右とは、相対的な方向である。
日本語や英語などの大多数の言語の横書きの文章では、ふつう読んだり書いたりしていく方向を指す(アラビア語やペルシア語のように、左へ向かって書いたり読んだりする言語も存在する)。
オーストラリアには「右」「左」というような相対的方向の概念がない民族が存在している。彼らは「左」「右」該当の語彙が無い代わりに「東南西北」という絶対的座標を普段に用いる。
右を宇宙人にどう説明する?
1970年代にこのような問いがだされた。
- 「私たちは人間を知らない宇宙人に、画像抜きで『右』を説明できるか?」
というもの。当時、宇宙開発プランの「オズマ計画」より「オズマ問題」と呼ばれ、哲学者のみならず、文語学者、物理学者などの頭を悩ませた。
もちろん、宇宙人の足は八本かもしれないし、なんなら宇宙人は4次元空間にいて、3次元の世界からは見えない存在かもしれない。(ただし、言葉だけ通じる。)
「辞書の説明でいいじゃん」と思ったそこの君!こう反論されたらどうする?
👽「時計ってなんすか?」
👽「方角って地球でしかわかんないじゃん。」
- 体を2等分した時、心臓がない方向
👽「人間の体の仕組み知らねぇっす」
- 「明」という漢字の「月」の方向
👽「漢字ってなんすか?」
んね?難しいでしょ?
実は解決済みの問題
実はこの問題は解決済みである。
発想はこうだ。
「宇宙人と我々人類に共通するものを見つければ良い。」
そしてそれは唯一、「物理法則」である!
それありかよ。ってツッコミはさておき
理論はこうだ。
- まずは、宇宙人にも電流は扱えるとして、宇宙人に円形に電流を流してもらう。宇宙人には電流の流れる方向が見えるとしよう(?)。ただし、宇宙人は左右が分からないのでどの向きに回しているか我々には分からない。
- 電流を円形に流すと磁場ができて棒磁石のように使えることはご存知だろう。S極N極(磁場の矢印)という名称は、人間が決めたものなので宇宙人には分からない。
- そこで、SとN、どちらが上かは分からないが鉛直方向(円は水平)になるようにしてもらう。
- ある原子を円電流の上側に打ち込んでもらう。実は多くの原子も棒磁石のような性質を持っていて、S極N極がある。同じ原子を複数打ち込むと、S極N極どちらが上を向いているかで、上か下かのどちらに動くかが決まる。
- この時、上に動いたほうをA、下に動いたほうをBと呼ぶことにする。やはり宇宙人には、原子AとBそれぞれ、S極N極のどちらが上を向いているのかわからない。
- さらに、AとBの壊れ方を別々に観測してみる。実はこのAとBはどちらもS極の方に電子を出して崩壊しやすいことが知られている。(ウーの実験)
- ここで宇宙人が、「A(上に動いたほう)は、電子を上向きに多く放出していた」と言ってきたとする(逆であれば以降+の議論を逆にすればよい)。だとすると、AはS極が上を向いており、ゆえに宇宙人はN極が上になるような磁石を作ったことになる。磁石の向きが分かることで円形に回した電流の向きが分かる。
- この円を上から覗くか下から覗くかで電流が左回りなのか右回りかが変わってしまうことに注意して、宇宙人にこの円電流の中心に立って考えてもらう。どの向きを見たとしても電流は、水平方向のどちらかに流れているはずだ。
- 宇宙人は電流の矢印は見えるので、「右から左に矢印が向いている」と宇宙人に伝えることができる。
それでいいんかい!
関連イラスト
キャラクターを指す『右』
⇒ミギー
仮面ライダーダブルの右半身担当であることから。
ちなみに相方は左翔太郎であり、彼の本名も来人(らいと)=right=右 である。