概要
CV:阪口周平
東和馬と同じパンタジア本店採用試験を受けた青年である。「なんやて!?」が口癖。
自らの稼ぎで弟や妹を養っている。努力家で熱血漢であるが、努力はなかなか報われないといういじられキャラである。
直感はあるものの、パン職人としての発想では和馬、技術では諏訪原、知識で冠と、専門的な得意分野は無く、良く言えばそつなく纏まっている、悪く言えば特化した物はない。
それ以上に問題的なのは、脇が甘く本人が追い詰められた状況でないとやらない気質により、どうしてもやれば出来るけど安定性に欠いているという印象が拭えず、この為か、物語の後半期には主人公の東にさえ軽視される様になってしまった。
ただし、黒柳亮や冠茂、諏訪原戒、シャチホコ等、彼が決して実力の低い職人では無いと評価している者も少なからず存在している。また、東の様にパンだけに拘らない多方面の料理に関する技術や知識も豊富に持ち合わせている為、焼きそばパンやサンドイッチといった惣菜パンの制作に関しても高い技術力を発揮する事が多い。
お調子者な上に強敵相手に怖気付く臆病者である等、俗な性格であるものの、良心が無い訳では無く、卑怯な手段に走ろうとした自分の行いを後悔したり、仲間の受けた仕打ちに怒りを見せる等、人間味のある人物と言える。また、和馬や諏訪原と違いプライドより実利を優先する考えが出来る為か、極端とも言える専門馬鹿、世間知らず、融通の利かない石頭が多過ぎる本作の中では話が通じる方である。
父親河内恭太郎もパン職人であり、パンタジアの本店採用試験を毎年受けて落選を繰り返していたのだが、絶対に逃げ出さなかった父の姿に憧れを持っていた。
しかし河内が子供の頃、父親の不注意により自宅のパン工房からの出火によって父親は焼死してしまい、以降は母の実家で弟や妹の世話をしながら、細々と暮らしてきた。
だが、それでも父親への憧れは捨てておらずパンについての勉強を必死に重ね、父の遺志を継ぐべくパン職人として上京することになる。
劇中において他のパン職人達に比べると才能面で劣るが、本人も自覚しており、その差を少しでも埋める為に人為的な「太陽の手」と言える「太陽の手甲(ガントレット)」を取得したり、パン以外の料理やそれ以外の方面に関する知識も活用する形で打開策を見出す等、やがて天才達と同じ世界で渡り合える職人へと成長していく。
更に終盤期では、マイスター霧崎直々の特別指導によって、指先の感覚を高める特訓も1週間でこなしパン職人として更なる進化も果たしている為、飲み込みも非常に早く、「天才」ではなくても決して「無能」ではなかった。終盤で絶望的な強敵相手に降伏しようとしたが、目的は自分を犠牲にしてでも仲間を守る為であり、臆病なのは変わらなかったが、保身よりも仲間を優先出来る程度には精神的にも成長している。
劇中の様相
パンタジアの採用試験にて当初は汚い手段を使ってでも合格するつもりでいたが、利用していたはずの和馬の純粋な性格に触れ、また彼が自分のために試験を辞退したことを知るに至り、自分の行動を深く悔やんで、採用が決まった後に辞退した。
その後和馬と共にパンタジア南東京支店に勤務する事になる。
その後は共に新人戦上位となった和馬、諏訪原の二人と共にモナコカップの日本代表として出場するも、パンタジアを救う為とはいえ冠の策略で大会前に汚れ役をやらされる羽目になる。
また、自分よりも圧倒的な実力を持ったパン職人である東や諏訪原の実力をあてにする他力本願な傾向も目立つ様になっており、遂には試合放棄も同然の選択に出ようとしてしまうが、冠からは自らの「志の低さ」を批判された上で、例え才能や実力に恵まれていなくても夢を掴もうと必死に努力し続けて命を落とした父・恭太郎の方が人間として立派である事を指摘され、後悔する事になる。
この結果、一念発起した事で東や諏訪原にも引けを取らない発想によって生み出した革命を起こす食パンである「ビクトリー」の制作に成功。黒柳や審査員のピエロ・ボルネーゼですらも「河内の圧倒的優位」と評価する程の形でシャチホコに勝利し、日本チームを決勝戦の最終試合にまで進む貢献を行った。
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焼きたて!!ジャぱん パンタジア 東和馬 パン職人 パン もう一人の主人公
ピアーズ・ニヴァンス…演者である阪口氏が日本語音声を担当したキャラクターであり、師匠のクリスを松代役の東地宏樹氏が担当したという繋がり。
ネタバレ御免!?
原作漫画において、『パンタジアVSサンピエール編』では、東、冠の二人と共にパンタジア側の代表の一人として霧崎雄一が企画した対決番組である『焼きたて25(アニメ版では焼きたて9)』に出演するが、この頃よりまたしても他力本願な傾向が目立つ事になる。
ただし、これは一概に河内だけに問題があるとはいえず、彼を本気で見捨てる様になった東が、自身の制作するパンの作業工程の意図等についてロクに河内に話そうともしないまま、試合開始前に彼を作業場から追い出す行動しか出ていないのも原因である。
また、この頃になると、東の制作するパンは「模倣どころか理解さえ出来ないまでの境地」になってしまっており、同等レベルの才能を持った冠で無ければアシスタントも出来ない等、もはやそこそこ才能に恵まれているレベルの河内では、ついていけない物となっていた。
物語が終盤へと進んでいくにつれ、より展開がおかしな方向へと前進。黒柳亮に負けず劣らず数々のリアクションをこなして遂に自らもパンを食べることで変化自在の体となった。
そんな中、ある諸事情から一度和馬と真剣勝負する事になり、マイスター直々の指導を受ける事でパン職人としての能力を更に大きく向上させる事に成功…するのだが、和馬が審査員を昆虫に変えてしまい結果、パンが食べられないから河内のパンは審査どころか試食さえもされずに不戦敗という、未だかつて無い酷い仕打ちを受ける結果で終わってしまう。この為、河内の作ったパンがどういう物だったかさえ、分からずじまいとなった。
サンピエールのオーナー霧崎が自ら生み出したエゴの化身と闘う事となり勝利を果たしたものの最期の試練が待ち構えていた。
南の島のいたいけな少女からの依頼で(地球温暖化による)世界各地の沈没を止めるため東の作ったジャパンを食し神の姿となり世界の危機を救った。
ただし、その功績を評価されたのはジャぱんを作った東だけで、そして最後、彼はパン職人をやめて別世界へと活躍の場を移す事になった…どういうことなの?
これはもう作者が病気状態とも言え、何だかんだで色々と頑張ったにも拘らず、最終的に河内は、主人公の東どころか原作者にさえもパン職人としての価値を完全否定されてしまった(河内の人生や設定さえも蔑ろにされる形で)という悲惨な末路を迎えたと言える…。
ネタバレの関連タグ
ダルシム…河内の末路。原作者の橋口たかしが過去にストリートファイターⅡの4コマ漫画を描いていた事も少なからず関係していると言える。