概要
アジア産のアンキロサウルス類として有名な恐竜の一つ。名前はモンゴル語で「美しいもの」という意味だが、ゴビ砂漠の山脈にもこの名前があるので地名由来なのかもしれない。
アンキロサウルス科としては中型で、全長は7mくらいとされていたが、その後5mくらいに縮んだ。
これはアンキロサウルスの半分くらいだが、タラルルスやピナコサウルスなどアジア産の仲間はこのくらいが多いので特段小さいというわけではない。なお推定体重は2トンほど。
アイデンティティ崩壊
サイカニアの特徴といえば、多数の波打つような皮骨板に覆われたボディと凄まじい威力のありそうな「2連ハンマー(骨が癒合してできた強靭な瘤)」からなる重武装。
そして恐竜図鑑にはまず載っているし、かつては「恐竜キング」や「ダイノキングバトル」といったコンテンツにも出演、博物館などのイベントでは全身骨格がたびたび展示され……こんな具合で何かしらその名を知る機械がある。
ちなみに一般的なサイカニアのイメージは、すべて「MPC 100/1305」という標本に基づいている。ところがサイカニアの模式標本(MPC 100/151)は、完全な頭骨と上半身から成っている。
MPC 100/1305はほぼ完全な骨格だったが、頭骨だけそっくり欠けていたため、MPC 100/151から流用して復元骨格が製作された。
しかしつい最近になって衝撃的な事実が発表された。MPC 100/151とMPC 100/1305の腕部の形態が異なっており、しかも発見された場所も時代も別物だったのである。
よって、「サイカニアの全身骨格」は頭部を除いてサイカニアではないことがほぼ確実となり、「アンキロサウルス科の未定種、ないしピナコサウルスっぽいなにか」となってしまったのだった(ピナコサウルスはサイカニアに近縁)。
人々が慣れ親しんだサイカニアは、サイカニアではない別の恐竜だったのである。
古代王者恐竜キング
最初期からいる古株で、とにかくトゲトゲしたデザイン仕様。あと鼻の穴がデカい。
ショルダーネームは「鋼鉄の要塞」。
アンキロサウルスを差し置いてつよさ2000(通常の最高レア)と輝かしい立場を与えられており、エウオプロケファルス共々土属性のツートップであった。
※ちなみにアンキロサウルスは1400と中堅、ステゴサウルスも1800止まり。なおこのゲームではつよさの設定基準がイマイチ不明で、ティラノサウルスやスピノサウルスがつよさ2000なのはいいものの、近縁種の中では大型の方なのにタルボサウルスやスコミムスは1200/1400に甘んじているなどの格差もよくあった。
バトルタイプは第6紀まではあいこタイプ、2007第3紀から2007第4紀+まではとつげきタイプ、激闘!ザンジャークではカウンタータイプ。DSゲーム「7つのちから」ではあいこタイプとピンチタイプのレアバージョンがおり、ピンチタイプの個体はリュウタ限定のサブイベントで入手できる(レックスを選ぶとあいこタイプのスピノサウルス。通常のスピノサウルスはそっこう)
発掘ではクリア後に東ゴビヘイゲンを発掘すると入手できるが、確率は非常に低く、また唯一「ヘルアースクエイク」のわざカードを生み出せる恐竜ということもあって図鑑コンプの障害になりがち。
2007第2紀ではアクト団の恐竜としてテレビアニメに登場した固有名詞付き恐竜の「サイカ」も強さ1600・必殺わざはグー・超まもりタイプで登場した。これも前述の強さの設定故。
激闘!ザンジャークではディノテクター恐竜も登場した。バトルタイプは「サイカ」はこんじょうタイプ・固有名詞なしのディノテクター恐竜はチョキチョキタイプ。
このゲームでやたら優遇されていたためか大きく知名度が上がった恐竜の一種。
余談ながら、類似作「ダイノキングバトル」においては対照的にパワー500(古代王者恐竜キングにおける強さ1000=最弱級に該当)の恐竜として抜擢されており、両極端であった。前述の通り、鎧竜の中ではそこまで小さくないが。
ちなみに古代王者恐竜キングでそのポジションにあったのはタラルルスである。
- その前に「土属性・強さ1000」で登場したのは「ウエロサウルス」。土属性の中では「強さ1000・チョキが必殺わざ」はない。
その他のメディアにおけるサイカニア
久正人の漫画『ジャバウォッキー』には進化して恐竜人間となったサイカニアの氏族が登場する。皮骨板はそのままに二足歩行になった彼らは水浴びが好きで、それをもとに河童の伝承が生まれたと語られた。