概要
宇宙の覇者たり得るため、地球をガルバトロンのボディに改造しようというもの。完成予想図は機械の球体に頭と手足がついているという奇怪極まるもの。当人はこの計画を雄大と言っていた。
当時『ザ・ムービー』は国内で公開されておらずスタッフが意識したはずもないが、ユニクロンに影響されたとも後付け解釈できる。
完成には多くのトランスフォーマーを部品に使う必要があり、耐えかねたシックスショットをはじめとする多くの部下から見放される結果となる。ガルバトロンはクロームドーム達に敗れ、「助けに来い」の叫びも空しく氷海に没したが…
その後
2015~2016年の玩具シリーズ『ユナイトウォリアーズ』では衝撃の展開が待ち受けていた。
氷海に野望とともに散ったガルバトロンであったが、それから10年後の2021年、幽霊となった彼は「強い怨念が究極のエネルギーとなる」ことを悟り、かつての右腕サイクロナスに憑依して彼をスクランブル合体戦士「タクティシアンサイクロナス」にパワーアップさせた。
そしてサイクロナスとともに、かつてサイバトロン・デストロン両軍が協力してユニクロンの頭とボディを封印した「トリプルZポイント」に赴くと、完全復活のため強い怨念を持つユニクロンにそのボディを要求する。ユニクロンはこれを拒んだが、セイバートロン星を乗っ取ったら自身の新たなボディとして献上するのを条件として、代わりに他の次元から強い恨みを持つ怨霊のデストロン戦士2体と次元の狭間で彷徨っていたサイバトロンのローラーを召喚、さらにその場に現れたスタースクリームの幽霊を半実体の存在として復活させた。
こうしてグランドガルバトロン計画は合体戦士という形で実現し、ガルバトロンは「怨霊破壊大帝グランドガルバトロン」として復活を果たした。ユニクロンとは協力関係にあるものの、セイバートロン星征服後の暁には彼を抹殺して全宇宙の覇者にならんと企んでいる。
メンバー
肩書は玩具パッケージより。実はローラー以外は当時の玩具そのままである。
- 航空参謀タクティシアンサイクロナス
ユニクロン戦争以降のデストロン航空参謀。SFジェットに変形。グランドガルバトロン合体時は胴体を担当。
ガルバトロンの10回忌として一人で北極に訪れた際、ガルバトロンの霊体から啓示を受け、更にはユニクロンの協力を経て動き出した。
ガルバトロンへの忠誠は健在で、かつて彼が多くの部下に見限られる元凶となった初代グランドガルバトロン計画も、内心では実現させてあげたかったらしい。
- 航空参謀ゴーストスタースクリーム
先代航空参謀。戦闘機に変形。グランドガルバトロン合体時は右腕を担当。
ユニクロンによって復活したものの、再び幽霊(精神エネルギー体)となってさまよっていた時にガルバトロンたちの計画を耳にして、実体としての復活を目論み協力することになるが、ユニクロンも彼にかつて騙されたことを忘れておらず、裏切らないように半分は幽霊の半実体として復活させた。
幽霊の時の能力を使えるほか、体を構成する半透明の物質からは、自分を殺したガルバトロンに対する怨念のエネルギーが常に放出されている。
再生させてくれたサイクロナスやガルバトロンに協力しているように見えるが、本性は定かではない。
かつて「冷徹軍師」の異名で恐れられた、『マイクロン伝説』の次元のデストロン戦士。戦闘機に変形。グランドガルバトロン合体時は左腕を担当。
かつて元の次元のユニクロンの変形に巻き込まれて死亡したため、G1次元のユニクロンによって召喚され再生された事実に対して複雑な感情を抱いている。
現在は自らの新しいスクランブルボディを用いて復活させたグランドガルバトロンを利用し、密かにユニクロンへの復讐を計画している。
『プライム』の次元のディセプティコン戦士。オフロードカーに変形し、破壊活動を得意とする。グランドガルバトロン合体時は右足を担当。
かつて仲間に殺された挙句、人間のテロ組織に亡骸を利用されるなど悲惨な最期を遂げ、強い怨念を持ち死にきれないゾンビとしてさまよった末に別次元のユニクロンに召喚された。
現在は忠実に新たな主の命令に従っているが、内心ではかつての相棒との再会を夢見ており、密かに元の世界へ帰る事を渇望している。
- 放浪者ワンダリングローラー
戦いの最中仲間とはぐれ、次元の狭間をさまよっていた元サイバトロン戦士。六輪装甲車に変形。グランドガルバトロン合体時は左足を担当。
長い間救助を孤独に待ち続けたが、次第に見捨てられたと考えるようになり、絶望と自責に支配されて手にした強い怨念エネルギーをユニクロンに感知されこの世界に召喚された。
長い放浪により記憶の一部を失っているが、サイバトロンの象徴であるコンボイを強く憎んでいる。
モデルはIDW社より刊行されているアメコミ『More Than Meets The Eye』の過去編で登場した巨漢の警察官「ローラー」で、オライオンパックスの友人でもある。ビークルモードなどは初代アニメシリーズでコンボイのコンテナ内に格納されている自律小型車「ローラー」に似たカラーリングとなっている。
- 怨霊破壊大帝グランドガルバトロン
リフォーマットされたサイクロナスと、計画に便乗したスタースクリーム、そしてユニクロンの禁断の召喚術で呼び寄せられ蘇った3人の亡者が合体したスクランブル戦士。自らを「グランドガルバトロン」と名乗るが、かつての主君ではなく、要塞参謀ガルバトロンⅡ(初代玩具の初期色を元にしたキャラ)を彷彿とさせるカラーリングであった。サイクロナスもこの姿に違和感を覚えていたが・・・
関連タグ
トランスフォーマー ディセプティコン ガルバトロン ユニクロン
サイクロナス スタースクリーム スラスト ウォーブレークダウン ローラー(トランスフォーマー)
計画の末路とその後
ここからは「ユナイトウォリアーズ」および「トランスフォーマーレジェンズ」のネタバレになります。
終盤である「バルディガス」編で、サイクロナスに憑依したのは、ユニクロン戦争でのコンボイとの戦いで重症をおったメガトロンがユニクロンに強化再生されたガルバトロンその人でなく、「要塞参謀」ガルバトロンⅡであったことが判明。その霊体は「クリエーションマトリクス」というアイテム(ガルバトロンⅡに付属していたアイテム)により維持されていたが、それが仇となりグランドスカージに引導を渡されることになる。最終決戦ではサイクロナスの意思がコアとなってグランドガルバトロン形態に合体、他のユナイトウォリアーズ戦士と共にユニクロンに立ち向かった。
すべての戦いが終わり、メンバーは解散。己の道を進むこととなった。
ローラーはコンボイと和解。憎しみから一転、再会できたことに喜びを感じていたが、コンボイの運命を知り、それを見届けることに…
サイクロナスはデストロン軍団を再興させるため、一人宇宙の旅に出た。
ウォーブレークダウンは元の世界に帰還。かつての相棒を探しに行くと言ったが、帰還した先で見せた顔の意味は・・・
一方で、残る航空戦士の2人はひっそりと消えたり逃げるようにその場を離れた。だが、その顛末は『トランスフォーマーレジェンズ』の付属コミックにて語られることに。
- スラスト
ユニクロンの騒動の後消息を絶つが、いつの間にか『レジェンズ』の世界に来ていた。
戦いで共闘した合体戦士の「メガトロニア」のメンバーであるトリックダイヤと共に悪事を働き、強化パーツを複製して合体したりとやりたい放題していたが、G1世界からやってきたブロードサイドのトランステクターを乗っ取った際に持ち主に諭され、同じくG1世界からやってきたエアーボット部隊に加わった。
エアーボットはユナイトウォリアーズの姿なので、スクランブル合体はできないことはない・・・はず。
- スタースクリーム
同じくメガトロニアのメンバーで、危ないレベルのストーカーであるルナクローバーから逃げていたが結局捕まってしまい、首を切られた挙句隕石で体が爆発四散してしまった。そのためヘッドマスターとなるために、メガトロニアメンバーのムーンハートの3人で『レジェンズ』世界に行くことに。そして「2010」同様、オクトーンに標的を定め…