サンドイッチ
さんどいっち
肉や野菜をパンで挟んだイングランド(イギリス)発祥の料理。サンドウィッチとも呼ぶ。
作るにも食べるにも手軽なことから、パーティーやピクニックといったイベントによく出される、洋風軽食の代表格。コンビニエンスストアではおにぎりと並び定番商品となっている。
かさばらない具材がポピュラーで、肉類にカツやハム、野菜はレタスや薄切りトマト、このほかタマゴサラダやツナマヨなど。使用するパンは一般的には食パンだが、たまにクロワッサンやフランスパン(バゲット)を用いる。水気でパンがふやけないよう、具材に接する面にバターやマーガリン、マヨネーズなどの油分を塗っておく事も多い。
親戚のようなメニューとして、ハンバーガーやホットドッグがあげられるが、実際にこれらのパン料理は「サンドイッチ類」として分類される。日本の総菜パンである焼きそばパンなども、この分類に含まれる場合がある。
惣菜パンとして扱われる事が多い、サンドイッチだが、スイーツサンドイッチも存在する。
例えば日本では、フルーツとホイップクリームを挟んだ「フルーツサンド」がある。日本のコンビニで初めてこの一品に出くわしてショックを受けた、という外国人は少なくない。
欧米ではサンドイッチはあくまで「食事」であるため、ケーキスポンジではなく食パンにクリームとフルーツの組み合わせが、非常に奇異なものに感じられるようである。彼らの中には「勇気を出して食べてみたら、めっちゃウマくて病みつきになった」という愛好家が結構いる一方、「気持ち悪くてそもそも食べる気が起きない」という否定派も多い。
他に、イタリアのマリトッツォが有名。ベトナムのバインミーでも、ブリオッシュにジェラートやチョコレートを挟んだものが存在する。
サンド(砂)とウィッチ(魔女)以外はなんでも挟んで食べられるからサンドウィッチ……というわけではない。
もちろん砂の魔女とも関係ない。
イングランドのサンドイッチという貴族が考案した……という逸話が有名だが、正確には人名ではなく、地方の領主「第4代サンドイッチ伯」に由来し、本人の名前はジョン・モンタギュー伯爵。彼は貴族にしてイングランド海軍大臣であり、仕事や趣味のトランプをしていても片手間で食べられるように作らせていた、という説がある。
さらにサンドイッチ伯という名前もイギリスのサンドウィッチ (イングランド)という地名が元で、さらなる語源は入り江や河口付近にある砂の多い地という意味である。
そもそもの話、パンに具を挟んで食べるという行為自体は古代エジプトでパンが生まれた当時から既に行われており、料理として大きく広まったのがサンドイッチ伯によるものというだけである。
島国ゆえに海軍力を重視するイングランドにおいて海軍大臣の職を任されていたサンドイッチ伯が、激務の合間の食事としてこれを摂っていたのを他の者も真似し始めたと言う説や、彼の政敵が彼を「貴族のくせに夕飯を茶菓子で済ませる無粋な奴だ!」と風評操作を行おうとした結果など様々な説がある。
サンドイッチにもいろいろあるが、中でも高級な白パンに、当時貴族のステータスであったキュウリを挟んだキューカンバーサンドイッチが本場イギリスでは有名である。
冷涼な気候をもつイギリスの地では、夏野菜であるところのキュウリの露地栽培は難しく、一般には他地方で栽培されたキュウリを酢漬けにしたピクルスが食されていた。そのため「生のキュウリ」を食べられるという事は、設備の整った温室と優秀な庭師を両方持つ証明であり、イングランド貴族のステータスとされたのである。
なお、ここで言うキュウリは、日本のものとは大きく異なる。
長さ30cm以上、直径4~5cmと超巨大で、表面にはイボがなくつるんとしていて、水気が豊富。キュウリ嫌いの人が特に忌避する原因となる独特の青臭みもほとんどしない。日本のキュウリでキューカンバーサンドイッチを作っても、この点で本場のものと同じ味にはならない点にはご注意を。
伝統的なキューカンバーサンドイッチのレシピは以下の通り。
- 材料
- キュウリ
- 薄切りパン
- 少量のバター
- 調味料(白ワインビネガー、塩、コショウ)
- キュウリはパンの大きさに合わせて縦に長くカットし、2mm程度の厚さにスライスしておく。
- 1.を白ワインビネガーにさっとくぐらせるか、数分程度漬け込んでおく。風味が付いたら、軽く塩・コショウして味を調える。
- 薄切りパンに軽くバターを塗り、耳を落とす。
- 調味済みのキュウリをパンにはさむ。キュウリが横になるような向きに置き、指でつまんで食べられる大きさにカットする。
一方、労働者や低所得者などには、パンにフライドポテトを挟んだ「チップバティ」が食されてきた。材料が食パンとじゃがいものみで原価が安く、ダブル炭水化物で腹もちがよいためである。
キャラクターが人や物に挟まれた状態を表現する言い回しとして使われる事がある。そういった作品を鑑賞するときにはそれぞれの表情に注目すると、その関係が見えて意外と面白いのかもしれない。
微笑ましい光景ばかりではなくシリアスな場面にも使われる。『バイオハザード』にて主人公が天井部屋の罠に挟まれそうな様子を、他の登場人物から「危うくサンドウィッチになるところだったな」と表現された。
日本では挟む事を「サンド」と言うが、英語ではそのようには略さない。しかし、sandwichを「挟む」という意味で使う事があるのは共通している。
人の胴の前と後ろの両方に宣伝用の看板を取り付けられた人、もしくはその公告方法を看板をパンに見たててサンドイッチマン(サンドウィッチマン)という。
- オリジナル
- 版権
多くの作品に登場する料理・小道具・アイテムなので、いわゆる「特筆事項」として掲載するに値するかよく考えてから加筆してください。
リロ・アンド・スティッチ:ルーベンの好物としてよく出る。
デッドライジング:ジルサンドウィッチというお店が登場する。この元ネタはバイオハザードシリーズの登場人物→ジル・バレンタインらしい。
ポケットモンスター スカーレット/バイオレット:ポケモンピクニックに登場する。サンドウィッチ(ポケモン)を参照。ちなみに、サブウェイ(ポケモンBW/ポケモンBW2)と同じくポケモンのイラストが出てくる。こちらの作品では英語の発音読みの「サンドウィッチ」が正解である。
TeachingFeeling:この作品の初期バージョンでは、なんとヒロインを死に追いやる死亡フラグそのものだった。詳細はここをクリック
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