概説
1985年にアーケードゲームとして発表された後、ファミリーコンピュータ用ソフトとして移植発売される。
- キャッチコピーは『ようこそ いらっしゃい…』
続編として
が発売されており、『極魔界村とワンダースワン』を除いたシリーズはプレイステーションをはじめ、多くの機種でコレクション版として復刻されている。現在はNintendoSwitch用ダウンロードコンテンツタイトル『帰ってきた魔界村』を2021年2月25日に配信された。
本作品の最大の特徴はゲーム好きをも挫折させる驚異的な難易度。
ゆえに、いわゆる死にゲーに分類される事もある。
ジャンプ時に着地位置を調整出来ない事に起因する回避の難しさ、そして敵キャラの多彩さやステージの判定調整、トラップ類の緻密さもさることながら、豊富な武器やアイテムがありながらも、それぞれに強い個性を持つ為、アイテムの個性を充分に把握しないとクリアが難しく、下手に武器を変えるとその時点で死亡フラグが立つというのが当たり前であったりする。
その為、1面の時点で既に一般的なアクションゲームの中ボス・ラスボス級のステージ並の難易度という恐るべきシビアさを誇る。
また、いずれのシリーズにも例外なく2周目が存在し、その道中に出現する隠し武器を取得しなければ真のラスボスを打ち倒す事は出来ない。
システム
典型的な横スクロールタイプのアクションゲームで、制限時間内に敵を倒しながらステージを突き進んでいき、ステージの奥で待ち受けるボスキャラを倒し、鍵を取ればクリアとなる。
アイテム
アイテムには得点アイテムや武器アイテム等があり、前者はステージ内に設置されているアイテムを取得するか壺を持った特定の敵を倒す事で入手でき、後者は壺を持った敵を倒すかステージ内に隠されている宝箱を壊す事で入手可能。
武器
敵を攻撃するためのアイテム。
初期は槍(ランス)であり、シリーズによって様々な武器が登場する。
鎧
アーサー用の鎧。
初期状態から既に装備しており、シリーズが進むにつれてバリエーションも増え、黄金の鎧になると武器に特殊効果が付属されたり、この状態でないと出現しない武器などが存在する。
着用時は敵の攻撃を一度だけ防ぐ効果があり、一度当たるとバラバラに砕けてしまい、アーサー自身はパンツ一丁(イチゴ柄のトランクス、いわゆる苺パンツ)になってしまうが、武器と同様に鎧は宝箱から再取得する事が出来る。
後のシリーズで鎧が強化されようとも、一発当たればやはりパンツ一丁になる。
ファンの間ではもはや名物のひとつ。
ストーリー
王国一の騎士アーサーが魔界の軍勢にさらわれた王女を救うため、魔のはびこる魔界へと単身戦いに赴く。
某横スクロールアクションゲームからの伝統の筋書きではあるが、ゲーム難易度の高さゆえに、だいたいのプレイヤーがこの設定のことを忘れてしまう…
登場人物
アーサー
CV:立木文彦(namco×CAPCOM)、稲田徹(プロジェクトクロスゾーン)
さらわれた恋人を救うべく、単身魔界へと乗り込む。
プリンセス・プリンプリン
ブリテン王国の王女様。無印の頃の名前はギネヴィナ。
シリーズごとにアーサーをおびきよせる囮として魔王達によってさらわれる。なお、公式設定での年齢は19歳。
名物敵キャラ
ゾンビ
『魔界村』シリーズで最も最初に出てくるザコ。見た目はフランケンシュタインの怪物っぽい。某ゲームの位置的にはクリボーやノコノコようなものだが、地中から出現して奇襲を仕掛ける上にほぼ無尽蔵に湧いて出る為、慣れないうちは不意打ちを食らって苦戦を強いられる。
マジシャン
出てきた瞬間にアーサーに対して魔法をかけて来て、これに掛かると一定時間カエルやアヒル等に姿を変えられてしまい、移動以外の殆どの行動を制限されてしまう。
ただし、魔法を唱える瞬間に攻撃を当てる事ができれば倒せる。
レッドアリーマー
シリーズを通して登場する最強のザコ敵。
真っ赤な体に青い翼、尖った頭部を持ち、空中からしつこく攻撃してくる。無視して突っ切る事も可能だが、一定時間を過ぎると更に強くなるという特性を持つ、魔界村きっての初見殺し。
ザコ敵でありながらファンも多く、『レッドアリーマー魔界村外伝』(ゲームボーイ)や『デモンズブレイゾン』(スーパーファミコン)など、レッドアリーマーが主役のゲームも開発され、『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』では隠しボスとして登場するという人気ぶりを見せている。
大魔王アスタロト
第一作目のラスボス。
…なのだが、シリーズが進むにつれて上司達からこき使われ、ラスボスの前座を務め始めるようになる。
髭ヅラ・角・マントという典型的な魔王ファッションで、腹にも顔が存在し、両方の顔から火炎放射を放つ。
魔界村初登場時はゴンディアスという名前だったらしい。
ステージ構成
初代魔界村はラスボスの部屋も含めて全部で7ステージある。
ステージ1
死者の眠る墓場を進む。前半は墓標が至る所にあり、上下に分岐した丘がある。後半は深い森となっている
出現モンスター
ゾンビ:上記参照
マジシャン:上記参照
カラス(青):流れ出した魔界の気によって本能を狂わされた鳥。真横に飛んでくる。
グリーンモンスター:人食い植物。移動はできないが口から球を吐いてくる。
レッドアリーマー:上記参照
フライングナイト:魔物に殺された騎士の亡霊。不気味な音を立てながら浮遊してくる。
ウッディピック:切り株を纏った豚の化身。上下左右に移動しながらネギのような槍を投げつけてくる。
ボス:一角獣
角が生えた一つ目の巨人。ものすごいジャンプ力とスピードを持っており、火の玉を放ってくる。ファミコン版では十字架が効かない。
ステージ2
廃墟となった町を進んでいく。前半は神殿の塔のような感じでかなり足場が入り組んでいる。後半は多くの建物が並ぶゴーストタウンとなっており、かなり長い。
出現モンスター
ブルーキラー:小型のレッドアリーマーのような感じだが全くの別種族。不規則に浮遊して複数対で襲ってくる。ステージ5では弾を発射してくる。
グリーンモンスター
プチデビル:じゃれつく様に襲ってくる小悪魔。
カラス(青)
大男:ほとんど裸だが、鋼のような筋肉をしておりアーサーを見つけると走って追いかけてくる上に鉄球を投げつけてくる。
カラス(赤):青色のとは違いアーサー目掛けて飛んでくる。
ボス:一角獣×2
ステージ3
魔界城へ通じる地下道の洞窟の中を進んでいく。ここから敵が多くなり、強力になっていく。
出現モンスター
コウモリ:天井にぶら下がっているが、アーサーが来ると襲ってくる。
ゾンビ
マジシャン
タワーモンスター:岩に扮したモンスター。顔を出して球を打ってくる時でないと攻撃が効かない。
レッドアリーマー
ウッディピック
プチデビル
ボス:ドラゴン
空を飛びながら体当たりと炎で攻撃する。胴体を失っても頭だけで生きていられる。
ファミコン版では槍が効かない
ステージ4
洞窟の最深部で魔界城の入り口。前半は目玉のような無数の足場があり、後半は燃え盛る炎の上を架かった吊り橋を渡っていく。
出現モンスター
レッドアリーマー
ブルーキラー
ボス:ドラゴン
ステージ5
魔界城の下層部。ここからは中間地点が存在しなくなる。さらに難易度も高い。
出現モンスター
ブルーキラー
ウッディピック
スケルトン:動くガイコツ。地面に転がっているが、アーサーが近づくとぴょんぴょん飛び跳ねる
コウモリ
レッドアリーマー
大男
ボス:サタン
アスタロトのもう一つの姿と呼ばれている。幻覚みせて相手を惑わせる。
ファミコン版では斧が効かない。
ステージ6
魔界城の上層部。これまで戦ったボスキャラ達がザコとして登場するステージ。
出現モンスター
スケルトン
ウッディピック
一角獣
ドラゴン
レッドアリーマー
大男
ボス:サタン×2
最終ステージ
ラスボス大魔王アスタロトの部屋。一対一の決戦となる。
余談
魔界村(アーケード版)でタイトル画面でのクレジット表示で「©MCMLXXXV CAPCOM」とあり、一見見慣れない謎の文字列が表記されているわけだが、これは日本ではあまり使われない表記で実はローマ数字の表記で1985(年)の意味である。
関連イラスト
関連タグ
鈴原るる:最初の実況配信で超魔界村をプレイし視聴者を驚愕させていた
死にゲー:近年では公式でも『死にゲー』と言われている。
ロックマン7・シェードマン:まさかの魔界村(超魔界村)ネタが隠し要素にある。
バイオハザードヴィレッジ(バイオ村):さしずめ「生物災害村」と言うべきか…?
ミッキーのマジカルアドベンチャー:ディズニー版魔界村