概要
前作であるストリートファイターⅣ (以下SF) と同様、カプコン、ディンプスの共同開発。
媒体となるゲーム機種はPlayStation4とWindowsのみとなる。
これは前作において、ハードごとにコミュニティが分断されていたため、大会を開くときのデメリットとなったことからとされる。
また、本作ではSF ZEROシリーズでキャラクターデザインを行ったBENGUS氏が、ストーリーデモにおいて久しぶりにデザインを担当しており、ソフトの限定版BOXの表紙アートも手掛けている。
第一報の時点では、いわゆる "洋ゲー的なリアルなグラフィック" に抵抗を示す声が一定数あがり、現在でも拒否感を示す者が多数いる。
2020年をもって最終シーズンとなり、プレイアブルキャラクターは46人となる。
ゲームシステム
操作は従来と同じ8方向レバーと6ボタン (弱・中・強のパンチ、キック) 。
SFIIへの原点回帰を目指しつつ、前作であるSFⅣシリーズと同様に幅広いプレイヤー層が楽しめるよう開発された。
また、スタッフの一人にギルティギアの強豪プレイヤーであるヲシゲ (参考: 格ゲープレイヤーWiki) が起用されていることもあってか、多くのキャラクターが従来作品にはなかった個性的な新技を備え、デザインにも大きな調整が加えられている (例: 放物線を描いて放たれるヨガファイア、白髪になったベガなど) 。
EXゲージ
画面の最下段にある、3分割された青白いゲージ。SFⅢ、及びSFⅣシリーズと同様のシステムであり、1本消費することで必殺技の強化版であるEX必殺技を発動でき、3本全て消費することでより強力なクリティカルアーツが使用可能になる。
Vゲージ
EXゲージの上にある赤いゲージ。キャラクターによって2本または3本とゲージの本数が異なる。本作固有のシステムであり、様々な用途が存在する。
Vスキル
中P+中Kで発動するキャラクターごとの特殊技。成功するとVゲージが溜まる。
Vリバーサル
被ガード中にレバー前+PPP or KKKで反撃を行う防御技。Vゲージを1本消費する。SF ZEROシリーズのZEROカウンターに相当する。
Vトリガー
強P+強Kで発動。Vゲージを全て消費することで、キャラクターごとに固有の特殊効果が発動する。一定時間効果が持続するものが多いが、ナッシュのソニックムーブのように一瞬で効果が終わる物もある。
Vシフト
中K+強Pで発動できる、当身判定付きのバックステップ。Vゲージを1本使用するが、当身が成立すると0.5ゲージ回収できる。Vシフト成立時は攻撃が出来る他、ボタンをホールドしているとそのまま相手を大きく後退させるVシフトアタックに派生出来る。
登場キャラクター
既存キャラクター
- リュウ(CV:高橋広樹)
- ケン(CV:岸祐二)
- 春麗(CV:折笠富美子)
- ベガ(CV:若本規夫)
- バルログ(CV:諏訪部順一)
- ナッシュ(CV:鳥海浩輔)
- ダルシム(CV:江川大輔)
- ザンギエフ(CV:三宅健太)
- 神月かりん(CV:遠藤綾)
- キャミィ(CV:沢城みゆき)
- レインボー・ミカ(CV:五十嵐裕美)
- バーディー(CV:宇垣秀成)
新キャラクター
追加キャラクター(season 1)
- アレックス(CV:浅沼晋太郎)…2016年3月配信
- ガイル(CV:安元洋貴)…2016年4月配信
- いぶき(CV:藤村歩*1)2016年7月配信(バイソンとゼネラルストーリーと同時配信)
- マイク・バイソン(CV:鶴岡聡)2016年7月配信(いぶきとゼネラルストーリーと同時配信)
- ハン・ジュリ(CV:喜多村英梨)2016年9月配信(先行にてゼネラルストーリーで使用可能)
- ユリアン(CV:加藤将之)先行にてゼネラルストーリーで使用可能)
追加キャラクター(season 2)
- 豪鬼(CV:武虎)2016年12月配信
- コーリン(CV:朴璐美)2017年3月配信
- エド(CV:吉野裕行)2017年5月配信
- アビゲイル(CV:竹内良太)2017年7月配信
- メナト(CV:悠木碧)2017年8月配信
- 是空(CV:飛田展男)2017年10月配信
追加キャラクター(season 3)
- さくら(CV:福圓美里)2018年1月配信
- ブランカ(CV:うえだゆうじ)2018年2月配信
- ファルケ(CV:上坂すみれ)2018年4月配信
- コーディー(CV:岸尾だいすけ)2018年6月配信
- G(CV:山路和弘)2018年8月配信
- サガット(CV:遠藤大輔)2018年8月配信
追加キャラクター(season 4)
- 影ナル者(CV:高橋広樹)2018年12月配信
- エドモンド本田(CV:永野善一)2019年8月配信
- ルシア(CV:立花理香)2019年8月配信
- ポイズン(CV:田中敦子)2019年8月配信
- ギル(CV:立木文彦)2019年12月配信
- セス(CV:大塚明夫)2020年2月配信
追加キャラクター(season Ⅴ)
- 火引弾(CV:楠田敏之)2021年2月配信
- ローズ(CV:渡辺明乃)2021年4月配信
- オロ(CV:松山鷹志)2021年8月配信
- 風間あきら(CV:関根明良)2021年8月配信
- ルーク(CV:前野智昭)2021年11月配信
- イレヴンシーズン5パスのボーナスキャラクター
*1風間あきらのストーリーモードのドラマパートのみ植田佳奈が担当。
表記のゆれ
5を変換した際に出るローマ数字のⅤを使用したストリートファイターⅤのタグがあるが、この記事は便宜上アルファベットの半角大文字のV(ブイ)を利用したストリートファイターVのタグである。
5のⅤを利用したストリートファイターⅤのタグの記事はこちら→ストリートファイターⅤ
評価
発売当初はネットワーク回りが完全に機能しておらず、「地球エディション」と揶揄される(マッチ待機画面の背景が地球でそれを延々と眺めることになるから)こともあった。
またゲームとして遊べる要素が乏しく、ストーリーモードは紙芝居で3戦で終了、アーケードモードはストーリーやドラマパートなしのCPU戦と前述のネットワーク事情もあって発売当初は「オフ対戦が出来なければまともに遊ぶことすら出来ない」「もんじゃ」(※)と評されていた。
ネットワーク環境はその後も問題を抱え、シーズン4の終盤でようやく安定したが、それまではラグや処理落ち問題が多くあり、ネットワーク環境問題が解決した後もP2P接続ではなくサーバー経由接続になるとラグが発生していた。サーバー経由になるか否かは運ゲーであり、大会でもサーバー経由となったため再戦となるケースがあった。
更にプラットフォームの格差も問題となり、当初はPS4が主流だったがコロナ禍以降はPC版が主流となり、PS4版とPC版では入力ラグに4F差がある上にオンライン対戦は『処理が遅いほうに合わせる』というシステムになっていたためPS4版とPC版でクロスプレイをすると酷いラグに悩まされることになる。
入力ラグの問題もありPC版とPS4版では出来ることの差が大きく、またグラフィック性能の都合上PS4版では使えないステージ(よりにもよってデフォルトのニュージーランドステージ)も存在した。
家庭用が最初にリリースされ、その後アーケード版がリリースされたがアーケード版はPS4版よりもさらにラグが酷く、また出てすぐにコロナ禍が起きたためあまり評価はされなかった。
過去作と比較するとゲームスピードが非常に遅く、99秒使い切るのが定石のひとつであるほど。
また、試合間の演出とロードも長く2先で大体10分程度かかっていた。
更に、Vトリガーが強力なキャラとの戦いは「Vトリガーを発動される前に倒さないと一気に逆転されて負ける」ということも少なくなく、「攻めたほうが不利になる」「前半戦は茶番」とトッププロでも問題視したほど。
入力デバイスの格差が顕著になった作品でもあり、レバーレスコントローラーの優位性がことのほか高い作品となった。
グラフィックに関しても賛否があり、元々カプコンUSAが主導で作ったということもあり『洋ゲーライクなグラフィック』や『モーションキャプチャーで作られたリアルな動き』を評価する声もある一方で動きに爽快感やスピード感が無い、グラフィックがダサいといった声も少なくなかった。
ネットワーク回りの安定後も賛否が分かれたが、(それまでの格ゲーに比べれば)良好な対戦バランス、競技シーンの盛り上がりもあって一定の評価は受けた。
しかし、テンポの悪さ、試合時間の長さ、攻めたほうが不利になると言った問題は解決されないままだった。
続編のストリートファイター6では長期間の開発期間を取り完成度を高め、Ⅴで浮上した問題の解消し、更に1ボタン必殺技が可能なモダンモードの搭載や格ゲーの導入兼ストーリーモードに該当するワールドツアーモード、アーケードモードのドラマパートの復活、古いタイトルで遊べるオマケ要素といったライト層向けの機能を充実させた他、ネットワーク回りに力を入れたためこの項目であげた問題の多くが解消されていた。
※:もんじゃ焼きに例えて整っていない、未完成という意味合いとのこと。