山路和弘
やまじかずひろ
主に俳優として活躍し、映画やドラマ、舞台、ミュージカルなどにも多数出演。声優としても数多くの洋画の吹き替えで主役級の役を担当している大御所。
近年ではアニメの出演も多くなっている俳優、声優、どちらも本職として成功している数少ない役者の一人でありレジェンドである。
非常に渋く、刃物のような鋭い声質が特徴的であり、舞台、ミュージカル演技で菊田一夫演劇賞、毎日芸術賞を受賞するなど俳優業界にも大きく貢献し、声優業界でも声優アワードを受賞しており、両方の業界で高い評価を受けている。
その活躍する幅の広さから業界内でも彼を慕う者も多く、俳優の船越英一郎、吉田鋼太郎、滝藤賢一などから好きな人物として名前を挙げられ、声優としても神谷浩史や関智一、木村良平、平田広明、津田健次郎、朴璐美などから尊敬する人物として名前を挙げられており、彼を目標とする者も非常に多い。
特に関智一からは「山路さんは演技をしているときに呼吸が止まらない。呼吸を止めないで演技をするっていうのは高度な技。息をするようにお芝居されている。あの域に行きたい。」と絶賛されている。
津田健次郎からは山路に対して「外画(海外作品)の現場で共演した際に、山路さんがフワッと入ってこられたんですよ。その時、山路さんは髪が長い時期で、髪の毛をくるくるってやって、鉛筆でかんざしにしたんです。『なにそれ!? かっこいい!」って思いました。」、「白髪まじりの長髪をくるくる、シュッてやって、台本持ってフワって。『エロッ……』って思ったんです。色気のダダ漏れ。めっちゃかっこいい。それがファーストコンタクトですよ。衝撃でした」と尊敬の念を込めて山路の持つ色気を評した。
同年代の声優の井上和彦、大塚芳忠とは深い絆で結ばれた親友である。
2020年1月22日に声優の朴璐美との結婚を、彼女の誕生日に発表した。
ちなみに朴は結婚する前から山路とは映画の吹き替えやアニメ、舞台などで共演しており、山路を非常に好いている。
結婚後も山路は、朴によく自身の特技である手料理を振る舞うなど仲睦まじい関係でいる。
演じる役の傾向としては俳優・声優問わず悪役が多い。
しかも普通の悪役のみならず、ダークヒーロー、どこか怪しい魅力のある悪役、悪人ではないが言い方が辛辣でイヤミっぽいキャラなど、クセの強い役もよく演じている。
近年では壮絶な過去をもつ哀しき悪役も多い。
また悪役以外でも子供思いの優しい父親や色気を持つ女形、ミュージカルで優れた歌唱力やトランペット、日本舞踊を披露するなど演技の幅がかなり広い正真正銘の実力者である。
その演技力は、音楽朗読劇「VOICARION」などで知られる劇作家、演出家の藤沢文翁から『山路さんは国宝みたいな芝居をする人。芝居の幅がある人を「芝居の引き出しがある」って表現することはありますが、あれはiCloud...。容量が半端ない。声優や役者を志す人は、彼の芝居を見て欲しい。芸事の答えは全てあの背中にある。』と評されるほど。
ちなみに山路は、悪役を演じるのが大好きであり、演じる時について「悪役として出てきただけで観客の嫌がる匂い、空気を感じたときが自分たち役者としてはそれがたまらない蜜の味になり、悪役には観客がどこまで嫌がってくれるだろうかと追求する楽しさがある。」と語っている。
しかしその反面、山路自身は非常に謙虚かつ誠実な人柄でありストイック。
後輩などの同業者からどれだけ褒め称えられても自分自身の演技を賞賛することは決してない。
役者という仕事についてからは一生勉強する身だという真面目なモットーを持っている。
そしてその努力する姿を決して人に見せず、笑顔を絶やさない。
このような常に腰が低い山路だからこそ、彼を尊敬する者も多い理由だろう。
吹き替えではアクション俳優のジェイソン・ステイサムをデビュー作以降ほぼ専属で担当している。これはステイサムと山路の地声が良く似ている事も影響しており、山路は「特に何も考えなくてもステイサムの吹き替えはやりやすい」「ステイサムが一番自分に近い声ですし、作ることなく、感情の動きにあわせて自然に演じることができる俳優なんです」と語っている。
また『X-MEN』シリーズのウルヴァリンや『スパイダーマン』のグリーンゴブリン、『キャプテンアメリカ』のレッドスカル、『ウォッチメン』のロールシャッハなどアメコミ作品が原作になっている映画への吹き替えの出演がかなり多い。
先輩にあたる安原義人とも声質がよく似ていることでも知られているが、この点に関しては本人も認めており、「ふきかえゴールデンエイジ」における座談会では、とある映画の吹き替えを自分が担当した作品だと思い込み「あれ?俺こんな仕事したっけなぁ…」としばらく鑑賞したところ、その役が高い声を出した瞬間「あ、これは俺じゃなかった!やっさん(安原の愛称)だ!」とようやく勘違いに気付いたというのだから相当である。
またゲーム好きでもあり、『ゼルダの伝説』シリーズの大ファン。
『ドキドキ!プリキュア』のベールや『ウィッチャー3 ワイルドハント』のゲラルト、[Fate/GrandOrder』の柳生但馬守宗矩、『SPY×FAMILY』のヘンリー・ヘンダーソンなど自身の外見の特徴である白髪でオールバックの髭の生えたダンディな容姿とそっくりなキャラを演じる事も多い。
『仮面ライダー剣』(2004年)の烏丸啓、『ドキドキ!プリキュア』(2013年)のベール、『魔進戦隊キラメイジャー』(2020年)のヨドン皇帝で、いわゆるニチアサキッズタイムの全時間帯に出演した。いずれも劇中組織の上位にある役柄である。
『進撃の巨人』で演じたケニー・アッカーマンは、総監督であった荒木哲郎を含む全てのスタッフの満場一致での起用だった。
また彼の甥であり弟子にもあたるリヴァイは、原作者の諫山創によると2009年に公開されたアメコミ映画『ウォッチメン』にて山路が吹き替えを担当し登場したキャラクター、ロールシャッハがモデルであり、いずれも山路に関連したキャスティングとなっている。
ちなみに山路の妻の朴はハンジ・ゾエを担当しており、2人とも進撃と深い関わりを持つ夫婦である。
『ONE PIECE』ではセニョール・ピンクと『ONEPIECE FILM GOLD』にてギルド・テゾーロを演じており、元天竜人出身の海賊が率いる海賊団の幹部と天竜人によって悲劇を味わい歪んでしまった男を演じた。
そして数年後に本編にて魚人族を庇った同胞を処刑した神の騎士団の最高司令官を務める天竜人であるフィガーランド・ガーリング聖を演じ、全て天竜人と深い因果を持つキャラクターを担当している。
アニメ(OVA・映画含む)
イラスト未確認
じいさん@刻刻
ジョセフ@ユニコーンオーバーロード
城村先生@愚かな天使は悪魔と踊る
魔剣を狙う男@魔女と野獣
平松武兵衛@明治撃剣-1874-
注釈
※1 初代は小山武宏。
※2 当初はゲーム版の声優藤原啓治氏が当時病気療養中だったための代役であったが、彼の死後正式な2代目を務めることとなった。
※3「邂逅」編では石塚運昇氏が務めていたが、石塚氏死去に伴い後任を務めている。
ゲーム
イラスト未確認
ベンジャミン・ブンブーン@ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブン
ラウル・サンチェス@FarCry6
山路と璐美のROROねこチャンネル(朴と共同のYouTubeチャンネル)