概要
カプコンが開発・販売した、Xbox360用のアクションゲーム。
かつてカプコンの作品で利用されていた内製ゲームエンジン「MT Framework」の初採用作品。
正式なジャンル名は『ゾンビパラダイスアクション』。
そのジャンル名に嘘は無く、Xbox360のマシンパワーを活かし、2006年発売の作品とは思えない程ゾンビがモール内を徘徊している。
映画『ゾンビ』さながら(というかそのまんま)に、ゾンビに占拠された巨大なショッピングモールを舞台に、何でも出来るという、ホラー映画ファン垂涎の一作である。
カプコンのお家芸である暴力要素をふんだんに盛り込んだ結果、2006年から改められたCEROのレーティングにおいて、記念すべきZ指定タイトル第一号となった。
しかしながら、同社のバイオハザードシリーズと比較すると自由度が高く、バカゲーとしての側面が強い。
グロ要素満載でゲーム内の名詞が英語だが、カプコン謹製の和ゲーである。開発チームも日本人主体である。
2009年にはWiiにて『デッドライジング ゾンビのいけにえ』のタイトルでリメイク版が発売されている。
2016年9月13日にWindows/PS4/XboxOneでリマスター移植版がDL配信開始。同月29日にパッケージ版が発売された。
2024年9月には、カプコンの現行内製ゲームエンジンであるREエンジンでグラフィックとビジュアルをリニューアルした『デッドライジング デラックスリマスター』の発売されている。
グラフィック以外にもUIや生存者のAIを改善、60fpsやオートセーブにも対応しているとの事。
ストーリー
アメリカ合衆国、コロラド州ウィラメッテ。
大きなショッピングモール以外に目立つもののないこの田舎町が、突如として厳重な情報規制の下で完全封鎖された。
スキャンダルの匂いを感じ取ったフリージャーナリストのフランク・ウェストは、民間のヘリで空からウィラメッテへ侵入する。
一見、そこで起こっていた事態は、住民による暴動に見えた。だが、ズームインした彼のカメラがとらえたのは、人間に似た大量の何かが、人々を襲い、捕食する凄惨な場面であった。
軍のヘリの追撃を受けたフランクは、72時間後に迎えに来るよう操縦士に告げて、単身、巨大なショッピングモールの屋上へと飛び降りる。
そこには一人の男が立っていた。茫然とするフランクへ男はこう告げる。
「その目で確かめるがいい。ここは、地獄だ───」
───制限時間は72時間。フランクにとっての地獄が、今まさに幕を開けようとしていた───。
ゲームシステム
プレイヤーは、フランク・ウェストとなって、ゾンビでいっぱいのショッピングモールの中で72時間(実時間において約6時間。5秒で1分進行)を過ごす。
オーソドックスな三人称視点の3Dアクションの形をとったオープンワールドゲームとなっており、この間、どのように進めるかは完全にプレイヤーの自由である。
ゾンビ発生の謎(CASE)を追うもよし、生存者を救出して回るもよし、ひたすらゾンビとの戦いに明け暮れるもよし、まさに「自由」である。
マルチエンディングであり、3日間のCASEの進行度合いに応じて分岐する。
店内には様々なアイテムがあり、武器や食べ物の入手や、フランクの衣装はプレイヤーの自由。
レベル制であり、当初はもっさりとしか動けないフランクも、経験値を稼ぐことでどんどん強力になっていき、最終的には対ゾンビ最終兵器と化す。周回プレイでも彼のステータスは受け継がれるため、クリアするごとにより派手で強気なプレイが可能になっていく。
特徴的な要素としてはカメラがある。
ジャーナリストのフランクは常にカメラを持ち歩き、決定的瞬間を抑えようとしている。生存者とゾンビが織り成す様々なドラマの一部分を捉えることで多くの経験値を手に入れられる。
そして本作の最大の(?)ウリは、「もっとも恐ろしいのはモンスターではなく人間自身」というテーマである。
今作はゾンビを扱っていながら、同じくカプコン製作の『バイオハザード』シリーズとは対照的にクリーチャーが一切登場しない。代わりにボスキャラクターとしてフランクの脅威となるのは『サイコパス』と呼ばれる人間である。
彼/彼女らは、惨劇を目の当たりにして発狂した人間、混乱に乗じて悪事を働こうとする人間、恐怖や妄想に取り憑かれて疑心暗鬼になっている人間であり、至るところでボスとして主人公に襲いかかってくる。そのキャラ造形はどれもキレッキレでシャレにならないぐらい怖いが、そうなった背景を知ってしまうと悲しくなるようなものもいる。
メインキャラクター
- フランク・ウェスト(Frank West)
- フリーのジャーナリストにして本作の主人公兼人間兵器。
「2OTR」「4」の主人公でもある。(詳細は上記のリンクにて。
- ブラッド・ガリソン(Brad Garrison)
- アメリカ国土安全保障省エージェント。46歳。バーナビー博士を保護するためにパートナーのジェシーと共に送り込まれた。
- 厳格で口が堅く任務に忠実だが、避難民への食料や毛布を調達するなど優しい性格でもある。最初はフランクの事をパパラッチと呼び嫌っていたが、脱出に向けて協力するうちに、互いに信頼するようになる。
- 終盤にカリートと地下駐車場で戦った後、ゾンビの集団に襲われ感染。駆けつけたフランクに自身はもう助からない事、ジェシーには黙っていてほしいことを告げ、彼に看取られながら絶命し、ゾンビ化した。
- 『タツノコvsカプコン』の『アルティメットオールスターズ』ではフランクのエンディングにも登場し、タツノコヒーロー達のスーツをハロウィン衣装と呼んでいた。
- ジェシカ・マッカーニー(Jessica McCarney)
- アメリカ国土安全保障省エージェント。25歳。通称『ジェシー』。ブラッドのパートナーで、彼と共に送り込まれた。
- エージェントらしいスーツを着ているが、やたらスタイルや胸の谷間が強調されていて露出度が高い。二次創作では色気担当になる事が多い。
- カリートと銃撃戦になった彼を助けに行こうとする最中、勘違いからフランクの攻撃を受け足をくじき、以降は守衛室に居残って監視映像を見ながらブラッドとフランクをサポートするようになる。
- 中盤、ゾンビ化しつつあったバーナビー博士に噛まれる。何事もないかのように見えたが、終盤に特殊部隊に軟禁された後に遅れてゾンビ化し、特殊部隊員を食い殺してしまった。以降の彼女は完全にゾンビと化し、様子を見に来たフランクにも襲い掛かってくる。倒すか倒さないかはプレイヤー次第だが、耐久力は他のゾンビよりも高い。
- タツノコvsカプコン』の『アルティメットオールスターズ』ではブラッドと供にフランクのエンディングにも登場し、元の世界であるウィラメッテに戻って来たフランクの様子を見に来ていた。
- イザベラ・キーズ(Isabela Keyes)
- 中南米某国にあるサンタ・カベザ村出身の美女。本作のヒロインにあたる。27歳。バイクの扱いに長け、医学に精通している。
- カリートの妹。彼のゾンビテロ計画に加担していたが次第に兄の行動を疑問視するようになり、最初は信用していなかったフランクに二度も助けられた事から、合衆国中をゾンビの脅威に晒そうとする兄を止めるためにフランクに協力するようになる。
- ベストエンディングでは、感染していたフランクのために即席の抑制剤を作り出し、いつまでかはわからないがゾンビ化が食い止められた彼と共にウィラメッテから脱出する。エンディングで生死不明とされていたが『デッドライジング2』のDLCシナリオである『CASE:WEST』ではフェノトランス社の研究員として再登場し、その生存が明確になった。『デッドライジング3』にも登場する。
- 医学に精通しているのは兄に命じられて抑制剤の研究をしていたためである。
- 彼女が作ったゾンビ化抑制剤は後に『ZOMBREX』と名付けられ、『2』『3』でも重要な存在となっていく。
- カリート・キーズ(Carlito Keyes)
- サンタ・カベザ村出身の男性で、イザベラの兄。33歳。今回のゾンビテロの黒幕。
- バーナビーの研究から発生した事故で故郷が滅ぼされたため、アメリカに復讐するためにウィラメッテを中心にしたゾンビテロ事件を起こした。フランクやブラッドとは何度も交戦する。
- 中盤、ブラッドの銃弾から重傷を負ったところを、ラリーにつかまってミンチ製造機に放り込まれそうになるが、フランクに救助される。しかし、最後まで彼と和解せずにアメリカを呪い続け絶命した。
- 故郷を滅ぼされたことを恨むあまり、実の妹であるイザベラも含め全ての人間に対して不信感を抱いていたが、最期に一度、妹を計画に巻き込んだ事を後悔し謝罪した。
- かつてイザベラに抑制可能な期間が不明なゾンビ化抑制剤を作らせていたことがあったが、その真の狙いは寄生虫を植えつけてその成長を抑制させた、いわばゾンビの時限爆弾とも言うべき人間を合衆国中に送り込むことであった。その狙いは既に成功しており、終盤、フランクとイザベラはいつ第二のウィラメッテが生まれてもおかしくないという恐ろしい現実に気づくことになる。
- ラッセル・バーナビー(Russell Barnaby)
- アメリカ政府直属のサンタ・カベザ畜産研究所の元所長。62歳。
- サンタ・カベザを滅ぼした事故の元凶で、牛肉の大量生産のために彼が研究していた寄生虫が、副産物としてゾンビを生み出した。
- 何者かによってモールに呼び出されたところをテロに巻き込まれる。当初は身を守るためにシャッターの閉じた店内で篭るがカリートに捕獲され、ゾンビの餌食にされかけた所をフランクとブラッドに救助された。実は既に寄生されており、ゾンビ化寸前で意識朦朧とする中で全ての真相を話して絶命。ゾンビ化した所をブラッドに頭を撃たれて活動を停止した。なおこの際ジェシーに噛み付いていた。
- 自身の研究を食肉の確保のために必要な行為と信じて疑わず、事故によってゾンビが発生したことも必要な犠牲としか考えていなかった。増え続ける食肉消費量への対処のみに執念を燃やす男であり、今作の発売当時BSE問題で揺れていたアメリカ畜産業界の狂気を象徴するキャラクターであったとも言える。
- オティス・ワシントン(Otis Washington)
- モールの老従業員。67歳。監視映像を逐一チェックし、生存者やサイコパスの確認情報をフランクに教えてくれる。
- ミッション中やサイコパス戦中でもかまわず無線を鳴らしまくり、無視されてもめげずにリダイヤルしてくるなど空気の読めなさは作中でも随一で、プレイヤーをもっともイラつかせるキャラかもしれない。ゾンビが溢れ返った状況をどことなく楽しんでいる不謹慎な面もある。
- しかし終盤には特殊部隊に拘束されてしまったものの隙を突いてヘリを奪い、生存者を引き連れて先に脱出するという値千金の働きを見せる。セスナの免許があったためなんとかなったらしい。
- エド・デルーカ(Ed DeLuca)
- フランクをウィラメッテまで送り込んだヘリの操縦士。38歳。オープニングとエンディングにしか登場しない。
- 明るくうるさい性格で、面倒な事が苦手。オープニングでフランクを送り届けた後は離れた場所に着地してモールの様子を窺う。エンディングによって彼の行動は様々で、だいたい助けに来るがフランクがたいしたスクープを掴めなかったと判断するとひとりで逃げることもある。
- ベストエンディングでも意気揚々とフランクを回収にくるが、後部座席にいつのまにか乗っていたゾンビに襲われ、そのままモールの中庭に墜落して死亡する。さすがカプコン製ヘリコプター。
- リンゼイ・ハリス(Lindsay Harris)
- モールの惨劇の張本人とも言うべき、カリート以上のクソ野郎もといクソババア。裕福な老婦人だが、何よりも大切な愛犬の「マドンナちゃん」とはぐれたことで正気を失っており、サイコパスと言って良いかもしれない。
- 冒頭、エントランスプラザで生存者達が必死にバリケードを築いてゾンビの侵入を防いでいる中、マドンナちゃんを探して喚いている。そしてそのマドンナちゃんが外のゾンビの群れの足元で吠えているのに気づき、周りの静止を振り切りバリケードを壊して単身救助に向かうも、襲われてあっさりと死亡。なおマドンナちゃんはゾンビになっていなかった。そればかりか店内へのゾンビ侵入を許し、その場にいた生存者達をほぼ全員巻き添えにした。この際にプレイヤーが頑張れば襲われている生存者を助けることも可能だが、広範囲に散らばっている上に異様な速度で死にまくるために助けられても大抵は数人で大した報酬も得られないため、適当に写真を撮って経験値を稼いだほうがいい。
- 物語の黒幕はカリートだが、彼女がいなければもう少し被害は小さかったかもしれない。
- なお、マドンナちゃんは消息不明。Wii版の犬ゾンビは彼女(?)に似ているが……。
敵
雑魚キャラクター
- ゾンビ
- 今作の顔にして一番登場する敵。というかどこを向いても大量にいる。
- 今作のゾンビを生むのはある種の蜂で、この蜂の幼虫に寄生された人間はゾンビになる。歯の辺りに卵が産み付けられているのか、ゾンビにかまれた者も寄生されて新たなゾンビと化す。元々は牛の飼育コストを下げるために作られたらしいが、何故その寄生虫で人間がゾンビになるのかは不明。
- 今作に登場するゾンビは全て寄生されたウィラメッテ住民達で、人口は6万以下のはずなのに何万人殺してもどんどん沸いてくる(もし有限なら途中から難易度が著しく下がってしまうが)。個性豊かで、買い物途中にゾンビ化したためかまだカートを無意味に押しているものや、拳銃や警棒を持ったままの警官ゾンビ、誰かの破片をずっと食べているゾンビなど様々。その行動もぼーっと突っ立っている者からフランクに向かってまっしぐらに走ってくる者まで幅広い。ただし、子供のゾンビだけは登場しない。
- 主な攻撃は噛み付きだが、爪で攻撃する事もある。夜間は目が赤く光って凶暴化して攻撃力が上がるが、代わりに耐久力が低下する、いわゆるバーサク状態となる。集団で押し囲まれるとサバイバーの命は無い。
- 色々書いたが個々は弱い。様々な方法でフランクに殺されまくる。周囲の幼虫に指示を出したりといった重要な役目を持っているのか、女王蜂を潰すと一定範囲内のゾンビが全て即死する。
- Wii版では、システムやレーティングの都合でサイコパスとして登場しないケント、クリフ、ジョーが特殊型のゾンビとして登場し、攻撃と耐久力が高い上に普通に複数出てくる。
- 信者
- カルト教団の信者。緑色の不気味な仮面と黄色いレインコートが特徴。
- ゾンビの群れに感激した終末論者の群れか、生存者達が恐怖に耐え切れず変なものにすがったのか、ともあれ2日目の13:00以降、いたる所に集団で沸いて出る。
- 普段はひたすら手を組んで何かを小声で唱え続けている。棒立ちだが何故かゾンビには襲われない。フランクが近づくとナイフで攻撃してくる。たまに身についたダイナマイトで自爆する殉教者もいる。白い粉を投げつけてくる者もいて、これが命中するとしばらく行動不能になる。
- 彼らに倒されると倉庫に監禁されて所持品を全て奪われてしまい、ロストして回収不能になる。
- ゾンビを神の使者とでも思っているのか、攻撃することはない。
- 特殊部隊
- ブロックが率いる軍隊。メインストーリーであるCASEを最後まで進めると3日目の0:00から登場する。
- M4カービンを装備しており、複数人に狙われるとあっという間に体力を削られる。その上完全防護しているため、ヘッドショットが利かず耐久力も非常に高いという厄介な敵。しかし刃物系の武器に弱く、また投げ技だと一撃で倒せる。
- 信者と同様、負けるとアイテムと衣服を全て奪われ、拘束されてしまう。監視の隊員が目をそらしているうちにひたすら身をよじる(=レバガチャする)というミニゲームをクリアすれば脱出できるが、ミスをすると時間が大きく経過してしまう。そのままタイムリミットを迎えた場合、どこかへ連れて行かれて消される。
- 犬ゾンビ
- Wii版にのみ登場するプードル型ゾンビ。小型であるために動きが素早く、飛び掛って攻撃して来るが、サッカーボールを転がすとそれに注目して免れる。冒頭に登場したマドンナちゃんとの関係は不明。
- インコゾンビ
- Wii版にのみ登場するインコ型ゾンビ。くちばしを使った突進攻撃を仕掛けて来るだけでなく、なぜか手榴弾で空爆をしかけてくるタイプもいる。非常に小さいために狙いを定め難いが、耐久力が非常に弱いために一発でも当たれば倒せる。
サイコパス
極限状態の中で針が振り切れてしまった人々。ただし、デッドライジングシリーズにおけるサイコパスという言葉は、フランクの敵となる人物の総称としても用いられる。
- ケント・スワンソン(Kent Swanson)
- フランク同様、カメラを携えてモールに潜入している若いカメラマン。24歳。
- フランクに比べると持ち運んでいる機材の量が多くより本格的。明るくひょうきんな性格だがカメラマンとしてのプライドが高く粘着質。同じくプロであり年上のフランクに対してもやたら上から目線で小馬鹿にしたり、撮影講義を展開したり、撮影勝負を仕掛けるカメラヲタク。非常に馴れ馴れしい性格で、会ったばかりのフランクの事を『フランキー』と呼ぶ。
- 序盤に出会う彼とのイベントはカメラのチュートリアルとなっている。話が長いので挨拶に一発お見舞いしよう。彼の言うとおりにしていればカメラの扱いがだいたい身につく。
- 序盤はまだ正気であったが、中盤にフランクとの写真勝負に負けたことで、次第に勝つために手段を選ばなくなり、しまいには生存者がゾンビ化する瞬間を写真に収めようとしたため、これを阻止したフランクと戦うことになる。敗北後は『最期はカッコよく撮ってくれ………』と自分に酔いつつ彼にカメラを渡したものの、投げ捨てて拒否を示され、絶望の中死亡した。
- ゾンビだらけのモール内で数日間生き残っているだけあって動きが素早く、飛び蹴りが得意。距離が遠い場合は拳銃で攻撃する。
- カメラ機能がオミットされているWii版では、とび蹴りを繰り出す特殊なゾンビとして登場する。倒すと必ず火炎瓶を落とす。
- 囚人3人組(Convicts Boss)
- 北斗の拳の「ヒャッハー!」を地で行く危険人物三人組。1日目の夜以降、モール中庭で軍用ハマーを乗り回す。
- どこかからやってきた脱獄囚であること意外に素性は一切不明。とにかくやたら凶悪で、一人が運転し、もう一人がバットを持ち、残る一人は車にすえつけられたM2マシンガンを操って、中庭を走り回ってはひたすらゾンビや生存者を狩り続けている。
- M2マシンガンの射撃は威力が高い上に正確。おまけに直接跳ね飛ばそうと積極的に接近してくるため、序盤は中庭を通り抜けるのが一苦労である。しかし、木の多いエリアを走れば、引っかかって動かなくなることが多い。その状態に追い込んで遠くから射撃するなどすれば倒せる。一番簡単なのは、地下から冷凍車を運転してきて直接追突してやる方法である。
- 倒しても日が変われば別の三人組が現れてしまう。
- Wii版ではコマンド入力式のイベント戦になり、一度倒しても復活しない形となる。
- アダム・マッキンタイヤー(Adam MacIntyre)
- 遊戯施設が集まるエリア「ワンダーランド」で子供達に愛されていたピエロ。35歳。子供達がゾンビに食い殺される瞬間を間近に見た事で発狂した。
- チェーンソーをジャグリングし、甲高い大声で笑うピエロ姿というわかりやすいサイコパスぶりとその圧倒的な存在感から、シリーズ最恐かつ代表キャラとして大人気。
- 館内を見張り、生存者を見つけると館内アトラクションの「スペースコースター」に閉じ込めている。(本人からしてみれば動きの鈍いゾンビから保護していたつもりらしく、幸か不幸か閉じ込められた生存者もゾンビに襲われずに済んでいる)愛用する二丁の小型チェーンソーはシリーズ最強と名高く、二刀流で繰り出させる攻撃は強力で、銃弾や打撃武器を完全に防御してのけると言う攻守に優れた厄介な武器である。他にも、ナイフ投げや火吹き攻撃、催涙剤入り風船を投げたりと、ピエロさながらの方法で攻撃してくる。
- その最期は、フランクに敗北し倒れこむ際に誤ってチェーンソーを胴の下敷きにしてしまい、うつ伏せ状態でズタズタに斬り裁かれ笑いながら死亡する(しかもその笑い声は壊れたおもちゃのように徐々に重く、そしてゆっくりになっていく)と言う、今作どころかシリーズ中トップクラスのスプラッターシーンであった。
- 撃破後は愛用の小型チェーンソーは是非貰って行こう。高威力・頑丈・振りが速い・サバイバーを巻き込みにくい・マップを出入りする度拾える…と超高性能。オマケに強化本「刃物」「エンタメ」「工具」の対象アイテムなので、3×3×3=耐久力27倍の最強武器になる。ゾンビ1,000体切り程度じゃ壊れない。
- 彼のせいでフランクは大のピエロ嫌いになった。『1』の後も何らかの形で登場し、『2 オフ・ザ・レコード』では彼の弟のエヴァンが登場、『3』では彼の持っていたダブルチェーンソーがコンボ武器として登場、『4』ではついにフランク自身がアダムのコスチュームを着るという、ある意味皮肉な要素がある。
- Wii版では彼に似たミッション専用のサイコパス三体が登場する。
- 発狂前後共に子供には一切手を掛けておらず、むしろ真っ先に逃亡した大人達の代りにただ1人ゾンビ達と戦っており、(閉じ込める形とは言え)曲がりなりにも生存者を守ってはいたとも言える。
- クレタス・サムソン(Cletus Samson)
- ゾンビ発生によって重篤な人間不信に陥った、「ノースプラザ」の銃砲店の店主。46歳。
- 自分以外の存在を全て敵とみなしており、警告はするものの店内に入ってくる者は誰であろうと射殺する。基本的には入店する者をカウンター越しに銃撃しているが、近付いてきた場合は怪力で投げ飛ばす。
- フランクに敗北すると店を捨てて逃走するが、戦闘開始直前のイベントにて自分がショットガンで撃ち殺した生存者のゾンビに食い殺される。
- Wii版では救助する事が出来る。正気を取り戻した後は生存者に変更され、武器を売るようになる。
- スティーブン・チャップマン(Steven Chapman)
- 「ノースプラザ」のスーパーマーケット『Seon's Food』の店長。37歳。アウトブレイクが起きる前は優しい人間だったが、ゾンビによって客が食い殺され、さらには暴徒に店内を荒らされて発狂した。
- 店を守るため、刃物で重武装したショッピングカートを押し、ショットガンを携えて店内を徘徊している。店に入ってくる者はもはや誰であろうと侵入者としか認識できない。画面が揺れるほど強烈な絶叫の持ち主で、『This is my store!(ここは私の店だ!)』は今作を代表する名台詞。
- スーパーにやってきたイザベラを襲ってカートに乗せていたところを、ブラッドのために薬を取りに来たフランクと戦闘になる。
- 敗北後は、店や売り上げやもういない“お客様”のことを想い、「私がいなければ誰がこの店を守るんだ」と嘆きながら死んでいくと言う物悲しい最期を迎えるが、その断末魔は、死んだかと思ったら起き上がって『Clean up…Register 6!(6番レジへどうぞ!)』と絶叫して今度こそ死ぬと言うぶっ飛んだものであった。なお、公式サイトでは良き店長だった頃の彼の画像が発見出来る。
- クリフ・ハドソン(Cliff Hudson)
- ベトナム戦争の帰還兵。58歳。老年であるにもかかわらず屈強な肉体を保っており、戦争での経験を未だに忘れていない。
- 孫娘がゾンビに食い殺される瞬間を見て発狂し、頭の中がベトナム戦争時代に戻ってしまっている。ゾンビの死骸を工具店の天井に吊るし、人間を捕虜と称して人質にとって立て篭もる。マチェットを武器にしているが、煙筒やダイナマイトを上から投げつけたり、小さな地下通路を利用して奇襲を仕掛けたりと、かつてのベトナム兵を髣髴とさせる恐ろしいゲリラ戦法を取る。
- フランクに敗北した後は、今作に登場するサイコパスの中でも珍しく正気を取り戻す。家族の写真を彼に見せて自身の発狂の原因を告げ、最期に「戦争はまだ終わっていない」とだけ呟いて静かに息を引き取った。戦闘後は彼の使用していた血塗れのマチェットを武器として使用可能で、前述のチェーンソー程ではないがこれも非常に強力な近接武器である。
- Wii版ではサイコパスとして登場せず、マチェットを二刀流に扱った特殊型のゾンビとして登場し、倒すと必ず日本刀を落とす。
- ジョー・スレイド(Jo Slade)
- 今作唯一の女性サイコパス。非常にデブな婦人警官。33歳。口が極度に汚く、相手問わず罵倒するサディスト。常にサングラスをかけているために素顔が分からないが、倒した後と説明書では素顔で登場する。
- 紳士服店に立てこもり、若い女性を何人も監禁してスタンガンと警棒で拷問している。「また男を誘い込んだね!」という台詞から、自身の肥満をコンプレックスに感じ、容姿に恵まれた同性に日頃から嫉妬していた鬱憤が、ゾンビ発生によって発狂した際に爆発したと思われる。
- 巨体に似合わぬスピードと、巨体に見合ったパワーの持ち主。フランクを執拗に追いかけては警棒とスタンガンで攻撃し、距離をとれば銃で攻撃して来る。敗北してから死ぬまでもフランクを口汚く罵倒するのは止めなかった。
- 彼女を倒すと、拘束されていた女性を救出できる。早めに彼女のイベントを発生させるほど、その人数は多くなる。
- Wii版ではサイコパスとしては登場せず、2種類の特殊ゾンビとして登場。青服の彼女は夜出現し、2丁のスタンガンで攻撃して来る。茶色服の方は日中出現し、拳銃とスタンガンで襲い掛かってくる。ゾンビ化したジェシーほどの耐久力を持つが、倒すと必ず巨額の現金を落とす。
- ロジャー・ホール(Roger Hall)、ジャック・ホール(Jack Hall)、トーマス・ホール(Thomas Hall)
- スナイパーライフルで武装した狩人一家。ロジャーは父親で44歳、ジャックは長男で23歳、トーマスは次男で20歳。
- かつてはハンティングを嗜む仲の良い一家であったと思われる。「自己防衛」を大義名分にして、エントランスプラザでゾンビのみならず生存者をも狙撃して“狩り”を楽しんでいる。
- トーマスだけは理性を保っており、ただの生存者であるフランクを狙撃することをためらっていたが、兄と父に反論する度胸がないため結局彼を攻撃する。敗北後のイベントはなく、3人ともフランクに殺される。
- リメイク版ではトーマスの攻撃頻度がかなり低く設定された他、ロジャー・ジャックを先に倒した場合トーマスが敵対行動をとらなくなり、プレイヤー次第では見逃すことも可能になった。ただし、家族2人のことを置いていけないと語るため、サバイバーとして救助することはできない。
- ポール・カーソン(Paul Carson)
- 引き篭もり体質の青年。19歳。べっとりした長髪、こけた頬、がりがりで色白の体、メガネ、ヘビーメタルバンドのTシャツと、あからさまに一般人の想像するオタクまんまな男。
- 臆病な性格(幼少期よりのクラスメイトらのいじめによるもの)と常日頃から抱いている劣等感が爆発しており、全ての他人が自分を嘲笑していると根拠もなく思い込んでいる。フランクと会ったときには、二人の女性を人質にして火炎瓶で脅している。
- 体力はサイコパスの中でも史上最弱だが、逃げ足は異常に素早い。火炎瓶を主な武器としており、逃げながら火炎瓶をばら撒いたり、爆弾付きのラジコンカーで遠くから攻撃したりと爆発物の扱いに長ける。
- フランクに負けると自身の火炎瓶で誤って自分が炎上してしまうが、近くにある消火器を使えば消火できる。その後は幾分落ち着きを取り戻し、守衛室に連れて行けば悪行を見逃す代金として火炎瓶を無制限にくれるようになる。
- 今作で救助可能な唯一のサイコパス。ただしWii版ではクレタスに立場を取られて登場しない。
- ショーン・キーナン(Sean Keanan)
- カルト教団を率いる教祖。62歳。
- ゾンビ発生を終末の到来だと信じ、救済と称して生存者を捕まえてはあやしい儀式の生贄にしている。緑の仮面と黄色いレインコートの人々は彼の信者である。フランクを不信心者として敵視する。
- シネコン「Colby's Movieland」をアジトにしており、いよいよ本格的な儀式を決行しようとしたところで、阻止しに来たフランクと戦う。62歳とは思えない動きで襲いかかる。儀式用と思しき長剣を武器にしており、攻撃の威力もスピードもリーチも優れている強敵。
- 最期は、剣で刺されたマネキンに神の姿を見て更なる力を求めてすがるが、その衝撃でマネキンが倒れて剣が顔面に突き刺さってしまい死亡する(Wii版ではこのシーンはモザイクでカットされた)洗脳術に長けているため、カルト信者達を自由自在に操る。
- ラリー・チャン(Larry Chiang)
- 地下の精肉所で働いている巨漢の従業員。40歳。町がゾンビ発生によって発狂してからは、人間と牛の区別がつかなくなったのか、カリートを含め生存者を捕まえてはミンチ製造機へ放り込んでいた。自分が一番の肉屋だと自負しており、美味しい肉をお客様に提供することを第一とする、明るく溌剌とした性格。首の後ろにある『肉』の刺青がトレードマーク。
- しかし肉屋としての自分を失っていないため、カリートを助けに来たフランクの事は「肉を買いにきたお客様」だとみなして全力で接客していた。なおも肉にはこだわりがあり、「ゾンビの肉なんてお客様には出せないよ! やっぱり新鮮な肉じゃなきゃ!」と真っ当な台詞も吐いたりする。
- 「お客様」であるフランクにはこちらが敵対行動を取らない限り襲って来ないが、ひとたび攻撃を加えると巨大な肉切り包丁やナイフで襲い掛かってくる。遠距離では人間一人分もある大きな冷凍牛肉を猛烈な勢いで投擲してくる。戦闘後では台詞なしでそのまま絶命する。
- リメイク版では大幅にデザインが変わっており、青帽子の眼鏡を着用し、ちょび髭を生やしている。
- というか人種がアジア人から白人に変更されている。
- ブロック・メイソン(Brock Mason)
- アメリカ政府から送り込まれた特殊部隊の指揮官で、本作のラスボス。
- サンタ・カベザ村でのゾンビ発生事件の際も部隊を指揮しており、ゾンビも生存者もまとめて皆殺しにして事件そのものを抹消した過去を持つ。任務を忠実にこなすいかにも軍人らしいドライな性格をしており、作戦を徹底していれば(=イザベラとカリートを見逃していなければ)そもそもこの事件は発生しなかったなどと言い切る。残忍かつ好戦的で、フランクとイザベラをゾンビよりしぶとい存在だと罵倒しつつも彼らとの対決を楽しむ様子すら見せる。
- ゾンビに包囲された戦車の上でフランクと一騎打ちになる(この際フランクは強制的に全ての装備を剥ぎ取られて素手になる)。マーシャルアーツの達人であり、フランクをゾンビの海へ投げ飛ばしてしまうほどの怪力。最期は自分がゾンビの群れへ叩き落され、無残に食い殺された。
Wii版『デッドライジング ゾンビのいけにえ』
2009年にWii向けに発売された移植版だが、ハード性能に差があることやレーティングがCERO:Dに低下したことから、ストーリーが同じなだけの殆ど別のゲームとして作られている。
銃器の操作が『バイオハザード4』ほぼそのままである辺りなどはそれが顕著であると言える。
オリジナル版のファンからの評価は芳しくない。
XBOX360版との相違点・特徴は下記の通り。
- Wiiリモコンを用いた直観的な操作形態
- 『バイオハザード4』と同様の形態で銃を操作するようになっており、銃を中心に戦闘するスタイルになっている。倒した敵が銃弾を落とすようになっており、銃は使い捨てではなくなった。また、他のアイテムも一部変更または削除されている。
- カメラ撮影機能が削除。ジャンプも出来なくなっており、一部の場面でのみコマンド入力で可能。
- ハードの性能・容量面からの制限
- 表示されるゾンビの数が非常に少なくなり、倒すと消滅する。その一方で、犬型やインコ型、登場しないサイコパスをモデルとした特殊型ゾンビが新たに追加された。
- 時間の経過やマルチエンディングなどの要素がなくなり、エンディングAとOvertimeモードのみの一本道のシナリオとなった。
- 生存者救出などのイベントはミッションとして用意され、プレイヤーは自由に選んで受領する。一度受領したミッションは遂行しなければゲームオーバーになる。
- 一部のマップや生存者も削除・変更され、ケントとクリフとジョーがサイコパスから特殊型ゾンビになっていたり、サイコパスから生存者へと変更になるキャラクターがポールからクレタスになっていたりする。
- ムービーはオリジナル版ものを流用したプリレンダであり、コスチュームなどがムービーに反映されなくなった。
- セーブ時やアイテム使用時のモーションも削除されている。
- 金銭の追加
- 敵を倒したりミッションをクリアすると報酬として金をもらえる。これを用いて救出されたクレタスから武器を買い取る事が可能である。『バイオハザード4』の武器商人の要素に非常に似ている。
- この金銭の概念は『デッドライジング2』に引き継がれている。
- その他
- 血の色が変更可能になった。
- 生存者に誤って攻撃してもダメージを受けなくなったが、逆に背負ったり手を貸したりすると言う物理的な救助行為は出来なくなった。