概要
『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場するサイバトロン/オートボット所属の部隊で、人命救助を目的としている。
各々のメンバーが緊急車両に変形する。メンバー全員が合体する事で、合体戦士ガーディアン/ディフェンサーとなり、スクランブル合体システムにより合体時の手足を入れ替える事が可能となっている。
続編の『2010』や『ザ☆ヘッドマスターズ』(以下HM)にも引き続き登場する。
初登場は第54話「ブルーティカスの攻撃」だが、ライバルのコンバットロン/コンバッティコンとは対照的に誕生エピソードは描かれておらず、活躍自体も少ない。
出生については一応2015年に、トランスフォーマーコレクターズクラブ運営のFacebookアカウント「Ask Vector Prime」にて「植民地惑星アーコンの全滅から仮死状態になっていた生存者で、オメガスプリームが保護してエアーボットからエネルゴンの輸血を受けた影響で合体戦士になった」という情報が公開されている。
この設定は最近出たものなだけにアニメやコミック各種で特に使われていないが、スマートフォン用ゲーム『トランスフォーマー アースウォーズ』でのホットスポット実装イベントにてこのアーコンの地名が出された。
玩具
前述のように背景や経歴を掘り下げる機会が無かったせいか、コンバットロン/コンバッティコンが何度も玩具の復刻やリメイクを果たしているのに対して、こちらの扱いは不遇だった。
一応、日本におけるG1シリーズ末期の『合体大作戦』では、カラーリングを変更品した「ガードシティ」が発売されていた。
2012年にカバヤから発売された組み立て式の食玩シリーズ『トランスフォーマーG(ガイア)ガーディアン』では、旧来のメンバーに加えて戦闘機に変形するスカイフェザーとドリル戦車に変形するヒートロックが加わり、ホットスポットを除いた6体が合体したガイアガーディアンと、ホットスポットを含めた7体全員が合体したゴッドガーディアンの2形態に合体可能となっている。
2015年には『コンバイナーウォーズ』にて、G1の設定に則ったリメイクがなされた(詳しくは後述)。
メンバー
防衛指揮官ホットスポット
CV:ダン・ギルベザン/吹:堀内賢雄、喜多川拓郎(2010)、戸谷公次など(HM)
プロテクトボットのリーダーで、消防車に変形する。ガーディアン合体時は胴体に変形。
分の悪い戦いにも勇敢に立ち向かう性格で、二丁の火炎銃と1000度の高熱にも耐えるバナジウム製シールドを装備している。
『HM』では戸谷氏のほか、岡和男、大塚芳忠、掛川裕彦、山口健各氏も声を当てた。
航空支援員グレイズ/ブレイズ
CV:フランク・ウェルカー/吹:城山知馨夫、難波圭一or江原正士(2010)、江原正士(HM)
空中からの救助を目的としているメンバーで、UH-1をベースとした救助ヘリコプターに変形する。ガーディアン合体時は右腕に変形。
武器はロケットランチャーとローターブレード、光子銃。
英語圏での名前はブレイズ(Blades)。日本未放映の『レスキューボッツ』には同名キャラがメインの1人として登場した。
救助員ファーストエイド
CV:マイケル・ベル/吹:堀内賢雄、佐藤正治(HM)
負傷者の運搬と修理を目的としている。トヨタ・ハイエースをベースとした救急車に変形する。ガーディアン合体時は左腕に変形。
武器は光子銃と金属の結晶構造を崩壊させるデクリスタライザー・カノンを装備。
性格は争いを好まない心優しい性格だが、『2010』ではメトロフレックスのトランスフォームコグを奪われた事に責任を感じ、除隊を考えた事もある。
だが、仲間達に「戦士である必要はない」と励まされ、思い留まった。
ギャラクシーフォースにて同名キャラのファストエイドがメイン枠で登場する。
(表記が長音符の有無で違うがトイのパッケージの英語表記は同じFIRST AIDとなっている)
追撃員ストリートワイズ
CV:ピーター・カレン/吹:難波圭一or江原正士、塩屋翼(2010)、田中亮一(HM)
日産・フェアレディZ300ZX(Z31型)をベースとしたパトカーに変形する。ガーディアン合体時は左脚に変形。
注意深い性格で、武器は二連式エアコンプレッサーカノンと光子銃。
トイでは商標登録の関係でストリートスマート、ストリートスターなどに改名された事がある。
偵察員グルーブ
CV:フランク・ウェルカー/吹:阪脩or速水奨、江原正士or山口健(2010)、平野正人(HM)
戦うという行為に懐疑的な性格で、消火活動が主な目的。
ホンダ・ゴールドウイングGL1200をベースとした白バイに変形。ガーディアン合体時は右脚に変形。
武器は光子銃と、酸化、凍結、腐食などの様々な能力を持つ液体を発射するベイパレーター。
合体戦士ガーディアン/ディフェンサー
CV:クリス・ラッタ/吹:堀内賢雄、喜多川拓郎(2010)、戸谷公次など(HM)
プロテクトボットのメンバーが合体した戦士で、英語圏での名はディフェンサー(Defensor)。
二丁の火炎砲が武器で、周りに注意を配りながら戦う。攻撃力は高くブルーティカスを一撃でバラバラにできる程。自身の周囲にバリア「フォースフィールド」を張る事も可能。また、この時期の合体戦士としては画期的な面として”合体戦士でありながら知能も通常サイズのトランスフォーマー並みにある”という特徴がある。テックスペックでもこの時期の他の合体戦士が2~3である知性は7もあり、アニメでも上記のブルーティカス撃破時に「粗大ごみを出してしまって申し訳ない。ゴミ収集車を手配しよう」とジョークを飛ばしたり、デストロンに落とされた列車を器用に拾って中の乗客を無事に救助したりしている。
『2010』ではファーストエイドが居ない状態で合体したり、『HM』ではスクランブル合体システムを生かして右腕と左脚を入れ替えるスピードチェンジを披露した。
『HM』では戸谷氏のほかに大塚芳忠、岡和男、掛川裕彦各氏が声を当てた。
コンバイナーウォーズ
IDW社とタイアップしたハズブロ発の玩具シリーズ『コンバイナーウォーズ』では、上記のG1シリーズのメンバーに加えてルークという名の新しいメンバーが登場。略称はCW。
グルーブはビークルモードで他のメンバーと並べた時、白バイの大きさのリアリティを優先してか、サイズの縮小化により合体が不可能となった。その代わり胸部パーツとして合体するようになっている。
IDW社のアメコミでも同名のタイトルがメインシリーズの『More than meets the eye』と『Robot in disguise』の番外編のような形で刊行され
刊行開始時点まではチームの関係ではなく合体戦士でもないという設定だった5名(+ルーク)がプロテクトボットの結成及びディフェンサーになるまでの経緯が描かれた。
戦略家ルーク
SWAT仕様の装甲車に変形し、砲撃が飛び交う中へ飛び込んで負傷した仲間を救出、救護担当のファーストエイドに引き渡すのが彼の主な役割である。
彼はサイバトロン星の士官学校を卒業したばかりであり、在学中は軍事機動と戦術知識を身に着け、現在は緊急事態への対応や救助に関する技術を学んでいる。
なお上記のCWのコミックでは何の脈絡も無くメンバーに紛れ込むように現れ、セリフも無くただ場面に居るだけという奇怪な初登場をしている。
これは作画担当のアーティストがシナリオ上は出す予定でなかったルークを勘違いで描きこんでそのまま出版されてしまったという事情があり、つまり作画ミスだった。
(ちなみにこの回はルークの他にも初代アニメ並の重大な作画ミスが多数あり単行本では色々と修正されている)
その後、MTMTE第3シーズンのLostLight第10話リーフレット版の巻頭に記載されたあらすじで
「CWでプロテクトボットが合体戦士になる光線を浴びせられた時、たまたま近くに居たルークも巻き添えで同じ合体戦士に変えられたのでそのままメンバー入りしてついて来た」
と説明されてCWでの辻褄を合わせられていた。
日本版『ユナイトウォリアーズ』では、ディフェンサー(ガーディアン)の手足として合体可能な新規製造品のグルーブを同梱した、G1と同じ構成の5体セットが公式通販サイト「タカラトミーモール」にて受注生産限定商品として売り出された。
ルークおよび同型の国内販売は長らく未定だったが、2016年4月30日にタカラトミーモールから発送された(予約期間は2015年12月8日〜2016年1月7日)の「UW-06グランドガルバトロン」の一角を占める存在としてルークのリカラー版が「異次元で仲間とはぐれた絶望で闇落ちした元サイバトロン戦士」と言うなかなかしんどい出自のキャラクター・「ワンダリングローラー」として日本のトランスフォーマーファンにお目見えする事になった。
衛生兵メディックス
コンバイナーウォーズが拡大する中、プロテクトボットにはさらに新メンバーが加わった。元ネタは『レスキューボッツ』の玩具シリーズで発売された同名キャラクター。
救急車に変形し、ラチェットやファーストエイドなど熟練の医師が到着するまでの応急処置が彼の仕事。治療に夢中になるあまり戦場の危険に気付かず、彼自身が傷つくこともしばしばある。
北米で催されたイベント「BOTCON 2016」のカスタマイジングクラスで制作できるキャラクターのうちの1体として登場した。『コンバイナーウォーズ』版ファーストエイドのリペイント品で、玩具はもちろん設定でもディフェンサー(ガーディアン)への合体は可能。
また、メディックスのキャラクターバイオでは彼の同期として、2012年にカバヤ食品から発売された「トランスフォーマーガム ガイアガーディアン」という食玩のオリジナルメンバーであるスカイフェザー(VTOLジェット機に変形)とヒートロック(ドリル戦車に変形)の名が挙げられている。