概要
各々のメンバーが自動車に変形する、デストロンの貴重な陸上部隊で、5体が合体する事により合体兵士メナゾールとなる。主な任務は物資強奪と拉致。
陸上での機動力の点でサイバトロンより出遅れていたデストロンは陸上でも優位に立つべく、フレンジーが強奪してきた自動車をメガトロンが自ら改造し、トランスフォーマーとして製作して、メガトロンも満悦する出来栄えであった。ちなみにスタントロンという部隊名は、改造後のテストで見せた高い能力を自分も目の当たりにしたフレンジーの「いくらサイバトロンでもあんなスタントはできませんぜ」という感想に因んでいる。しかし(この回では)地球産のメカは思考することまで出来なかった。そこでメガトロンはアルファートリンが所有していたベクターシグマのキーを強奪、アクセスしてメガトロンの頼みを聞いたベクターシグマに生命を与えられた事でスタントロン部隊が誕生した。これにより、デストロンは陸上戦においてサイバトロンと対等以上に戦えるようになったのである。
これに対しサイバトロンは、「メガトロンが陸で来るならこちらは空から迎え撃つ」というコンボイの案の元、航空部隊のエアーボットを誕生させたのである。
メンバーが全員軍人気質で、チームワークは良いが、海外版のテックスペックはアニメとは正反対でリーダーのモーターマスターと他のメンバーは仲が悪い為、チームワークが悪いとされており、とあるアメコミではメナゾールに合体してウルトラマグナスに挑むも敗北し、モーターマスターが他のメンバーから一斉に非難されるシーンも見受けられた。
彼らはデストロンの中でもかなり優秀な部隊であり、たびたびサイバトロンを苦戦させている。誕生直後はメガトロンに忠誠を誓い、彼の命令に対しては忠実である一方、レクリエーションを楽しむ心があり、第53話「スタースクリーム軍団」では公道でぶっ壊しレースに興じていた(メイン画像はそれを踏まえたパロディ)為にメガトロンからの招集命令にすぐに応じなかったが、スタースクリームよりはマシとの考えからメガトロンを助けた。
トランスフォーマー2010では、モーターマスターがメガトロンが強化復活されたガルバトロンの復活のためにエネルゴンキューブを取り出すほど心待ちにしていた。
しかし、後にガルバトロンの狂気に悩まされるうちにコンバットロンのスィンドルとガルバトロンの陰口を叩くほど愛想を尽かしてしまう。
民間で使用される自動車に変形するせいか、人間達にはよくサイバトロンと間違われ、地球での初任務では、それによってサイバトロンが濡れ衣を着せられるという事態にまで発生している。多くの地球人が「サイバトロン=車から変形する宇宙人(トランスフォーマー)」という認識を持っていたがために、たびたび「サイバトロンだと思って警戒しなかったら、デストロンだった」という形で、スタントロンの被害を受ける事態も多発した。スタントロン本人達の意識しないところで「偽サイバトロン」とも言うべき活躍となっていたのである。
が、当のスタントロンはこの利点を「積極的に」利用したことは無く、そればかりか第61話「マスカレード」では、コンボイがこれを逆手に取り、リジェ、マイスター、ランボル、チャージャーらと共に偽スタントロン部隊に偽装し、潜入工作を行う「マスカレード作戦」を実行している。
メンバー
リーダーのモーターマスター以外のメンバー全員はスポーツカーに変形する。コンバットロンと同じく、リーダーであるモーターマスター以外の4人はメナゾールの手足として自由に合体できる(スクランブル合体システム)。
参謀 モーターマスター
スタントロン部隊のリーダーで、ケンワース・K100エアロダインキャブオーバーに変形する。メナゾールに合体する際は胴体に変形。元の車両はパトカーに追われていたところをフレンジーが強奪してきた。同じくトレーラーに変形するコンボイを一方的にライバル視(当のコンボイは迷惑がっていた)し、そのコンボイに突進合戦を挑むがあっさり負けてしまった事がある。
コンボイとの力関係は微妙だが、モチーフ的にはブラックコンボイ的ライバルキャラな存在の原型と言えるかもしれない。なお、第61話(海外では第64話)「マスカレード」では、その当のコンボイに化けられていた。
日本語版の吹き替えは『北斗の拳』のジャギの声で有名な故・戸谷公次氏。メナゾールの声も彼が担当していた。
斥候 ブレークダウン
CV:ジャック・エンジェル、アラン・オッペンハイマー/吹:難波圭一ほか
ランボルギーニ・カウンタックLP500Sに変形。メナゾールに合体する際は右脚に変形。機転は利くが自意識過剰気味で、『トランスフォーマー2010』のエンディングテーマ「What's you」でもその事が歌い上げられている。「マスカレード」では、ランボル(海外名:サイドスワイプ)が彼に化けていた。
詳細はブレークダウンの記事を参照。
兵士 ドラッグストライプ
CV:ロン・ガンズ/吹:片岡弘貴ほか
六輪型のレーシングカー・ティレルP34に変形。元となった車両はF1レースで優勝した車両をフレンジーが強奪してきた。メンバーの中では自己顕示欲が強い。メナゾールに合体する際、右腕に変形。
日本名はドラッグストライプだが、英語圏での名はドラッグレース用の走路を指す「ドラッグストリップ」(Dragstrip)である。ニコニコ動画では声優が同じという繋がりでマイスター副官と言われることも。(口調がほぼ同じ)「マスカレード」では、リジェ(海外名:ミラージュ)が彼に化けていた。
テロリスト ワイルドライダー
CV:テリー・マクガヴァーン/吹:城山知馨夫
フェラーリ・308に変形。メンバーの中でも特に乱暴な走りを好み、大声を張り上げ走行する反面、静けさを何よりも恐れる。テックスペックでも無謀な運転に関する記述がなされている。メナゾールに合体する際は左脚に変形。
フレンジーやパーセプターと同じくやかましいキャラ繋がりなのか、日本語吹き替え版は城山知馨夫さんとなっている。「マスカレード」では、チャージャー(海外名:ウィンドチャージャー)が彼に化けていた。
なお、『コンバイナーウォーズ』の国内導入版『ユナイトウォリアーズ』版ではさすがにこの役職名は使えず「暴走兵士」の肩書きに変更された。
詳細はワイルドライダーの記事を参照。
兵士 デッドエンド
CV:フィリップ・L・クラーク/吹:江原正士
ポルシェ・928に変形。元の車両は銀行強盗が使用していたものをフレンジーが強奪してきた。他のデストロン兵士同様空を飛べるが、デッドエンド自身は卑怯だと思っているらしい。メナゾールに合体する際は左腕に変形する。「マスカレード」では、マイスター(海外名:ジャズ)が彼に化けていた。
メンバーの中では影が薄い方であり(自身の飛行能力について言及した程度)、救済措置でか部隊代表として「陸のスピード王」を名乗って(テックスペックではワイルドライダーの方が速度は上)、デストロン最強合体スクランブル7の左足を担当した。
なお、『バイナルテック』ではダッジ・バイパーコンペティションクーペに変形する。
合体兵士 メナゾール
CV:ロジャー・C・カーメル、レジス・コーディック(2010)/吹:戸谷公次
スタントロン部隊の5体が合体した姿。詳しくは該当記事を参照。
玩具について
スタントロンの玩具は1980年代初頭の『ダイアクロン』の末期に企画されていた『自在合体ロボ』がそのルーツであり、『フィギュア王』No.253で公開されたトレーラートラックタイプの試作品は製品版とは変形パターンが若干異なるのが確認できる。
同じ頃に発売されたスクランブル合体シリーズと同様にモーターマスターは基地モードにも変形可能で、スプリング仕掛けで他のスタトロンを射出するカタパルトギミックを有する(日本版のみ)。更に基地モードで別売りのダイナザウラーのダイノベースモードに接続することもできる。
一方、1990年代に展開された『トランスフォーマーG2』でもサイケデリックな配色の試作品が公開されながらも諸般の事情でボットコンにてブレークダウンのみが発売される形となり、現在でも当時品の復刻は国内外ともに実現していない。
なお、後年のシリーズでは各メンバーによってリメイクされる比率が一定せず(これは他の合体メンバーに言える事かもしれないが…)、2015年にリリースされた玩具独自のシリーズ『コンバイナーウォーズ』において、ようやくメナゾールに合体可能な5体のスタントロンが揃うことになった。
コンバイナーウォーズ
IDWパブリッシングとタイアップした2015年リリースのハズブロ発の玩具シリーズ『コンバイナーウォーズ』では、上記のG1シリーズのメンバーに加えてピックアップトラックに変形するオフロードという名の新しいメンバーがワイルドライダーと入れ替わる形で登場したが、ワイルドライダーの頭部デザインとカラーリングを再現したブレークネック(デッドエンドの仕様変更品)も後に発売されている。
日本でも同年にタカラトミーより『ユナイトウォリアーズ』としてリリースされ、ブレークネックがワイルドライダーとして他の4体のスタントロンとのセットで発売。一方でオフロードはスタントロンからは除外されたものの、タカラトミーモールにて限定発売された怨霊破壊大帝グランドガルバトロンのボディを構成するメンバーの1人ゾンビウォーブレークダウンとして他の4体とのセットで限定発売された。
また、合体した際の拳や爪先となるキャノンブラスターが『コンバイナーウォーズ』版では全て個別のデザインだったのに対し、『ユナイトウォリアーズ』版では合体した際のデザインの釣り合いを取るためかドラッグストライプとデッドエンド、ブレークダウンとワイルドライダーでそれぞれ同じ形状に変更されている。ただし、この仕様変更により『コンバイナーウォーズ』版ドラッグストリップでは可能だったビークルモードでのキャノンブラスターの取り付けが不可能となってしまった。
更にメナゾールの胸部には他のメンバーよりも小型のスポーツカーに変形するブラックジャックが合体可能となっていて、これは初代モーターマスターのコンテナ部に格納可能なメナゾールの胸部パーツとなる小型車がモデルとなっている。日本国内では『トランスフォーマーアドベンチャー』にてラナバウトとして発売され、配色が初代メナゾールの小型車に近づけられている。メナゾールとの合体も伏せられているものの、問題なく合体可能。
後に『コンバイナーウォーズ』ではスタントロンの仕様変更品としてオプティマスプライム、ミラージュ、サンストリーカー、プロール、アイアンハイドの5体に加え、ブラックジャックの仕様変更品としてロディマスがそれぞれ単品にて発売。これら6体が合体してオプティマスマキシマスが完成する。日本ではコンボイグランドプライムに改名され、2016年にタカラトミーモールにて限定発売。ロディマスを削除した5体セットでの販売となり、各メンバーのカラーリングや塗装箇所が変更されている。
アドベンチャー
日本未配信の最終シーズン『Combiner Forse』の前半にてメインヴィランとして登場。
大地を全て自分たちの支配する舗装道路とすることを目論んでおり、そのために地球に眠るサイバトロン星由来の遺物を捜索しており、チームバンブルビーと対立した。
なお前作『プライム』の玩具設定で、ディセプティコンの偵察兵ウォーブレークダウンがスタンティコンに所属していたことになっており、他に玩具オリジナルキャラクターとしてスタントワイルドライダーとデッドエンド(両者共にホイルジャックの仕様変更品)が存在する。
メンバー
- モーターマスター
一味のリーダーで、キャブオーバータイプのトレーラーに変形。「道路の王」になるという野望を持ち、一味を恐怖で統率している。
両刃の大剣を武器とし、メナソーに合体の際は胴体を担当する。
- ヒートシーカー
劇中で最初に登場したスタンティコンで、グレーを基調としたSUVに変形。好戦的かつ粗暴な性格で、暴れ回ることを生きがいとする。
メナソーに合体の際は左足を担当する他、スラッシュマークとの合体でヒートマークとなる。
G1におけるワイルドライダーと、コンバイナーウォーズのオフロードに相当する。
- ドラッグストリップ
G1に登場したドラッグストライプがモデルだが、本作ではスポーツカーに変形する。日和見主義な性格で、利益のためなら仲間を裏切る事もある。
メナソーに合体の際は右腕を担当する他、ワイルドブレークとの合体でドラッグブレークとなる。
- ワイルドブレーク
紺色を基調としたスポーツカーに変形する。臆病で主体性に欠ける性格で、よくコンビを組むドラッグストリップを苛立たせる事もしばしば。
メナソーに合体の際は左腕を担当する他、ドラッグストリップとの合体でドラッグブレークとなる。
G1に登場したデッドエンドに相当するキャラだが、名前やデザインはワイルドライダーとブレークダウンに近い。またドラッグブレークの玩具では、何故かドラッグストリップでなく彼がドラッグレースカーに変形する
- スラッシュマーク
最後に登場したスタンティコンで、白と青を基調としたSUVに変形。傲慢な性格で、よく口汚く相手を罵倒する。タイヤからエネルギーフィールドを発生させ、丸鋸やチャクラムのようにして戦う。
メナソーに合体の際は右足を担当する他、ヒートシーカーとの合体でヒートマークとなる。
G1におけるブレークダウンをモデルとしている。
- ドラッグブレーク
ドラッグストリップとワイルドブレークが合体した姿。合体前よりもマッシブな体格のおかげでパワフルな戦闘スタイルで戦い、ワイルドブレークの優柔不断さを補うことが出来る。
- ヒートマーク
ヒートシーカーとスラッシュマークが合体した姿。ヒートシーカーの好戦的な性格と、スラッシュマークのエネルギーフィールドを生み出す能力を武器とする。
- メナソー
スタンティコン5体が合体した姿。武器はモーターマスターと同じく大剣。
強力なパワーを誇るが、中心となるモーターマスターの恐怖支配や、メンバー全員が性格に難のある問題児ばかりな事もあり、ワイルドブレークやヒートマークより合体した際の連携は悪い。