概要
シリーズに登場する多くのトランスフォーマー達が機械や乗り物、あるいは動物に変形するのに対し、ユニクロンはなんと惑星に変形する。同じく惑星に変形する創造神プライマスとは対になる存在で、宇宙の破壊と混沌を司り、「星間帝王」、「破壊神」、更には「カオスブリンガー(混沌を齎す者)」とも呼ばれている。
また、その途方もない大きさだけでなく、劇中での暴れぶりからトランスフォーマー達が最も恐れる存在として描かれている。一方で世界や命を創り出す力も備えており作品によっては単純に倒さねばならない(倒していい)相手では済まず戦わなくても極めて特殊な立ち位置にある存在といえる。
かつて、「ユニクロンはどのパラレルワールドにおいても同一人物」という設定が存在した。
しかし、2015年に発売された「TRANSFORMERS:Another Light」というアメコミにて、シュラウドという多元宇宙間の障壁が強まる事件が発生したため、現在はそれぞれの宇宙にそれぞれのユニクロンが存在している。
G1
CV:オーソン・ウェルズ/吹:鈴木瑞穂(ザ・ムービー)、石井敏郎(2010)
初出は『トランスフォーマーザ・ムービー』だが、日本では放映された時期の関係上、『トランスフォーマー2010』での登場が先となっている。
惑星に擬態しながら宇宙を彷徨いつつ、他の惑星を捕食するという宇宙に生きる生命体全ての脅威。一人称は「余」。『ザ・ムービー』冒頭の戦いでコンボイの死亡およびその直前のやり取りから、自身を滅ぼせる存在「マトリクス」を感知。それを排除するべく負傷兵としてスタースクリームらによって宇宙に放逐されたメガトロンをガルバトロンへと再生。他のデストロンの負傷兵達もサイクロナスやスカージ、スウィープスとして再生させマトリクスを始末する事を命じるが、ガルバトロンはマトリクス強奪後に反乱を起こす。
その報復として、手をかけないでいるつもりだったセイバートロン星を襲撃する(ちなみにこの少し前にセイバートロンの衛星を二つ食べている)。しかし体内に侵入し、遭遇したガルバトロンからマトリクスを奪回したホットロディマスがロディマスコンボイへと変身すると共にマトリクスの力を解放。危機を察し、ロディマスコンボイがいた左脚をもぎ取るも時すでに遅く、マトリクスの力により身体が崩壊。自身の破滅を認められないまま頭部のみを残して爆散した。ちなみに演出の都合上、全長は数千kmから数百mまで可変する。
続編にあたる『2010』では、頭部のみの状態で機能停止しセイバートロンの軌道を衛星の様に周回。ロディマスコンボイに放逐されていたガルバトロンの行方をメモリーから分析する為にサイクロナスが訪れた他、ガルバトロンに処刑されて幽霊化したスタースクリームと彼に取り憑かれたスカージにより再起動させられ彼らを利用してセイバートロン星を新たなボディにしての復活を企む。しかし、復活を恐れたスカージは離脱し、生身のボディの復活を目的としていたスタースクリームに出し抜かれた上に、スカージから情報を得たサイバトロンに復活を阻止されてしまい、再び衛星として周ることとなった。
「原始の呼び声」では120億年前銀河系が誕生したばかりの頃から存在する大天才プリマクロンによって製造された事が判明。やはり反乱を起こして彼に重傷を負わせ離反している。その後、脳内で精製される物質アンチエレクトロンを求めたデストロンとサイバトロンとの激戦が繰り広げられて、天才となったグリムロックによって内部の部品を使って新たなスクランブル合体戦士テックボットが産み出された。
ちなみに『ザ・ムービー』は原語版でユニクロンを演じたオーソン・ウェルズの遺作である。
玩具
当時はユニクロンの玩具の試作品が何点か作られており、製品化の暁にはオーソン・ウェルズの音声による会話ギミックも付く予定だったが、諸事情により製品化は見送られてしまう。アレだけのサイズならば必然的に玩具も大型化せざるを得ず、それを考慮すれば他のTF達よりギミックとプロポーションの両立は容易かった筈なのだが、実際の試作品は胴体が惑星形態そのままという、余りにも酷い出来であった。
2019年には今までに発売されたトランスフォーマーの大きさを優に超える超巨大サイズのユニクロンの変形玩具のクラウドファンディング企画がハズブロパルスのサイト内にてスタート。日本でもタカラトミーモール内にて7月26日より受付が開始され、2019年8月31日までに海外分の受注数との合計で応募者が8000人に達すれば企画成立となる。
そして同年10月4日までの期間延長を経て無事達成、実際に発売される事が決定した。
公開された試作品によれば、ロボットモード時の全高は約68.5cm、惑星モード時は環の部分も含めて直径約75cm、重量は8.6kgにも及ぶ。これはリメイク版フォートレスマキシマスやデバスター等のタイタンクラスTFより一回り大きいサイズという事になり、史上最大のトランスフォーマー玩具の記録が再び塗り替えられた事になる。
ロボットモード時は50か所の関節が可動し、目と口も可動する。後述の『マイクロン伝説』版と同様に指は1本づつ動かせる様になっている。惑星モード時の巨大な口には可動ギミックがあり、『ザ・ムービー』で惑星を捕食したシーンを再現出来る。
他にも惑星時のディスプレイやロボット時の自立補助に使う専用台座やダメージ処理の施された頭部、同スケールのガルバトロンとホットロッド(国内版はホットロディマス表記)のミニフィギュアが付属する。
ビーストウォーズ
CV:ブルー・マンクマ/吹:中村秀利
G1シリーズのユニクロンと同一人物。登場人物達の(本来の)時代ではセイバートロン星が別の恒星系へと移動したため軌道上から外れてセイバートロンの圏内から姿を消していたが依然としてトランスフォーマー達が恐れる存在として語り継がれている。
舞台である惑星エネルゴアで実験活動を行なっていたヴォック(エイリアン)がビーストコンボイの記憶から作り出した映像として登場。これはヴォックは肉体がない為に仮の姿として見せた事、彼らに自分達はユニクロンの如く力のある存在であることを主張したものでユニクロン自身ではない。続編の『ビーストウォーズメタルス』では、タランスやデストロン評議会の3人の長老がユニクロンの眷族である事が判明した。
ビーストウォーズネオ
CV:小村哲生
『メタルス』の前に放送された日本版独自の続編となる『ビーストウォーズⅡ』、『ビーストウォーズネオ』では、遥か昔にデストロンが住み着いていた惑星ダイナソアを喰らって半壊させたりと宇宙を滅ぼしかけた伝説の悪魔と語り継がれていた。一人称は「儂」。「自分以外に宇宙に生命は不要・宇宙には自分のみ存在するだけで良い」と考えている。グレートウォーと呼ばれたサイバトロンとの戦争(この戦争がG1シリーズのものとは明言されていない)で敗れ、エネルギーを抜き取られて惑星ガイアに封印されていた。このエネルギーは幾年月も経ちアンゴルモアエネルギーと呼ばれるようになり、惑星ガイアに眠る神秘の力として伝えられていた。
ガルバトロンは宇宙征服の戦力と同時にユニクロンが復活する時が来ても対抗出来る力を得る為にもアンゴルモアエネルギーを求めていたが、ライオコンボイ親子の力でアンゴルモアエネルギーはエネルゴンマトリクスの力で作り出した容器であるアンゴルモアカプセルへと封じられて分離、エネルギーを取り込んでいた人工惑星ネメシスの爆発の影響で宇宙中に飛散してしまった(マグマトロンはこれがユニクロンを覚醒させてしまったのだと推測している)。後にビッグコンボイ部隊やマグマトロン部隊はアンゴルモアカプセル争奪戦を展開していくが、ユニクロン復活の為に暗躍するブレントロンまでもが加わり、次第にカプセルは発見されていく。
このカプセル一つだけでも眠っている力は凄まじく、カプセルが破壊される攻撃を1回当てるだけで惑星を木端微塵にしてブラックホールの重力から抜け出せるほどの衝撃を放出する。そのエネルギーの恐ろしさはかつてのガイア人も深く理解しており(ユニクロン由来とまでは知らなかったようだが)負の心に反応し災いをもたらす性質があったため、自らの邪心によりガイアや宇宙に危機が降りかかるのを避けるべく故郷を離れざるを得なかった。
このエネルギーを悪用する者が実際に現れた時に備え、星の歴史を記録したマザーコンピューターに月を引き寄せ衝突させることで惑星ガイア共々エネルギーを消滅させる形で利用されるのを阻止するシステムを遺していた。自分達の故郷を犠牲にしてでもアンゴルモアエネルギーの解放・利用されるのを恐れていたのである。
なおこのアンゴルモアエネルギーが惑星を何万年も循環していた影響なのかガイアの大気はトランスフォーマーのボディを浸食する性質となっており3分以上のロボットモードは命の危険がある程の危険性を有していた(『プライム』でダークエネルゴンがトランスフォーマーを衰弱させていたのに近い作用と推測できる)。
『ビーストウォーズネオ』の終盤ではネメシスの崩壊で散ったガルバトロンの姿を模してブレントロンの回収したアンゴルモアエネルギーから構成された体で覚醒、出会い頭にマグマトロンを葬り、自らを完全復活させるべく野望に乗り出す。劇中ではビーストモードの形態を取り、光の竜の姿をした特攻・高速移動の姿に変身する事も出来ていた。実体ではないエネルギー体であるため、並の戦いではエネルギーをほとんど消耗せず、ビームなどの攻撃は通用しないばかりか吸収してしまうのだが、不定形の存在である事から長期間その身を維持できず本来のボディはグレートウォーで敗北時に全壊同然の状態に陥っていたため新たな器としてセイバートロン星に目を付ける。
ベクターシグマは新たな肉体を与えるから野望を捨て生まれ変わるよう説得するもこれを拒否し、サイバトロン艦隊によるエネルギー砲の一斉射撃を無力化してあっという間に壊滅、更にはベクターシグマを乗っ取り、セイバートロン星を自身のボディとして掌握。トランスフォーマーの神・宇宙の破壊神を名乗り完全体となった。
しかし、執念で復活を果たしたマグマトロンの手でベクターシグマから引き剥がされてしまう。しぶとくマグマトロンのエネルギーを奪い取り本来の姿の角が生えたガルバトロンの姿で実体化して再度立ちはだかるが、ライオコンボイの加勢も得たビッグコンボイ部隊の奮戦の末、サイバトロンの心の力を宿したマトリクスバスターを吸収しきれずに消滅した(同時にベクターシグマも終戦後間も無く自動修復機能で復活している)。これによって、G1世界における永きに渡る因縁(作中世界では数千万年。視聴者目線でも10年以上)に漸く決着が付いた。
上記のような独善的かつ排他的な思想のため仲間の存在は無意味なものと考えており、部下のブレントロンも自身のエネルギー回復のための駒に過ぎず、彼らを吸収する形であっさり切り捨ててしまっている。だが、皮肉にもサイバトロンらの仲間達の心の力を合わせた攻撃に敗れる形となった(この敗北の仕方は後述のスーパーリンクにも通じるところがある)。
サイバトロン新兵達の卒業試験を受ける矢先に起こった出来事でもあり、彼らを率いるビッグコンボイが提示した卒業試験の合格条件は「ユニクロンの撃破」で、恐らくサイバトロン史上最も過酷な卒業試験と思われる。
当時はこのユニクロンの玩具化も検討されていたが、やはり諸般の事情であえなくボツとなっており、代わりに依り代としたガルバトロンの玩具が再版された。
今木商事版ビーストウォーズ
『II』のエピローグでもある『ネオ』第0話から登場。
アニメ版ではガルバトロンの姿で復活したが本作ではオリジナルの姿で復活を果たす。一人称は「余」
過去の世界に飛ばされたアンゴルモアカプセルを用いて、現地の乱暴者の恐竜たちをマグマトロン部隊に進化させ、彼らを陰から操ることにする。さらに邪魔者のライオコンボイを倒すことにも成功したので予定以上の結果を得られたことも喜ぶのだった。
この後、残りのカプセルをブレントロンに探させるが従順な代わりに知性が高くなかっためにカプセル探しが上手くいかず、マグマトロン部隊を使うことにし、黒球(ブラックボール)に姿を変え、ガイアに残されていたガルバブルグII世号内で待ち続け、意図的に発見される。
当初は現地で調査されていたがライオコンボイの手で誕生したビッグコンボイに回収されたことからビッグコンボイ部隊のほうをカプセル回収に利用したほうが良いと考え、表向きは宇宙の平和を守るためと称して、彼らにカプセルのことを伝えた上、ライオコンボイの名を出したことでビッグコンボイを上手く誘導した。
6つのカプセルが集まった後、セイバートロン星近くに用意したブレントロン闘技場にビッグコンボイ部隊とマグマトロンを誘き寄せ、6つのカプセルを吸収すると頭部の状態で出現し、真相を明かし、完全復活に必要な7つ目のカプセルとして、ビッグコンボイとマグマトロンを捕食することを宣言。最初にマグマトロンを捕食し、右目に光が灯るとセイバートロン星を乗っ取り、身体を得る。
サイバトロンとデストロンの連合艦隊を壊滅させた後はビッグコンボイも捕食しようとするが密集星系グルジアンに誘い込まれ、そこで連続キックの帝王無影脚を繰り出すも星を直接破壊したことで生じた爆発によるダメージで足を失い、さらには冷静を欠いたために同様にパンチ攻撃で生じた惑星爆発で腕も失う。口から出現させたブレントロンも倒され、マグマブレードを手にしたビッグコンボイに右目を刺されたことで敗北し、頭部もセイバートロン星から分離してしまう。
ゲル状の姿で頭部から離れた後、ビッグコンボイに寄生し、彼を新たな依代に変えていくがビッグコンボイがマトリクスの力で自爆したことで今度こそ、最期を迎えることになった。
ちなみに『II』第2話でライオコンボイとガルバトロンを古代都市に誘導した声や『メタルス』でジャガーが信仰する神の正体もユニクロンであったと思われ、そうなると今木版ビーストウォーズ全てに携わっていたことになる。
ユニクロン三部作
案の定、生きてました。
『マイクロン伝説』と続編『スーパーリンク』では物語の鍵を握る存在として登場。『ギャラクシーフォース』では劇中未登場だが、それに関わる設定がれている。
マイクロン伝説
ソノ胸ノ錘サエ無ケレバ、オ前ノ本性ハメガトロント何ラ変ワリ無イノダ…
1000万年前から続いていたサイバトロンとデストロンの戦いをセイバートロン星の衛星に擬態し監視、細胞から自らの尖兵となるマイクロン達を生み出し、サイバトロンとデストロンの争いを助長させるように仕向けて生まれる負の感情を吸収し共倒れを狙っていた。
その正体はビークルモードへの変形機構を持たない特異なマイクロン「ミラー」を核とするトランスフォーマーのダブルフェイス。一人称は「私」。自らの頭脳=本体であるダブルフェイスを使い、「ダブルフェイス=ユニクロンの眷属」というミスリードを誘う等しつつ両者を巧みに焚きつけていたが、マイクロンが地球人達との触れ合いで自我と争いを好まない気質を持ってしまい離反、消去して再び支配下に置こうとするも拒絶されて計画は失敗。最期は悪足掻きとばかりにビークルモードで突撃した際にコンボイのアストロブラスターによる一撃で核であるミラーごと破壊されてしまう。これは人間で言う脳死に当たり、全機能が停止した後、何処かへとワープしていった。
なお、前述の異名のひとつ「カオスブリンガー」は本作では胸部に内蔵された主砲の名称とされている。
G1、『ビーストウォーズネオ』と商品化検討の度にボツになっていったユニクロンの玩具も三度目の正直で漸く発売。背丈はフォートレスマキシマスには及ばないものの、トランスフォーマーの玩具の中でも屈指の大きさを誇る一品となった(劇中設定でも全長4万kmを誇るとされている)。後年にもカラーリングや一部パーツの造型を変更して度々発売されている。
スーパーリンク
前作を引き継ぎ、機能停止状態で登場。嘗てユニクロンに捕食された惑星の生き残り「アルファQ」がユニクロンの創造の力を利用して自らの惑星を復活させようとするも、前作でユニクロンに飲み込まれたメガトロンがガルバトロンとして復活し、アルファQが頭部を分離させ逃亡、ガルバトロンは胴体を掌握する。
中盤でアルファQがエネルゴンを吸収して喰われていた星々を再生させるが胴体側が吸収していたエネルゴンと衝突し合った事により宇宙空間に別の宇宙へ通じる裂け目を作り出してしまった。その裂け目に飲み込まれた星々を追って向こう側の宇宙に移ったアルファQはユニクロンの頭部を星々へとエネルゴンを送り込み成長を促す太陽と化して育てる役割を務めていた。一方ガルバトロンはその星々を襲いエネルゴンを強奪し胴体側を再生させた後力づくで頭部を手に入れさせ完全体にするも本能が活性化してき自我が芽生えていったユニクロンに浸食され、ダブルフェイスの後釜と化して自律行動する様になり暴走、デストロン達すら襲い星々を破壊し始める。一人称はガルバトロンと意識が混同しており「儂」。
オメガコンボイとの死闘によってボディを破壊されるが、その精神はガルバトロンの内部に溶け込み
彼を操ろうとする。しかしそれを拒んだ本人がプライマスが作り出したエネルゴンの太陽へと特攻した為に再び野望は潰えた。
実はユニクロンのその実態はトランスフォーマーの負の感情の化身ではないかとされており、トランスフォーマーが存在する限りその種ともいえるものは存在し続けるのだという(前作での「憎しみがある限り自身は倒せない」「自分はマイクロン達自身(自身の細胞というだけでなく彼らがユニクロンと戦うと思っている=争う意思があるため自分の種が芽生えていると解釈できる)」といった発言もそれを示唆している)。そのため単なる力では倒せず、仲間を信じあう心の結びつきで負の感情が覆せることが必要だとも語られている。
また、プライマス曰くユニクロンの兼ね備える破壊と創造の力はどちらが発現するかが問題に過ぎずガルバトロンが道連れに一体化させた太陽はアルファQが再生させた宇宙と星々を育む力となった。
ギャラクシーフォース
グランドブラックホールの発生に関与しており、身体の消滅によって宇宙を漂っていたユニクロンのスパークの一部がファイヤースペースに幽閉されていたマスターメガトロンに吸収されてしまった為に宇宙におけるプライマスとユニクロンの力のバランスが崩れてしまったことが原因とされている。また、海外版『Transformers Cybertron』ではプラネットXとユニクロンとの関係が示唆されている。
トランスフォーマープライム
CV:ジョン・ノーブル/吹:中村秀利
物語の開始当初から既に「ユニクロンの血液の結晶とされるダークエネルゴンが出現し、本人も「ガイアユニクロン」としてストーリーの終盤にその姿を現す。一人称は「儂」。
本作のユニクロンは何と地球の核を成している存在であり、遥か昔に創造神プライマスとその配下である最初の13人のプライム達との戦いに敗れ、放逐されたユニクロンが放つ引力に引き寄せられた岩石が集まって生まれたのがプライム世界における地球なのである。それが地球に並んだ惑星直列の影響で意識が覚醒を果たしてしまった。
要は地球そのものとも言えるユニクロンが覚醒して動き出す事即ち、地球の消滅を意味する。
無論、ユニクロンを倒そうものなら同様に滅んでしまうので、如何にかして再び眠りに付いて貰うしか無いのである。
地球の生命はユニクロンのお陰で誕生した存在をユニクロンが滅ぼすべきではないとオプティマスは説くが当人は眠っている間に勝手に現れていただけと意にも介さず宿敵の力を受け継ぐプライムを抹殺しようとする。一方メガトロンは共に地球を支配しようと持ちかけるがプライムを倒せていない者など手を組む意味など無いと拒まれる。
人類を守りたいオプティマスと、支配するべき地球が破壊されるのが我慢ならないメガトロンとの
利害が一致し、一同はメガトロンの案内の下ガイアユニクロンのコアへと向かう。途中、バルクヘッドが転落しそうになったり、エアラクニッドがメガトロン不在の隙を突いて下克上しようとしたつもりがサウンドウェーブに返り討ちにされるという様な事もあったが、最終的にオプティマスの持つマトリクスの力を照射されて魂が強制的に無力化されガイアユニクロンは再び活動を停止した。
完全に目覚めていない状態でも地球中が災害に晒され火山の活性化でダークエネルゴンが地表に流出しダークエネルゴンを吸収している者を逆に操る、岩石から際限なく自分を模した傀儡を作り出す。プライマスの力を地球のどこにいても感じ取れるといった力を発揮していた(オートボットの基地は反応を遮断できたため体勢を立て直されたが)。
ウォーブレークダウン同様、玩具はアメリカ本国を差し置いて日本と一部のアジア諸国限定(日本を除くアジア地域で限定発売されたボイジャークラスのオプティマスとのカップリング品)で発売。玩具オリジナル形態としてスペースシップ(と言うよりは顔の付いた人面岩)にトランスフォームし、ガイアユニクロンの腕に装着可能なクロー(爪)に変形するモグラ型のアームズマイクロン「ボグ」が付属。更にボイジャークラスのオプティマスプライム・メガトロン双方の玩具と合体できる素敵仕様となっている。
日本版・アジア限定品のパッケージの記述を統合すると、ガイアアーマーはレオプライム(アニメ未登場)が自身のエンシェントソードを用いてユニクロンの残骸から作り出した鎧であり、着用者に絶大な力を与えると言われているが、ダークエネルゴンの闇の力に飲まれない様にする為に精神統一が必要、との事である。
トランスフォーマーユナイテッド
幾多の世界でオートボット(サイバトロン)に倒された為に精神体となって彷徨い、復活の機会を窺っていた。ユナイテッドの世界に辿り着いた彼はそこでその次元のディセプティコン(デストロン)の手を借り、オートボットの宇宙船に憑依、「アークユニクロン」として誕生した。アークユニクロン自体はSF戦車に変形するが、至る所にユニクロンの面影を残している。ロボットモードは下半身が細くなっているものの、不気味さが増した。
尚、海外版と色が若干異なっている。
実写映画
CV:コールマン・ドミンゴ/吹:山路和弘(ビースト覚醒)
第5作目『最後の騎士王』においてその一部とその名が登場した。
本シリーズのユニクロンはプライム版と同様、地球そのものである。
サイバトロン星そのもの接近に呼応して一部が目覚めてしまい、地球の6ヶ所にその角が出現した。角の表出個所こそは表面的には何の共通点も無い様に見えるが、地球の古代のパンゲア大陸へと配置を変更すれば6個所の角の所在地の中心地にストーンヘンジがある。ディセンプティコンとクインテッサが執拗に地球を破壊しようとしているのはユニクロンの殺害こそが真の目的だからである。そして地球のエネルギーを吸収する事で抹殺とサイバトロン星の再生を同時に達成させようとした。
しかしながら『最後の騎士王』の国内興行収入の低迷を受け、ユニクロンとの決着は「無期限延期」となってしまった。
・・・と、思われていたのだが、第7作目の『ビースト覚醒』でまさかの本人が登場。
G1と同じく、宇宙空間に漂っている超巨大トランスフォーマーとなっている。
ビーストコンボイこと、オプティマスプライマルがオプティマス・プライム(コンボイ)と合流した際に「ユニクロンが地球の近くに現れた。このままでは地球が滅んでしまう」と語っていた。
一方ユニクロン本人はデカすぎる為に地球へ赴くことが出来ない自身に代わり、スカージ達テラーコンを派遣、オプティマスことコンボイ抹殺を謀る。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
余談
名前の語呂が語呂なだけに某衣料品店とかけられやすい。実際、ユニクロンではないがTFとのコラボレーションもあっただけにますますネタにされ易くなった。『トランスフォーマープライム』では日本語吹き替え版でエアラクニッドが「洋服屋さん?」とこのネタで反応した他、原語版ではユニコーンと間違えられる場面がある(余談だが、日本語版で該当キャラの吹き替えを担当した茶風林氏は、前述の評議会長老の1人役で出演していた)。