概要
デストロン(ディセプティコン)に所属し、マイクロカセットテープに変形するトランスフォーマー達の総称や部隊名。海外版での名称は「ミニカセッツ」であり、アニメでも特に呼称は存在しない。「カセットロン」とは国内展開におけるカタログ上の呼称で、後にアニメ吹き替え版でも呼ばれるようになった。
主に有名なのは、初代アニメから登場するコンドル、ジャガー、フレンジー、ランブルの4体である。
なお、サウンドウェーブはカセットロンではないが、資料や玩具カタログでは便宜上カセットロンに含まれている場合もある。上の4体は、サウンドウェーブと同様に『ミクロマン・ミクロチェンジシリーズ』の流用品であった。
メンバー
コンドル、ジャガー、フレンジー、ラットバットは個別に記事があるため軽く触れる程度にとどめる。さらなる詳細は太字のリンク先を参照。
コンドル
海外名はレーザービーク。
その名の通りコンドルに変形する空中攻撃兵。小さいながら数あるカセットロンの中でも特に優秀なことで有名。
サウンドウェーブの名前が登用されたときは、ほぼ必ずコンドルがついてきており、カセットロンの代名詞とも言える。
ジャガー
英語圏での名前はラヴェッジ又はラヴィッジ。
その名の通りジャガーに変形する諜報破壊兵。諜報員としてはとても優秀で、たくさんの戦果を上げている。「でもそれだってコンドルがいれば万事OKだよね」とか突っ込んではいけない。
『ビーストウォーズ』や『バイナルテック』など後年の作品にも再登場を果たし、タイムパラドックスに関する様々な暗躍を見せる。
フレンジー&ランブル
人間とほぼ同じ大きさの人型ロボットに変形する特殊破壊兵。青いのがフレンジー、赤いのがランブル。
共通の得意技は、両腕を「ハンマーアーム」に変形させての地割れ。もちろん銃も持っている。
フレンジーは口が悪く生意気で、すぐ余計な事を言っては仲間を怒らせるトラブルメーカー。そのためか普段から外で行動しており、サウンドウェーブの中から出撃する事は少ない。
一方ランブルは、フレンジーと協力して地震を起こしたり、スカイワープと喧嘩した以外は特に目立った活躍のない子。名前が似ていて紛らわしいが、決してサイバトロン所属のランボルと間違えてはならない。
ちなみにアニメの原語版では色と名前が逆になるミスがあり、最後までそのままだったにもかかわらず玩具は「青がフレンジー、黒がランブル」のままだった。
バズソー
コンドルの同型の空中破壊兵で、英語版も同じ名前。
その名が示す通り嘴にはダイヤモンドのように硬い極小の鋸を備え、いかなる敵をも食い千切る。背部には2門の迫撃砲を装備している。
コンドルの赤い箇所が金色に置き換わった以外何ら個性のないカセットロン一の空気キャラクターであり、コンドルが手こずりそうな時に出撃する以外は全く出番がないが、設定上の記述では行儀が良く洗練された残忍かつ破壊的な性格の持ち主であり、その恐るべき任務への取り組み方は芸術家さながらとの事。プライドの高さ故に自分の計画が思い通りにいかないと不貞腐れる事もあるようだ。ちなみに各能力の数値はコンドルよりも高めである。
玩具は『ザ☆ヘッドマスターズ』においてサウンドブラスターと併せて再版された事もあって、同番組ではコンドルよりは目立つようになる。
スカウトロボ
英語名は「オートスカウト」。
初代TF第22話「二人のコンボイ」にのみ登場した偵察メカで、カセットテープから紫の三輪車両に変形。マニピュレーターを装備し、コロニウムクリスタルの調査を行ったが、クリスタルの爆発に巻き込まれ、破壊された。現時点では公式には玩具化はされていない。
『ザ・ムービー』から登場した新たなカセットロン。
コウモリに変形する燃料偵察兵で、最高時速104km/hで飛行し、翼に内蔵されたセンサーで燃料を探知する。『2010』ではコンドルに代わって偵察に用いられるようになった。
オーバーキル
白いティラノサウルスに変形する破壊工作兵。戦艦の船体ですら易々と破壊する牙と背部に搭載された追跡ミサイル発射砲が武器。暇さえあれば自身のパワーを他人に誇示する為に破壊活動を行っている。
アニメでは『2010』の第26話「原始の呼び声」というエピソードに数カット登場したのみ。児童誌『テレビマガジン』に連載された『ザ☆ヘッドマスターズ』の漫画版では、最終回のみに登場。サウンドブラスターを「あにき」と呼んだ。
スラッグフェスト
黄緑色のステゴサウルスに変形する情報伝達兵。主な武装は胴体両側に装備された太陽光線をエネルギー源とするビグロ・キャノンとチェーンソーのように鋭利な牙。
見かけ通りに愚鈍であり、情報伝達任務以上の役割を与えられる事はなく、受け取った情報を盗み聞きしてはそれを自分への陰口だと思い込み、周囲の者に見境なく襲い掛かるという設定だが、アニメ・漫画共、扱いはオーバーキルと全く同じ。
アニメ未登場
ハウルバック
デストロンの秘密警察隊「コバルトセントリー」に所属する、ジャガーと同型のカセットロン。
役職は強制執行官で、暴徒の鎮圧やレジスタンスの摘発等を行う。優美な物腰と気品を兼ね備えているが、妥協を許さない厳格な性格であり、口答えする部下を咆哮で一喝して黙らせる。敵のエネルギー兵器を防ぐと共に変調させて打ち返すフィードバッカー・シールドと腰部のマルチトラック・ミサイルを武器とする。ちなみに性別は雌である。
ガーボイル
あらゆるデストロンの個人情報に精通しているコバルトセントリーの情報統制官で、コンドルと同型のカセットロン。デストロン兵士の思惑や陰謀、裏切り行為等を監視、そして成果を見定め悪のエリートに相応しい者を抜粋するのが役割。デストロン政権下の都市や惑星では、恐怖や苦痛そして徹底した情報操作能力で被支配民らを抑圧、戦闘では発声器官からオーバーライド信号を含む指向性の大音響を浴びせかけて、敵を恐慌状態に陥れる。
尚、コバルトセントリーは『ミクロマン・ミクロチェンジシリーズ』におけるカラーバリエーションを再現したものであり、通販サイトe-HOBBYにてハウルバックとの2体セットで限定販売された。
フリップサイズ
e-HOBBYにて限定販売されたツインキャストに付属しているカセットロンで、カセットボットのリワインド&イジェクトのリカラー品。
デストロンの潜伏工作兵であり、サイバトロンの戦闘ドロイド操作要員として数万年前から彼らと行動を共にしている。
彼女自身にはスパイとしての自覚はなく、好意や友情を隠そうとしない情熱的な態度からサイバトロンのメンバーからの信頼は厚いが、やがては時限プログラムによってデストロン兵士として完全覚醒する運命にある。
グリット
『キスぷれ』に登場したカセットロンの1体で、e-HOBBYの限定商品「カセットロンセット キスぷれポジション」にカセットボットのサンドル&ロザンナとセットで発売された。
通常のカセットテープではなく、ヘッドクリーナーに変形する。ジャガーと同じ姿をしているが、彼は医者であり、外科・内科・サイバネティック技術等のあらゆる医学に精通しており、前脚には電子縫合が可能なレーザーメスを、目には遠く離れた負傷者を見つけ出すオプティックセンサーを搭載している。
その物腰は柔らかく、戦いで傷ついていく兵士達に心を痛めるデストロンらしからぬ温和な性格であり、たとえ敵であっても傷ついた相手を見過ごす事はできない。それ故にメガトロンの怒りを買い、部下にグリットの腕を切断するよう命じた事もあったが、彼の重要性を痛感している部下達の説得により、思い留まらせたという。
ちなみに腰部のミサイル状の装備は武器ではなく、15000種類の医薬品を収納した多目的医療ツールボックス。
エネミー
1980年代に海外で発売されていたAMラジオやボイスチェンジャーが出自元という異色の経歴を持つキャラクターだが、アメコミ等でも彼と思しきキャラクターがモブキャラとして登場している。その後、日本で発売されたサウンドブラスターの復刻版に同梱という形でランブル&フレンジーのリカラー品として初めて製品化され、新たなキャラクター設定と反動兵士という役職が与えられた。カラーリングは『ミクロマン』で発売されたミクロカセットロボ・ミクロスのカラーバリエーションを再現したものとなっている。
その名が示す通り、敵対心の権化とも言うべき存在であり、デストロンの同胞とも協調しようとせず、戦闘では相手にとって最もかけがえのない物や人物を狙って攻撃する事で憎悪を駆り立てようとする。
ウイングシング
元々は海外で展開されたアクションマスター版サウンドウェーブに付属する自律兵器型TFで、コウモリからサウンドウェーブの手持ち武器となるコンカッション・キャノンに変形していた。その後、前述のエネミー共々サウンドブラスターの復刻版にラットバットのリカラー品として同梱されており、テックスペックも前述のAM版の設定がベースとなっている。