概要
かつてトランスフォーマー達の故郷セイバートロン(サイバトロン)星を支配した先住種族であり、トランスフォーマー達の創造主と謳われる存在。
セイバートロン星及びトランスフォーマー達を再び自分達の支配下に置こうと目論んでおり、トランスフォーマー達と敵対している。
スペルは「Quintesson」で、原語版での名称は「クインテッサン」もしくは「クインテッソン」。
ただ、原語版の名称が用いられる様になった現在でもこちらの名称は一部のゲーム作品を除いて採用されておらず、一貫してクインテッサ星人と呼ばれている。
ちなみに原語版でも「クインテッサ(Quintessa)」という名称はG1で彼らが暮らしていた惑星や実写版5作目に登場した彼女などに対して使われている。
近年では、プライマスが生み出した最初の13人の一人「クインタスプライム」によって生み出された種族とも言われており、作品によって両者は意外な関わり方をする場合もある。
G1
セイバートロン星の先住種族で、5つの顔を持ちタコのような足を生やした姿をしているが、様々なタイプの個体が存在している。高い科学力を持ちながらも極めて冷徹で仲間さえ簡単に死ぬ状況に追いやりその判断を下された側も拒否しないドライさも持つ。
元々は惑星クインテッサの種族だが、多くの惑星に民間用や軍事用として販売するためのロボットを生産するべく一大ロボット工場としてセイバートロン星を建造した。
この製造されていた軍事用ロボットがデストロン(ディセプティコン)、そうでない民間用ロボットがサイバトロン(オートボット)の祖先である。
なお、ロボット達の製造を始める以前は有機生命体と機械を融合させた生命体、トランスオーガニックの研究をしていたようだ。
しばらくして、クインテッサ星人が直接関わらずともロボット達が自ら再生産を行うようになり、またロボット達も自我を持つよう進歩していった。
時が経つにつれクインテッサ星人は堕落し、退屈凌ぎでロボットを壊したり、軍事用ロボットを娯楽で戦わせたりと酷使するように。
やがてロボット達は不満を爆発させ、物語開始から1100万年前に民間用ロボットA-3が中心となった革命によってセイバートロン星から追放された(歴代のサイバトロンのリーダー曰くクインテッサ星人は自分達ロボットに感情が芽生え、自由と奴隷の差を理解するのを想定できておらず、その詰めの甘さがこの反乱を招いた)。
この事に懲りて、知性が低めに設定されたシャークトロンなどを設計している。
以降は各惑星に大量破壊兵器を売り込む「死の商人」として暗躍しながら(当人達曰く自らの活動記録を他種族が暴いてしまったら全宇宙を敵に回しかねない)、セイバートロン星を再び支配下に置こうと目論んでいた。
初登場は『トランスフォーマーザ・ムービー』で、惑星クインテッサに不時着したホットロディマスとチャーを理不尽な裁判で処刑しようとするものの、駆け付けたダイノボットらによって阻止されてしまう。
なおこの際の判決は「無罪」も下すがどちらでもシャークトロンの餌食にするもので彼らにとっては被告を弄ぶだけの戯れに過ぎないのが分かる。
ユニクロン戦争の戦後を描いた『トランスフォーマー2010』では、ガタガタになっていたデストロンを利用するなど様々な謀略を巡らせてロディマスコンボイらの前に立ち塞がった。
この頃のトランスフォーマー達は長い抗争のせいか自分達の先祖を生んだのが彼らである事を忘れ去っていたようである。
『時の罠と四人の捕虜』に登場した科学者インキラータ、『コンボイの復活』でコンボイを蘇生させたクインテッサなど時と場合によって協力したこともあった。
2007年3月18日に東京トイフェスティバルで発表された「キスぷれ紙芝居」では2010最終回とヘッドマスターズ1話の間に倒されたとされていたが…
ジェネレーションセレクトスペシャルコミック
2010年から40年もの月日が流れた2050年、ダイノボットアイランドにて復活を果たす。
前述の通り『2010』最終回と『ヘッドマスターズ』1話の間に倒されていた筈だが、実際は異次元に部下のガードアリコン共々閉じ込められていたようで、地球でアンゴルモアエネルギーの採掘が行われた事により発生したエネルギーの乱れにより開いたタイムゲートを通り脱出。
ダイノボットアイランドに居たグリムロック達を捕えて商品として売ろうとしたが抵抗されたため、プレダキングを召喚しダイノボットを追い詰める。
彼らを守ろうとしたプライム(合体)モードのグリムマスターを容易く撃破しトドメを刺そうとしたが、その直後にグリムマスターが渡したエネルゴンマトリクスの力でダイノボットがボルカニカスに合体。
ダブルマグマブレードを受けたプレダキングは敗北し退却、クインテッサ星人はその隙に地球の地下深くへ逃げ込んだようで、マザーコンピューター(『ビーストウォーズII』で登場したあの大型コンピュータ)の提案を元に反乱を起こしたトランスフォーマーを鎮圧するために地球人のトップであったスパイクと手を結ぶ。
手始めにトランスフォーマーの身体を腐食するガスを放って弱らせた所に最終兵器としてテラートロン部隊を送り込み、サイバトロン・デストロン双方にダメージを与え続けた。
そしてスパイクの家にいたセレクターズの1人サウンドバリアを、あろうことかスパイクの目の前でコブラ型セレクターズに改造。
更に「テラートロンはユニクロンのエネルギーを使うために自分達が生み出した最終兵器である」と明かし、地球を第2のユニクロンにしようとしている事を吐露。
反論したスパイクをレーザー銃で撃ち抜き、瀕死の重症を負わせた(マザーコンピュータは既に悪のアンゴルモアエネルギーに侵されておりまともな判断が出来ず、クインテッサ星人と組む様に提案していた)。
その後はオボミナスの戦闘を観察・支援していたが、ネオサイバトロンXとして復活したスパイクとセレクターズの首相ラングのエネルゴンエネマにより負傷。
更にはオボミナスにも裏切られてしまったのだった。
スーパーリンク
種族としてのクインテッサ星人こそ登場しないが、身体的特徴が彼らに酷似したアルファQが登場。詳細は当該記事を参照。
実写映画
CV:ジェンマ・チャン/吹き替え:木下紗華
4作目『ロストエイジ』から「創造主」の呼び名で存在が示唆され、5作目『最後の騎士王』では本格的に登場することになる。
「生命のプライム」を名乗り、ロストエイジの時点では集団として扱われていたが、次回作では(劇中を見る限り)個人で登場している。
尚、原語版でのつづりで「星人」に相当する「Alien」という単語は付いていない。
白亜紀末期の地球に襲来し、有機生命体を可変性のある金属に変えてしまう大量破壊兵器「シード(Seed)」を用いて恐竜を絶滅させ、トランスフォーマー達を創造した(この時のクインテッサ星人または別の存在は有機的な肉体をしている)。
当時素材として回収し損ねた金属は現代でレアメタルとして発見されており、その後、地球人類による人造トランスフォーマーの開発に使用されることとなる。
ロストエイジでは、自らが創造したトランスフォーマーの一人であるオプティマスプライムを捕縛するため、賞金稼ぎロックダウンを雇い彼を捕えようとするも、ロックダウンは死闘の末にオプティマスに返り討ちにされる。
その数年後が舞台の最後の騎士王では滅亡したサイバトロン星におり、地球を巻き込まずにケリをつけようと彼女の元にやって来たオプティマスを逆に捕え、刺客ネメシスプライムとして洗脳。
かつて離反した古代のサイバトロン騎士に奪われアーサー王の時代に魔術師マーリンに託されていた杖を奪回し、サイバトロン星の復活および地球の滅亡を狙う。
その後、バンブルビーとの激戦の末にオプティマスの洗脳は解け、取り返した杖で地球のエネルギーを吸収しサイバトロン星を再生させていく中、オートボットと人類そしてサイバトロンの騎士達による一大反攻作戦が開始される。
最終的にバンブルビーの砲撃により消滅したかに見えたが、実際は人間に擬態して生き延びており、エピローグにて地球がユニクロンであることと彼女自身がユニクロンの倒し方を知っていることを仄めかしている。
サイバーバース
日本未公開のシーズン3に登場。
今作のクインテッサ星人は「マルチバース・ドライブ」を使ってマルチバース、いわゆる多次元宇宙を旅し、その次元の宇宙に生きる価値があるかどうかをジャッジする存在となっている。
もしその宇宙が有罪判決を受けると、クインテッサ星人はアンスペース(宇宙の隙間、その空間に存在する物質は全て消滅してしまう)を使い、その宇宙の全てを消滅させてしまうのだ。
ただ、クインテッサ星人は無闇に宇宙を消滅させているという訳でなく、その宇宙に住む生命体を複数人裁判官(ジャッジ)として、即ちクインテッサ星人に改造して判決を下させるという公平(!?)な手段を取っている。
まぁ、有罪判決を受けなかった宇宙なんてこれまで存在しないんですけどね。
(その宇宙もアンスペースの影響で物理的に存在しなくなるので、なんともクソ極まりないジョークの出来上がりである)
新たな裁判官を生み出すためにも大量のエネルギーが必要な様で、エネルギーが豊富な惑星を侵略し略奪を行う場合もある他、かなり昔から本編での宇宙にいたらしく、タイタン・クロートンの内部に描かれていた象形文字の中にはサイバトロン星の住人を攫っていたことを示唆するものも存在している。
- 構成員
クインテッサ星人は膨大な兵士と高い技術を用いて時に侵略活動を行っている。
メンバーは以下の通り。
・裁判官(ジャッジ)
クインテッサ星人のリーダー的存在。
他作品同様5つの顔を持つ機械生命体なのだが、ボディは超巨大なものになっている。
ビームを放てる触手を持っており、その巨体もあってに戦闘力は高いものの、5つの顔は仲があまり良くないため協調性の欠如が見られる。
後述する「この宇宙の裁判官」がいる関係で直接判決を下す事は無く、主に部隊の指揮を取っていた。
・科学者(サイエンティスト)
タコ型ロボットのボディに有機生命体の脳の様な器官を備えたクインテッサの一員。
クインテッサ星人の技術は彼が開発したものであり、普段は後方支援を担っている他、新しい裁判官の開発も彼の役割となっている。
ボディの大きさはジャッジと比べるとかなり小さく、体力もビーム数発でやられてしまうほど貧弱。
その代わり大量の予備のボディがあり、何処かにいる本体を倒さない限り無限に湧き続ける。
そんな彼の趣味は様々な宇宙のサウンドウェーブをコレクションする事である。
一般兵その1。
シーズン2に登場したものと同型で大量の個体がおり、中にはトランスフォーマー達を追い詰めるほどに戦闘力が高い個体や兵器を操る個体も存在する。
・検察官(プロセキューター)
一般兵その2。
複数の赤い目を持つ大きな黒いタコ型ロボット。
高い飛行能力を有している上に戦闘力も高く、更には大量の個体がいるためにトランスフォーマー達を苦しめた。
・科学者のコレクション
前述した科学者の集めている様々な宇宙のサウンドウェーブのコレクション。
サウンドウェーブと同型だがカラーリングは赤や白など様々。
普段は機能停止状態で保管されているが、有事にはクインテッサの兵士として動く事もある。
科学者はどうやら本編の宇宙にいた青いサウンドウェーブは持っていなかった様で、初めて彼に出会った時はとても嬉しそうにしていた。
TFファン達「分かるぞ!その気持ち!」
・この宇宙の裁判官
前述した通り、訪れていた次元の宇宙に住む複数の生命体で作り上げられた新たな裁判官。
その生命体の1人は思いもよらない人物で…!?
- 劇中での動向
シーズン3の5話から登場。
前話では多くの犠牲を出しながらも遂にオートボットとディセプティコンの戦争に決着が付き、オートボットが勝利を収めてハッピーエンドを迎えた筈だったのだが、両軍が疲弊していた隙を付いたのか5話の冒頭では既にサイバトロン星を完全に支配していた。
クインテッサ星人の目的は前述の通りエネルギーを集める事。そのためサイバトロン星のエネルギーの源であるオールスパークを掌握していたのだが、それでも足りなかったのかトランスフォーマー達を捕らえ、彼らの命であるスパークまでもをエネルギーとして吸収していた。
それも楽しいパレードの仮想現実を永遠に見せつつ徐々に吸い尽くす非常にタチが悪い方法である。
また、「パレード」の仮想現実の効果も凄まじく、オプティマスやメガトロンでさえもその楽しさに夢中で抜け出す事は出来ず、捕縛されていなかったメンバーの助けが無ければ全員死亡していた可能性もあった程。
(実際にアニメを見れば分かるのだが、5話はこのパレードのシーンから始まるため、現実の状況が映し出された時の絶望感は物凄い事になる)
計画は完璧と思われたが、捕縛から逃げ延びたパーセプター、前回までの戦いで生死不明になり捕縛されていなかったホットロッド、ホットロッドがパーセプターの手で仮想現実の中に入り脱出出来たクローバー、デッドエンド、ホワール、別の方法で偶然脱出出来たサウンドウェーブの6人がマカダムの協力もあり、科学者の元で仮想現実を操るコードを入手され、トランスフォーマー全員を解放。
更にホットロッドとサウンドウェーブによって両軍が協力した事で一気に追い詰められ、裁判官も撃破されてしまう。
そこに完成したこの宇宙の裁判官が満を持して登場したのだが…
なんとこの宇宙の裁判官はスタースクリームだったのだ。
- 新たな裁判官
シーズン2でクロートンと共にどこかへ飛び去って行った筈のスタースクリームは、その途中クインテッサ星人に捕縛され有罪判決(=死刑)を受けそうになっていた。
しかしスタースクリームはメガトロン達に復讐を果たすためサイバトロン星やオールスパークの事をクインテッサ星人に伝えて死刑を免れた上に新たな裁判官の1人に選出されていたのだ。
つまりだいたいこいつのせいである。
スタースクリームはトランスフォーマー達を触手からのビームで拘束し、形勢は逆転。
このまま宇宙ごと消されてしまうかと思われたが、スタースクリームはオプティマスとメガトロンを倒す事を優先しようとしたためにいざこざが発生。
その隙に逃げ出したウインドブレードはサイバトロン星に眠っていた別のタイタン・アイアコナスを目覚めさせるのだが、科学者は洗脳していたクロートンを呼び出しタイタン同士の戦いに発展。
最終的にスタースクリームがアンスペースでアイアコナスの頭を消し飛ばして撃破するも、クインテッサの多次元技術を使って旅をしマトリクスを得て(というより盗んで)帰還したメガトロンを相手せざるを得なくなる。
その間に科学者はホイルジャックに本体を叩き潰されて絶命し、クロートンもウインドブレードによって洗脳から解放。
ヤケになったスタースクリームはアンスペースで全てを消し去ろうとするも、オプティマスとメガトロンの2つのマトリクスが放ったビームによって消滅。
これによりクインテッサ星人による騒動は終結したのだった。