概要
2014年に公開された実写映画版『トランスフォーマー』シリーズの4作目で、『最後の騎士王』へ続く2部構成の一作目。原題は『Age of Extinction』。恐竜絶滅とダイナボットがメインテーマの一つとなっている。
今作から加わったオートボットは、今までよりも人間じみた顔つきや風貌をしているのが特徴である。
オプティマスも別のトラックをスキャンすると共に、ロボットモードも中世ヨーロッパの騎士のようなフォルムに変わり、より複雑で有機的な変形プロセスとなった。同じくバンブルビーのデザインも前3作から大きく変わり、刺々しいハチやカニのようなイメージを強めた。
また、トランスフォーマー以外のエイリアンもとい地球外生命体も登場した。
あらすじ
中生代白亜紀末期の地球に謎の宇宙船団が出現。それに乗っていた者たちが投下した謎の兵器により、当時地球を支配していた恐竜達は肉体が金属化し絶滅に追い込まれた。それから約6500万年後の現代、北極にて金属化した恐竜の化石が発見された。
シカゴの惨劇(ダークサイド・ムーン)から5年、ディセプティコンは壊滅同然となったものの、この一件でアメリカ政府はオートボットとの同盟を解消し、彼らに迫害される立場となったオートボット達は行方をくらませていた。
テキサス州に住むへっぽこ発明家ケイド・イェーガーは、仕事先の廃墟となった映画館の中で謎のトレーラートラックを見つけ、それを自宅に持ち帰る。さっそくケイドはそのトラックを解体しようとしたが、それがトランスフォーマーであると判明した。
トランスフォーマーの技術を研究するべく、娘や従業員が止めるのも聞かずにトラックを調べようとしたが、このトラックこそ追われる身となったオートボットの総司令官オプティマスプライムであった・・・。
登場人物
人間
演:マーク・ウォールバーグ/吹:土田大
サムに代わる新たな主人公。テキサスにて修理解体工を営む発明家だが、失敗作ばかりで収入も少ない。娘の大学進学の資金を得るべく、部品取りのために買い取った廃車のトレーラートラックが、実はオプティマスだったことから戦いに巻き込まれることになる。
- テッサ・イェーガー
演:ニコラ・ペルツ/吹:中川翔子
ケイドの娘で卒業間近の女子高生。ケイドには内緒でシェーンと交際している。過保護な上失敗ばかりの発明にうつつを抜かすケイドに呆れ果てているものの、母が亡くなってから男手一つで自分を育ててくれた彼の事を本心では想っており、決して嫌っているわけではない。
- シェーン・ダイソン
演:ジャック・レイナー/吹:早志勇紀
テッサの彼氏で、アイルランド系アメリカ人のレースカードライバー。運転技術は天才的で頼もしいが、いざと言うときに臆病風に吹かれてしまうなど、ケイドに比べると未熟な一面も見せる。アイルランド人風の外見からかケイドに「アイリッシュパブ」呼ばわりされる。
- ジョシュア・ジョイス
演:スタンリー・トゥッチ/吹:梅津秀行
反トランスフォーマー組織的な側面を持つ一流ロボット工学企業「KSI」の経営者。アッティンジャーの指示と支援を受けて「KSI」(Kinetic Solutions Incorporated)を設立し、人造トランスフォーマーを開発した。トランスフォーマーを生物ではなく機械として認識している。
完璧主義者のため、高慢ちきでヒステリックな面もあり、加えてアッティンジャーの悪事にも(殆ど騙されていた節があったとはいえ)積極的に加担していたため、当初の心象は悪かった。
だが根はそうでもなく、自分の開発した技術で世界をより良くしたいという極めて真っ当な志を持った発明家である。ガルヴァトロンの暴走とケイドから自らの過ちを指摘された事、そして自分の行動が結果的に人造トランスフォーマーの全ディセプティコン化を招いたことが切っ掛けで改心し、終盤では一転してケイドたちに全面協力した。モデルはスティーブ・ジョブズと思われる。
- ジェームズ・サヴォイ
演:タイタス・ウェリヴァー/吹:広瀬彰勇
オートボット討伐隊「墓場の風」の現場指揮官。「シカゴの惨劇」で姉が犠牲になったことから、結果的に敵討ちをしてくれたオートボット含むトランスフォーマーという存在そのものに徹底的な憎悪…っという名の逆恨みを懐き、彼ら自身は勿論の事、それを庇い立てする者全てを徹底的に憎んでいる。それでいて同じトランスフォーマーであるロックダウンだけは(上司のアッティンジャーにとって大事な取引相手であるとはいえ)ほぼ対象外として扱うだけでなく、対オートボット戦において普通に共同戦線を張っている。
一応表向きには前回まで登場していたレノックスと彼が率いていた対トランスフォーマー部隊『NEST』の立ち位置を引き継いでいるが、上述のオートボットへの筋違いな憎悪に加え、アッティンジャーと同様に命令であれば民間人を手を掛ける事も辞さず、テッサの様な少女に対しても容赦なく暴行したり、戦闘ではハイエナの様にジワジワと敵を痛めつけたり、心理的に追い詰めていく戦法を採り、更にその際に標的が焦ったり、苦しむ姿を見て嘲り笑うなど、性格はレノックスとはまるで正反対な性悪極まるサディストであり、劇中ではアッティンジャーとのセットで救いようのない悪党として描かれている。一方で自らや「墓場の風」の実力を過信して、ケイド達民間人やオートボットを軽視する自信過剰な一面もあり、高層アパートの一室でケイドを追い詰めた際、拳銃を持っていたにもかかわらず、わざわざナイフを取り出して嬲り殺しにしようと、嗜癖を覗かせた事が仇となり、その隙にケイドが密かに拾い上げていたアメフトのボールを顔面に叩きつけられ、そのまま窓から絶叫を上げながら転落するという、特殊部隊の指揮官としては迂闊といえる呆気ない最期を遂げた。
- ハロルド・アッティンジャー
演:ケルシー・グラマー/吹:仲野裕
CIA高官。密かにオートボット討伐隊「墓場の風」を設立、「KSI」設立にも携わっていた。地球の危機を救ったオートボットすらも騒乱を招く不法滞在者とみなし、国家安全の名目で地球上に残る全てのトランスフォーマーを殲滅しようと企む。また、「必要悪」を言い訳にして民間人(国民)の犠牲を全く重要視していないなど、一見すればタカ派な思想の持ち主。
…だが、実際には、それらのトランスフォーマー狩りの本当の目的は治安維持等の真っ当な理由などではなく、自らが新たに開発を進めている人造トランスフォーマーを兵器として売り出す事で、宇宙開発や戦争ビジネスなどで金儲けをし、自らのCIA退職後の身を安泰させる事であり、オートボットをも殲滅対象に加えたのも「自分のビジネスの邪魔になるから」という理由である。しかも「墓場の風」は表向きにはディセプティコン残党討伐が主任務ということになっており、「KSI」に対しても、自分が退職した後の天下り先にして、ジョシュアから会社の主導権を奪い取るつもりでいた。
その悪質さ故に、「人間を殺さない」ことを信念とするオプティマスにすら憤怒と殺意を抱かせる事となった。
その一方で意外にも部下想いな一面もあるのか、サヴォイがアパートから転落死した際にはケイドに対して激しい怒りを露わにし、復讐を誓っている。
オートボットやジョシュア一行との交戦で、サヴォイや「墓場の風」を失ってなおも悪あがきと言わんばかりにケイド達を追い続け、終盤、ロックダウンとの戦いに加勢しようとしていたケイドを妨害し、尚も自らの掲げる身勝手な持論を宣いながら射殺しようとするが、直後にケイドを助けようとしたオプティマスの手により撃ち殺された。だがその際に生じた隙を突かれて、オプティマスはロックダウンから深手を負わされる事となり、最期の最後まで彼の存在はオートボット陣営の足を引っ張る事となった。
オートボット
世論が反TFに向かったことで米軍との同盟を解消された上、アティンジャーとジョシュアの陰謀で墓場の風に追われほとんどが殺され、ごく少数しか残らなかった。そんな環境からか、前作までと比べて過激な言動のメンバーばかりになった。
尚政府にはオートボット狩りは隠蔽されており、同盟こそ解消したものの保護区で平和に暮らしていることになっている。バンブルビーですら言動が過激になっており、次回作品さではかつての仲間を見ても挨拶すらしなくなっていた。
ダイナボット
かつて宇宙を旅していた古代サイバトロンの伝説の騎士達。現在はロックダウンに囚われて彼のコレクションとなっている。
ディセプティコン
名義上はディセプティコンだが、全てKSI製の人造TFである。
1台のいすゞ・ギガ型ごみ収集車から緑の大型・白の中型・黄土色の小型の計3体に分離変形する量産型。
- KSIボス
シュモクザメに似た頭部に、シオマネキを彷彿とさせる右腕のブレードが特徴の量産型。続編の『最後の騎士王』に登場するニトロゼウスはこれによく似た風貌を持つ。
「創造主」一派
ロックダウン配下の傭兵。上官のロックダウンに酷似した姿をしているが、変形機能があるかどうかは不明。
名前は玩具のスタジオシリーズで設定され、ロックダウンのリカラーで発売された。
- 解体専門の部下
捕虜の死体や廃棄物の処理を担当する。アニメチックな風貌とは裏腹に獰猛な性格。
余談
- ダイナボットは劇中の4体の他にも、ヴェロキラプトル、ステゴサウルス、ブラキオサウルス、パラサウロロフスへ変形するメンバーの登場が予定されていた。
- 中国政府や諸企業とのタイアップが実現したため、莫大な制作費が投資された。そのため、本作は見終わった後は疲れる、クライマックスがいくつもあるなど、歴代でも飛び抜けて上映時間が長くスケールの大きい話になっている。
- 同上の理由により、後半の舞台は中国に移り、中国の有名俳優陣や企業も多数出演している。また、企業のCMのために登場人物が飲み物を口にするシーンが多く差し込まれている。
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オートボット集結シーン
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