概要
修行により会得した『手足が伸びる』・『火を噴く』・『空中で錐揉み回転』・『テレポート』などの人間離れした技を用いる。
その驚異的なリーチ故に特に初期のシリーズでかなりの強さを誇り、全国の小学生たちにヨガというものを勘違いさせた元凶でもある。
因みに現実のみならず春麗も若干ヨガを誤解し(まぁ目の前で『ヨガ』と称して腕伸ばされたらわからんでもないが……)、ユンからは「誰かに改造された覚えはないか?」と言われたり、ルーファスや『ストリートファイター×鉄拳』に登場したリリやポール・フェニックスからは宇宙人と勘違いされている。
ちなみに彼の炎の力はインド神話に登場する炎の神アグニの力らしい。
ガイルとは一見無関係だが、両者の子供同士がペンフレンドであるので関係はなくはない。
カレー好きという設定から2012年にCoCo壱番屋とコラボレーション企画を行ったこともあり、キャンペーン企画中にスピードくじを引いて当たりが出るとダルシムのイラストがデザインされた特製スプーンも景品として配られた。
シリーズを通して伸びる手足を生かした牽制・迎撃能力が高い反面、移動が遅い・ジャンプが緩い(滞空時間が長い)為に迎撃され易いと言った欠点を持つ。
その為プレイヤーには相手の心理を読み、先手を取って的確に行動を潰して封殺する立ち回りが求められる。
一言で言うなら、『リーチが長いが機動力が低い』キャラのテンプレートとも言うべき存在。格闘ゲーム界隈において、「ダルシム系」といえば何となくその特徴がわかるほどの第一人者となっている。
ストリートファイターシリーズ……というかカプコン作品の中でも屈指の人格者であり、Ⅴや6のストーリーでは若者を教え導いたり、外部出演の際には地球外生命体にも平然とカレーを振る舞ったりとまさに仙人のようなキャラクターだった。
Ⅴ以降は白い髭を生やしたため一気に老けたように見えるが、ダルシムの落ち着いた物腰はむしろようやく容姿が相応のものになった、とも取れる。
pixivでは、本キャラクターとは直接関係のない作品でも手足が伸びたり火を噴く画像だと「ダルシム」タグが用いられることがある。
プロフィール
生年月日 | 1952年11月22日 |
---|---|
出身地 | インド |
身長 | 176cm(ある程度自由に変えられる) |
体重 | 48kg(ある程度自由に変えられる) |
血液型 | O型 |
3サイズ | B107・W46・H65 |
好きなもの | カレー・瞑想 |
嫌いなもの | 甘いもの・肉類 |
特技 | 説教・無我・読心術 |
ファイティングスタイル | ヨガの奥義 |
声優 | 山田義晴(ZERO2、カプエス、他)、 江川大輔(ストIV、ストクロ、ストV、スト6)、岸野幸正(アニメ映画『II MOVIE』) |
キャッチコピー
孤高のヨガ戦士(スパ2)
ヨガの炎の導くままに…!(『XVS』)
ヨーガの奇跡リーチ無限(ZERO)
ヨガ・マスター(MVC)
ヨーガの奇跡(CVS)
懷深き行者(IV)
など。
ストーリー
ストII
本人は暴力に対して否定的な平和主義者である。本人と妻はヨガの奥義「空腹を忘れる方法」によって食事を必要としないが、会得していない幼い息子の食費を稼ぐためにストリートファイトを始めた。
ストZERO
村が流行り病に襲われ、治療費を調達する必要性が生じてやむなくストリートファイトという手段を選択した。
より聖者としての側面が強化され、負の波動を感じ悪の根元であるベガと対峙する。
ストIV
闘いによって他者を傷つけることに迷いつつも、家族の住む村を救う為に再び炎の技をふるうことに。
塞き止められた川の水を取り戻すためと、シャドルー復活を察知し戦いに赴く。
ストV
結構な有名人らしく、ヨガの力を知りたいという理由で色んな人から戦いを挑まれる。
闘いについて「拳を交える事で見える答えもある」という考えを持つようになり、
挑戦者に対しても拳を交えた後はその人にアドバイスをする程に理解を示すようになった。
「一人で修行するのではなく、大勢の人達と共に高みを目指していく」という「調和」を大切にする思想を持つようになり、上記の格闘家とのやりとりのほか、「自分の村を守るためにヨガの力を身に着けたい」という若者に教えを説きながら修行をつけてあげるシーンも見られる。(ちなみにその若者は火の神アグニの力を借りて僅かながら火が吹けるようになった)
Ⅳのルーファスとの対戦前のやりとりと、Ⅴの描写から、修行を兼ねて普段からヨガテレポートの姿勢(座禅を組んだ姿勢)で浮きながら移動している事が明らかになった。
スト6
ワールドツアーでは特定条件を満たすと行けるようになるインドの寺院で瞑想をしている。
主人公がゾウの鼻に足を引っ掛けてしまい、興奮するゾウに踏み潰されそうになると、ヨガテレポートで一瞬で間に割って入り指一本でゾウの足を止めた後、すかさず手を伸ばしてゾウの頭を撫でてなだめるという離れ業を披露している。
その後話しかけると主人公の弟子入りを快く認めてくれる。
ムービーでは瞑想しながら常人では不可能な姿勢を取ったり浮遊するも、真似をして転んでしまった主人公に「焦らずとも良い」と優しく声をかけてくれる。
家族
既婚者で一児の父。
17歳で結婚したお嫁さんのサリーは、ダルシムの一挙一動を我が身のように反応する(ZERO2)。
息子が成長した今は多分23~24歳だろうか。超若い。
お嫁さんもヨガの修行をしており、ダルシムと同じくヨガの奇跡が使えるらしい。
だからなのか、この奥様、 地球外生命体を目の前にしても平然としている(Marvel VS Street FighterのダルシムED)。
息子ダッタは、ガイルの娘(クリス)とペンフレンドである。
この縁からか、『6』ではガイルから「インドでヨガの修行を体験したことがある」という話を聞くことができ、お互いに面識があることがうかがえる。
ダルシムのステージ
ダルシムのステージはインドで背景に象の神の絵が飾られたどこかの屋内で象が左右にいる。ZERO2では屋外で夕日に照らされた巨大な銅像がある場所で、どちらにおいて必ず象がいるのが特徴である。
ダルシムステージで有名なのは象の鳴き声がアーケード版ストⅡシリーズでは一貫してバトル中ずっと聞こえてくる(スーファミ版ストⅡでは鳴き声がない、ターボでは勝利した時のみ、スパⅡではアーケードと同様常に鳴き声が聞こえてくる)。そのため一部地域でゲームセンターの隣に住む住人から「隣から象の鳴き声がする」と通報があるという事案が発生したとか。
キャラクターデザイン
容貌は赤褐色の肌に、頭髪・眉毛など全て剃毛している。
頭頂部には3本の赤い刺青線、眼球の下から頬にかけて左右ともに2本線計4本の赤い刺青がある。
基本的に白目で、耳に大きな環状のピアスをつけている。
衣服は黄色の膝丈より短いズボンを荒縄で縛っている。
ドクロの首飾りを付けているが、考察本『ストII 波動拳の謎』や漫画『ストリートファイターII-RYU』では貧困で死んでいった子供のものではないかとされている。ただし公式には何とも言われていないので詳細は不明。
腕には黄色い布で覆い、金属の輪を嵌めている。脛も同じく布で覆い裸足である。
小物として手には皮革の手甲を嵌め、首に大きな数珠をかけている。
ちなみに『ストリートファイターII'』以降は黒目が描かれなくなり、非人間らしさが強調されるようになった。
ちなみに白目を剥いているのはヨガの力によるもので、視線から対戦相手に挙動を悟られないようにするため。本来はちゃんと黒目もある。
その風体もあってか、『IV』では対戦相手のルーファスから宇宙人呼ばわりされており、「私は宇宙人ではない!」と怒鳴り返している。
しかし、外見だけでなく、手足が伸びたり、火を吹いたり、空中で浮いたり、テレポートしたりなどすれば、常人から見れば宇宙人と見なされても無理も無いとも言える。
『V』では、ターバンに髭とデザインに大幅な変更(一応、ターバンは他作のエンディングでしてたけど)。
インドでターバンを巻くのはシク教徒の人々である。その為ダルシムがターバンを巻くのはステレオタイプなインド人としてのイメージなのかシク教徒かは定かではない。
『6』では、長くて白い髭はそのままに、ターバンが削除され、全身に赤い模様が増え、額に白いビンディーが付いた。
さらに、腰の縄と手足の輪が大きくなり、布が長くなった他、ドクロの代わりに説法印の様な手を2つ合わせてハート型にした金色の首飾りを付けている。
Outfit3では髭を三つ編みにして、帽子をかぶり様々な装飾品や今までのダルシムからは考えられない派手な色の服装をしているが、デザインチームによると寄贈された手作りの品を大事に着ているイメージとのこと。
人間離れした技
ズームパンチ
ヨガの修行により、手足の関節を自由に外すことができる。
飛んできた相手に手足を伸ばして迎撃という遠距離で立ち回るスタイルが主流。
実は某有名漫画雑誌にて連載していた、大ヒットアドベンチャー漫画にて、(現在インドが保護している)チベットを発祥とする同名の技があり、こちらが元ネタではないかと噂されている。あるいは同誌の日本男児漫画でも四肢を伸ばす体術を身に着けたインド人が登場する。
ヨガファイヤー 、ヨガフレイム
厳しい修行と信仰心によって火神アグニの力を借りた幻の炎を操ることができる。
ヨガファイヤーは、口から小さな火の玉を吐き、前方に飛ばす飛び道具。
ヨガフレイムは、口から大きな炎を吐き、一定時間目の前に放射する。
他にもヨガインフェルノ等の上位版の技があるが、そのどれもが「火神アグニの力を借りて火を噴く」という動作は一貫している。
ヨガテレポート
画面中の別の場所に瞬間移動する技で、コマンド操作により出現位置を任意に変えることが可能。
相手を翻弄することができ、『ZERO2』以降は空中でも使用可能になった。
余談
ダルシムの名称の由来はインド・パキスタンに居た格闘家のダルシーマ。開発時の名前はインド。一説にはカプコン本社の近くにあったカレー屋「ダル」(現在は大阪市中央区徳井町にあり名称も移転に伴い改名)から取られたという説もあるがあくまでも憶測の域を出ない。また大阪市北区曾根崎新地にも同名の店があるが前者と特に関連はない。なおダルカレーというグルメが実在する。それはレンズ豆を使った煮込みカレーで非常に甘口な風味である。
好きなものがカレー、嫌いなものが甘いものとなっているが、『6』のワールドツアーで「甘いカレー」をプレゼントした時の反応を見る限り甘口のカレーは苦手の様子。
関連イラスト
関連タグ
サガット(『ストリートファイター×鉄拳』でタッグを組んでいる)
WiiFitトレーナー:スマブラではヨガを駆使して相手と戦う。
有野晋哉:ダルシム使い。
モンキー・D・ルフィ:同じく手足が伸びるキャラだが、手足以外にもありとあらゆる部分が伸びる。
仮面ライダーパラドクス:初登場回にてパズルゲーマーが足を伸ばすライダーキックを披露した。
河内恭介:焼きたて!!ジャぱんの登場人物。作品終盤である理由からダルシムに変身するハメになった。
関連動画
ストリートファイターV・ダルシムのテーマ
ストリートファイタートリビュートアルバム収録アレンジバージョン
アレンジしたのは元曲の作者下村陽子氏。