ、両者の関係を知っていたシリーズファンを沸かせた。
前作で名前が挙げられていた近縁種のスコミムスとバリオニクスは、今度はパークで飼育されているという設定である。下記の続編では、「サイトA」で飼育されていたバリオニクスが映像化される形で登場と相成った。
ジュラシック・ワールド/炎の王国
本編では登場しないが、公式サイトにおいて『ジュラシック・パークIII』でイスラ・ソルナ島に生息していた個体についての言及が存在する。
設定では、「ジュラシック・ワールド」をイスラ・ヌブラル島に建設するにあたって、イスラ・ソルナ島にいた恐竜はすべて正式な確認・報告を経た上でイスラ・ヌブラル島に移されたとされる。これはスピノサウルス、ケラトサウルス、コリトサウルスといった違法に生み出された恐竜たちも例外ではなく、パークで一般公開されることなくヌブラル島で保護ないし飼育されていた(前作のアンキロサウルスと似たような待遇だと思われる)。
しかしながら、公式より発表されたイスラ・ヌブラル島で絶滅した恐竜の一覧(赤字で示された種)において、スピノサウルスは本編以前にヌブラル島で絶滅したことが明示されている。
また公式サイトによれば、2015年に「ジュラシック・ワールド」が壊滅したことで、ヌブラル島で保護されていた全ての恐竜たちは解き放たれ、事実上野生に還るに至った。しかし解放され島に溢れかえった恐竜たちは、今度はヌブラル島で活発化し始めた火山活動の脅威、そしてイスラ・ヌブラルに君臨する「女王」の怒りに晒されることとなったとされる(特にレクシィとの縄張り争いによる被害は著しく、いくつかの肉食恐竜種が再絶滅へと追いやられたという)。
これらの設定から、『ジュラシック・パークIII』の個体は2015~2018年の間に火山活動の影響、あるいは他の捕食者との縄張り争いによって死亡したものと見て間違いなさそうである。
ちなみに、ストーリーボードでは『炎の王国』本編においてオーウェンたちの目の前で溶岩弾の直撃により死亡する……という展開も考案されていたようだが、あえなくボツになった模様(その役目はアロサウルスに引き継がれた)。
Jurassic World Evolution
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のタイアップ作品となるテーマパーク建設シミュレーションゲーム『Jurassic World Evolution』にも登場。
ベースデザインは『ジュラシック・パークIII』に登場した個体のそれを踏襲している。
全長15m、体高4.6m、体重20t。
ベースステータスはATTACK:101、DIFENCE:37、LIFESPAN:59、RESILIENCE:35。
攻守の合計ステータスは138となっており、インドミナス・レックス、インドラプトル、ティラノサウルス・レックスに次ぐ作中4位を誇る。
本作では映画では描かれなかった草食恐竜を追い掛け回して捕食する様子を見ることができるほか、長年言及されてきたスコミムスとの顔合わせも実現した。
古代王者恐竜キング
従来の二足歩行スタイルで登場。
第3紀からデビューし、強さ2000・水属性・必殺わざはグー。バトルタイプは第5紀まではあいこタイプ、2007第1紀+〜第4紀+はそっこうタイプ、激闘!ザンジャークはゆうきタイプ。ショルダーネームは「伝説の狩猟者」。
- 初登場したバージョンでは同時に登場した超わざ「トラジディオブザボール」のカードにも描かれた。
DSゲーム「7つのかけら」ではなぜかそっこうタイプがデフォルトで、あいこタイプがレアバージョン。またノーピスとの初戦では2回目に繰り出す個体が負けバトルになっており、どうあがいても勝てない(強さを演出するためか基本わざしか使わないが、攻撃力自体は通常と同じ)。
2007第2紀からアクト団の固有名詞付き恐竜「スピノ」が超あいこタイプ・必殺わざはチョキ・強さ1600で登場。
- テレビアニメでは第1期では超わざはもっぱら「ショックウェーブ」を使っていた。もっとも、第1期では他の超わざは「フタバメガキャノン」しか使わなかったが。
激闘ザンジャークではディノテクター恐竜も登場。「スピノ」はラッキー7タイプ、固有名詞なしのディノテクター恐竜はパーパータイプ。
ARK:Survival_Evolved
川や湖などの水辺に生息する。昏睡させ、肉類を与えることでテイムできる。攻撃力の高い2足歩行と移動速度が速い4足歩行を切り替え可能なほか、水に触れると攻撃力と移動速度が上昇するバフがかかり、水から離れても30秒間継続される。このためか砂漠が舞台の「Scorched Earth」には登場しないが、ティラノサウルスが出現したためか地下世界が舞台の「Aberration」では逆にスピノサウルスだけ登場している。Aberrationでは比較的安全な上層に生息している数少ない大型肉食生物なので、テイムすると大活躍する。また、スピノサウルスは魚とスポーン枠を共有しているため、スピノが湧かないときは魚を狩るとよい。
その他のメディアでの扱い
1993年にNHK天才てれびくん枠内で放送された『恐竜惑星』の45話に登場。ワニのような細長い頭部で魚を捕食する姿が描写されている。この頃のスピノサウルス復元図は大型肉食恐竜に背びれを付けただけのものが主で、ワニ顔の復元は日本のマンガやアニメでは最初期のものと思われる。4脚の姿勢もこの時期としては珍しい。
この復元は本作の恐竜をデザインした本多成正氏によるもので、同氏によるスピノサウルスの復元図は恐竜惑星に先立つこと数年前の学研出版の科学冊子「恐竜学最前線」に載っており(これも4脚の姿勢である)、恐らく日本では、これが最も早い部類の「スピノサウルスがバリオニクス等と同じグループに属したワニ顔の恐竜だった」ことを書籍で明示した復元図だったと思われる(1986年に記載されたバリオニクスも又、この少し前から日本ではようやく知られるようになった)。
ちなみに4脚姿勢で描かれたのは近縁種のバリオニクスがその巨大な爪を備えた前脚を地面にアンカーとして置き、姿勢を安定させながら水中に頭を突っ込んで魚を捕獲した、という説をスピノサウルスにも当てはめたためである。当時はまだスピノサウルスの化石の「再発見」は成されておらず、シュトロマー博士の残した記録が主な資料という幻の存在であった。
2019年のNHKスペシャル「恐竜超世界」に4足歩行の復元で登場したが、海を泳いでいた時にあえなくブラカウケニウスに捕食された。スピノサウルスは河川が主な生息域だったと思われるため、このようなことは皆無とは断言できないが、ほとんど番組のための演出と思っておいた方がいいだろう。
2006年に公開された『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』にも登場。敵役の大富豪・ドルマンスタインに飼育されており、映画終盤に解き放たれ、ドラえもんの味方になったティラノサウルスと激突した。こちらでは噛み付き合いの末に投げ飛ばされて敗れており、日本を代表するアニメ映画におけるティラノサウルスとスピノサウルスの勝負は、奇しくも『ジュラシック・パークIII』とは真逆の結果に終わったことになる。
ちなみに、この映画にスピノサウルスが登場する事は、公開まで一切伏せられていた(いわゆる恐竜側の隠しボスである)。
また、2020年に公開された『映画ドラえもんのび太の新恐竜』では4足歩行の姿で登場。ただし当然ながら公開直前に学説が発表されたイモリ風の尾は再現されていない。
2020年3月7日放送のテレビアニメ通常回内の映画とコラボしたミニコーナーにて「魚を食べていた」という生態が紹介されていた。
恐竜ファンタジー漫画『竜の国のユタ』では太古より蘇った竜モドキの一つとして登場。軍艦破壊専門に大きな戦果を挙げるが、巻末のおまけではおそらくワニとの生存競争に負けた種だろうと触れられている。
2011年のBBCのドキュメンタリー「プラネット・ダイナソー」の第1回にて2足歩行の復元で登場。その回の主役のような存在だ。
モチーフとしたキャラクター
- スピノゴールド(爆竜戦隊アバレンジャー)
- トバスピノ・デスリュウジャー・キョウリュウネイビー(獣電戦隊キョウリュウジャー)
- スピノサンダー(騎士竜戦隊リュウソウジャー)
- ゴールドスピノゲノム(仮面ライダーリバイス)
- ダイノシャウト(トランスフォーマー ギャラクシーフォース)
- スコーン(トランスフォーマー ロストエイジ)
- スピノサパー、ダークスパイナー、バイオスピノ、ジェノスピノ(ZOIDSシリーズ)
- スピノモン、バイオスピノモン(デジタルモンスター)
- スピノブレイバー(ディノブレイカー)
- 桔梗の匣兵器・雲スピノサウルス(家庭教師ヒットマンREBORN!)
- ページワン(ONEPIECE)
- セグレイブ(ポケモン)※コンカヴェナトルやゴジラとの混合モチーフである可能性もある
関連タグ
スコミムス バリオニクス イリテーター カルカロドントサウルス
ディメトロドン - 背中に大きな帆を持つことで有名な古生物。シルエットは似ていなくもないが、こちらは単弓類に属する生物なので恐竜ではない。
オウラノサウルス - スピノサウルスと同時期に、同じ地域に生息していた草食恐竜。背中にスピノサウルスと似た大きな帆を持っている。
ギガントスピノサウルス - 名前が酷似している恐竜。こちらはステゴサウルスなどと近縁の剣竜類であり、スピノサウルスとは全くの無関係。
二本足スピノ→四足スピノ→イモリ尾スピノ・・・復元の通称・愛称。