概要
英語で「過剰」、「やり過ぎ」を意味する"Overkill"を語源とする外来語。
転じて必要以上の武器、持つべきではない兵器という意味合いから核兵器のことを指す場合もある。(地球を数回焼き払える量保有するのは対敵国想定としては完全に過剰である、という意味)
他にも碌な軍事力もないであろう小国に対し攻撃を仕掛ける際普通に戦力を送り込むのでも十分なのに核をぶち込んだり、最初の爆撃で既に瓦礫の山になっているエリアに(敵の地下基地等も確認されていないのに)執拗に爆撃し続ける攻撃もオーバーキルとして扱われる
また経済関連の場合は「必要以上のお金がある」という使われ方はせず、逆に「締め付け」という意味になる。
本来は殺害に限らず、「目的達成のために必要以上の労力を費やすこと」とされ、単に過剰であることを意味する(そもそもネイティブは”kill”を殺害以外に「妨害する」、「面倒に感じる」、「(魅力な相手に)うっとりする」、「暇をつぶす」など様々な意味で使う)が日本語としては殺害に関連して使用される。
主に以下に示す複数の用法で使用されており、順次解説する。
- ゲーム用語の一つ。
- ゲームタイトル。
- アニメ『トランスフォーマー2010』に登場するデストロンの1人。カセットロンの記事を参照。
- イギリスのロックバンド・モーターヘッドのアルバムタイトル、及びその収録曲。
- 上記に由来するバンド名。
ゲーム用語
相手に必要以上の攻撃を行うこと、相手の残り体力を大幅に越える不要なまでに強力な一撃を与える行為を指す。
既に倒した相手に更に攻撃を加える行為は「死体撃ち」とも呼ばれ、区別される。
対戦格闘ゲームやTCGなどの相手がいるゲームで、わざわざ行うのは基本的にマナー違反とされる(ゲージを貯める事が出来る、相手の反撃行動を封殺するためにトドメを刺せるモンスターの召喚以降もカードのプレイを続けるなど、その行為にメリットがある場合やリスクヘッジのため場合は例外とされる事もある)。
ただし、挑発や馬鹿にする意図は無い、狙ってやったわけではない、といった場合も多々あるので無闇な糾弾も御法度。
……などと言っていたら、何とMTGで『千年暦』というカードが登場することになった。設置したカウンターが一定数に達した時に生贄に捧げることでダメージを与えるタイプのこのカード、威力は何とMTGの初期ライフが基本20に対し、1000ダメージを与える。オーバーキルも、ここまでくると……と言うレベル。単純計算でプレイヤー50人相当のライフを一気に削り取る効果を持っているのだ。
ゲーム(特に対戦格闘ゲーム)によっては、勝利ポーズで倒れた相手を踏みにじるなどの攻撃を加えるものもあるため、挑発などの意図がなくとも行ってしまう場合がある。また、特殊な条件を満たした時のみ強制的にラウンドを奪う即死技に留まらず、勝利が確定した状態で追撃を行い、対戦相手を斬首・胴体切断・焼死などの惨たらしい形で惨殺する「フェイタリティ」と呼ばれるシステムを採用した作品もある。こうしたオーバーキル演出が1周回って(何かの間違いで)大ウケ」してしまい、荒唐無稽さを好む愛好者の間では名作(迷作?)として人気を獲得してしまった……ということも実際にあるのだから世の中わからないものである。
一方で救済措置として使われている場合もある。
エースコンバットシリーズでは攻撃から命中までにタイムラグのある装備が多くを占め、装備によって攻撃可能な距離に差がある、同じ距離でも速度の違いから命中までの時間が異なる、一方で発射後即命中の装備もある、といった事から対戦では先に攻撃した側より後から攻撃した側の方が先に命中・撃破し、横取りされる事が多々あった。
『エースコンバットインフィニティ』では発射済みであれば命中前に撃破されたとしてもポイントが入るオーバーキルボーナスが採用されている。
『ファイナルファンタジー10』、『まどマギポータブル』などのゲームでは「オーバーキル」がシステムとして搭載されていて、規定以上のダメージを与える(HP500の相手に残HPを500以上上回るダメージ=1000ダメージor残り100まで削って600ダメージ与える)、或いはトドメを刺した時のダメージ数値が一定以上(残りHP4000の相手に5000ダメージ与える)であれば経験値がより多くもらえたり、HPが回復するなどのボーナスを得られる。
『モンスターハンター』や『ゴッドイーター』のようにシステムとしては搭載されていないが、倒した相手が当たり判定と共に残り続ける事から補給手段として使えるものもある。(モンスターハンターでは代わりに斬れ味を失ってしまうので回復できるとはいえ攻撃による補給不要な武器では死体蹴りは意味がない)
『侍道4』では倒れた相手に攻撃を加えることで侍度が減少するというデメリットがあるが、それを行うことで得られる称号があるため、一概にデメリットとは言えない。
体力がなくなってダウンした場合に「根性ゲージ」を消費して再び起き上がると同時に体力が回復するシステムがあり、
相手の体力が少なくなった状態で「根性必殺技」(根性ゲージ全消費の超必殺技)等、威力の高い攻撃を当て、オーバーキルすることで、根性での起き上がりを阻止する。
2回目、3回目のダウンになると、オーバーキルの上限が下がっていく。
「・・・・すごい漢だ。」ネタで一部に人気なSNKの「ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝」では、弱っている相手にオーバーキル的な大ダメージを与えて勝利すると残りラウンド数を問わず対戦終了となる「アルティメットK.O.」」というルールにより、オーバーキル行為に戦略上の意味をもたせる試みがされた(以後の作品に採用が無い辺り不評だったのだろうか)。
この他にも、死亡必至の無理難題が押し付けられる、難易度が高すぎる、敵の攻撃力が高すぎる、などの場合を指すこともある。
この場合はゲーム製作者側からのオーバーキルである。
また上記の用法から転じて、野球などで大量得点差で勝ってるチームが、試合終盤でさらに追撃となる得点を重ねる事を、オーバーキルと呼ぶこともある。
関連
ゲームタイトル
T&Tソロアドヴェンチャー「オーバーキル城」(原題 "overkill")。
カザンの南に位置する城塞を舞台とするシナリオ。和訳版では「ガルの地下水道」が同梱されている。
アルバムタイトル・曲名
1979年に発表されたイギリスのロックバンド・モーターヘッドのサードアルバム、及びその1曲目を飾るタイトルチューン。
レミー・キルミスター、エディ・クラーク、フィル・テイラーという、バンド史上最高と称されるラインナップにより制作。UKチャート24位、シルバーディスクを獲得している。
バンド名
上記に肖り、アメリカのニュージャージー州で1982年に結成され、現在はニューヨーク州ブロンクスを拠点とするスラッシュメタルバンド。
メタリカやスレイヤー等に比べると地味目の存在ではあるが、30年超の歴史において長期の活動休止や解散も無く、2014年時点で17作のフルアルバムをリリースしている。
pixivにおいて
過剰な戦力を保有していたり、ライフが0の相手に更に攻撃を加えていたりなど、そういった作品にこのタグが付けられることが多い。
関連イラスト
関連タグ
村八分:被害者を殺害或いは自殺に追い込んだ場合に該当。後者は逆に加害者側が被害者側からの復讐目的でオーバーキル(ジェノサイド)された事件もある。
オーバーキル・ゼロ・ドラゴン:デュエル・マスターズに登場するクリーチャー。名前にオーバーキルがある上に、その能力も、元々パワーが高いドラゴンに「パワーアタッカー+5000」を付与するということもあって、まさに名前通り「オーバーキル」である。
ハコテン:麻雀におけるオーバーキルに相当する言葉。ルールにもよるがハコテン(持ち点が0以下)になったプレイヤーが出た時点で対局終了になる。
メタルギア・エクセルサス:MGRに登場する兵器、前身として月光という種類の無人兵器が存在し、ロケランもない様なゲリラ相手でもオーバーキル気味な性能を誇るのだが、一方で数mという体躯や重量のせいで民家に逃げ込まれると侵入できず、しても床を踏み抜きなす術がなくなるという欠点を持っていた。かと言ってダウンサイジングすると今でさえサイボーグに押され気味なので今度はコチラが力不足になってしまう。「なのでサイボーグでもどうしようもないくらいデカくして、ゲリラも民家も纏めて踏み潰しちまおう!こんなデカブツが迫ってくりゃ民間人は逃げるから問題なし!それに米軍戦闘機が民家に誤爆しても誰も騒がなかったんだから、最悪現地民ごと踏み潰したって誰も文句言わないさ!」という究極にイかれた発想で生み出されたオーバーキルの権化