概要
乗用車メーカーの協力により、正式なライセンスを取得して実車からの変形を実現させたシリーズ。そのためグリムロックやレーザーウェーブなど本来のシリーズでは自動車に変形しないキャラクターも自動車から変形するようになる。
『マイクロン伝説』や『スーパーリンク』といった年少者向けシリーズとの住み分けとしてかなり高度な変形難易度を誇る大人向け商品となっており、カーモデルさながらのリアルな造形を実現する為にダイキャスト製素材や軟質素材を採用。
車内の内装やエンジン、ボンネットやトランクの開閉、更にはステアリングの可動まで再現されている(一部を除く)。
このシリーズはアニメ第一作『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』の続編にあたる物語だが、『トランスフォーマーザ・ムービー』や『トランスフォーマー2010』には続かないパラレルワールドとなる。ただし、登場キャラクターの一体であるラヴィッジ(カセットロンのジャガー)は全ての世界を知っており、「無駄な戦いを避けるために」強引な歴史の改変を実行する勢力となっている。
関連商品
2005年にはビークルモードの車内に搭乗させる事が可能なフィギュアが付属した『バイナルテックアスタリスク』が発売。翌2006年に『トランスフォーマー キスぷれ』が展開されると同時に『バイナルテック』シリーズは商品展開を終了したが、それから2年後の2008年に限定アイテムとして数種のアイテムが仕様を変えて再版された。ただし、キャラクターカードは削除され、取扱説明書も簡素なものとなっている。
ちなみに海外では『オルタネーターズ』(Transformers Alternators)の名称で発売されており、『バイナルテック』ではダイキャスト製だった外装がオールプラ製に変更。
日本では発売されていないランブルやジャガー(ラヴィッジ)等の新規設計商品もリリースされていた。
ライセンスについて
変形ロボット玩具のモチーフとして自動車メーカーからのライセンス取得は昨今では『ダイアロボ』(アガツマ)や『超速変形ジャイロゼッター』(スクウェア・エニックス・バンダイ)等で用いられているが、2003年当時としては異例の試みであり、スバルのようにインプレッサの実車を切り刻んで実物大のスモークスクリーンを製作する程に自社製品の登用に好意的なメーカーがある一方で、欧州の自動車メーカーは自社の製品が戦争に用いられるロボット(兵器)として見なされるのを嫌った為に関心を得る事が出来なかった。
メーカーライセンスの取得やダイキャスト製のボディは2009年に発売された『オルタニティ』にも受け継がれており、こちらはサイズが1/32スケールへと縮小され、ステアリングの可動やトランクの開閉なども省かれているが、変形の次の手順が視覚的にわかるシンクロテック機構が採用されている。
余談になるが、実車モデルとしての完成度の高さから、特撮番組『ウルトラマンメビウス』の市街地セットの中には一般車両模型としてバイナルテックが使用されていたという逸話がある。
当時スタッフとして関わっていた人物の発言によると、この逸話は本当であるとのこと(引用元のツイート)。
その後も該当スタッフは新世代ヒーローズでも造形スタッフとして制作に携わっており、『ウルトラマンタイガ』ではメフィラス星人二代目が化けた自販機をこっそり登場させるなど小ネタ方面で視聴者を楽しませている。
ストーリー
トランスフォーマー達と人類が関係を築いてから20年の月日が経過した西暦2003年。
サイバトロンシティの建造、宇宙進出、地球防衛軍設立など人類とサイバトロンは強い信頼関係を結んでいた。
しかし、悪の軍団デストロンはロボット生命体のボディを錆びつかせる病原体「コズミックルスト」を利用した破壊工作を展開。多くのサイバトロン戦士たちが命を落とすこととなってしまった。
サイバトロンが補給や救援を受けられず窮地に陥れられる中、デストロンは地球への進攻を開始。たちまち地球は滅亡の危機に立たされた。
これに対し地球防衛軍は人類によるトランスフォーマーの製造計画「バイナルテック・プロジェクト」を立案。テレトラン1指揮のもと、世界中の企業の協力で完成した可変式人型マシンにサイバトロン戦士たちの人格が移植され、蘇ったのだった。
ラインナップ
- BT-01 戦術家スモークスクリーンfeat.スバル・インプレッサWRC2003(サイバトロン)
- BT-02 戦士ランボルfeat.ダッジ・バイパーSRT-10(サイバトロン)
- BT-03 射撃手ストリークfeat.スバル・インプレッサWRX(サイバトロン)
- BT-04 偵察員ハウンドfeat.ジープ・ラングラー(サイバトロン)
- BT-05 兵士デッドエンドfeat.ダッジ・バイパーコンペティションクーペ(デストロン)
- BT-06 戦士トラックスfeat.シボレー・コルベット(サイバトロン)
※黄色、青色の2種が発売。
※数量限定で赤色(Zoom-Zoom)発売。
- BT-09 補給兵スィンドルfeat.ジープ・ラングラー(デストロン)
- BT-10 副指揮官グリムロックfeat.フォード・マスタング(サイバトロン)
- BT-11 諜報破壊兵ラヴィッジfeat.シボレー・コルベット(デストロン)
- BT-12 戦略家オーバードライブfeat.ホンダ・S2000(サイバトロン)
- BT-13 軍事作戦司令官レーザーウェーブfeat.マツダ・RX-8(デストロン)
- BT-14 戦術陽動員ホイルジャックfeat.フォード・マスタング(サイバトロン)
- BT-15 軍事戦略家プロールfeat.ホンダ・インテグラ(サイバトロン)
※ビビッドブルーパールエディション(実車版)も発売。
※ワンダーフェスティバル、e-HOBBY SHOPにて限定販売。
- BT-18 諜報員リジェ feat.フォード・GT40 エレクトロ・ディスラプターモード(サイバトロン)
※e-HOBBY SHOPにて限定販売。リジェの特殊能力をイメージし、全身をクリアパーツ化。バイナルテックシリーズの一体として発売された商品だがダイキャストパーツは使用されていない。
- BT-19 射撃手ブルーストリーク feat.SUBARU IMPREZZA WRX(サイバトロン)
- BT-20 副官マイスター feat.マツダ RX8 MAZDASPEED version II(サイバトロン)
- BT-21 戦士アーシー feat.ホンダ S2000 ハードトップ(サイバトロン)
※「オルタネイターズ」ディセプティチャージの仕様変更品。
BT-22 総司令官コンボイ feat.ダッジラム SRT10(サイバトロン)
※「ブラックウィドーFEAT.ホンダS2000. エアロスタイル」が通販サイト等の発売予定表に掲載された事があったが、発売には至らなかった。