概要
主人公(プレイヤー)が非常にゲームオーバーになり易いゲームのこと。
敵からの攻撃が激し過ぎる、選択肢を間違えたりするだけで死ぬようなゲームであり、あくまで死人(幽霊やゾンビ)が主人公のゲームや登場人物が大量に死ぬようなゲームの事では無い。
一方でネタになるような死に様が多かったりするとバカゲーに分類される場合もある。
その死に易さからクソゲーと評される事も多いが、トライ&エラーを繰り返す事で敵の行動パターンを把握出来るようになったり、初見殺しを避け、正答を導き出せばちゃんとクリアできる為、難しいからといって安易にクソゲーと断じるべきではない。
とはいえ、発売前のテストプレイの不十分さから来る理不尽な難易度や制作者の意図しないものはクソゲーである。
ただし今日、発売後もパッチを追加することで改善できるようになったため、このようなクソゲーは絶滅危惧種となっている。
例え、どれほど高難易度であろうとも対人ゲームと違い、クリアできるよう設計された課題を消化するだけに過ぎないとうそぶく人もいるが、死にゲーはプレイヤーとプログラマーの真剣勝負である。
歴史
人類の友としてゲームは多種多様な進歩を迎えたが、かつて多くのゲームは対人が基本であり、同じ条件で戦っていても経験や状況判断能力、メンタル面、反射神経の差など個人の優劣は明らかであった。
古くは双六などが運の要素が強く、誰がやっても結果が変わらないことから平安時代には「あまり賢い人の遊ぶゲームではない」と見做されていた。だが、ストレスの少ないゲームを好む志向は、古くからゲームの苦手な人々の追求するところであった。
従って難易度の低いゲームをプレイすることは、目的に沿った選択に過ぎず、恥ではない。
初期のコンピューターゲームは難易度が高い傾向にあり、容量の少なさゆえ、難しくしてプレイ時間を延ばしボリュームがあるようにみせることもあった。つまりテレビゲームの歴史をひもとけば死にゲーは、普通のゲームのことである。
しかし、負けることをストレスに感じるプレイヤーは、死なないゲームに娯楽性を見出した。
プログラムが相手となるコンピューターゲームにおいては、対人と違いプログラマーが作成した課題をクリアするのだから、覚えさえすれば多くのプレイヤーが挑戦できる。また人間に負けたという意識が希薄になり、密室で遊ぶ限り、失敗を人に知られることもなく遺恨が残ることも無い(ただしプログラマーを恨むかもしれないが)。
とりわけRPGは「役を演じるゲーム」と題するだけあって、ステータスを補強することで誰でもラスボスを倒すヒーローになり切ることが出来た。何より落ち着いてプレイすれば、操作が間に合わないということもなく気楽に楽しむことができる。特にドラゴンクエストは「はじめてのゲームとして選んで欲しい」をモットーにしており、難しくなり過ぎないことをゲーム設計の方針にしている。
その後、映像技術の進歩とゲームの容量が大幅に増えることにより、プレイヤーの選択次第で様々な物語が展開するゲームは、漫画や映画とは異なる要素を持ち、他の媒体では不可能なインタラクティブなドラマを見せるようになった。このため見るゲーム、プレイヤーの没入感、ストーリー性を重視するゲームも登場した。
こういった風潮に従い、プレイ中にゲームオーバーになるとドラマが中断されることを嫌って、一層、死なないゲームが追求されることとなった。
またゲーム容量の増加により、難易度が選択できるようになったため、ほぼ全てのプレイヤーはクリアできずに苦しむことがなくなった。さらにネット社会の隆盛に伴って昔のように攻略情報が間違っている、クリア方法が分からないということもなくなった。加えて競技性を求める対人ゲームもオンラインゲームが中心になったため、ますます一人用ゲームに難易度を求める購買層は少なくなった。
やがて死なないゲームの究極形として誕生したのがポチゲーである。
これらは動物を飼ったり、家や部屋を作ったりする、正解の無いゲームからボタンを押しているだけで誰でもクリアできるようなものまで幅広く進化した。
本来、ゲームはストレス解消が目的であり、全ての人間が競技性や求道者のごとき高みを目指してゲームをプレイしている訳ではなく、このようなクリアすることが当たり前のゲームの出現は、人間の遊び相手であるゲームの最良にして最高、これ以上、望み得ない最終形態といえた。
しかし何時しかクリアできることが当たり前となったため、大半のゲームがクリア後の要素を盛り込むなど本末転倒の有り様となった。
こうしたヌルいゲームを嫌うコアゲーマーや、復古主義的なプログラマーたちは、クリアさえ容易ではないゲームを作成するようになり、主にインターネットを通じて公開されている。
主な死にゲー
アクションゲーム
主にトラップ、ステージギミックが多く、自機(プレイヤーキャラクター)の体力が少ないなどの特徴がある。
- トランスフォーマー コンボイの謎
- たけしの挑戦状
- スペランカー
- オバケのQ太郎 ワンワンパニック
- ドラゴンズレア
- 忍者龍剣伝
- 悪魔城ドラキュラ
- I Wanna Be The Guy
- しょぼんのアクション
- 人生オワタの大冒険
- 仁王
- ローリングスカイ
- CODE VEIN
- ブレスオブザワイルド
- スカイウォードソード
- スーパードンキーコングシリーズ
- Cuphead
- LIMBO
- INSIDE
- リトルナイトメア1&リトルナイトメア2
- クラッシュ・バンディクー
- プリンス・オブ・ペルシャ
- 魔界村等多くのカプコン作品
- ダークソウル等多くのフロムソフトウェア作品
アドベンチャーゲーム、恋愛ゲーム
一つの選択肢ミスでいきなり主人公が死に至ってしまうようなケース。
- シャドウゲイト
- 悪魔の招待状
- 時空の旅人
- サイベリア
- ドラゴンボール 大魔王復活
- GUNDAM 0079 The War of The Earth
- ミシシッピー殺人事件
- 痕
- 月姫
- Fate/staynight
- Kanoso
- Cuphead-アクションゲームとしての死にゲーでもある
RPG、シミュレーションゲーム
クリティカル率が高く、攻撃に各種の耐性が設定され、事前に作戦を練らないと効果的にダメージを与えられず敵を倒せないようになっている。
スポーツゲーム
- QWOP-生物としての死はないが、スッ転んで進めなくなるとアウト
神
死にゲー?
- Life Goes On: Done to Death-プレイヤーの死体を利用してギミックを解いていくというブラックユーモアに溢れたパズルゲーム。死に易いではなく、死ななければならないゲーム。
死にゲーに定評のあるゲームクリエイター
死にゲーに定評のあるゲームメーカー